長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

『軍師官兵衛』  視聴メモ 第31回『天下人への道』

2014年08月04日 08時22分11秒 | 日本史みたいな
『軍師官兵衛』第31回『天下人への道』(2014年8月3日 演出・尾崎裕和)


登場する有名人・武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)

黒田 官兵衛 孝高  …… 知力84、統率力67
 (演・岡田准一)

黒田 長政      …… 知力77、統率力63
 (演・松坂桃李)

浅井 茶々姫     …… 知力16、統率力21
 織田信長の妹・お市の方の長女。(演・二階堂ふみ)

高山 右近 重友   …… 知力71、統率力75
 (演・生田斗真)

荒木 道糞(どうふん)…… 知力52、統率力83
 (演・田中哲司)

足利 義昭      …… 知力98、統率力86
 (演・吹越満)

母里 太兵衛 友信  …… 知力44、統率力80
 (演・速水もこみち)

後藤 又兵衛 基次  …… 知力14、統率力75
 (演・塚本高史)

石田 三成      …… 知力92、統率力60
 (演・田中圭)

丹羽 長秀      …… 知力82、統率力73
 (演・勝野洋)

柴田 勝家      …… 知力51、統率力87
 (演・近藤芳正)

池田 恒興(つねおき)…… 知力56、統率力68
 (演・大橋吾郎)

浅井 お市
 織田信長の妹。(演・内田恭子)

蜂須賀 小六 正勝  …… 知力74、統率力90
 (演・ピエール瀧)

羽柴 小一郎 秀長  …… 知力83、統率力75
 (演・嘉島典俊)

瀧川 一益      …… 知力66、統率力78
 (演・川野太郎)

吉川 元春      …… 知力58、統率力85
 (演・吉見一豊)

織田 信孝      …… 知力39、統率力52
 (演・中山麻聖)

毛利 輝元      …… 知力85、統率力80
 (演・三浦孝太)

加藤 清正      …… 知力63、統率力81
 (演・阿部進之介)

福島 正則      …… 知力45、統率力83
 (演・石黒英雄)

中川 清秀      …… 知力26、統率力75
 (演・近江谷太朗)

真木島 昭光     …… 知力65、統率力33
 (演・小久保 丈二)

織田 信雄(のぶかつ)…… 知力39、統率力65
 織田信長の次男(演・小堺翔太)

小早川 隆景     …… 知力83、統率力77
 (演・鶴見辰吾)

千 宗易(そうえき)
 堺の豪商で茶人。織田信長と羽柴秀吉の茶頭をつとめる。(演・伊武雅刀)

羽柴 秀吉      …… 知力95、統率力94
 (演・竹中直人)

黒田 職隆      …… 知力72、統率力55
 (演・柴田恭兵)


ざっとの感想

●最近やたらと注目度の高い「清洲会議」は、アバンタイトルでささっと処理! いいですねぇ~、この映画『清須会議』を小馬鹿にした流れ。それはそれでいいと思うんですけど、依然として「柴田の織田信孝推し VS 羽柴の織田秀信推し」という古っくさい対立構造を堂々と持ち込んでいる脚本の神経がまったく理解できません。
 だ・か・ら! 清洲会議は織田信長の後継者を決める会議じゃなくて、「織田家」の後継者と領土配分を決める会議なの!! そんで、織田家の当主はとっくの6年前(1576年)から、信長の嫡男の織田信忠がつとめてたの!! その信忠に嫡男(秀信)がちゃんといるんだから、織田家の後継者争いなんてハナッからやる必要がないじゃん。なんで秀信をさしおいて、信孝とか信雄とかいう親戚連中の名前が出るわけ?
 秀吉は劇中で、そういう意味で勝家のことを「うつけ」と言っていたんでしょうか。それだったら納得いきますわ、信孝を次期当主に推すなんて、織田家に対する不忠もいいとこですもんね!

 それにしても、『清須会議』でヒラの清須城門番を演じていた近藤さんが、『軍師官兵衛』で柴田勝家を演じているとは……いったいどんなパラレルワールド!? それで、『軍師官兵衛』で清洲城の門番を役所広司さんがチョイ役で演じていたら最高だったんですが、そうはいかないよねぇ。

●セリフもない一瞬だけの登場だったのに、イケメンの信孝をさしおいて「なんだ、こいつ!?」と視聴者の注目をさらっていく織田信雄のバカ殿っぷり。いや、さすがに戦争の経験もある武将だし、のちに内大臣にまでのぼりつめて天寿を全うする人物でもあるんですから、信雄さんもそんなにひどい扱いされるいわれもないとは思うんですが……まぁ有能じゃないですけどね。
 信忠さんも信雄さんも、なんと死後400年にもわたって無視されたりバカにされたり。なんで後世の人々にこんなにいじめられなくちゃいけないんですかねぇ。親父が有名だとこんなに苦労するもんなのかねぇ~。

 だいたい、演じた小堺翔太さんって、お父様のことはおいといて、アナウンサーさんなんでしょ? なんで信雄役の白羽の矢が立ったの!? 小堺さんにしろ今週ゲストのウッチーにしろ、大河ドラマに出たい人は、役者じゃなくてアナウンサーになればいいのか!? 視聴者と織田一門をナメてんじゃねーよ!!

○千宗易、のちの利休として、竹中秀吉の「前任」官兵衛の伊武雅刀キター! 気持ち悪い、ナイスヴォイスが気持ち悪い!!
 2人ともやけに声がいいという共通点もあるわけなのですが、今からおよそ30年前の1980年代に、各自、プロフェッショナルな芸人の世界とは違った、「異形」な得体の知れないゾーンから日本のお笑い界の天下取りに名乗りを上げた人物であったことを考えると、この竹中・伊武ペアが秀吉・利休ペアを、日本を代表する俳優みたいなもっともらしい顔をして NHK大河ドラマで演じているという事実の「異常さ」が伝わってきますねぇ。なんなんだ、このおじさんたちは……

●義昭「そちは甘いのう。かようなときは、両方に恩を売っておくのじゃ。それが世渡りというものじゃ。」
 いかにも将軍・足利義昭公らしい処世術なのですが、それは現在のあなたに、政治的にも軍事的にもなんの責任もないからできることなのでありましてですね……そのどっちかでもあったら、両方にいい顔したことがバレた時点で即刻、人生没シュートになっちゃうわけです。義昭公の場合、この鞆の浦幕府時代がすでに「権威だけあってその他の残高オールゼロ」というアンバランスにおちいっているからこその、奇跡的な身軽さなのでありました。
 だいたいあなた、両方に恩を売っておくというテクニックをかたくなに使おうとしなかったから京を追い出されたんでしょ!? しれっと自分のいちばん苦手なことを、さも持ち技であるかのように言うんじゃありません! 義昭公の存在の軽さは、ご自身のプライドのはかりしれない重さがあって初めて生まれるものなのです。脚本はそこの苦しみをまるでわかっちゃいない!!
 ま、吹越さんがおもしろいから、いいけどね。

○官兵衛 VS 荒木村重、因縁の再会!!
 茶室という静寂そのものの世界でグツグツと煮えたぎる憎しみ……官兵衛の感情が久しぶりにかき乱される非常に印象深いシーンなのですが、そこを演出した宗易の恐ろしさと、確実にどこか別の世界に「いっちゃった」村重のたたずまいの不気味さがものすごい迫力でした。
 極限までせまく設計された茶室って、ほんとにこわいね~!! 官兵衛だったら、有岡城の土牢フラッシュバックものだろ!

○秀吉の「長政ぁ! よろしくやっておるのう……」のときの手のジェスチャーが完全に NHKアウトですよね。さすがは竹中秀吉、そこらへんのアグレッシヴさは健在だ!!
 それにしても、飲み物をわざとこぼしてハンカチふきふき作戦とは……糸姫、いったいどこの大学サークルコンパでその手を習得しおったか!?

○長政と糸姫からしてみたら、正月からウザいことこの上ないんですけど、その「宴会のノリで縁談作戦」。いかにも新年イベントっぽくて秀吉らしいっちゃあ秀吉らしいんだけど、家臣一同のさらしもんにされる身にもなってみろってんだよ、ホント……

●もこみち太兵衛、声量なさすぎ。もっと腹から声だせやぁあ!!

○村重「秀吉は、織田家を乗っ取ろうとしておるというではないか。そのような男の天下というものは、げに恐ろしき天下であろうのう!!」
 内心、それを聞いて「ゴメン、それ、そそのかしてるの、おれ。」とつぶやく官兵衛であった……
 なんと、おのれの生への執着に正直な男であることか、荒木村重! それこそ、ひとつの物語の主人公になってもいいくらいの有為転変を生き抜いてきた武将であるわけなのですが、いさぎよくなれない生き物の業のかたまりのような村重が化け物なのか、それとも、あれほどに明朗快活な青年だった村重をそうさせてしまった時代が化け物なのか。
 村重ほどではないにしても、官兵衛だって「天下」という正体不明の化け物のために、身も心もだいぶ変貌してしまったわけで。
 この、官兵衛と村重との合わせ鏡のような関係は、実にドラマティックでいいですね。脚本、仕事してる!

○先週から気になってたんだけど、黒田熊之助くん役の赤ちゃん、寝てるときに目があきすぎ! 死んでるのかと思ってビックリしちゃったよ! 死ぬのはもっと、おっきくなってから!!

○秀吉が、賤ヶ岳合戦で加藤清正みたいなシルバーの兜をかぶってるのは珍しいような気がしました。秀吉といえばやっぱりゴールドですからね。これはモデルになった兜が残ったりしているんですかね?

○別に個人の容姿をうんぬんするつもりはないのですが、浅井三姉妹の末っ子のお江役の女の子がちゃんと11歳という年齢相応のキャスティングだったのと、それほどかわいらしいわけでもなく、いたってフツーな顔だちだったことに、あの『江』へのなんらかのメッセージを感じ取りました。そうそう、お市の方も淀の方も、今まで浅井家の母子は不相応に拡大解釈されすぎだったんですよ! そんな感じにフツーでいいじゃんって話なワケよ!!

●うん、そうそう、淀の方だってフツーでいいんですよ、フツーで……って、フツーっていうか、むしろ……あれ? こんなヤツ、側室にすんの!? 天下取りはつらいなぁ~!!

●お市の方、セリフひとつだけでした。うちゆき姫に続き、そら豆姫、昇天。


結論、「第32回がとてもたのしみです。」

 エッ、まさか、来週で柴田恭兵さんとおさらば!? これはつらいなぁ!

 っていうか、今回やっと気がついたんですけど、最初のキャスティング表で、柴田恭兵さんのお名前を初回から前回まで、ず~っと「恭平」と誤記してしまっておりました……大変に失礼をいたしましたが、うち直すのが面倒くさいので、当面修正する予定はございません。

 恭兵さん、退場する直前の今さらですが、ずっと間違えてて本当にすみませんでした! 恭兵ヘ~イ!!
コメント
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