長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

いや、ふつうそうするでしょ!

2014年03月31日 23時22分42秒 | すきなひとたち
SKE キャプテンは不出馬表明「総選挙以外に頑張りたい」
 (スポーツニッポン・スポニチアネックス 2014年3月31日付け記事より)

 「第6回 AKB48選抜総選挙」(6月7日開催予定 東京・味の素スタジアム)の立候補受付が始まった今日31日、SKE48 の中西優香(25歳)が交流サイト「Google+」を更新し、早々と総選挙不出馬を表明した。

 受付初日、各グループのメンバーが続々と名乗りを上げる中、SKE48 チームSリーダーであり、SKE48 全体の初代キャプテンでもある中西が立候補しないことを発表した。
「私は今回の総選挙に立候補しないことに決めました。」
 第4回では第63位、第5回では第64位とランクイン。「皆さんから最高の最高の宝物をもらいました。人生の中でも、とても衝撃的で、とても幸せな出来事。今でも、その時のことを思い出すと、胸がギュウってなるくらい。」と振り返るが「私はそれに対して何か返せているだろうか、とずっと考えていたんです。皆さんからもらってばかりな気がして……今年、胸を張って皆さんに何か返せたぞ! と言えない自分のまま立候補するのはやめようと思いました。」と、不出馬の理由をつづった。

 「総選挙以外に頑張りたい、と思うものもあります。今年はそれにしっかり集中して皆さんに成長した自分を見せたいです。皆さんが誇らしくなるような中西になれるよう精いっぱい努力しますので、どうかこれからも見守っていて下さい。」と呼びかけた。



 う~ん、やっと! やっと、こういうまっとうな判断ができる方が出てきましたか。
 結局、よそのグループ( AKB48)のステイタスを高めることにしかなんないもんねぇ、こんなんに立候補したって。そんでもって、わざわざ出向いといて結果が60位台だなんて、やってらんねーって!! 自分のグループの活動に専念してたほうがマシだって、こんなもん!

 ここにきて、彼女たちの中にも、こういうかたちで自分たちの所属するグループの独立心を自覚するリーダーが出てきたってことなのよねぇ。プロフェッショナルとしては実に当たり前の判断ですよ。ケツまくって逃げたっていいじゃねぇか、こんな出来レース!! ってなもんよ。
 だって、去年の総選挙も HKT48にいかほどのプラスをもたらしたんでしょうか。話題性なんかほとんど全部、よそにもってかれてなかった? なんか他人事のニュースみたいな距離感がなかった?


 しかし……いささか、気づくのが遅すぎた感はありますよね。25歳か……世間じゃ十二分に若いわけなんですが、25歳。もっと「辞退する理由がぜんぜんわかんない!!」って方が不出馬を選んだら変革のかおりがあったのに、とも思ってしまうんですが。


大廈の将に崩れんとする時、一木いかでかこれを扶えん


 みんな逃げろー!! たーおーれーるーぞー☆
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こっちもやらな!  ドラマ『シャーロック・ホームズの冒険』シリーズの冒険 《恒例の資料編》

2014年03月30日 23時42分35秒 | ミステリーまわり
ドラマシリーズ『シャーロック・ホームズの冒険』(原題 The Adventures of Sherlock Holmes )とはァアア!!

 『シャーロック・ホームズの冒険』(原題 The Adventures of Sherlock Holmes )は、1984~94年にイギリスのグラナダTV が制作したテレビドラマシリーズである。全41回。日本では、NHK 総合において日本語吹替版が1985~95年に初回放映、その後何度も再放送がなされている。

 コナン=ドイルによる原作に忠実であることを意識して作られており、物語の背景となる19世紀ヴィクトリア朝の、古き良き高雅なロンドンを再現。その時代考証には特筆すべきものがある。また、鹿撃ち帽にインバネスコートといったホームズおなじみの姿は本作ではほとんど姿を見せないなど、当時の風俗考証も徹底している。
 また、相棒にしてホームズの伝記作家でもあるワトスン医師の描かれ方も特徴的であり、それまでの映像作品ではどちらかと言えば騒がしく愚鈍な人物として描かれてきた彼を、信頼できる真の英国紳士として復活させた。
 ただしシリーズ後半では、原作に映像化が困難な設定があるもの、原作の評価自体が低いものを鑑賞に堪える内容にするため、様々なアレンジが加えられるエピソードも多く、中には非難の声の大きいものもある。

 2012年に発売された12枚組 Blu-Rayボックスでは、スタンダードサイズ撮影フィルムからの HDテレシネにより高解像度化が実現し、2013年10月からは、同マスターを使用した「ハイビジョンリマスター版」が NHK BSプレミアムで放送されている。


主要登場人物
シャーロック=ホームズ …… ジェレミー=ブレット(露口茂/諸角憲一)
 世界で最も有名な探偵。常に知的刺激を求めることを最優先とし、世間的には変人と観られることが多い。風変わりな事件の捜査には寝食を惜しんで当たるが、退屈をもてあますと自暴自棄になって荒れ、コカインに手を出す悪癖も持つ。本質は騎士道精神に満ち溢れた礼儀正しい紳士で、友情にも非常に篤い。相棒のワトスンに全幅の信頼を置いている。趣味はバイオリンの鑑賞と演奏。
 「在り得ない事を全て除いて残った可能性こそが、如何に信じられないことであろうと真実である。」という信条を持つ。多種多様な犯罪捜査に関する知識を持ち、当時の警察よりも先んじて指紋捜査等の重要性に気付いている辺りに、先見性がうかがわれる。女性に対する視線は辛辣そのものだが、才気や行動力を見せる女性に対してはその限りではなく、大家のハドスン夫人には慈愛を持って接している。
 演じるジェレミー=ブレットは、舞台を中心に活躍していた名優であり、エキセントリックかつ紳士という複雑なホームズ像を見事に表現。「最高のホームズ役者」として今なお知られている。世界的に著名なホームズを演じる重圧、妻の死去による双極性障害(いわゆる躁鬱病)の悪化などから、幾度も降板の意志を示していたが、要望に応え続投した。シリーズ後半では、幼少時から弱かった心臓を喫煙や双極性障害の治療薬の副作用などで悪化させ、更には心臓病の薬の副作用で急激に太ってしまうなど体調の芳しくない中、撮影途中に倒れてしまう事態に陥る。第6シリーズの終了後、心臓麻痺で死去(享年61歳)。原作全てのブレットによる映像化という本シリーズファンの夢は潰えてしまった。
 NHK 放送版での日本語吹替は、俳優の露口茂が担当した。後に発売された DVD完全版では、露口が引退状態であるためか、NHK 放送版でカットされた部分は諸角憲一が担当した。ただし、露口とさほど声質は似ていない。

 ちなみに、原作小説でのホームズの年齢設定は「1854年生まれ(推定される最有力説)」の「23~49歳(私立探偵を開業していた時期)」で、没年は明らかではないが、少なくとも1926年の「72歳」までは生存している。ホームズを演じた期間のブレットの年齢は、「50~60歳」だった。

ジョン=H=ワトスン
第1・2シリーズ …… デイヴィッド=バーク(長門裕之/金尾哲夫/立木文彦)
第3シリーズ以降 …… エドワード=ハードウィック(福田豊土/園江治)
 ホームズの同居人かつ唯一無二の親友であり、物語の語り手でもある医師。インド戦線での軍医経験があるが負傷して帰国し、友人を介してホームズと知り合う。奔放なホームズに悩まされることも多いが、常に友情と尊敬の念で彼を見守る。ホームズ曰く「最高の相棒」である。
 なおドラマ版のワトスンは、原作小説よりも観察力や推理力が鋭くなっている描写が多い。
 原作では、結婚後に医院を開業してホームズとの同居生活に終止符を打つが、ドラマ版では結婚をにおわせる描写がないまま開業している。
 シリーズ初期では血気盛んな若き元軍医をデイヴィッド=バークが好演したが、原作でも『最後の事件』から『空き家の怪事件』まで約3年の空白があることから、俳優交代はスムーズに行われた。2代目ワトスンのエドワード=ハードウィックは穏やかな初老のワトスンを見事に演じ、作品のムードに落ち着きを与えている。
 DVD 完全版では、長門、福田ともに逝去していることなどから、追加吹替は代役が行った。

ハドスン夫人 …… ロザリー=ウィリアムズ(竹口安芸子)
 ホームズが下宿するベーカー街221B の家主。奔放な下宿人に相当手を焼いている。とは言え、ホームズの金払いの良さ、また彼が尊敬できる人物であることから、母のような立場から彼を見守っている。事件解決のためホームズが仮病を使った時、朝まで帰ってこなかった時などは心底心配している様子が見られ、ドラマ版での両者の人間関係の暖かさを象徴している。

レストレイド警部 …… コリン=ジェボンズ(川辺久造)
 ロンドン警視庁(スコットランド・ヤード)の警部。ある時はホームズに敵愾心を燃やして対抗し、またある時はホームズの才能を見せつけられて驚嘆する。尊大なところはあるが、自分の手に余る難事件の相談をもちかけにベーカー街の2人を訪ねることもある。ホームズが名声に興味を示さない気質のために、事件解決の手柄を譲り受けている。

マイクロフト=ホームズ …… チャールズ=グレイ(松村達雄、久米明)
 シャーロック=ホームズの兄。「ディオゲネス・クラブ」というロンドン一風変わりなクラブの創設者。シャーロックよりも頭脳は明晰であるが、行動力がないために探偵には向かないと兄弟は自分達を評している。その頭脳を買われて、イギリス帝国政府の情報分析や政策決定に深く関わっているとされる。
 ドラマ版では、制作上の事情から登場作数が原作よりも増えた。演じるチャールズ=グレイの明朗なキャラクターもあってか、行動的な好々爺として描かれている。

ジェイムズ=モリアーティ教授 …… エリック=ポーター(南原宏治)
 ホームズ最大の敵。天才数学者という表の顔を持ちながらも、ヨーロッパ全域の重大犯罪を影で操る怪人物。ホームズの度重なる妨害に業を煮やし、彼の抹殺に乗り出す。ドラマ版では、原作での登場作となる『最後の事件』以前に放映された『赤髪連盟』で初登場する。わずか2話のみの活躍ながら、エリックの重厚な演技により「ホームズの仇敵」に恐ろしいまでの現実感が与えられた。


各話一覧
 イギリス本国ではシリーズタイトルがシーズンごとに変化していたが、日本では一貫して『シャーロック・ホームズの冒険』だった。

第1シリーズ『シャーロック・ホームズの冒険』(第1~7話)
第1話 1984年4月24日(日本初放送1985年4月13日) 『ボヘミアの醜聞』(1891年)
第2話 1984年5月1日(日本初放送1985年4月20日) 『踊る人形』(1903年)
第3話 1984年5月8日(日本初放送1985年5月4日) 『海軍条約事件』(1893年)
第4話 1984年5月15日(日本初放送1985年5月11日) 『美しき自転車乗り』(1903年)
第5話 1984年5月22日(日本初放送1985年5月25日) 『まがった男』(1893年)
第6話 1984年5月29日(日本初放送1985年6月8日) 『まだらの紐』(1892年)
 ※原作において設定に無理のあるシーンも、スタッフの創意工夫によって可能な限り忠実に映像化された。
第7話 1984年6月5日(日本初放送1985年6月15日) 『青いガーネット』(1892年)

第2シリーズ『シャーロック・ホームズの冒険 第2シーズン』(第8~13話)
第8話 1985年8月25日(日本初放送1985年6月29日) 『ぶなの木屋敷の怪』(1892年)
第9話 1985年9月1日(日本初放送1985年7月6日) 『ギリシャ語通訳』(1893年)
 ※ホームズの兄マイクロフトが初登場する。
第10話 1985年9月8日(日本初放送1985年7月13日) 『ノーウッドの建築業者』(1903年)
 ※レストレイド警部が初登場する。
第11話 1985年9月15日(日本初放送1985年7月20日) 『入院患者』(1893年)
第12話 1985年9月22日(日本初放送1985年9月14日) 『赤髪連盟』(1891年)
 ※ドラマ版では次回への伏線としてモリアーティ教授が登場する。
第13話 1985年9月29日(日本初放送1985年9月21日) 『最後の事件』(1893年)

第3シリーズ『シャーロック・ホームズの帰還』(第14~20話)
第14話 1986年7月9日(日本初放送1988年1月9日) 『空き家の怪事件』(1903年)
 ※ホームズの帰還を描く。2代目ワトスンことエドワード=ハードウィックの初登場となる。
第15話 1986年7月16日(日本初放送1988年1月16日) 『プライオリ・スクール』(1904年)
第16話 1986年7月23日(日本初放送1988年1月23日) 『第二のしみ』(1904年)
第17話 1986年7月30日(日本初放送1988年1月30日) 『マスグレーブ家の儀式書』(1893年)
 ※原作はホームズの個人活動時代の回想譚だが、本作ではワトスンとの活動時代の事件に変更されている。
第18話 1986年8月6日(日本初放送1988年2月6日) 『修道院屋敷』(1904年)
第19話 1986年8月13日(日本初放送1988年2月20日) 『もうひとつの顔(唇のねじれた男)』(1891年)
第20話 1986年8月20日(日本初放送1988年2月27日) 『六つのナポレオン像』(1904年)

第4シリーズ『シャーロック・ホームズの帰還 第2シーズン』(第21~26話)
第21話 1987年12月29日(日本初放送1988年3月5・12日) 『四人の署名』(1890年)
 ※2時間スペシャルで、日本では前後編として放送された。
第22話 1988年4月6日(日本初放送1989年1月21日) 『悪魔の足』(1910年)
第23話 1988年4月13日(日本初放送1989年1月14日) 『銀星号事件』(1892年)
第24話 1988年4月20日(日本初放送1989年1月28日) 『ウィスタリア荘』(1908年)
第25話 1988年4月27日(日本初放送1989年2月4日) 『ブルース・パーティントン設計書』(1908年)
第26話 1988年8月31日(日本初放送1989年2月11・18日) 『バスカヴィル家の犬』(1901年)
 ※2時間スペシャルで、日本では前後編として放送された。

第5シリーズ『シャーロック・ホームズの事件簿』(第27~32話)
第27話 1991年2月21日(日本初放送1991年8月28日) 『レディ・フランシスの失踪』(1911年)
第28話 1991年2月28日(日本初放送1991年8月30日) 『ソア橋の謎』(1922年)
 ※まだ馬車が主流だった時代に、シリーズ初の自動車(1901年型メルセデス)が登場する。
第29話 1991年3月7日(日本初放送1991年8月31日) 『ショスコム荘』(1927年)
 ※当時19歳の俳優ジュード=ロウがゲスト出演している。
第30話 1991年3月14日(日本初放送1991年8月29日) 『ボスコム渓谷の惨劇』(1891年)
第31話 1991年3月21日(日本初放送1992年1月4日) 『高名の依頼人』(1924年)
第32話 1991年3月28日(日本初放送1992年1月5日) 『這う人』(1923年)

2時間スペシャルシリーズ
第33話 1992年1月2日(日本初放送1993年9月23日) 『犯人は二人(チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン)』(1904年)
 ※シリーズ唯一のホームズのキスシーンが見られる、非常に珍しい作品。
第34話 1992年1月27日(日本初放送1993年4月29日) 『サセックスの吸血鬼』(1924年)
 ※同名の短編を元にしてはいるが脚色が多く、話としては別物になっている。
第35話 1993年2月3日(日本初放送1994年1月1日) 『未婚の貴族(花嫁失踪事件)』(1892年)

第6シリーズ『シャーロック・ホームズの思い出』
第36話 1994年3月7日(日本初放送1994年7月2日) 『三破風館』
 ※原作ではホームズが黒人をののしるシーンがあるが、ドラマ版ではセリフも態度も紳士的なものに変更された。
第37話 1994年3月14日(日本初放送1994年7月16日) 『瀕死の探偵』
第38話 1994年3月21日(日本初放送1994年12月18日) 『金縁の鼻眼鏡』
 ※ハードウィックが撮影スケジュールの都合で出演できなかったため、ワトスンの役割をホームズの兄マイクロフトが担当した。
第39話 1994年3月28日(日本初放送1994年7月29日) 『赤い輪』
第40話 1994年4月4日(日本初放送1995年2月11日) 『マザランの宝石/ガリデブが三人』
 ※2作の短編を組み合わせて映像化。ブレットが心臓発作を起こし撮影直前に緊急入院したため、ホームズの活躍は兄のマイクロフトに変更された。冒頭と終盤のブレットの出演シーンは退院後の撮影である。
第41話 1994年4月11日(日本初放送1994年9月3日) 『ボール箱』
 ※ブレットが演じる最後のホームズとなった。
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『軍師官兵衛』  視聴メモ 第12回『人質松寿丸』

2014年03月28日 08時30分55秒 | 日本史みたいな
『軍師官兵衛』第12回『人質松寿丸』(2014年3月23日 演出・大原拓)


登場する武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)

小寺 官兵衛 孝高  …… 知力84、統率力67
 (演・岡田准一)

竹中 半兵衛 重治  …… 知力59、統率力91
 (演・谷原章介)

明智 光秀      …… 知力93、統率力95
 (演・春風亭小朝)

母里 太兵衛 友信  …… 知力44、統率力80
 (演・速水もこみち)

丹羽 長秀      …… 知力82、統率力73
 (演・勝野洋)

松永 弾正少弼 久秀 …… 知力86、統率力76
 大和国信貴山城主、かつての京政権の覇者(演・ミッキー=カーチス)

織田 信長      …… 知力115、統率力108
 (演・江口洋介)

吉川 元春      …… 知力58、統率力85
 (演・吉見一豊)

織田 信忠      …… 知力73、統率力69
 信長の嫡男で、織田家の現当主(演・中村倫也)

毛利 輝元      …… 知力85、統率力80
 (演・三浦孝太)

小寺 兵庫助 利高  …… 知力78、統率力63
 (演・植木祥平)

足利 義昭      …… 知力98、統率力86
 (演・吹越満)

小寺 松寿丸     …… 知力77、統率力63
 官兵衛の嫡男、後の黒田長政。今回の時点では10歳。(演・若山耀人)

小寺 政職      …… 知力44、統率力49
 (演・片岡鶴太郎)

小早川 隆景     …… 知力83、統率力77
 (演・鶴見辰吾)

羽柴 秀吉      …… 知力95、統率力94
 (演・竹中直人)

小寺 職隆      …… 知力72、統率力55
 (演・柴田恭平)


ざっとの感想

○栗山善助とお道とのあいだに第一子が誕生すると聞いて盛り上がる官兵衛家中。でも、この時期(1570年代後半)に生まれるということは、このお子さんは、官兵衛の孫・黒田忠之の重臣であの「黒田騒動」を引き起こす栗山大膳利章(としあきら 1591年生まれ)とは別人ということになる。
 女の子だったら利章の姉ということで特に問題はないのですが、男の子だったら、利章ほど有名になる前に病気か戦乱で早死にしてしまうのだろうか…… Oh, 生まれる前から死亡フラグ点灯!?

○きたきたきたきた、松永弾正エピソードぉおおおお!!
 今年はオープニング明けのドあたまから「松永様、御謀反」ときたもんだ! 大河ドラマの歴代松永史上でも、今までにないメインへのすえ方じゃないですか!?

●それにしても、絶対♡ 松永久秀主義者の私から見ても、CG 画像で再現されたあの信貴山城天守閣は、ちょっと立派にしすぎなんじゃなかろうかと……さすがに、そこまでのものを築城するテクニックはなかったんじゃない? 本丸にあんなに広い縄張りとれないでしょ、信貴山じゃ。

○ミッキーさんというキャスティングも、実にいい!! 眼の輝きが若々しすぎるんだよなぁ。そこがどうしようもなく異常で、「只者ではない」感をセリフなしでもで猛プッシュ。松永弾正は爆死する瞬間まで青春じゃなきゃダメ!

○「足利義昭さま……」と、小学生でもやらなそうな失言をおかす光秀。ベタだねぇ~。
 「ハエ将軍」とののしっておきながら、そのハエをいつまでたってもつぶせずにいる信長。これはもう軍事力とか政治力の話じゃなくて、信長自身の過去における優柔不断さを今さら後悔する、「あの時やっちまっとけばな~。」という単なるグチですよね。
 ハエはハエでもベルゼブブ!! 足利一族伝来の「ねちっこさ」をナメんなよ!!

●いかな高齢(68歳)の松永弾正といえども、自分が一度は暗殺しかけた足利義昭公を旗印に最後の挙兵はしないでしょうよ。鞆の浦なんてクソ遠いし! これはもう、明らかに北の上杉謙信の上洛にあわせた賭けだったはずです。『軍師官兵衛』はそこまでして西日本にドラマの焦点をもっていきたいのだろうか。
 力なき権威なんてぶっとばせ!! 弾正は常に力あるものを利用するのです。

●信長の「裏切りは許さん。」から人質要求のエピソードにいくのは実に自然だし、このやりとりはもう世界共通の「乱世のならい」であるわけなのですが。
 松永弾正だって人質(子か孫2人)はちゃんと信長に提出してるのよね……ちゃんと提出してるのに裏切っちゃってるのよね……
 人質がどーのこーの言おうが、裏切るヤツは裏切る!! 肝心のところで脚本の説得力がなくなってしまった……

○本人のいないところで、禁断の「10歳になっても失禁」エピソードを孫に暴露する小寺職隆。嫌な親父だなぁ。まぁ、もらしてたのはそこにいるキラトくんだったんですけどね。

○オープニングではクレジットがなかったのだが、今回は松永弾正に加えてさらに、弾正の「空気息子」こと松永久通までもが登場の大盤振る舞い! キャー!!
 松永久通って、『信長の野望』でもひたすら役に立たないわ(知力53、統率力48)久秀よりも先に死ぬわで、ホントにいてもいなくてもいいんだよなぁ! でも、その哀愁が、イイ!!

●弾正の「古天明平蜘蛛釜」はさ、も~ちょっと一発で名器とわかる造形にしてもらえんもんだったろうか。ちょっと、フツーの古臭い茶釜すぎやしないかい? いや、私も茶器のことなんてなんにもわかんないけどさ。
 もっとこう、ウソでもいいからギラギラしたオーパーツみたいなけれん味を足してさ……それじゃなきゃ「子よりも茶器を取る」弾正の狂気が浮かばれんでしょうがよ!

●信長の「松永の人質を処刑」判断に「そんな、ひどい……」みたいなショックな顔をするお濃の方の神経がまったく理解できない。アンタ、それでも戦国人か? しかも、武家の娘で棟梁の正妻なんでしょ!?
 裏切った者の人質は、そりゃそうなりますよ、どっちも真剣勝負なんだから。それがルールなんだから。
 このシーンでのお濃の方のリアクションとか、小寺家との人質交渉を過剰に心配する秀吉とか、な~んかこのドラマの脇役連は、感覚が「現代すぎる」というか、「人命を重視しすぎ」のような気がします。いや、そりゃ大事な命は今も昔も大事なんだけどさ、その大事な命を守るために「あえて踏み潰さなきゃいけない命」っていうものもあるでしょうよ。「人類みな兄弟」みたいな空論を戦国ドラマにねじこむんじゃない!!

●「小寺政職の子が人質にならないのなら、家臣の官兵衛の子でいっか。」というように織田家が考えてくれると思う? この脚本の流れは絶対におかしい。
 つまり、織田家はハナっから小寺家なんかあてにしておらず、もともと官兵衛を「交渉相手」に選んで話を進めていたのではなかろうか、と……っていうか、これも織田家じきじきというよりは、羽柴秀吉発信の単なる中国攻め戦略の一環だったのでは?
 要するに、「織田信長と小寺政職の正式外交」なんていうしかつめらしい土台そのものが妄想なんじゃなかろうか、と。実際にはもっと土くさくてざっくりしたやりとりだったんじゃないかなぁ。秀吉のヘッドハンティングみたいな。

●実際、人質が危険なのは「実家が何かやらかしたとき」だけなのであって、それよりも「文化的先進地域への留学」とか「大企業での帝王学の実地体験」とかいうメリットのほうが大きいような気がします。黒田長政だって、まぁだいたい名将に成長しましたしね。

●ほんとに官兵衛が松寿丸を連れて信長に謁見したのかどうかがまず疑問なのですが、それにしても、現当主の信忠を下座にすわらせて堂々と上座にいる信長なんて、こんな配置を公式行事でやるわけないんじゃない!? そんなの、「社長はコイツだけどいちばん偉いのはオレな。」って会長がのさばってるみたいなもんじゃないの。そりゃまあ、内実はそうだったとしても、それを表に出さないのがルールなの!!
 信忠、あなたもっとごはんを食べなさい! 貫禄なさすぎ!!


結論、「第13回がとてもたのしみです。」

 松永弾正のはっちゃけっぷりは最高だったのですが、「人質外交の悲劇性」とか「織田信長の非人間性」とかをむりやりねじこんできた脚本に大いに疑問を感じた回でした。地方と中央の政治的事情のからめかたって、難しいのねぇ。

 それにしても、「小寺家の代表」としての官兵衛とその息子といったイメージを強調したら、のちの小寺政職の挙兵に対する織田家の処断がモロに松寿丸にぶちあたってくるかと思うのですが……そこらへんはどうさばく、脚本!? 最初から官兵衛と小寺政職を別勢力みたいにとらえていたら問題はないわけなんですけどね。実際、1577年当時はほぼそういう関係だったんじゃないの?

 さぁ、家臣が異常に有能な地方領主の悲哀と意地をどう見せるか、片岡鶴太郎!! ここからが真骨頂ですなぁ。
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ある至言

2014年03月27日 23時33分41秒 | 日記
「ダメだっ!!
 これは あの人達には関係ないことだっ
 いいかっみんなっ
 じぶんの命は じぶんで守るんだっ

 われわれは じぶんで生きなきゃならないっ

 幸福を探し 愛を育み 光を求めて 生きなきゃならんのだっ

 なぜならっ なぜならっ

 なぜなら

 それが……神のご意志

 くっ……おおっ……おうっ……」

 (1988年3月)


 とにかく好きなんだよなぁ~、この言葉。いつまでたっても、この作品は私の「こころの母」ですよね。彼女にさずけられた「愛」の数々は、私の魂に永遠にきざみこまれ続けることでしょう。

 うわ~、もう「四半世紀」も前の作品になるのか。そりゃオッサンになるわな、私も。
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おめでとう、モナミ~  ドラマ『名探偵ポワロ』シリーズの堂々完結をうらやむ  《恒例の資料編》

2014年03月23日 21時10分15秒 | ミステリーまわり
ドラマシリーズ『名探偵ポワロ』(原題 Agatha Christie's Poirot )とは……

 『名探偵ポワロ』(原題 Agatha Christie's Poirot )は、1989~2013年に、イギリスのロンドン・ウィークエンド・テレビ( London Weekend Television )が主体となって制作した、ミステリー小説家アガサ=クリスティの原作による探偵エルキュール=ポワロ(日本では「ポアロ」表記も用いられるが、本作ではより原語に発音が近い「ポワロ」)を主人公とした TVドラマシリーズ。原作を重んじた丁寧な制作が放送開始当初から支持を集め、映像化されたポワロものの決定版となった。全70回。

 シリーズ初期は、短編をもとにした1時間作品が多く、短編をほぼ消化してからは長編をもとにした2時間作品に移行し、年間数本のペースで制作されていた。本シリーズは、好評であることから原作全ての映像化が期待され、ポワロを演じた俳優デイヴィッド=スーシェも前向きであった。しかし、シリーズ中期以降は制作母体が頻繁に変更されたり、開始当初からのプロデューサーが退任するなど映像化継続の苦労がうかがえ、近年では2007年に予定されていた第11シリーズの放送が2008年にずれ込み、告知のあった『オリエント急行の殺人』のドラマ化も第12シリーズまで先送りされるなどしていた。そのような経緯を経ながらも、2013年6月からの第13シリーズをもって、ついにほぼ全ての原作の映像化を達成、20年以上をかけてのシリーズ完結となった(ドラマ化に向かない超短編や、他の原作と主要な要素が重複しているもの、戯曲ものは映像化されていない)。


キャスト
 「最も原作に近いポワロ」とたびたび賞賛される主演デイヴィッド・スーシェの演技が有名である。スーシェは原作を徹底的に研究し、かつて多くの俳優に演じられてきた「名探偵エルキュール=ポワロ」の中でも決定版となる名演を見せた。
 ちなみに、原作小説でのポワロの年齢設定は、初登場した『スタイルズ荘の怪事件』の時点で「60代なかば」になっており、その後クリスティはあえてポワロの加齢を停止したかのように外見の描写を固定し、1975年発表の『カーテン』まで年齢に関する言及を避けている(まともに計算すれば、ポワロは120歳以上は生きていたことになる)。ポワロを演じたスーシェの年齢は、「42~67歳」だった。
 さらにちなみに言えば、NHK 日本語吹替版でポワロを担当している声優の熊倉一雄の年齢は、「62~87歳?」である。

 原作では部分的にしか登場しなかった助手のアーサー=ヘイスティングズ大尉(演ヒュー=フレイザー)や、スコットランドヤードのジェイムズ=ハロルド=ジャップ警部(演フィリップ=ジャクソン)、秘書のミス・レモン(演ポーリーン=モラン)をほぼレギュラーとして登場させることで、ポワロを取り巻く人間関係にドラマオリジナルのキャラクター性を加えている。彼らのユーモラスなかけあいも、ドラマシリーズの魅力であり、2004年の第9シリーズ以降は登場が途絶えていたが、最終第13シリーズにおいて再集結を果たした。また、ゲストヒロインを始めとした登場人物の年齢がおおむね原作よりも高めに設定されており、「大人のドラマ」という側面が強調されている。
 日本では、NHK が1990年から日本語版の放送を開始している。ポワロの日本語吹替には、ベテラン声優の熊倉一雄を起用し人気を博した。熊倉の声質は本来のスーシェのものとは似ていないが、その独特の語り口は、スーシェの演技同様に日本におけるポワロのイメージとして定着するに至った。スーシェ本人からも、「熊倉の声がポワロに最もよく似合う。」とお墨付きをもらっている。助手役であるヘイスティングスの吹き替えは、1997年12月日本放送分まで富山敬が担当し(1995年9月に56歳で急逝する以前の収録)、それ以降は安原義人が担当している。


時代設定
 原作の「エルキュール=ポワロもの」は、第一次世界大戦下の1910年代後半から第二次世界大戦をへて1970年代にかけて時代が進んでいくのに対し、ドラマ版は1930年代後半に作品のほとんどが固定されており、特に、第二次世界大戦前夜の不穏なヨーロッパ情勢が背景にあるエピソードも多い。
 こうしたドラマ版独自の時代設定を踏まえて、美術面などではアール・デコ風の世界観が作り出されており、独特の雰囲気を演出することに成功している。
 なお、ポワロの最初の事件として知られる『スタイルズ荘の怪事件』はドラマ版では時期は明記されていないが、ヘイスティングスが見るニュース映画として1917年の戦闘記録映像が映写されている。


放映
 今のところ、イギリス本国で新作が作られるたびに随時、日本でも放送の運びとなっているが、版権処理や日本語化作業のため、オリジナル放送からは1~3年ほど遅れる。完成した日本語版は、主に NHKの海外ドラマ枠として初放送されていたが、近年は衛星放送のみでの放映が多い。第13シリーズについては現在のところ、日本放映のアナウンスはまだない。


DVD
 1990年の放送当初から、数社が VHSソフトを発売していたが、全て英語音声日本語字幕のみの仕様で、サブタイトルも NHK版には依っていなかった。
 NHK の日本語吹替版は、2001~02年にビームエンタテインメント(現ハピネット・ピクチャーズ)より発売された DVDソフトシリーズが最初で、第47話まで発売された。しかし、NHK 総合テレビで放送された第49話までは放送時間の都合によるカットシーンが存在し、このシリーズではテレビ放映時のカットシーンは英語音声日本語字幕のみでの収録だった。その後、2005年にハピネット・ピクチャーズから、カットシーンに NHK版と同じメインキャスト(ヘイスティングスは富山敬の後任の安原義人が担当)による追加吹替シーンを収録してパッケージも一新した『完全版』シリーズが第49話まで発売された。
 2007年には、第9シリーズ第50~53話が『ニュー・シーズン DVD-BOX1』として発売された。それ以降は2008年に第10シリーズ第54~57話が『ニュー・シーズン DVD-BOX2』、2010年に第11シリーズ第58~61話が『ニュー・シーズン DVD-BOX3』、2012年には第12シリーズ第62~65話が『ニュー・シーズン DVD-BOX4』として発売されている。なお、NHK BS2で放送されるようになった第50話以降はカットシーンは存在しない。

 また、デアゴスティーニ・ジャパンから『名探偵ポワロ DVDコレクション』として隔週刊 DVDマガジン(1巻1作収録)が、2011~13年に全65巻発刊された(日本未放送の最終シリーズは収録されていない)。マガジンではあらすじ、原作との内容の相違点、作品の時代背景やクリスティの生い立ちの解説がなされ、レギュラー出演者へのインタビューとあわせた出演者やロケ地の紹介、撮影の裏話なども掲載されている。
 ただし、NHK 日本語吹替版の販売権はハピネット・ピクチャーズが所有しているため、収録されている吹替版はデアゴスティーニ版として新録されたものとなっており、NHK の日本語版とはキャストが異なる。


レギュラー登場人物(日本語吹替版の声優は NHK版/デアゴスティーニ版の順)

エルキュール=ポワロ …… デイヴィッド=スーシェ(熊倉一雄/大塚智則)
 ベルギー警察の元警官で、原作では警察署長まで務めたが、ドラマではその時期のエピソードには触れられていない(当時の回想エピソードも私立探偵時代のエピソードにあらためられている)。ベルギーの首都ブリュッセルで活躍していたが、第一次世界大戦のためにイギリスに亡命。受け入れ先の「スタイルズ荘」で発生した殺人事件を解決し、一躍有名になる。事務所兼住居であるロンドンのホワイトヘヴン・マンションを拠点に、舞い込んできた数々の事件を自らの「灰色の脳細胞」を駆使して解決していく。
 推理方法は相手の心理や行動を分析する、現在のプロファイリングに近い推理法を得意とし、証人への質問も返答の内容より相手の顔色や反応を見るという、いかにも元警官らしい手法を使うが、同時に現場の証拠やヒントを見逃すこともない。
 秩序と手段を重視し、かなり几帳面な性格。曲がったことを許さず、机の上の物を始め、少しでも秩序を乱していると感じるものを全て並べ直す癖がある。野趣をよしとするイギリス式庭園より、きちんと整備されたフランス式庭園を好む。ベンチに座る時に常に綺麗かどうか確認するなど、潔癖症の気もある。当然、潮風と船酔いが伴う船旅や埃っぽい中近東旅行は嫌っているが、いざ実際に行けば大いに楽しむ。飛行機も苦手で、窓の外を見ようとしない。ドラマ版オリジナルの設定では、切手収集を趣味としている。
 「世界一の探偵」を自称する自信家で、誰もが自分のことを知っていると思っている。だが案外知られておらず、肩を落としては何度となく引退をほのめかして、ヘイスティングスをやきもきさせていた。一度だけ本当に引退を表明して田舎に落ち着いたこともあったが、その村で発生したアクロイド氏の殺人事件に関わり、再会したジャップ警部の言葉に押される形で、再びロンドンのホワイトヘヴン・マンションに戻り探偵業に復職している。
 自慢の口ヒゲは、カモメの羽を逆さにしたようなガルウィング風で、先端のはね方はシリーズ前半と後半とで微妙に変わっており、先端が少しカールしているものから上を向いているだけのものに移り変わっている。原作では口ヒゲの形までは明確に描写されていない。
 母国ベルギーへの愛国心が強く、ベルギーが馬鹿にされると癇癪を起こす。また、自身の言葉の訛りからフランス人と誤解されることが多く、これにも機嫌を悪くする。フランス語の発音に慣れない英語圏の登場人物から姓名を間違って発音され、むっとすることもしばしばある。シリーズ初期では丁寧に訂正を求めていたこともあったが、後には苦笑しつつ指摘しないことも増えた。
 太り気味であることを周囲にからかわれているが、大食漢ではなく美食家。周囲の健康ブームの影響か、体型について小言を言われることが多いが、「私の身体は完璧だ。」と全く動じない。なお、ポワロを演じるスーシェは実際にはスマートで、ポワロを演じる際には胸や肩に大量のパットを入れている。美食のためか虫歯があるようだが、歯医者は苦手。エピソードによっては、右足を少し引きずっている動作も見られる。
 原作のポワロはかなり高慢で嫌味のある人物だが、ドラマ版ではむしろ高貴で誇り高い面が強調されており、一クセも二クセもある人物だが、それがどこかチャーミングで、人を惹きつける憎めないキャラクターとなっている。ただし、シリーズ後半になるにしたがって、その孤高さが老いの侘しさとあいまって、孤独や寂しさへと変化しつつある。
 女性に対してはきわめて紳士的で、メイドに聞き込む際に椅子を引いて座らせることまでしている。女性心理の読み取りにも長けており、反対に女性に鈍感なヘイスティングスの行動に眉をひそめることも多い。
 真相の究明を恐れた犯人や、事件の関係者から殺されかけたこともしばしばある。

アーサー=ヘイスティングス大尉 …… ヒュー=フレイザー(富山敬、安原義人/宮健一)
 ポワロの親友にしてパートナー。イギリス陸軍の退役将校(大尉)で、現役時には中尉として第一次世界大戦に従軍していた。傷痍軍人としてイギリスに帰国したときに亡命中のポワロと再会し、『スタイルズ荘の怪事件』を機にポワロの助手になった。
 元軍人ながらも優しく温厚な性格で、相手をすぐに信用してしまうお人好しでもある。特に美人の女性には弱く、何度か恋に落ちては淡い失恋に終わっている。『ゴルフ場殺人事件』で最愛の女性を見つけめでたく結婚、アルゼンチンで地主として暮らすためにポワロのもとを去るが、原作ではそのままアルゼンチンに定住して登場機会が激減するのに対し、ドラマ版では経営に失敗してイギリスに帰国する。これ以外にも友人に勧められて買った株が風評被害で下落するなど、投資に失敗するエピソードがあり、そのだまされやすい性格からか、商才は乏しいようである。結婚生活については、妻を深く愛している。
 純粋かつ正義感の強い行動派。視聴者に近い視点で事件を見ている「ワトスン役」であるが、その推理はジャップ警部と同じく短絡的な結論に陥りがち。ただし愚鈍というわけではなく、時にはポワロに重大なヒントを与えることもある。
 趣味はゴルフと車。ゴルフの練習のため海外に行くこともあった。車はスポーツカーがお気に入りで乗り回すだけでなく話が止まらず、その熱中ぶりはポワロによく呆れられている。この他、カメラに凝って浴室を暗室代わりにしていたこともある。

ジェイムズ=ハロルド=ジャップ警部 …… フィリップ=ジャクソン(坂口芳貞/弓家保則)
 ロンドン警視庁(スコットランド・ヤード)の主任警部。ポワロがベルギー警察にいた頃からの知り合い。ポワロが探偵業を始めた当初は対立することもあったが、互いの才能を認め合っており、よき協力者、よき親友として長年つきあっている。口ひげをたくわえている。
 性格は頑固。事務処理が苦手で、人員削減のあおりで報告書をタイプする羽目になったときは愚痴をこぼしていた。探偵ものに登場する典型的な警察官でポワロに先を越されることも多い。推理については理屈よりも先に身体を動かすタイプで、常に直線的に物事を考える。ポワロの周到で慎重な推理作業に不満をもらす局面もあるが、最終的には必ず難事件を解決するポワロを深く信頼している。
 捜査でのシンプルで実直な気質と同じく、私生活でも必要以外の家事は行わない大雑把な性格で、何事にも几帳面なポワロとは対照的に描かれている。自宅でポワロを夕食に招待した際は、満面の笑みで「男の料理」を振舞っていた。良く言えばタフ、悪く言えば無神経な人物で多少の事ではへこたれないが、ギャングがらみの事件でアメリカの FBIに指揮権を取り上げられた時は、かなり落ち込んでいた。
 子はいないが、エミリーという妻と27年間過ごしている。愛妻家ないしは軽い恐妻家。

ミス・レモン …… ポーリーン=モラン(翠準子/ひなたまり)
 本名はフェリシティ=レモン。ポワロの有能な秘書。原作では「完璧な機械」と称されるほど人間味がなく冷たい印象だが、ドラマ版では人間味のある女性として活躍している。
 原作ではクリスティの別の名探偵パーカー=パインの秘書として初登場し、その後にポワロシリーズに登場する。ドラマ版では第1話からすでにポワロの秘書として登場しており、それ以前の経歴については触れられていない。
 性格はポワロと同じく几帳面。決まった時間に行動し、決まった時間にポワロにハーブティーを差し出す(ポワロは紅茶が嫌い)。ポワロが取り扱った事件のデータを事細かにファイリングしているが、このファイルは彼女にしか使いこなせない。ヘイスティングスが動けないとき、女性の視点が必要なときなどはポワロと一緒に捜査をすることもある。第一次世界大戦中には死体が身近にある仕事をしていたらしく、死体は見慣れていると発言している。
 家族は母と、姉のハバード夫人が登場している。一度だけ、恋人ができたことがあった(『イタリア貴族殺害事件』)。

アリアドネ=オリヴァ夫人 …… ゾーイ=ワナメイカー(藤波京子、山本陽子/北林早苗)
 シリーズ後半の『ひらいたトランプ』より登場。以後『マギンティ夫人は死んだ』、『第三の女』、『ハロウィン・パーティ』、『象は忘れない』に登場する。『複数の時計』では本人は登場しないが、彼女の脚本による「名探偵スヴェンもの」が舞台で上演されている。シリーズ後半ではヘイスティングスに代わりポワロの助手役として活躍することが多く、ポワロの執事ジョージとともに準レギュラーとなっている。
 著名な女流推理作家で、フィンランド人探偵スヴェンのシリーズは人気があり、長く書き続けられているが、当初本人は続けるつもりはなかったため、フィンランド人、ベジタリアンなどの奇抜な設定をもてあまし、書き続けなければならないことをしばしば愚痴っている。
 「作品の参考にする。」という口実で事件に首を突っ込むが、ポワロに無意識ながらも重要なヒントを与える一方で、事件を引っかき回したり関係者に襲われたりしてポワロをやきもきさせる。


各話一覧
 イギリス本国での放送順による。なお、シリーズの時間の流れは不定で、作品の発生順は細かく前後している場合もある。

第1シリーズ(第1~10話 各52分)
第1話 1989年1月8日(日本初放送1990年1月20日) 『コックを捜せ』(1951年 短編『料理人の失踪』のドラマ化)
第2話 1989年1月15日(日本初放送1990年1月13日) 『ミューズ街の殺人』(1937年)
第3話 1989年1月22日(日本初放送1990年1月27日) 『ジョニー=ウェイバリー誘拐事件』(1928年)
第4話 1989年1月29日(日本初放送1990年2月3日) 『24羽の黒つぐみ』(1950年)
第5話 1989年2月5日(日本初放送1990年2月17日) 『4階の部屋』(1929年)
第6話 1989年2月12日(日本初放送1990年2月24日) 『砂に書かれた三角形』(1937年)
第7話 1989年2月19日(日本初放送1990年3月3日) 『海上の悲劇』(1939年)
第8話 1989年2月26日(日本初放送1990年3月10日) 『謎の盗難事件』(1937年)
第9話 1989年3月12日(日本初放送1990年3月17日) 『クラブのキング』(1951年)
第10話 1989年3月19日(日本初放送1990年7月11日) 『夢』(1939年)

第2シリーズ(第11~20話 第11・20話は各103分、第12~19話は各52分)
第11話 1990年1月7日(日本初放送1990年8月11日) 『エンドハウスの怪事件』(1932年 長編『邪悪の家』のドラマ化)
第12話 1990年1月14日(日本初放送1990年7月18日) 『ヴェールをかけた女』(1924年)
第13話 1990年1月21日(日本初放送1990年7月25日) 『消えた廃坑』(1924年)
第14話 1990年1月28日(日本初放送1990年8月1日) 『コーンウォールの毒殺事件』(1951年)
第15話 1990年2月4日(日本初放送1991年1月29日) 『ダヴェンハイム氏失踪事件』(1924年)
第16話 1990年2月11日(日本初放送1991年1月22日) 『二重の罪』(1961年)
第17話 1990年2月18日(日本初放送1991年2月5日) 『安いマンションの事件』(1924年)
第18話 1990年2月25日(日本初放送1991年2月26日) 『誘拐された総理大臣』(1924年)
第19話 1990年3月4日(日本初放送1990年6月29日) 『西洋の星盗難事件』(1924年)
第20話 1990年9月16日(日本初放送1990年11月24日) アガサ=クリスティ生誕100周年記念スペシャル『スタイルズ荘の怪事件』(1920年 長編)

第3シリーズ(第21~30話 各52分)
第21話 1991年1月6日(日本初放送1991年9月14日) 『あなたの庭はどんな庭?』(1939年)
第22話 1991年1月13日(日本初放送1991年9月15日) 『100万ドル債券盗難事件』(1924年)
第23話 1991年1月20日(日本初放送1991年9月15日) 『プリマス行き急行列車』(1951年 長編『青列車の秘密』の原型だったもの)
第24話 1991年1月27日(日本初放送1991年9月16日) 『スズメバチの巣』(1951年)
第25話 1991年2月3日(日本初放送1992年3月31日) 『マースドン荘の惨劇』(1924年)
第26話 1991年2月10日(日本初放送1992年4月1日) 『二重の手がかり』(1951年)
第27話 1991年2月17日(日本初放送1992年4月2日) 『スペイン櫃の秘密』(1960年)
第28話 1991年2月24日(日本初放送1992年4月3日) 『盗まれたロイヤル・ルビー』(1960年『クリスマス・プティングの冒険』のドラマ化)
第29話 1991年3月3日(日本初放送1992年7月29日) 『戦勝舞踏会事件』(1951年)
第30話 1991年3月10日(日本初放送1992年7月30日) 『猟人荘の怪事件』(1924年)

第4シリーズ(第31~33話 各103分)
第31話 1992年1月5日(日本初放送1992年10月2日) 『 ABC殺人事件』(1935年)
第32話 1992年1月12日(日本初放送1992年10月4日) 『雲をつかむ死』(1935年)
第33話 1992年1月19日(日本初放送1992年10月3日) 『愛国殺人』(1940年)

第5シリーズ(第34~41話 各52分)
第34話 1993年1月17日(日本初放送1993年7月3日) 『エジプト墳墓の謎』(1924年)
第35話 1993年1月24日(日本初放送1994年5月21日) 『負け犬』(1951年)
第36話 1993年1月31日(日本初放送1994年2月5日) 『黄色いアイリス』(1939年)
第37話 1993年2月7日(日本初放送1994年7月31日) 『謎の遺言書』(1924年の短編と同じタイトルだが、内容はシリーズ唯一のドラマオリジナル作品)
第38話 1993年2月14日(日本初放送1994年4月9日) 『イタリア貴族殺害事件』(1924年)
第39話 1993年2月21日(日本初放送1993年7月10日) 『チョコレートの箱』(1924年)
第40話 1993年2月28日(日本初放送1994年5月28日) 『死人の鏡』(1937年)
第41話 1993年3月7日(日本初放送1994年6月11日) 『グランド・メトロポリタンの宝石盗難事件』(1924年)

第6シリーズ(第42~45話 各103分)
第42話 1995年1月1日(日本初放送1997年12月29日) 『ポワロのクリスマス』(1938年)
第43話 1995年2月12日(日本初放送1996年12月30日) 『ヒッコリー・ロードの殺人』(1955年 あのデイヴィッド=バークがゲスト出演!!)
第44話 1996年2月11日(日本初放送1996年12月31日) 『ゴルフ場殺人事件』(1923年)
第45話 1996年3月16日(日本初放送1997年12月30日) 『もの言えぬ証人』(1937年)

第7シリーズ(第46・47話 各103分)
第46話 2000年1月2日(日本初放送2000年12月30日) 『アクロイド殺人事件』(1926年)
第47話 2000年1月19日(日本初放送2000年12月31日) 『エッジウェア卿の死』(1933年)

第8シリーズ(第48・49話 各103分)
第48話 2001年4月20日(日本初放送2002年1月1日) 『白昼の悪魔』(1941年)
第49話 2001年6月2日(日本初放送2002年1月2日) 『メソポタミア殺人事件』(1936年)

第9シリーズ(第50~53話 各103分)
第50話 2003年12月14日(日本初放送2005年8月25日) 『五匹の子豚』(1943年)
第51話 2003年12月26日(日本初放送2005年8月24日) 『杉の柩』(1940年)
第52話 2004年4月12日(日本初放送2005年8月23日) 『ナイルに死す』(1937年)
第53話 2004年4月26日(日本初放送2005年8月26日) 『ホロー荘の殺人』(1946年 ※あのエドワード=ハードウィックがゲスト出演!!)

第10シリーズ(第54~57話 各103分)
第54話 2006年1月1日(日本初放送2006年12月5日) 『青列車の秘密』(1928年)
第55話 2006年3月19日(日本初放送2006年12月13日) 『ひらいたトランプ』(1936年)
第56話 2006年3月26日(日本初放送2006年12月14日) 『葬儀を終えて』(1953年 ※あのデイヴィッド=バークの嫁アンナ=コルダーマーシャルがゲスト出演!!)
第57話 2006年4月2日(日本初放送2007年5月3日) 『満潮に乗って』(1948年)

第11シリーズ(第58~61話 各94分)
第58話 2008年9月14日(日本初放送2010年9月13日) 『マギンティ夫人は死んだ』(1952年)
第59話 2008年9月21日(日本初放送2010年9月14日) 『鳩のなかの猫』(1959年)
第60話 2008年9月28日(日本初放送2010年9月15日) 『第三の女』(1966年)
第61話 2009年12月25日(日本初放送2010年9月16日) 『死との約束』(1938年)

第12シリーズ(第62~65話 各90分)
第62話 2010年1月3日(日本初放送2012年2月6日) 『三幕の殺人』(1935年)
第63話 2010年10月27日(日本初放送2012年2月8日) 『ハロウィーン・パーティ』(1969年)
第64話 2010年12月25日(日本初放送2012年2月9日) 『オリエント急行の殺人』(1934年)
第65話 2011年12月26日(日本初放送2012年2月7日) 『複数の時計』(1963年 ※あのデイヴィッド=バークの息子トムがゲスト出演!! 家族ぐるみのおつきあい)

第13シリーズ(第66~70話)
第66話 2013年6月9日(日本未放送) 『象は忘れない』(1972年)
第67話 2013年10月23日(日本未放送) 『ビッグ4』(1927年)
第68話 2013年10月30日(日本未放送) 『死者のあやまち』(1956年)
第69話 2013年11月6日(日本未放送) 『ヘラクレスの冒険』(1947年 ※本タイトルは12本の短編を収録した短編集)
第70話 2013年11月13日(日本未放送) 『カーテン ポワロ最後の事件』(1975年 ※実際には1943年に執筆)

≪今回は資料編ということで、本文はなんと7年後の時を経るのだ……つづく≫
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