長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

『軍師官兵衛』  視聴メモ 第32回『さらば、父よ!』

2014年08月21日 22時50分30秒 | 日本史みたいな
『軍師官兵衛』第32回『さらば、父よ!』(2014年8月10日 演出・本木一博)


登場する有名人・武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)

黒田 官兵衛 孝高  …… 知力84、統率力67
 (演・岡田准一)

徳川 家康      …… 知力102、統率力65
 (演・寺尾聰)

黒田 長政      …… 知力77、統率力63
 (演・松坂桃李)

浅井 茶々姫     …… 知力16、統率力21
 (演・二階堂ふみ)

荒木 道薫(どうくん)…… 知力52、統率力83
 (演・田中哲司)

母里 太兵衛 友信  …… 知力44、統率力80
 (演・速水もこみち)

後藤 又兵衛 基次  …… 知力14、統率力75
 (演・塚本高史)

石田 三成      …… 知力92、統率力60
 (演・田中圭)

井伊 直政      …… 知力69、統率力81
 (演・東幹久)

安国寺 恵瓊     …… 知力80、統率力31
 (演・山路和弘)

池田 恒興      …… 知力56、統率力68
 (演・大橋吾郎)

蜂須賀 小六 正勝  …… 知力74、統率力90
 (演・ピエール瀧)

羽柴 小一郎 秀長  …… 知力83、統率力75
 (演・嘉島典俊)

本多 忠勝      …… 知力66、統率力84
 (演・塩野谷正幸)

榊原 康政      …… 知力45、統率力78
 (演・中村育二)

織田 信雄(のぶかつ)…… 知力39、統率力65
 (演・小堺翔太)

千 宗易
 (演・伊武雅刀)

羽柴 秀吉      …… 知力95、統率力94
 (演・竹中直人)

黒田 職隆      …… 知力72、統率力55
 (演・柴田恭兵)


ざっとの感想

●なんと、秀吉政権の天下統一と戦国時代の終焉を語る上で欠かすことのできない大戦争「小牧・長久手合戦」のあれこれが、アバンタイトルでささっと処理されちゃった! いやいや、いくら官兵衛が直接タッチしていないからといっても、その扱いはないんでないかい!?
 要所要所はおさえられてはいたものの、先週や~っと初登場できた織田信長のマブダチこと池田恒興が、その討死を描写されることもなくさっさと退場! 実は人知れず、この『軍師官兵衛』で荒木村重の没落をまねいた救いようのないダメ人間として描かれていた中川清秀も、先週の賤ヶ岳合戦で討死していましたっけ。なんというさくさく進行! 血も涙もありません。
 ドラマでは奇襲戦に大成功した家康の恐ろしさだけが強調されていましたが、よく考えてみれば、この野戦で池田恒興や森長可といった、秀吉以上に信長に縁の深い武将が討死したわけで、のちのちの秀吉政権の樹立にとっては「あまりいてほしくなかった」人物が都合よく消えてくれたということは、案外、秀吉も「まぁ結果オーライかな。」と、家康も真っ青のブラックな笑みを浮かべていたのかも知れません。戦争に負けても運のいい人間・秀吉!!

 とは言っても、長久手合戦に巻き込まれた武将たちの中には、貴重な秀吉一族のルーキーだった羽柴秀次もがっつり入っていたわけで、最初っから長久手派遣軍を捨て駒にしようと考えていたわけでもなかったのでしょうが、よくよく考えてみれば、あの恐怖の徳川四天王・榊原康政の猛攻を受けておきながら生還できた秀次も、叔父さんに負けず劣らずたいがい強運ですよね。
 そうそう、さすがに『軍師官兵衛』に秀次が登場しないということはないと思うんですけれども、なんでここで秀次が初登場しないわけ!? ある意味、「逆 MVP」っていう感じでいちばんおいしいエピソードだったと思うんだけどなぁ。誰が演じるんだろ、秀次?

●戦略家としての秀吉の実力が十二分に発揮された「織田信雄と家康の分断交渉」がまるまるカット! う~、気持ちはわかるが、ヒジョ~にもったいない!! 信雄は死んだわけじゃないんだけど、先週にあるはずだった織田信孝の無念の切腹もまったく描写されなかったし……『軍師官兵衛』は信長のご遺族にむちゃくちゃ厳しすぎ! まぁ、そりゃ秀吉政権の重臣ですからね。当然ですけど。
 にしても、たった一言のセリフで俳優の才能がまるでないことがわかった小堺翔太さん、お疲れさまでした。たぶんもう再登場はない……よね?

●秀吉ふけたな~! ア~ンド、三成ヒゲにあわねぇなぁ~!! ちょっと三成くん、ファッションセンスが全身ホワイトすぎでのっけから不吉なんですけど!? なに君、これから切腹でもすんの? それは16年後まで待っててって! まぁ、切腹じゃなくて処刑だけどね。
 大丈夫か、秀吉政権? まだ大坂城が完成したばっかりよ!?

●史実の秀吉がそうしたように、小牧・長久手合戦時に織田・徳川陣営についた紀伊国と四国の征伐を第一に進言する官兵衛。しかし、それに対して秀吉は、側近の三成が進言した徳川攻めを優先すると告げ、にべもなく官兵衛プランを却下するのですが……
 やっぱ三成はアホだ。そこで徳川を攻めたら、また紀伊の雑賀・根来衆と四国の長宗我部軍が元気になって大坂に攻めてくるパターンの繰り返しじゃないかよう! せっかく徳川と停戦したんだから、まずは大坂の安全圏の確保が第一じゃないの!? 『信長の野望』をプレイする小学生だってそんなバカなギャンブルやらないよ!!
 なんかねー、いろいろと三成は関ヶ原合戦を予兆させすぎ! 早いって。もっと落ち着いて内政がんばってから暴走して!!

●私の美的センスがおかしいだけなのでしょうが……茶々姫に魅力がさほど感じられないっ! なんか、血筋や政治上の理由で彼女を側室にしなければならない秀吉がかわいそうに見えて仕方がない。う~ん、これまでの歴史ドラマでは観られることのなかった新解釈だ……イヤなのは茶々姫だけではなかったのか!

●繰り返しになりますが、秀吉政権、のっけから内部がギクシャクしすぎだって! あの『秀吉』と同じ竹中秀吉が中核だとは思えない不穏さ……官兵衛に本心を打ち明けない秀吉とか、プレゼントを払いのける茶々姫とか、エブリデイ死に装束の三成とか!! どこらへんが「太陽の子」なの!?
 なんか、かなり久しぶりに「不気味な怪優・竹中直人」を観たような気がします。爬虫類みたいにまばたきしない演技が怖いんだよなぁ、このおじさん。ともかく、かつて描かれることのなかった「怖い秀吉」を演じることに、竹中さんが並々ならぬ意欲を燃やしているのはよくわかりました。よくわかったけど、やっぱりスタートが早すぎるよう!!

●不気味な笑みを浮かべながら音もなく近づいてくる荒木村重も怖いんですが、「ずしゃーり、ずしゃーり……」と聞こえよがしに片足を引きずる音を立てながら暗い廊下を歩く官兵衛もむちゃくちゃ怖いですよね。村重も内心、「おっ、ちょっ、官兵衛かよ……ビックリさせんなよ、もう!」ってビビッてたりして。オーイ小姓くん、大坂城のライティング、もっと明るくしてちょうだい!
 あっ、このシーンの終盤から、またちょっとだけ、明智光秀の坂本城のときに流れた不安さをあおる不気味な BGMが流れたぞ! この曲、好きなんですよねぇ、大河ドラマらしくなくて。

●三成の徳川攻め案と官兵衛の四国攻め案とを戦わせた結果、けっこうあっさりと官兵衛案に考えを修正する秀吉。怒りと感服で涙目になってはいましたが、ちゃんと自分に辣言をぶつける官兵衛の意見を呑んだのだから大したものです。
 それにしても、なんなんだよ、この出来レース……という表情を浮かべる三成「」。

○蜂須賀の糸姫を演じる高畑充希さんの演技が、他のどの俳優さんよりも頭ひとつぬきんでて自由なのが、ものすご~くいいですね! そうそう、こういうフレッシュな清涼剤がないとキツいですわ、なんだか今年の秀吉政権は。窮屈で陰気なんだよなぁ、みんな。

●いくら親父のことを悪く言われたからといっても、長政、キレんの早すぎだろ! でも、のちのちの長政の史実上のエピソードをいくつか思い出してみれば、案外ものすごく忠実な長政像なんだったりして……
 にしても、『軍師官兵衛』の「軍師」もそうなんですけど、「百姓」とか、戦国時代当時にはそういうニュアンスでは使われていなかった単語をセリフで使いすぎなんじゃないだろうか。江戸時代以降じゃないんですからね。いや、タイトルからして大嘘なんだから仕方ありませんけど。官兵衛も天界で「ふ~ん、軍師だったんだ、わし。」って驚いてますよ。

●えー!! 長宗我部元親、俳優ノンクレジット&セリフなし&土下座カットのみの超冷遇!? NHK は四国地方からの受信料収入がゼロになってもかまわないとでも思っているのか!?
 でも確かに、長宗我部ほど、他の戦国大名と「からみづらい」大名もいないですよね。扱えばまるごと取りあげなければその強さがわからないし、扱おうとしなければナレーション処理だけでもいいような気がしてくるし……充分に大大名なのにねぇ~。不憫だねぇ~!
 今回もナレーションの秀吉びいきがひどかった! 「わずかふた月あまりで戦いは終わった。」って、この時期の秀吉軍を相手に2ヶ月以上も戦えたんだぞ! なぁにが「わずか」だバカヤロー!!

●関白叙任の儀って、立て烏帽子に直衣(のうし)なんていうラフなかっこうで受けていいものなの? いくら戦国時代だからって言っても、さすがにそこはフォーマルに衣冠束帯(いかんそくたい)でいかなきゃいけないんじゃないの?
 そんなの、一流企業の社長就任式にポロシャツ着てきちゃった、みたいなもんだろ……もしかしたら、いいとこはいいかもしんないけど、あたしゃ許さないよ!!(浅香光代ふうに)

●『軍師官兵衛』って、なんで徳川四天王筆頭の酒井忠次だけ出てこないんですかね? 忠次が隠居するのはもうちょっと後のこと(1588年)なんですけど、やっぱり起用するなら大物俳優にしなきゃいけないからめんどくさいのかな?
 にしても、あっさりと官兵衛のことを忘れてしまっていた家康って……「中国大返しも、全てその男が絵図を描いたと。」という榊原の助け舟を聞いても、いちおう思わせぶりな表情を浮かべながら、実は最後まで思い出せないまんまだったりして。おじいちゃーん、しっかりして!!

●以上、「高齢者の熱中症には気をつけましょう。」という NHKからのお知らせでした。

 オーイ、黒田職隆、あまりにもこの世を去るのがさっぱりしすぎ!! OL が昼休みに食べるはるさめヌードルか!? それで結局おなかがすいて夜にがっつり食べちゃうんだからせんかたねえ!!
 ともあれ恭兵さん、これまで半年間、たいへんお疲れさまでございました。とってもすばらしい存在感でした!


結論、「第33回がとてもたのしみです。」

 ついに黒田職隆が悠々と退場し、第1回からドラマに登場している主要武将は官兵衛と秀吉だけになってきました! あ、あと叔父さんの休夢。
 出るだけで安心感の生まれる恭兵さんが去ったのはたいへんに残念なのですが、その代わりのように明るい雰囲気のある高畑さんが輝いてきたのはいいですねぇ。がんばってほしいな!
 だって、発足したばかりの秀吉政権がなんだかものすっごくぎすぎすしてるから……竹中秀吉の狂気が観られるのはうれしいんですが、なんだか先が思いやられるよ! ピエールさんもそろそろ退場しちゃうだろうし。あれだよね、たぶん、秀吉のお母さんが『軍師官兵衛』に出てきてないからいけないと思うんですよ。市原悦子カモーン☆

 ぜんぜん関係ないんですが、最近になってやっと『アナと雪の女王』を DVDで観る機会ができまして、城郭ファンのわたくしとしましてはやっぱり、唄いながらたったの38秒で、峻険な雪山の山腹に本丸天守閣を築城したエルサ女王のシーンにうなってしまいますね。風雲エルサ城!! 生きた雪だるまとか雪の巨人なんかどうでもいいから、そこは尾根づたいに二ノ丸・三ノ丸・枡形虎口大手門などをかまえてほしかった。

 日本で雪山に縁のある武将といえば、これはもう佐々成政できまりなわけですが、そういえば2002年の大河ドラマ『利家とまつ』で成政を演じたのは、日本でも指折りのミュージカル俳優として有名な山口祐一郎さんでしたよ。

 せっかく『アナ雪』が大はやりしてるんですから、今回の小牧・長久手合戦にからめて成政の「さらさら越え」もちゃんと映像化して、山口さんが甲冑姿で『 Let It Go 』を熱唱すればよかったのにねぇ。ダメ? いろいろとダメ?
 まぁ、「すこ~しも 寒くないわ♪」って唄ったあと、成政はほんとに少しも寒くない九州の肥後国に転封になったあげくに切腹しちゃうんですけどね……レリゴー!!
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