長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

私の人生のすべては、ここから始まった……たぶん  映画『霊幻道士』  ~やっぱ資料だけ~

2013年07月31日 10時56分01秒 | ホラー映画関係
映画『霊幻道士』(1985年 香港 96分)
 ※原題『殭屍先生 Mr.Vampire』

監督 リッキー=ラウ(サモ=ハン=キンポー監督作品の撮影監督だった。本作が初監督作品)
脚本 シートゥ=チャホン
製作 サモ=ハン=キンポー(33歳)
武術指導 ラム=チェンイン、ユン=ワー

配給 嘉禾電影有限公司(ゴールデン・ハーベスト)

公開 1985年11月(日本公開 1986年4月)

制作費  850万香港ドル
興行収入 2千万香港ドル

 『霊幻道士(れいげんどうし)』は、1985年公開の香港映画で、チャイニーズアクションホラーコメディ。日本での公開は1986年4月で、観客動員数20万人。
 サモ=ハン=キンポーが監督と主演を兼任した香港映画『妖術秘伝 鬼打鬼』(1980年)の系譜に連なるアクションホラー映画。
 中国古来の伝承に登場する妖怪「キョンシー」を物語の主軸に据え、特殊効果とカンフーアクションを織り交ぜたコミカルなホラー映画として「キョンシーホラー」と呼ばれるジャンルを作り上げ、後に続くキョンシーシリーズの基礎を確立した。
 香港、台湾、日本などで大ヒットを記録し、その後『幽幻道士 キョンシーズ』シリーズ(1986~92年 台湾)などの無数の亜流作品が各国で製作されることになる。
 『妖術秘伝 鬼打鬼』との関連性から「サモハン・ホラー第4弾」として扱われるが、この作品以降は「霊幻道士シリーズ」として独立する。

ストーリー
 19世期中期~20世紀初頭の中国。ある日、街の富豪ヤンから父親の墓の改葬を依頼された道士コウ。ところが、墓を掘り起こしてみると、遺体は20年間も埋葬されていたにもかかわらず全く腐敗していなかった。ヤンの父親は生前に大きな恨みを買っており、呪いで風水的に誤った方法で埋葬されていためにキョンシーになりかけていたのだ。
 呪いが進行して危険な状態であると悟ったコウが遺体を引き取り処置を施そうとするが、弟子のミスによって遺体は完全にキョンシー化し、安置所から姿を消してしまった。
 その夜、ヤンはキョンシーとなった父親に襲われて殺害され、翌日に現場捜査に訪れたヤンの甥の保安隊長ウェイの勘違いで、コウは殺人容疑者として逮捕されてしまった。

登場人物
道士コウ …… ラム=チェンイン(32歳 1997年没)
 ※日本語版吹替 …… 青野 武(49歳 2012年没)

弟子モンチョイ …… リッキー=ホイ(39歳 2011年没) 
 ※日本語版吹替 …… 古川 登志夫(39歳)

弟子サンコー(日本語吹替版ではチュウサム)…… チン=シュウホウ(?歳)
 ※日本語版吹替 …… 塩屋 翼(27歳)

富豪ヤン …… ウォン=ハー(?歳)
 ※日本語版吹替 …… 嶋 俊介(53歳 2003年没)

ヤンの娘ティンティン …… ムーン=リー(20歳)
 ※日本語版吹替 …… 佐々木 るん(29歳)

保安隊長ウェイ …… ビリー=ラウ(30歳)
 ※日本語版吹替 …… 屋良 有作(37歳)

コウの弟弟子の道長 …… アンソニー=チェン(33歳)
 ※日本語版吹替 …… 仲木 隆司(49歳)

がめつい米屋の主人 …… ウー=マ(43歳)
 ※日本語吹替 …… わかんなかった(よく聴くおじさん声なんだけどなぁ!)

董小玉(日本語吹替版ではシャンシー)…… ポーリン=ウォン(23歳)
 ※日本語版吹替 …… 小山 茉美(30歳)

キョンシー(ヤンの亡父)…… ユン=ワー(35歳)

用語
キョンシー(殭屍)…… 吸血ゾンビの一種。この世に恨みや怨念を残して死んだ者や、風水的に間違った方法で埋葬された者の死体が成仏できずに甦ったものである。

コンシー(乾屍)…… 中国の道士や道長が法術を用いて、人間の死体を指示するままに動かせるようにしたもの。多くの場合は、遠方で死去した旅人の遺体を効率的に故郷に帰すために利用された移動手段だったが、適切な処置をおこたるとコンシーもまたキョンシーとなり生きている人間を襲うようになる(日本上映版の劇場用パンフレットのために、日本の配給会社・東宝東和がオリジナルに創作したネーミングだが、直接の関係はないものの、中国にはミイラ化した妖怪という意味の「乾屍」の伝承は存在する)。

バンバンシー …… キョンシーに殺害されたために死後に吸血ゾンビになってしまったもの(日本上映版の劇場用パンフレットのために、日本の配給会社・東宝東和がオリジナルに創作したネーミング)。

シャンシー …… 若くして死亡したためにこの世に強い未練を残して死んだ女性の死霊で、自分の気に入った生きている男性の前に実体を持った美女として現れ、誘惑して魂を奪い取ろうとするもの(日本上映版の劇場用パンフレットのために、日本の配給会社・東宝東和がオリジナルに創作したネーミング)。

道士 …… 体術と法術をよく修め、キョンシーに関係する仕事に従事する呪術師。義荘(ぎそう 道教の宗教施設兼遺体安置所)に住んでキョンシーの退治と供養を専門とし、時には風水や占術の相談も受け付ける。

道長(どうちょう)…… 旅先などの遠方で死亡した者に法術を施して一時的にコンシーにし、それぞれの故郷へ送り届ける移動隊を先導することを専門とする道士。

義荘 …… 何らかの理由でキョンシーになる可能性のある人々の遺体と位牌を引き取って安置し、然るべき供養が行われる霊廟で、道士の自宅でもある場合が多い。

道袍(どうほう)…… 道服または道衣、道士着とも呼ばれる、道士が身にまとう法衣。形状、模様、布地の色などは道士によって様々であるが、色は主に黄色で背面部に太極(陰陽)図を配置する共通点がある。儀式やキョンシー退治を行う際の道士や道長は必ずこれと冠巾を着用しており、道袍自体にも邪気を祓い災厄を退ける霊力が込められている。

冠巾(かんきん)…… 道袍と共に着用する冠。道士によっては冠ではなく帽子や頭巾であるなど、道袍と同様に形状は様々である。

お札 …… 黄色の紙に鶏血で呪文を記した呪符。非常に強力な退魔の法力を宿しており、キョンシーの額に貼り付けて動きを封じる基本的な使い方の他に、霊力を込めて点火してキョンシーを炎で焼き尽くす、家の窓や扉などに貼り付けてキョンシーや悪霊などの侵入を防ぐ護符として使うなど用途は様々である。道士でない者でも充分な効力を得られる道具の1つである反面、文字がかすれていたり破れたりすると効力が消えるという弱さも持ち、凄まじい怨念と邪気を放つキョンシーに対してはほぼ無力である。

鶏血(けいけつ)…… 雄鶏の生き血。鶏血自体にキョンシーを退ける力があり、お札や墨壷に用いる液体を作る上で重要な材料。

もち米 …… 魔除けの力を持つと同時に、キョンシーの毒を吸収して浄化する作用がある。微弱ながらキョンシーを退ける力を持つが、加熱の際に煙に当たると効力が失せる。

ライチ(茘枝)…… 邪気を浄化する力を持つ植物。木や枝はキョンシーとなった遺体を火葬するために最適とされており、葉は法力を込めて目に当てる事で悪鬼の正体を見抜く天眼通の力を発揮する。

墨壺(すみつぼ)…… 本来は建築工事などで用いられる工具。壺糸を紐状に強くし、壺の中身を鶏血と墨汁を混ぜた液体に置き換えたもので、キョンシーを安置した棺を封印する際の線引きに用いる他、結界や武器としての利用も可能。

八卦鏡(はっけきょう)…… 吉凶を占う作用を利用した特殊な鏡。月光を集約して法具に霊力を込める、またはキョンシーや悪霊を映し出して邪気を反射する目的などで用いられる。

桃剣(とうけん)…… 悪鬼を祓う力を持つとされる桃の木を削り出して作られた木剣。銭剣と共に儀式で用いられる法具であり、同時にキョンシーを切り裂き貫く力を持つ武器でもあるが、木製であるために非常に折れやすい。

金銭剣(きんせんけん)…… 清めた銭を赤い紐で結び繋いで作られた短剣。霊力を込める事で強力な武器となる。また、剣の形を分解して銭を繋ぎ止めた1本の縄とし、キョンシーや悪霊を縛り上げることもできる。

霊幻道士シリーズ
 日本で劇場公開されたのはサモ=ハン製作の第4作まで。

『霊幻道士2 キョンシーの息子たち!』(1986年8月 香港)
 物語の舞台は1980年代の香港となっている。興行収入1700万香港ドル。
 前作からはラム=チェンイン、ムーン=リー、ビリー=ラウが引き続き出演しており(役柄は違う)、香港アクションスターのユン=ピョウ(29歳)も出演している。

『霊幻道士3 キョンシーの七不思議』(1987年12月 香港)
 主演のラム=チェンインは第1作と同じキャラクター「コウ道士」を演じているが、それ以外の設定はすべて第1作と関連がない。興行収入1900万香港ドル。
 前作からはラム=チェンインとビリー=ラウが引き続き出演しているが、作中にキョンシーは登場せず、死霊や魔術師が活躍するストーリーとなっている(が、日本版の字幕やパンフレットなどでは強引にキョンシーだと設定されている)。

『霊幻道士・完結篇 最後の霊戦』(1988年12月 香港)
 ラム=チェンインが出演していないシリーズ唯一の作品で、サモ=ハン=キンポーが製作した最後のキョンシー映画。興行収入1400万香港ドル。
 キョンシーが再び登場し、物語の舞台は第1作よりもさらに古い19世紀・清帝国の時代となっている。

『霊幻道士5 ベビーキョンシー対空飛ぶドラキュラ!』(1989年 香港)
 ラム=チェンインの初監督作品。
 ラム演じるコウ道士とチン=シュウホウ演じる弟子、ビリー=ラウ演じるウェイ保安隊長が再登場しているが、作品同士の関連は特にない

『新・霊幻道士 風水捜査篇』(1990年 香港)
 物語の舞台は1990年の香港で、キョンシーは登場せず日本人の女魔術師が敵役となる。女魔術師を演じたのは、香港やハリウッドでスタントウーマンとして活躍している西脇美智子(33歳)。
 ラム=チェンインは道教に専門的な知識を持つ刑事を演じている。

『霊幻道士6 史上最強のキョンシー登場!!』(1992年 香港)
 ラム=チェンイン演じる道士は脇役であまり活躍せず、香港では公開3日で上映打ち切りになっている。

『霊幻道士7 ラストアクションキョンシー』(1992年 香港)
 シリーズ第1作のラム=チェンイン、チン=シュウホウ、リッキー=ホイ、ビリー=ラウがほぼ同じ役柄で再び共演し、第1~4作目で監督だったリッキー=ラウがシリーズで最後に監督を担当した作品。
 ラム演じる道士は黒髪に口ヒゲで第1作よりもやや若返っており、作品全体もキョンシーがあまり登場せずコメディ色が強い。

『霊幻道士8 空飛ぶドラキュラ・リターンズ』(1992年 台湾)
 ラム=チェンインが出演する最後のキョンシー映画。
 ラム演じる道士は実年齢通りの外見で第1作よりも若返っている(黒髪、ヒゲなし)。
 作中に登場する西洋人の吸血鬼の正体はこの世に強い未練を残して事故死したカトリック神父であり、ドラキュラ伯爵とも『5』の吸血鬼ともまったく関連がない。

TV ドラマシリーズ『霊幻道士 キョンシーマスター』(1995~96年放送 2シーズン)
 原題『殭屍道長 Vampire Expert』( CS放送スター・ブラス)
 放送は好評を博し第3シーズンの製作が予定されていたが、主演のラム=チェンインの病気のため製作中止となった。
 物語の舞台は第2次世界大戦終結直後の中国で、ラム演じる道士の名前は「毛小方(モウ シウフォン)」となっており、映画の『霊幻道士』シリーズとの直接の関連はない。

サモハン・ホラーシリーズ
『妖術秘伝 鬼打鬼』(1980年12月 香港)
 監督・主演はサモ=ハン=キンポー(28歳)。
 キョンシーも登場し、ラム=チェンインは道士ではない役(警察署長)として出演している。

『霊幻師弟 人嚇人』(1982年 香港)
 主演・脚本・製作をサモ=ハン=キンポーが担当した。
 キョンシーは登場しない幽霊ものだが、ラム=チェンインが初めて道士役として出演している(ただし、かなり高齢)。

『霊幻百鬼 人嚇鬼』(1984年 香港)
 製作をサモ=ハン=キンポーが担当した(出演していない)。
 キョンシーは登場しない幽霊もので、ラム=チェンインが京劇の旅一座の座長役で出演している。

『鬼喰う鬼』(1990年 香港)
 サモハン・ホラーシリーズの最終作で、日本でも劇場公開された。
 主演・製作をサモ=ハン=キンポー、監督をリッキー=ラウが担当した。
 第1作以来にキョンシーも登場し、ラム=チェンインは『霊幻道士』と同じキャラクター「コウ道士」を演じているが、それ以外の設定は特に関連がない。

ラム=チェンイン演じる道士が登場する作品の時間軸(そうだい予測)
『8』 → 『キョンシーマスター』 → 『7』 → 『1』 → 『5』 → 『3』 → 『鬼喰う鬼』 → 『6』 → 『霊幻師弟』 → 『2』(子孫?) → 『新』(子孫?)
 ※他の作品と比較して、『キョンシーマスター』だけ時代設定が「第2次世界大戦終結後」とかなりくだっているのですが、あくまでもラム演じる道士の外見と内面の「若さ」を重視して、『7』以前の作品と置かせていただきました。
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まさか……こんなことが…… な、日々

2013年07月28日 22時16分36秒 | 日記
 ♪ぽんちゃ~ら、りんっりんっりんっとぉ~。みなさま、どうもこんばんは。そうだいでございます。

 もう夏ねぇ。今日は日曜日、私の町の大きめな公園では毎年恒例の盆踊り大会が開催されていました。昨日の関東は夜半からの豪雨のために各地の夏祭りやら花火大会やらがさんざんな目に遭ったらしいのですが、今晩はどうやら無事にステキな思い出になってくれるようです。
 まぁそんなこといってますけど、当のあたくしめはお祭りに行くヒマも体力も相手もいないんですけどね……もう暑さで涙に使う水分もとうに枯れてしまっている始末。泣くってどうすればいいんだっけ? そんな方法忘れちまったねぇ~、ずいぶん昔に。

 ところで、我が『長岡京エイリアン』でどうにかしたい話題も自分の中ではモリモリたまりつつあるのですが、今日も今日とて、まずはなるべく来月にある資格試験のための勉強に時間を割かなければいかんし、そもそもこの連日の暑さのために、調べものをしたりパソコンに向かう気にまったくならないというていたらくですので、今回もまた、最近の仕事や勉強のあいまに出会った日常のつれづれをパラパラとつぶやいていきたいと思います。
 それにしてもまぁ、去年はこの状況でよく「明智小五郎の映像史」なんていう企画ができたもんだね……まぁ、仕事の拘束時間とかしんどさが今年よりもだいぶソフトだったからできたっていうのが大きいんですけど、去年のほうが暑かったよね、今のところは!? バカですね~。そりゃあ資格試験も一発合格になるわけがありませんね。今さらながらひしひしと痛感ですが……それがわたくしなんです。死んでも治らない業ですね、もう。


トピック1 「久しぶりに大損ぶっこきました」

 これはまさに本日、日曜日の昼間に体験した出来事なんですが……
 この『長岡京エイリアン』でもさんざんっぱら語っているように、私という人間は本当にケチです。もう無駄づかいとか大盤ぶるまいとかいう美徳とはまったく無縁の生活を送っている人間で、ほぼ100% 「出費したからにはそれなりのバックを死んでももぎとって家に帰る」という行動原理で30年以上呼吸をし続けているヒューマンビーイングであると定義してさしつかえないでしょう。
 私のそこらへんがいちばん如実に現れるのが「娯楽のたのしみかた」でして、自分で選択したあらかたのエンタテインメントは、言うまでもなくラストのカーテンコール、アンコールのあとの出演者の最後の退場まで、映画だったらエンドロールも終わりきって会場が明るくなるまでず~っと座席にいすわり続けているような非常にせせこましい人間なんです。

 思いおこせば私は、ものごころがついた3才ぐらいのころにはすでに、そば屋でざるそばを頼んだときには食後に必ず、「なにもなくなったざるを持ち上げて、下にもう一段のそばがないことを確認する」という哀しすぎる習性を身にまとってしまっていた、ハイエナのような半生をあゆんできました。その癖はまぁ、幼児にとってざるそばと「二段せいろそば」の違いが理解できなかったことから生まれてしまった悲劇だったんですけどね。うれしかったねぇ~、生まれて初めて食べた二段せいろ。

 あの、要するになにが言いたいのかといいますと、私は何かの娯楽を体験したときに、もちろんおもしろい作品だったのならば文句なしに堪能するわけなのですが、たとえそれが「つまらない作品」だと感じたのだとしても、おもしろいポイントを無理矢理にでも妄想で付け足したり、怒りに怒って何かのスポーツ並みにカロリーを消費したりすることで「もとをとろう」と努力するようにしているんです。
 この『長岡京エイリアン』でもしょっちゅう自分が楽しんだ映画や舞台公演などの感想を私はつづっていますが、当然のごとく、すべてが私にとっておもしろかった、などということはありえません。むしろ、私なりの偏屈な理由で、おもしろくなかったと感じた憤りを好き勝手にぶちまけている回のほうが多いような気がします。たいして腹を割った意見を交しあう相手もいない私にとって、この個人ブログというアジール……というか「木のうろ」は、まことにありがたいもんです。シャウトし放題ですもんねぇ。

 そんな持論があったもんで、「どんなにつまらない作品でもどこかに見どころはある。それをつかみ取るまでは岩にしがみついてでも帰らんぞ! 作品が終わってもいないのに途中退場なんて、飽食のブルジョワジーがやることじゃああああ!!」などと威勢のいいポリシーを胸に貼っつけていたつもりだったのですが。


 ……途中退場しちゃった。スタコラサッサと、しっぽ巻いて。


 いや~、このわたくしに限って、そんな選択をとってしまうとは。
 私が記憶するかぎり、この30ウン年の生涯の中で、見はじめた娯楽作品を自分自身が能動的に判断して途中でリタイアしてしまうのは、大学生時代に渋谷の映画館で観た『鬼畜大宴会』(1998年 監督・熊切和嘉)いらい2例目です。15年に1本の割合かよ!

 こんなこともあるのねぇ~……ってしみじみしてる場合でもないと思うんです。だって、料金も払ったし、交通費もそれなりにかかったし、炎天下の中で歩いて体力も使ったし、なによりも貴重な休日の約半日をそれに費やしたわけだし。私事ながらも、試験直前のこの時期に!!

 でも……なんだか怒る気にもなりゃあしない。ただただ、ひどい目に遭ったもんだ、と虚空を見つめるばかり。

 いちおう、見知った方々が大勢かかわっていらっしゃる作品なんですけどもね……私もみなさんに久しぶりに会えることをずいぶんと楽しみにして、それなりに気合いを入れて参上したつもりだったんですが。

 もう、なにがおもしろいんだか全然わからない。なんでその内容で料金が発生しているのかがわからない。なんで他のお客さんがたまに笑い声をあげているのかがわからない。っていうか、途中で帰った人がなんで私も含めて2人しかいないのかがわからない。
 みなさん、これからおもしろいことが起きるに違いないと期待しておられるんでしょうか。それとも、私が歳をとってずいぶんと短気な人間になっちゃったのかなぁ。

 実は、私も自分で「うん、帰ろう!」と決めて腰を上げる寸前までは「いちおう最後までいないとな……せっかくここまでいたんだし、お金も払ったんだし。」と考えていたんですが、作品の内容とはちょっと別の要素で決定的な一撃があったので、なんの後悔もなく出て行くことにしてしまいました。

 その決定的な一撃というのはまぁ、作品は途中で休憩タイムとなったんですが、お客さんにお菓子がふるまわれるサービスが提供されたところ、私の近くにいたババ……いやいや妙齢のご婦人が、いかにも陰険な口調で、

「飲み物はないんですか? 水分もないのにお菓子だけって、おかしいですよねぇ。」

 って、のたまいやがったわけ。

 このドぐされババァアアアア!! アフリカではそのお菓子にさえもありつけないたくさんの貧しい子どもたちが、今日も水分もへったくれもない状況の下で生命の危機に瀕してるんだよ!!
 プログラムの一環でもそれは好意なんだ! 受けたくないサービスは丁重に断れ!! そんなグチを若者にぶつけてお前の残り少ない余生は楽しくなるのか!?

 んモォオ~さいっあく!! こんな死にかけバカと同じ空間にいることも耐えられないし、同じ「客」にカテゴライズされてるのもシャクにさわりまくり! 帰ろう、帰って勉強しよう!!

 ……とまぁ、そんなわけで勢いよく途中退場したのでしたが、やっぱりこれは、それだけあの婆さまの機嫌を損ねた作品内容の責任でもあるのでしょうし、その一例がなくとも、お客さんの様子はおおむね「はなはだ空気の悪い」ものとなっていたと思います。なんか、本当にどうしてその作品につき合わされているのかがわからない、っていう困惑の表情なんですよね。みなさん一様に。

 なんにしても、「帰って勉強したほうがマシ」って客に思わせちゃう作品って、もうダメよね。これで今年、資格試験に合格したら、この作品のおかげってことになるのかなぁ。そうしよっか。そうすれば少しは気も晴れるから。

 この作品のタイトルとか情報をここに記してもいいんですが……そうすると、私がこれまでこの『長岡京エイリアン』にあげてきた数々のエンタテインメント(もちろん、おもしろくなかった作品も含めて)と同列の扱いのようになってしまうので、いっさい記さないことにします。記録する価値すらない。ただそれだけです。別に作品に知っている方々が関わっているから気が引けたとか、そういうことじゃあないです。
 そういうことじゃあないんですが……ほんとに残念っつうか、どういうことだったんでしょうか? たまたま私が観た回だけがあんな惨状になってたってことなんでしょうか? でも、私が観た今日の回は千秋楽なんでしょ!? なに、あのグダグダ、迷走、バカ発言。

 そりゃあ、まぁ……この作品に関わったみなさんのお名前は記憶に残るよねぇ。記憶に残った以上は、その方々のこれからの活動にはなるべく近づかないようにしますよねぇ。お金を払わないようにしますよねぇ。私も、みなさんががんばってやっておられる途中で帰ったわけで、もうあわせる顔もないし。
 たぶん、今日さんざん時間をかけて行ったあの会場にも、二度と行くことはないんじゃないかな。

 それにしても、「編集者」って職業の人の中にも、あんな頭の悪い人っているんだねぇ。びっくりしたなぁ。
 頭の悪い人に司会者やらせたらダメよね。



トピック2 「身体をはった夏休み大実験」

 久しぶりのハロー!プロジェクトネタ?

 先日、私はほぼ丸一日、150人あまりの中高生といっしょにたわむれるというボランティア活動に参加してまいりました。もう、なにがなんだか。
 それはそれで楽しかったんですが、早朝にスタッフ全員が会場に集合したときに、ねぼけまなこで自分の名前が書かれた関係者用パスカードを受け取りに行ったところ、十数枚のパスカードがならんでいた中に、

「亀井絵里」

 という名前が書かれているものが。

 フォオオオオッ!!!! これは夢かまぼろしか!! 千葉のボランティア活動に、なぜに生き神様がご来迎!?
 まだ、まだいらっしゃっておらぬのか!! 高速で首をキョロキョロさせながら、自分の見間違いじゃないのかと目をゴシゴシさせてもう一度、くだんのパスカードを確かめてみたらば……

 やっぱり、自分の見間違いでした。完全なる一字違いの人違い。

 4つの漢字のうちのたった1文字が違っているだけで、なんでまるで違う人になるのかねェ~……いやいや、会場にいらっしゃったその方はとってもいい方だったんですけどね。

 そういったマヌケな見間違いから、早朝に一瞬だけ、自分の血圧を勝手に危険水域にまで急上昇させて挙動不審になってしまったわたくしだったのですが、その体験からふと考えてしまうことがありました。

 もし、もし「あの亀井絵里さん」が何の前触れもなく、何の紹介もなくこの会場に現れたのだとしたら、運営側もあわせて200人くらいいる人間の中で、いったい何人くらいの人が「あっ、えりりんだ。」と気づくことができるのだろうか。まぁ、名前を知っていなくとも、段違いにかわいい人が来たと思う人は大勢いるでしょうけど。

 なかなかおもしろい思考実験だ……2011年以降いっさい芸能活動をしていない亀井さん。おそらく、モーニング娘。に在籍していた当時の彼女を、3年後の現在も記憶している中高生がいるとしたら、それはもうアイドルグループヲタクの道を歩み始めている超エリート生だ。こう言っちゃなんですが、当時、小学生とか中学生の段階で「メディア露出度がそれほど高くない」プラチナ時代のモーニング娘。メンバーを記憶していた子どもがいったい何%いるのかというと……確率はそうとう低いだろう。亀井さんが声優で主演した『ジュエルペット』の第1作も、おもちゃの商品売上は良くてもアニメはそれほど話題にはなっていなかったらしいし。

 いっぽう、20歳前後の大学生から60歳手前の公務員くらいまでが集まっている数十人の運営スタッフの中にも、芸能人の亀井さんを記憶している人はいったいどのくらいいるだろうか……こちらもそうとう厳しい結果になりそうだ。
 そして、なんといってもこのイベント会場は千葉県! 東京でもないし、まず千葉市でもない!

 まさか……200人中、反応する人間はたった1人(おれ)!?
 そんな、バカな……私のこよなく愛するプラチナ期のメンバーにかぎって、そんなことが……

 待てよ、亀井さんに限らず、現在のモーニング娘。メンバーが個人個人でもしこの場に現れたのだとしたら、反応はどうなるのだろうか。
 ファンとしては全員のケースで一瞬のうちに歓声があがってほしいのだが……正直いってそれは難しいだろう。
 ただ、バラエティ番組などの TVへの露出度もプラチナ期に比べればだいぶ高いし、久々にシングルが連続でオリコン首位になっている勢いというものもある。おそらく、道重リーダーならば大騒ぎになるのだろうが、それ以外は……いや、『おはスタ』レギュラーだった生田衣梨奈さんはけっこう健闘するかも。

 そんな妄想をいろいろ浮かべた結果、これはやはり、身をもっての「実験」が必要なのではなかろうかと思い立ち、また日を改めた先日、私はあるプロジェクトを仕事場で決行することにしました。


夏休み特別プロジェクト「モーニング娘。の『工藤遥』Tシャツを着て出勤したら、どのくらいの反応があるか」
 ひつようなもの …… この前のモーニング娘。日本武道館コンサートで買った、胸に「クドウハルカ」とプリントされたオレンジの市松柄Tシャツ。
 たいしょう   …… 20代以上の大人の方々、20名ほど。
 やること    …… このTシャツを着て働いてみて、「クドウハルカ」が誰なのかがわかる人がいたら大成功!
 やるいみ    …… 太陽に聞いてください。


 注意事項としては、いちおう職場ではそんなトンチキな服の上に制服を着て働くことになるので、「クドウハルカ」というロゴ自体が露出されている時間はかなり短くなります(仕事前の移動時なので正味1分間もない)。そのため、まず「クドウハルカ」という文字さえ気づかれずに実験は終了してしまうのではないかという危惧もあったのですが……

 実験は意外にも、私が出勤した瞬間から「なにその派手なTシャツ! 誰? クドウハルカって!」という議論が一部で巻き起こる活況を呈し、「字体がポップだからアニメかなんかのキャラクターか」、「工藤静香みたいな歌手じゃないのか」、「Tシャツが市松模様なんだからレースクイーンじゃないのか」、などという憶測が休憩時間に飛び交う事態となりました。
 しかし、結果としては……残念ながら、モーニング娘。の工藤遥その人にたどり着いた方は、ひとりもおらず! 実に無念です。

 ところが! 胸の「クドウハルカ」からの線は断たれてしまっても、背中の首まわりに小さくプリントされた「ミチシゲ★イレブン」というコンサート名を発見した方が1名だけおられ、


「ミチシゲ……? みちしげって、あの子じゃない? ほら、TV で『わたしが一番かわいい~♡ 』とかって言ってる、あの!」

「あれよあれ、モーニングなんとか!」

「あぁ、あの、なんとかクローバー。」


 いや、クローバーじゃないっす。断じてないっす。

 結局、現役メンバーの中でも、道重リーダーだけはちょっと段違いで知名度が高いという実験結果が得られることとなりました。

 具体的に数値で分析してみますと、私が観察したところ、世代も幅広くほぼ全員が今現在、日常的に TV番組を視聴する習慣のある家庭で生活しておられるという20名の成人職員のうち、工藤遥さんを知っておられた方は非常に無念なことにゼロ。20名のうち1名知っている人がいた場合の知名度が「5%」であると計算しますと、今回の実験の結果は「工藤遥さんの知名度は5%未満」ということになります。あまりにも厳しい……やはり、くどぅー単体では難しかったか。
 いっぽう、道重リーダーの名前が出たときに、彼女の顔と名前がしっかり一致していると思われる会話をしておられた方は5名いらっしゃいました。すなはち、「道重リーダーの知名度は25% 」!

 つまり、工藤さんと道重リーダーの現時点での一般的な知名度では、実に「5倍以上」の差がある、ということになるのか……がんばれ、くどぅー!! その差は決して遠くはない。

「あのですね、この娘はもともと『狂犬チワワ』として非常に恐れられておりましたが、現在はまーちゃんのツッコミ役として我が国でもかなり稀少な逸材として八面六臂のご活躍をされておりまして……」

 と、工藤さんにかんする講釈のひとつでもたれたかったのですが、暑かったのでやめました。

 メンバーの皆さん、まだまだ世界は広い! リーダーに負けじと、真夏のハロコンもがんばって乗り切っていってくださいませ!!


 私の職場のみなさま、大変ご迷惑をおかけいたしました……明日からも、がんばらせていただきます。
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君は「軍人将棋」を知っているか  ~やっぱりおもしろいねぇ~

2013年07月27日 23時19分23秒 | 日記
 《本文未ダ開始セズ》
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君は「軍人将棋」を知っているか  ~ルールだけ丸投げです~

2013年07月24日 22時30分26秒 | 日記
軍人将棋とは
 ( Wikipediaおよび天童将棋『新行軍将棋』、『♯62 デラックス行軍将棋ゲーム』遊び方ガイドより)

プレイに必要な人数 …… 3名(うち審判1名)
準備時間      …… 2~8分程度
プレイ時間     …… 10~40分程度
運要素       …… 多少あり

 軍人将棋(ぐんじんしょうぎ)とは、通常3名で行うボードゲームの一種。行軍将棋(こうぐんしょうぎ)とも呼ばれる。軍隊の階級や兵種を元にした駒を用いて盤上で競う。ヨーロッパ圏ではストラテゴ( Stratego)という名称の同種のボードゲームがプレイされている。
 駒を盤上の自分の陣地に好きなように並べ、交互に駒を動かしていく。駒には強弱があり、駒の種類を対戦相手に明かさないようにするため裏返して配置する。このため、両陣の駒の種類を知ることのできる審判役をおき、同じマス目で駒がぶつかった場合の勝ち負けを決める。ゲームは相手の総司令部を占領するか、相手の動ける駒を全滅させた方が勝ちとなる。最後に同種の駒同士が残った場合は相打ちとなるため、両方とも全滅する場合もあり得る。
 駒は、少尉から大将までの各階級の軍人、およびタンク(戦車)、ヒコーキ(戦闘機)、騎兵、工兵、地雷などがあり、種類によって勝てる相手が決まっている。基本的には位が高い軍人の方が強いが、地雷にはヒコーキと工兵しか勝てないなど細かいルールがあり、軍人将棋のセットには、このルールを一覧表にしたものが付属している。審判役は、この一覧表を見ながら勝ち負けを判定する。
 審判役としてコンピュータを利用するという対戦ゲーム化に合った性質があり、ファミコン用ソフトや Windows用ソフト、最近ではニンテンドーDS 用のソフト『だれでもアソビ大全』などでコンピュータゲーム化されてもいる。

ゲームの目的
 一般的には敵の総司令部マスを大将、中将、少将、大佐、中佐、少佐のいずれかの駒で占拠する(これら以外の駒で、相手の総司令部に侵入できたとしても占拠したことにはならない)か、動かせる敵軍の駒を全滅させることが目的である。なお、前記の駒が相手の総司令部に入った時点で占拠したとみなされるので、後からその駒を取ることはできず、残った駒の種類や数に関係なくゲーム終了となる。
 ルールによっては、相手の大将を倒すことを最終目的とするものもある。

形態
 軍人将棋は駒と盤からなり、3名で遊ぶ。これは実際に勝負する人が2名、審判が1名という内訳であるが、審判を用いずに駒を当てた際にひっくり返して勝負する類似ゲームもある(フランスのラタックやストラテゴ)。
 駒は先攻、後攻の駒が識別できるように2色(オレンジとイエロー)に分けられている。駒の形状は一般の将棋と同じ左右対称の変形五角形。しかし種類別に大きさの違いはなく、全て同じ大きさである。以前はその多くが木製であったが、現在販売されているものの大半はプラスティック製である。
 ※木製の駒は、木目に沿って割れ目や欠けなどが発生した場合、それが目印になって駒の種類を相手プレイヤーに看破されてしまう状況が頻繁に起こった。また駒によって異なる木目も判断材料になることがあった。プラスティック製ならば、傷や割れ目、汚れがない限りどの駒も一様なので、上記のような心配がなくなった。

 軍人将棋は駒の種類、または突入口の形の違いによって数多くの種類が存在する。共通しているのは自陣と敵陣に分かれており、その間を行き来するためにはヒコーキを除いて突入口を通らなければならないことである。それぞれの陣地には総司令部がある。総司令部は陣の最後列中央にあり2マス分の広さがある。

駒の種類
・各陣営23枚型の場合(天童将棋『新行軍将棋』はこれ)
大将 1  大佐 1  大尉  2  工兵   2
中将 1  中佐 1  中尉  2  地雷   2
少将 1  少佐 1  少尉  2  ヒコーキ 2
軍旗 1  騎兵 1  タンク 2  スパイ  1
※盤は変形8×6を使う。

・各陣営31枚型の場合(天童将棋『♯62 デラックス行軍将棋ゲーム』はこれ)
大将 1  大佐 2  大尉  2  工兵   3
中将 1  中佐 2  中尉  2  地雷   3
少将 2  少佐 2  少尉  2  ヒコーキ 2
軍旗 1  騎兵 2  タンク 3  スパイ  1
※盤は変形8×8を使う。

突入口の種類
・突入口が自陣に4ヶ所あるX型(Xの形をした突入口が2つある。天童将棋『♯62 デラックス行軍将棋ゲーム』はこれ)
・突入口が自陣に3ヶ所あるY型(Yと逆Yの形をした突入口が1つずつある)
・突入口が自陣に2ヶ所あるI型(直線の突入口が2つある。天童将棋『新行軍将棋』はこれ)
※また、それぞれに浮島ポイント(X型、Y型の道が交わるところにあるマス)のあるなしなどの種類がある。

駒の配置
 このゲームの要となるのが駒の配置である。将棋のように開始時の配置が決まっているのではなく、自分の陣地内であれば以下の禁止事項を除き、どの駒をどこに置いてもよい。

・突入口に地雷もしくは軍旗を置く
・自陣最後尾列に軍旗を置く

 このうち、後者は禁止事項ではあるが反則ではない。最後列の軍旗は どの駒にも負ける無駄駒になり、すでに開始時から駒1つ分の威力を失っていることになるため、一般的には罰則を設けない。一方で、突入口に地雷や軍旗を置くことは絶対禁止事項なので反則負けとなる。

総司令部に置く駒について
 総司令部は通常2マス分の広さがあるが、他のマスと同様、1つしか駒を置けない。前述の通り、戦闘は将官や佐官を相手の総司令部に入れることを目的とする。よって、尉官、騎兵、工兵は佐官や将官に必ず負けるので総司令部には置かないほうがよい。スパイは大将だけには勝てるがそれ以外にはことごとく負けるため、総司令部に置いたとき、負けて占領される確率が圧倒的に高い。ヒコーキや工兵にも負けるので、地雷確認の際に前もって倒される恐れもある。少佐や中佐も、総司令部を占領できる駒の中では弱いので負ける確率が高い。タンクは佐官クラスには勝てるが、敵のヒコーキによって排除される可能性もあり、将官クラスにも負けて占領される。
 さらには、総司令部の防御をヒコーキだけに任せることも好ましくないとされる。一見すると、総司令部前の縦2列のどちらにも自由に飛ぶことができ、敵の総司令部を常に狙えるベストポジションのように見えるが、飛んだ時点で司令部は空になるので、司令部に隣接するマスに敵の佐官クラスがあった場合、その隙に占領されることもある。また、総司令部やその周辺は、地雷除去のためや侵攻経路を確保するために敵のヒコーキに攻撃されることも多く、すぐ近くに将官がいない限りヒコーキ同士が相打ちして、総司令部が開いてしまう恐れもある。こうなると、総司令部の近くに弱い駒しかないときは簡単に占領されやすくなる。また、工兵や尉官クラス、騎兵で地雷確認をされた後、すぐ近くのマスに敵の将官クラスがいれば負けが確定したようなものである。
 以上の理由から、総司令部またはその近くには将官クラスが1枚以上あるとよい。特に初心者は、大将を置くことが最も勧められる(司令部に地雷などを置き、その隣に大将を置くのもよい)。大将を置けば、中将以下による占領は単独で防ぐことができ、スパイに負けてもすぐには占領されない。中将は大将に負けるので、近くにスパイを置いて守らなければいけないが、スパイがすでに倒された場合には、敵の大将が地雷を踏むことを祈るしかなくなってしまう。大将の天敵はスパイであるが、スパイは大将以外のどの駒にも負けるので、種類がわからない敵の駒が大将に向かって来たときには、自軍の大将とスパイ以外の駒を当てて、スパイかどうかを確認するのがよい。その味方の駒が負けた時には相手はスパイでないと分かる(スパイは大将よりも排除しやすいので、総司令部の防御には大将が最も向いているといえる)。

駒の動かし方
将官、佐官、尉官、スパイ
 ……前後左右に1マスずつ動ける。
タンク、騎兵
 ……後方と左右の1マス、または前方に2マス動ける。手前に駒がある場合は飛び越えられない。
ヒコーキ
 ……前後には何マスでも動ける。左右は1マスずつ動ける。この駒のみ、途中の駒を飛び越えられ、突入口を無視してどこからでも敵陣に攻め込むことができる。
工兵
 ……前後左右に何マスでも動ける(将棋の飛車と同じ)が、途中の駒は飛び越せない。
軍旗、地雷
 ……戦闘開始時の配置地点から動かせない。

駒の勝敗
基本駒
大将>中将>少将>大佐>中佐>少佐>大尉>中尉>少尉
 の順に強い。将官、佐官は敵の総司令部を占領できるので、尉官に比べて駒の価値が高い。

特殊駒
・ヒコーキは将官クラス以外には全てに勝つ。
・タンクは将官クラス、ヒコーキ、工兵、地雷に負け、その他には全て勝つ。
・地雷はヒコーキと工兵に負け、その他の全ての駒に勝つ。
・工兵は地雷とスパイ、タンクに勝ち、その他には全てに負ける。
・騎兵はスパイと工兵だけに勝ち、その他には全てに負ける。
・スパイは大将だけに勝ち、その他には全て負ける。動ける駒の中では最も弱い。
・軍旗は後ろにある味方の駒と同じ威力となる。たとえば軍旗とタンクが戦うとき、軍旗の後ろが少将ならば軍旗が勝つ。軍旗の後ろが大佐のときはタンクが勝つ。このとき、後ろの大佐は同時には敗退しない。軍旗の後ろが敵の駒か何もない場合、あるいは軍旗が自陣の最後列(総司令部も含む)にある場合は、どの駒と戦っても負ける。
・同じ駒同士の戦いは相打ちとみなして、どちらも盤上から撤去する。撤去した駒は再び使うことはできず、撤去した駒は自軍の駒しか見ることができない。また。将棋と異なり「持ち駒ルール」はないため、相手から取った駒を自分の駒にはできない。

戦術
 駒を動かしていき、相手の駒がある場所に自分の駒を進める場合、将棋では駒の種類にかかわらず、新しくそのマスに駒を動かした方が、前からいた相手の駒を取る(勝つ)ことができる。しかし軍人将棋では、新しく動かした駒と前からいた相手の駒を審判に見せ、審判は上記の規則に基いて駒の勝敗を判断する。プレイヤーの2人は自分の負けた駒、または勝った駒によって相手の負けた駒と残りの駒を推理する。

強力な駒の見分け方
 このゲームにおいては、何枚駒を取ったかよりも、相手の強力な駒(将官クラスやヒコーキ)がどの駒かを見分けることがより重要である。見分け方の一例として、地雷と騎兵~タンクのどちらにも勝つ、あるいは高飛び(他の駒を飛び越すこと)する駒はヒコーキ以外にありえない。

倒した駒の推測
 どの種類の駒を倒したかを推測することも必要になる。例えば、大尉を倒した駒にタンクを当てて勝ったときの相手は佐官クラス、というかたちで推測できる。特に、弱い駒を当てて勝った相手は限定されるので分かりやすい。騎兵が勝てば相手は工兵かスパイ、工兵が勝てば相手はスパイか地雷、少尉が勝てば相手は騎兵、工兵、スパイしかない。一方で、将官クラスやヒコーキは勝つ確率は高いが、倒した相手を限定しにくい。

強力な駒への対処
 敵の強力な駒の位置が判明した場合はその駒を覚えておく必要がある。特に、将官以外の駒は相手の将官を避けるように動かすとよい。尉官クラスや騎兵は倒されても支障が大きくはないので、より価値の高い佐官クラスやタンク、ヒコーキを優先的に相手の将官から逃がす。相手が大将ならば可能な限りスパイを当てるようにして、味方の中将または少将は逃げ場があれば、最優先で逃げられるようにする。しかし、相手がヒコーキの場合は、味方の佐官クラスやタンクを逃がそうとしてもヒコーキは高飛びができるため、追いつかれて倒されてしまうこともある。逃げ場がないときはその駒をあきらめて、他の手を打つほうがよいこともある。
 また、相手の駒がヒコーキであることが判明して、隣接するマスに味方の将官があればすみやかに倒すようにする。近くに味方の将官がないときは、味方のヒコーキを当てて相打ちにする方法がある。自軍もヒコーキを失ってしまうが、他の駒への被害を軽減できる。
 相手の中将や少将が突入口をふさいでいるときは、別の突入口から少将、ヒコーキ、タンクなどを突入させる。どちらの突入口も中将や少将でふさがれているときは、敵陣の奥にヒコーキを飛ばす作戦もある。

基本的な戦術
 攻撃には中将が最も向いており、動いた敵駒に積極的にぶつける。勝てばそれでよし、負けたのならば相手の駒は大将であり、中将同士ならば相打ちとなる。中将が相打ちしたら、次は少将を動いた駒にぶつけるようにする。なお、中将同士が相打ちした後、少将が負けたときも相手は大将である。相手の駒が大将と判明した場合、スパイをぶつけて相手の大将を排除することができれば、かなり有利に展開できる。しかし、常に中将の近くにスパイを置いておくと、そのことを相手に読まれやすく、スパイが相手のヒコーキやタンク、工兵などに狙われる危険もある。特にヒコーキは他の駒を飛び越すことができるので、スパイにとっては大きな脅威となる。また、工兵は横にも何マスも進めるので、スパイを動かす際には注意を払わなければいけない。スパイを失ってしまうと、相手の大将を倒すことが難しくなる。それを避けるために、中将の近くに尉官クラスなどを置いて、スパイの振りをさせる手段もある。また、スパイと悟られやすい動かし方をするのではなく、スパイを中将からある程度離れた場所に置いて敵の大将が来るのを待ち構える作戦もある。大将が近づいて来なければ、スパイを最後まで温存して大将の位置を見極める。
 中将を大将のように、少将を中将のように、ヒコーキを(他の駒と同じように1マスずつ動かして)少将のように1ランク上に見せかけて相手をだます戦略もある。この作戦が成功している間、敵の駒数を減少させ動く駒と動かない駒がはっきりしてくると、勝負が決まることが多い。
 また、倒された駒よりも1ランクだけしか強くない駒は当てないようにする。例えば、自軍の中尉を倒した駒に次の手で大尉を当てることは、駒や手数を無駄にするだけである。中尉が負けたという条件から相手の駒は少なくとも大尉以上であり、勝つことはできない。よって、ほとんどの場合は自分から駒を捨てることになる。逆に相手にとっては、動かずして敵の駒を取ることができた上に次の手に移るのが早くなるので好都合になってしまう。偶然相打ちしたとしても、相手の大尉が確実に減ったことしかわからない。相打ちになれば相手にも同じ情報を与えるので、自分だけが有利になることはない。

大将の使い方
 大将は中将や少将、ヒコーキなどに比べ攻撃に向いていない。特にゲーム初心者は、大将を攻撃の前線に出すべきではない。中将と少将は負けたときに、相手の大将または中将を特定できるという利点があるが、大将にはそれがない。スパイを特定できても、大将が倒された後では意味がない。大将同士が相殺するならばともかく、敵スパイに大将を倒されると敗北に直結してしまうことも多い。大将は、敵の中将や少将を倒した後は、スパイに狙われる破目になる。勝てる相手が多いゆえに、敵の中将や少将をいつ倒したか判断することは難しいため、いつまで生き残ったスパイに狙われるのかがわからない。
 また、スパイを倒したかどうかを判断することはほとんどできない。数少ない例外として、スパイ同士が相打ちになったときと大将の前にある軍旗が負けたときがあるが、その確率は非常に低い。
 大将を最後まで生き残らせることは基本である。大将さえ残っていれば、司令部の占領を阻止できる。中将を最後まで生き残らせるのも良いが、相手の大将が生き残っていたときは負けてしまう。スパイ自体は弱い駒なので、最後まで残すことが強い駒に比べて難しい。

地雷対策
 自軍の将官クラスが地雷を踏んで排除されると著しく不利になるため、いまだに動いていない敵駒には、将官クラスではなくヒコーキを当てるのがよい(ヒコーキは地雷に勝ち、その他にも勝てる駒の種類が多いため)。将官クラスは地雷でないと判明した駒のみに当てるようにする。運任せに駒を当てているだけでは上達できない。多数の動かない駒を保有して地雷かその他の駒かがわからない状態を維持していくことが戦術の鍵となる。
 序盤や中盤において、一度も動いていない駒が地雷かどうかを判断するには、騎兵や尉官といった弱い駒を当てる方法がある(同じ弱い駒でも、スパイと工兵はそれぞれ敵の大将を倒す、地雷を除去するという大きな役目があるため、種類がわからない駒に当てるべきではない)。これらの駒が相打ちになったときは相手が地雷であった可能性がある。負けたときや勝ったときは地雷ではないと判断できる。例えば、少尉を当てて負けたときの相手は中尉以上(軍旗の可能性もある)、勝ったときの相手は騎兵、工兵、スパイのいずれか、相打ちしたときは少尉もしくは地雷であったと考える(中尉、大尉、騎兵を当てた場合も同じ)。終盤になって動かせる駒が少なくなると、地雷とそれ以外の駒の判断がつきやすくなるため、このときに自軍の工兵を動いていない敵駒に当てるのがよい。
 敵総司令部にある駒が地雷の可能性があるとき、乗り込む前にヒコーキか工兵を使い、その駒が地雷かを確認することも必要になる(地雷を踏んでしまうと将官や佐官を失ってしまうため)。地雷は総司令部を占領できる駒には勝てるため、総司令部に設置した場合、一手に限り占領を阻止できるが、ヒコーキと工兵には占領されない代わりに負けてしまう。この点から、敵総司令部に地雷が設置されている可能性を考慮し、将官や佐官が敵総司令部に乗り込む前にヒコーキや工兵を当てて、地雷を除去する。もし工兵を当てて負けたら、その敵駒は地雷やスパイ、タンク、工兵ではないとわかる。ヒコーキや工兵がないときは尉官や騎兵といった総司令部を占領できない駒を当てて、相打ちにして地雷を除去する。ゲーム初心者は、敵総司令部にある駒が地雷かどうかを確認するためにヒコーキを飛ばすことも多いが、騎兵が2マス進める利点を生かして、総司令部の前が開いた時を狙って騎兵を当てる方法もある。

ヒコーキと工兵の動かし方について
 ヒコーキと工兵は移動能力が優れているが、ヒコーキは高飛びをすると、工兵は前に3マス以上か横や後ろに2マス以上移動すると、他の駒にはそれ以上の移動力がないため敵軍に即時に駒の正体を判断されてしまう。戦況を見極めて、多用するのか控えるのか注意するべきである。工兵はヒコーキとは異なり高飛びができないので戦闘序盤は動きが限られるが、終盤に近づいて駒の数が減ると本来もつ移動力を発揮できるようになる。ヒコーキはゲーム開始時から飛ぶことができるが、始めから飛ばして相手に正体を明かしてしまうのは好ましくないため、序盤のうちは他の駒と同じように1~2マスの範囲で動かすことが望ましい。しかし、明らかに将官クラスと判明した敵駒が自軍のヒコーキに近づいてきたときなどは、ヒコーキを失うことは戦力の大きな損失になるため他の場所に飛ばした方がよい。また、敵の将官クラスに対してヒコーキは負けるが、その代償として相手の将官クラスがどの駒なのかを知ることができる。

軍旗の後ろに置く駒について
 軍旗を自陣の最後列に置くことが許されるルールもあるが(一般的には禁止されている)、最後列の軍旗はどの駒にも負けるので軍旗は最後列に置かないようにする(特に総司令部に軍旗を置いてしまうと、味方の駒が入れない上にそこに何もないことと同じになってしまうので、総司令部には絶対に置かないこと)。

 地雷の前に軍旗を配置する戦術もある。この場合は地雷が1個増えることと同じになる(ただし、軍旗の後ろの地雷が先に除去された場合は軍旗の地雷能力も失なわれる)。このとき、工兵が当てられて軍旗が負けた場合も、騎兵や尉官などの駒で工兵を排除できる(もしこの騎兵や尉官が負けたら、敵駒は工兵ではなくヒコーキである)。その後、敵軍は地雷を排除したとみなして残った地雷本体を踏んでくれる可能性もある。この戦術では、敵軍に弱い駒しか配置されていない進路だと誤認させる必要がある。

 地雷以外ならば、軍旗の後ろには大将または中将を置くことが最も望ましい(軍旗が勝つ確率が最も高くなるため)。
 また、軍旗の隣にはスパイ(もしくは大将以外の動ける駒)を置くとよい。軍旗の後ろに中将もしくは大将を置いたとき、軍旗にぶつかった敵駒が少将もしくは中将以下ならば軍旗が勝つ(動くことはできないが、自軍の中将もしくは大将が盤上に2つ存在することと同じになる。動いていない味方の駒が多いうちは、軍旗と悟られにくいので効果的である。また、地雷と勘違いしてヒコーキや工兵などがぶつかってくる公算も高くなる)。この場合、敵軍の中将もしくは大将が軍旗にぶつかれば相打ちになるため相手の中将もしくは大将を排除できる(このとき、自軍の軍旗も中将もしくは大将の代わりに取り除かれることになる)。相手の大将もしくはスパイがぶつかった場合は、自軍の軍旗が中将もしくは大将の身代わりとなって排除される代償に敵駒の正体が判明し、自軍はスパイもしくは大将以外の駒をぶつけて、敵軍の大将もしくはスパイを排除できる。

審判について
 基本駒(将官・佐官・尉官)同士が戦えばすぐに勝敗を判断できるが、それ以外の駒が戦いに絡むと勝敗の付け方が特殊であるため、初心者やルールを把握していない者が審判を務めると時間がかかったり、その都度勝敗表を確認したりする仕草から相手の駒を予想しやすくなる場合もある。また、審判が勝敗判定を誤ってしまう恐れもあるため、審判役はある程度の熟練者が務めることが望ましい。

ローカルルール
・味方の大将が倒されたら、自軍の総司令部を占領されていなくてもその時点で負けとなる。
・地雷が勝っても、撤去しない(天童将棋『新行軍将棋』、『♯62 デラックス行軍将棋ゲーム』もこのルール)。
 ……すぐには地雷と悟られないことになる。この場合、相打ちではなくなるため大将や中将やスパイなどを当てても勝てないとなると対象の敵駒は地雷しかない、というように推理する他ない。これにより、時には早い段階で重要な駒が消失する可能性もあり、ゲームの難易度が上がる事もある。その反面、一般ルールと同様に騎兵や尉官を当ててから工兵に撤去させる戦術もあるが(ヒコーキは勝てる駒が多いので勝った時に 敵駒が地雷だったかどうかが判断し難い)、地雷だと確信するまでには可能な限り自軍の被害を少なく抑えなければならない。よって、このローカルルールでは、まだ動いていない駒にヒコーキ以外の駒を当てることは駒の無駄な損失につながる恐れがあるため、特に将官クラスは敵軍の動いている駒にのみ当てるようにする(これは一般ルールにも共通して言える)。 総じて、尉官クラスなどの弱い駒で相打ちによって地雷を撤去できる一般ルールと比較すると、地雷が残るこのローカルルールは難易度が高くなると言える。
・軍旗も動くことができる(この場合、軍旗は戦闘開始時に配置した後ろの自軍の駒とゲーム終了まで同じ能力となる)。
・工兵は前後左右にすきまのある範囲に限り、一手で自由にどのマスにでも移動できる。
 ……このローカルルールでは、敵総司令部までの経路が開いていれば、一手で工兵は総司令部にたどり着いて地雷確認ができることになり、一般ルールに比べて敵総司令部にたどり着きやすい。一方で自軍の総司令部に地雷やスパイを置いたときには、工兵から守るために、回りを他の駒で囲んで守る必要がある。
・工兵、タンク、騎兵も前後左右1マスしか動けない。
・騎兵、タンクは横や後ろにも2マス動ける。
・騎兵、タンクは途中に駒がなければ、前後左右に自由に何マスでも進める(工兵と同じ動き)。
・タンクが工兵に勝つ。
 ……このローカルルールは各種の TVゲームを通じて一般ルールとして定着しており、排除すれば TVゲームから増加したユーザーに混乱を招くおそれもある。そのため将来的には公式に一般ルールになる可能性も否定できず、今やローカルルールとは言えない実情にある(天童将棋『新行軍将棋』もこのルール)。
・騎兵と地雷を同じ強さとする。
・ヒコーキは工兵に負ける。
・ヒコーキは横マスに動けない。
・ヒコーキは横にも何マスでも動ける(途中の駒も飛び越せる)。
・ヒコーキは味方の駒がない場所なら一手で任意のマスにどこにでも移動できる。
 ……このローカルルールでは、ヒコーキをどこに配置しても、狙った敵駒を直接攻撃できる。スパイを移動させる際には、ヒコーキに狙われる危険が大きくなる。
・総司令部には地雷やヒコーキを置けない。
・戦闘開始時に総司令部に置いた駒は、地雷以外の本来ならば動ける駒でも戦闘終結まで動かせない(総司令部の外に出ることができない)。
・総司令部の自軍駒が排除された後でも、残りの駒を総司令部に入れることができない(総司令部を外の通常マスに配置した自軍の駒で防衛しなければならないため、一般ルールに比べて総司令部を守ることが難しくなる)。
・総司令部には必ず将官クラスを配置しなければならない。

ラタックとの違い
 軍人将棋と同じく中国の暗棋などをベースにしていると思われるフランスのボードゲーム「ラタック」(1908年~)や「ストラテゴ」(1961年~ ラタックの改良型)では、軍人将棋と違って審判を必要とせず、駒同士が衝突した時に両駒を表にして勝敗を決め、以後、勝った駒は表に向けたままゲームを続行する。

歴史
 中国のボードゲームである「チュンチー(軍棋)」や「闘獣棋」、それを元にしたフランスのボードゲームである「ストラテゴ」には盤の形や駒の種類、勝敗で類似点が見られる。いずれも盤には中央に「河」に相当する緩衝地帯があり、「将棋」や「チェス」よりも「シャンチー(象棋)」に似ている。
 また、シャンチーの駒を裏返して行う中国のボードゲームとして「アンチー(暗棋)」がある。駒の動かし方や勝敗は軍人将棋などと似ており、これらの情報制限型ボードゲームの起源となっている可能性がある。
 明治40(1907)年に書かれた解説書『世界遊戯法大全』(編・松浦政泰 博文館)には、軍人将棋は「いくさ将棋」の名称で紹介されている。その中では、『これは日清戦争の頃(1894~95年)に出来たものかと思うが、仕組みが中々面白い所から、今は全国に普及して居るのでここに説く必要がない。』と記されている。

類似した現代将棋
川中島将棋(1894年~ 日本発祥)
 ……軍人将棋とほぼ同じ時期に生まれたと考えられる、中国のシャンチー(象棋 12世紀発祥)を直接日本風にアレンジしたボードゲーム。「川中島」と銘打ちつつも、使用される駒は「将軍」「近衛兵」「士官」「軍曹」「騎兵」「砲兵」「歩兵」と当時の近代戦争をイメージしたものとなっている。ただし、暗棋方式ではなく駒同士の勝敗に関する優劣もないため、軍人将棋とはまるで違う種類のゲームになっている。
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銀魂グラフィティ、一杯の酒  映画『銀魂・完結篇 万事屋よ永遠なれ』

2013年07月20日 16時13分39秒 | 花咲ける「るろうに銀魂」ロード
 へへへ~い。どうもこんばんは、そうだいでございまする。みなさま、今日も一日お疲れさまでございました!
 なんかねぇ、もう夏ですよ~。夏休みも始まっちゃいますよ~。わたくしめ自身は夏休みそっちのけですけどね~。嗚呼、試験勉強をする必要のない夏よ、いずこ……

 とは言いつつも、本日はお仕事が昼過ぎに早めに終わったのをいいことに、久しぶりに映画館に行ってきました。天気のいい日中のお外に放り出されちゃうと、ついついまっすぐ家に帰るわけにはいかなくなっちまうのよね。たまには息抜きだい!

 ちょうど今日7月20日は夏休み初日という少年少女が多かったらしく、しかもなにかしらの新作映画が公開初日を迎える土曜日だったということもあって、私が行ったシネコンもいつも以上の混雑ぶりを見せていました。
 いや、それにしても、なんだこのコミコミ具合は……チケット売り場も物販売り場も長蛇の列! 館内がもう、中高生から大学生くらいの若いグループ客でいっぱいですよ? これはいったい、どんな作品の初日にぶち当たっちまったんだろうか。

 あぁ~……『風立ちぬ』の初日だったのか。大いに納得。ジブリの御旗はまったくもって健在ですなぁ。

 さてさて、私自身が『風立ちぬ』をスクリーンで観るのかどうかはわからないのですが、たぶん8月上旬の試験が終わった後でもまだまだ上映はしているでしょうし、わざわざ満員御礼になっている今日にムリして観ることはないでしょう。のんびりかまえたいと思います。

 それじゃあ何を観たのかといいますと、やっぱり我が『長岡京エイリアン』としてはなんだかんだいっても見逃せない、この作品。


アニメ映画『劇場版 銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』(2013年7月公開 ワーナー・ブラザース映画 110分)

 『劇場版 銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』は、マンガ雑誌『週刊少年ジャンプ』(集英社)に連載中の空知英秋による SF人情なんちゃって時代劇コメディマンガ『銀魂』を原作としたアニメーション映画。2013年7月6日より全国映画館にて公開。「週刊少年ジャンプ創刊45周年」記念作品。
 テレビ東京系列ほかにて3期に渡って(2006年4月~10年3月、11年4月~12年3月、12年10月~13年3月)放送された TVアニメ『銀魂』の映画版第2作にして、アニメシリーズの完結編と位置づけられている。本作は原作者の空知英秋自らが、ストーリーとキャラクター原案を手がけた完全オリジナルエピソードとなっており、主人公である坂田銀時の過去にまつわるストーリーが描かれる。主題歌は、 TVアニメ版でも2回主題歌を手がけたロックバンド・ SPYAIR(スパイエアー)。
 劇場入場者限定特典として『コミックス第ゼロ巻風メモ帳』がプレゼントされる。
 全国127スクリーンで2013年7月6~7日の公開初日2日間で動員22万人、興行収入2億8千万円を記録し、映画観客動員ランキングで初登場第4位となった。

ストーリー
 「ある力」によって、唐突に自分の存在していない5年後の未来に投げ出された銀時は、崩壊した江戸の街を目の当たりにする。 荒れ果てた地球に残されたのは、貧しい者と、これを機に政府を潰そうとする攘夷志士たち、秩序の崩壊を利用するゴロツキども、そして、逃走するのが性に合わない頑固者だけ。 さまよう銀時は、ふたりの若者に出会う。 腰に差す「洞爺湖」の木刀で颯爽とゴロツキを蹴散らすメガネの青年と、巨大な犬型エイリアン「定春」を引き連れ、銀時の着流しの模様をあしらったチャイナ服を身をまとう美女。 それは成長した志村新八と神楽の姿だった。 やがて銀時は、変わり果てた未来の姿と、数多くの衝撃の事実を知ることとなる。

おもなスタッフ
監督 …… 藤田 陽一(35歳)
原作&ストーリー・キャラクター原案 …… 空知 英秋(34歳)
脚本 …… 大和屋 暁(40歳)
キャラクターデザイン・総作画監督 …… 竹内 進二(?歳)
監修・録音演出 …… 高松 信司(51歳)
アニメーション制作 …… サンライズ
配給 …… ワーナー・ブラザース映画

主題歌
SPYAIR 『現状ディストラクション』
Tommy heavenly6 『 Pray』( TVアニメ版第1期初代オープニングテーマ)

おもな登場キャラクター
坂田 銀時        …… 杉田 智和(32歳)
志村 新八        …… 阪口 大助(39歳)
神楽           …… 釘宮 理恵(34歳)
近藤 勲         …… 千葉 進歩(42歳)
土方 十四郎       …… 中井 和哉(45歳)
沖田 総悟        …… 鈴村 健一(38歳)
山崎 退         …… 太田 哲治(33歳)
桂 小太郎        …… 石田 彰(45歳)
未来のエリザベス     …… 神谷 明(66歳)
寺田 お登勢       …… くじら(52歳)
平賀 源外        …… 島田 敏(58歳)
からくりロボットたま   …… 南 央美(45歳)
長谷川 泰三       …… 立木 文彦(52歳)
志村 妙         …… 雪野 五月(43歳)
柳生 九兵衛       …… 折笠 富美子(38歳)
百華の月詠        …… 甲斐田 裕子(33歳)
猿飛 あやめ       …… 小林 ゆう(31歳)
キャサリン        …… 杉本 ゆう(38歳)
高杉 晋助        …… 子安 武人(46歳)
坂本 辰馬        …… 三木 眞一郎(45歳)
時間泥棒         …… 山寺 宏一(52歳)
傭兵部隊長・魘魅(えんみ)…… 磯部 勉(62歳)


 これですよねぇ。
 現時点では完全に停止状態になっているとは言え、腐りきっても「花咲けるるろうに銀魂ロード」という企画をぶちあげている『長岡京エイリアン』であります。この「原作者自身による完全オリジナル完結篇」という看板を背負っている劇場版第2弾、見逃す手はあり得ません。

 とかいってもよう、実は最近のわたくしめはと言いますと、仕事だ勉強だと逃げ回って『銀魂』の原作をチェックする機会ものがしまくってしまい、だいたい第45巻くらいから先はまるで読めていないというていたらくでありまして……もうコミックス、その後5冊くらい出ちゃってるよ! いつかいっき読みして追いつかなきゃとは思っているんですが、なんか『銀魂』って、さらっと読めない密度があるのよねぇ。まったくもっていいことだとは思いますけど。

 思えば、アニメの第2・3シリーズもろくに観られなかったしなぁ……そう考えると、アニメ『銀魂』を楽しむのもそうとう久しぶりということになります。期待はいやがおうにも高まりますねぇ。
 本作はすでに公開3週目に入っているのですが、『風立ちぬ』『モンスターズ・ユニバーシティ』『ポケモン』といった夏休みならではのお化け興行に喰らいつく勢いを維持し続けているようで、実際に私が観た回も、会場は2~300席クラスのスクリーンが8割は埋まっているという盛況ぶりでした。もちろん、客層はかなり若い中高生が中心! わこうどですね~。さすがは「週刊少年ジャンプ創刊45周年」記念作品。
 ついでに言いますと、本日は私が観た前の上映回で、藤田陽一監督とレギュラー声優陣が登壇する舞台挨拶もあったようです。夏休みらしくていいですねぇ!


 さて、肝心の内容のほうに入りますが、この作品は宣伝等でも大いにプッシュされているように、「原作者みずからが中心となって推し進められた完全オリジナル劇場版」といううたい文句に恥じない、原作マンガと同じかそれ以上に密度の濃いセリフ量とストーリー展開で、まさしくその魅力が「しっぽの先までつまった」超豪華作品となっていました。

 そう言われてみれば、原作マンガにして2004年以来、アニメ作品にして2006年以来という、人気少年マンガの世界ではそうそうざらにはない「長寿タイトル」となっているこの『銀魂』でも、実は今回の『完結篇』のように本格的に「タイムトラベル」をテーマに取り入れたエピソードはなかったんですよね。そういう意味でも、ついに作者自身が「秘蔵の虎の子」を繰り出してしまったか……という満を持した感があります。

 ストーリーライン自体はだいたい上にあげたとおりで、それ以上のことはとにかく実際に観てみなければわからない……というか、文章にしたところで意味がないハイテンションなギャグに満ちています。そのギャグにまみれながらも、一瞬の間隙をついて観客の心にグサリと突き刺さってくるセリフがたまに繰り出されるのが実に『銀魂』らしいですね。

 作品の外枠としては、「主人公が見知らぬ未来世界に放り出される」という意味で原作コミックの第324~26訓で展開された「休載後の未来篇」(2010年11月 すでにアニメ化済み)が非常に今回の劇場版に通じるものを持っていると思うのですが、徹底的にギャグ化されていた休載篇とは真逆のベクトルでハード路線を突き詰めたのが劇場版といった感じで、まったく違うオリジナルな物語になっていたと思います。また、銀さんが完全な逆境に追い込まれるという点では、言うまでもなく第372~80訓の「金魂篇」(2011年11~12月 こちらもアニメ化済み)がよく似ていますよね。ちなみに、おのおののエピソードの主人公にとって、「休載篇」は2年後の世界、「金魂篇」は2ヵ月後の世界が激変したという始まり方になっています。そこから比較しても、今回の完結篇の5年後という設定は最大級の冒険になっているわけです。そしてさらに、物語が進行していくにつれて明らかになるのは、未来ではなく過去、本編世界のおよそ10年前にあたる「攘夷戦争」での出来事……まさしく、これまであまり真剣に語られることのなかった『銀魂』ワールドの「始まりの特異点」にせまる大盤振る舞いな展開ですね。










《途中だァアアアア》
コメント
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