性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

【コンパクトが生む自由空間 武部建設モデル】

2018年03月01日 06時42分49秒 | Weblog


きのうは地域工務店グループ・アース21の札幌南例会。
札幌は190万人都市なので、周辺地域も広大に広がる。
今回はどっちかというと、郊外型立地の周辺での住宅を見学してきました。
とくに札幌近郊の「南幌町」では、北海道内の建築家+地域工務店の
コラボによるモデルハウス群がいま、工事まっ盛りで進行中。
その様子も見学して来ました。

で、最初に行ったのがわたしの出生地にも近い武部建設さん。
社屋近くで「モデルハウス」を建築中ということで見学。
モデルハウスのコンセプトとしては
1 庶民の価格帯であること。
〜イニシャルコストはもちろん、ランニングコストも負担にならない〜
2 そのためには高性能でコンパクトであること。
〜いくら省エネでも大きければコストが嵩む〜
3 少なくとも100年は世代を繋いで一生涯暮らせる
〜汎用性があって可変性に富んでいる〜
4 シンプルで美しい,豊かなインテリア
〜いつも新たな発見がある〜
ということでしたが、まさに無意匠の意匠という雰囲気です。
専務曰く「冷蔵庫の底ざらい素材で料理してみました」という建物ですが、
階段の踏み板に真物のナラ材が使われていて驚愕。
プランとしては2階リビングの逆転プランを採用している。
やや郊外立地とはいえ、眺望要素が高い北海道での住宅では
そのメリットをさらに高めるには、こうしたプランの方が合理的だと。
で、そのプランのカギは「上がりやすい階段」。
毎日の暮らしでその住宅を楽しく感じさせてくれるのは
階段を利用するときの建築との「応答」ではないかと思います。
階段はしっかりと足下を見ながら利用する。
その踏み板の木目の細部に至るまで、人間というのは深く「感受」する。
そういうところにこそ、コストはたっぷりと配分すべきではないか。
そのポイントに、この家ではムクのナラ材を使っている。
また蹴上げの高さも踏み面の長さも「ゆったり」設計されている。
何度か上下してみましたが、ここちよさの「体感」がカラダに残る。
こういう無意匠の意匠はなかなかに心理をくすぐってくる。

また建物の構造はツーバイフォー工法で、
構造は外周面壁で成立していて、室内側では屋根面の過重を支える
2本の円柱だけで、あとは構造とは無関係。
開放的な空間性が確保され,その内部には質感豊かな素材が使われている。
構造が外周だけで成立していることには、コンパクトな面積が与っている。
コンパクト化させることがむしろ自由な空間を生んでいる。
今度もう一回、じっくりと見学・体感してみたいと思わせる建物でした。
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