長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

若大将ぬらりひょん健闘!思ったよりも頑張っとるねぇ~、チミ!! ~ぬらりひょんサーガ第41回~

2021年08月22日 21時35分44秒 | ゲゲゲの鬼太郎その愛
前回までのあらすじ≫
 江戸時代の誕生いらい、変幻自在に姿を変えて日本の妖怪文化の成長・発展にぬらっと寄り添ってきた、謎の妖怪ぬらりひょん。
 ながらく「百鬼夜行のモブ」生活に甘んじていた彼も、太平洋戦争後の日本における妖怪の人気キャラクター化を契機として、「いつの間にかいる」属性や「見た目が爺さん」属性を獲得し、ついには「日本妖怪の総大将」という称号までをもうかがう知名度を手にした!
 果たして、ぬらりひょんは本当に妖怪総大将たりえるのか。時代が彼にあたえし運命の少年「ゲゲゲの鬼太郎」の追撃も華麗にかわしながら、時には得意のペテンで他の妖怪をだまくらかすクセ者妖怪となり、時にはなぜか地獄の閻魔大王の側近となり、また時にはそのカリスマ性で日本妖怪を束ねる本物の総大将となり……ぬらりひょんは様々な立場と性格で物語に登場する、超有名妖怪の仲間入りを果たしたのだった。
 そして、日本声優界の最重要人物である大塚周夫のぬらりひょんに始まった2010年代は、なんとその子息・大塚明夫のぬらりひょんで幕を閉じるという驚異のディケイドとなったのである。
 あの鬼太郎を前にしても一歩も引かない、史上最凶ともいえるワルっぷりを発揮した明夫ぬらの堂々たる退場ののちに、新たなる2020年代はやってきた。悪役、良い役、大物、小物……もうなんか、できることはやりつくした感さえ漂ってきた妖怪ぬらりひょん。しかし、あらゆるポジションを楽しんだからと言って、外見通りに楽隠居を決め込むような安定志向型の妖怪であるわけがないことは、火を見るよりも明らかであった。
 往生際の悪すぎるよくばり妖怪ぬらりひょん! 果たして彼は、新時代にどのような次の手を打ってくるのであろうか!?


 ……って、さんざん風呂敷を広げましたけれども、今、2020年代が始まって1年半しか経ってないんですが。

 正直、ね。たった1年ちょっとでネタが集まるはずがないんですよ! 明夫ぬらだって、実質活動期間の半分2020年代ですからね。まだまだスタートしたばっかじゃないですか。

 簡単に触れておきますが、明夫ぬらを2010年代のぬらりひょんにカテゴライズしてしまいますと、純粋な2020年代生まれの最初のぬらりひょんは、昨年2020年の8~9月にテレビ朝日系列で土曜深夜に放送していた妖怪コメディドラマ『妖怪シェアハウス』(全8回)における大倉孝二ぬらりひょんということになります。
 でも、大変に不勉強なことに、私このドラマちゃんと視聴していなくて、TVで1~2回ながら見したかなってくらいで、印象が全然残ってないんですよね。のんきな一人暮らしだったらともかく、実家住まいの土曜の夜って、消灯が早いんだよなぁ! しかも「2ヶ月放送全8回」っていうのは、一体全体どんなサイズなのでしょうか。1クール13本やって一人前……という認識はもう古いのかなぁ。なんか見逃しやすいだけのような気がするのですが……でも今はネット配信の時代だし、そもそも「見逃したから観てない」っていう言い訳は存在しえないのか。「チャンネル争い」とか「予約録画したのにナイターで放送時間ズレた!」とか「Gコード予約」とかは、現代のわこうどたちには通じないワードなのかのう!

 それはともかく大倉ぬらりひょんなのですが、こちらはまともにその生態を観察していないのでなんとも言いようがないのですが、とにもかくにも、普段は弁護士や経営コンサルタントとして人間社会になじみまくっているそのキャラクター設定は、まさしく「人の世なれ」した妖怪ぬらりひょんの独擅場と言ってもよく、人間と妖怪の世界を自由に往来でき、その知識と処世術で主人公の良きサポート役にもなれるという、他の妖怪どもになかなかおびやかされない専売特許を手にしたぬらりひょんの成功が見られる、絶好のキャスティングだなと感じました。もはや、日本妖怪の中でのぬらりひょんの地位は不動のものに!
 すばらしいですね。「妖怪総大将への野望」というギアを入れればふてぶてしい悪役にもなれるし、そこを抜けば人間側の主人公たちの頼もしい味方にもなってくれる便利な妖怪ぬらりひょん! その身軽さは、妖怪を題材とした作品が大量に作り出される現代でこそ発揮される才能なのでした。時代がやっとわしに追いついたわい!!

 そんな感じで、のっけの2020年から新しい作品に活躍の場を見いだすぬらりひょんですが、今年2021年にも、無名時代から深い縁のあるあの伝統シリーズの最新作に登板する運びとなったのでありました。そりゃそうです、彼なしにこのタイトルは語れない!


映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』(2021年8月13日公開 118分 東宝)
あらすじ
 日本列島中央部の大地溝帯フォッサマグナに眠る古代の化石が結集して生まれた怨念「妖怪獣」が、東京への進撃を開始した。人間には自然の群発地震にしか見えなかったが、真相に気付き「このままでは世界が滅ぶ」と危惧した妖怪たちは、これを食い止めるべく伝説の妖怪ハンターの血を受け継ぐ小学生の渡辺兄と共に戦いを挑む。

おもな登場人物・妖怪(年齢は映画公開当時のもの)
渡辺 兄(けい)…… 寺田 心(13歳)
 主人公。伝説の妖怪ハンター渡辺綱の血を受け継ぐ小学5年生。東京都所沢市在住。亡くなった父(演・北村一輝)から弟を守るよう託される。綱が用いていた妖刀・鬼切丸を振るって戦う。
渡辺 弟(だい)…… 猪股 怜生(8歳)
 ケイの弟。赤いおみくじを引いた者と勘違いされてぬらりひょんたち日本妖怪に連れて行かれ、大魔神を呼び覚ます依代にされる。
狐面の女 …… 杉咲 花(23歳)
 ケイを導く謎の剣士。その正体は九尾の狐。
ぬらりひょん …… 大森 南朋(49歳)
 肥大した脳を持つ、頭脳明晰な日本妖怪の総大将。
隠神刑部狸 …… 大沢 たかお(53歳)
 八百八狸を従える狸妖怪のリーダー。妖怪獣により「あのお方」が復活し、人間が滅びることを願っている。牛鬼が化けた牛鬼バイクに跨る。
姑獲鳥 …… 安藤 サクラ(35歳)
 死んだ赤ん坊を抱え、血だらけの着物を着た妖怪。
猩猩 …… 大倉 孝二(47歳)
 真っ赤な肌と装束を身にまとった猿のような妖怪。本作では関西弁で話す。
天狗 …… 三浦 貴大(35歳)
 ぬらりひょんをサポートし、国際妖怪会議「ヤミット」で演説を行う。
雪女 …… 大島 優子(32歳)
 身体は氷のように冷たいが、心は熱い妖怪。冷たい態度をとる男性を好み、いつもつれない隠神刑部狸に惚れ込んでいる。
天邪鬼 …… 赤楚 衛二(27歳)
 自分の考えとは逆の回答ばかりを出す妖怪。
茨木童子 …… SUMIRE(26歳)
 武闘派な鬼一族の特攻隊長で、斧を用いて戦う。
酒呑童子 …… 浜尾 ノリタカ(21歳)
 刀を武器に戦う鬼の頭領。
渡辺 綱 …… 北村 一輝(52歳 渡辺兄と弟の父と二役)
 ケイの先祖にあたる伝説の妖怪ハンター(953~1025年)。
小豆洗い …… 岡村 隆史(51歳)
 桶に入れた小豆を洗うだけの妖怪。
夜道怪 …… 遠藤 憲一(60歳)
 托鉢僧の姿をした、子供を誘拐する妖怪。
すねこすり …… 小桜 エツコ(声 50歳)
 人間のすねにまとわりつく人懐っこい妖怪。
ドラキュラ伯爵、ミイラ、半魚人、人魚、サイクロプス、メデューサ、フランケンシュタインの人造人間、イエティ、サテュロス、魔女、殺人ピエロ、ゾンビ、メー・ナーク、刑天、トロル、生き人形、他
 中国・北京で行われた国際妖怪会議「ヤミット」に集まった世界各国の妖怪たち。ぬらりひょんから妖怪獣と戦うよう懇願されるが、断って帰ってしまう。
妖怪獣
 日本のフォッサマグナに眠る太古の化石たちの怨念が結集して生まれた存在。初期形態は高さ約300mで、巨大なアンモナイトのような形態から龍のような形態に変身する。
大魔神
 妖怪獣を止めるため妖怪たちが蘇らせようとする伝説の武神。特撮映画『大魔神』シリーズ(1966年 全3作)に登場する神で、今作ではリデザインされ、身長9.8m。
あのお方
 東京に五芒星の結界によって封印されている謎の存在で、妖怪たちの元祖とされる。雑面をシンボルとし、妖怪獣の東京侵攻によって目覚めさせられようとしていた。荒俣宏による小説版では、日本の中部・関東・近畿地方で信仰される自然神ミシャグジと同一視されている。
加藤 彦一 …… 神木 隆之介(28歳)
 兄の担任の先生。授業で兄にフォッサマグナとそこに眠る化石について教える。ラストシーンで、黒板に妖怪獣によって目覚めさせられようとしていた「あのお方」を表す雑面を描き、その正体が前作『妖怪大戦争』(2005年)の悪役・加藤保憲であることが明かされる。演じる神木は、前作で主人公の稲生タダシを演じていた。

おもなスタッフ(年齢は映画公開当時のもの)
監督 …… 三池 崇史(60歳)
脚本 …… 渡辺 雄介(41歳)
音楽 …… 遠藤 浩二(57歳)
撮影 …… 山本 英夫(61歳)
美術 …… 林田 裕至(60歳)
妖怪デザイン …… 寺田 克也(57歳)、井上 淳哉(49歳)
制作 …… OLM
主題歌『ええじゃないか』(歌・いきものがかり)


 はい、はい、そうでございます。この夏の日本のお化け映画の大本命ともいえる、角川大映伝統の「妖怪シリーズ」の、まさかの最新作でございます!
 いや~、あの神木隆之介くん主演の平成版『妖怪大戦争』(2005年)の熱狂から、もう16年になりますか。え、16年? 10周年でも20周年でもなく、16年……なんか中途半端。まぁ、妖怪の新作映画が観られるんだから文句はナシで。

 2005年版『妖怪大戦争』と今月公開の『ガーディアンズ』は、直接のつながりこそ言及されないものの同じ三池崇史監督作品です。さらには配給に角川大映が関わっていることからもわかる通り、さかのぼれば映画『妖怪百物語』(1968年)、『妖怪大戦争』(1968年)、『東海道お化け道中』(1969年)の大映「妖怪シリーズ」の直系の子孫ということになります。「妖怪シリーズ」といえば、言うまでもなく下積み時代の妖怪ぬらりひょんが、「何もせずフラフラ歩いているだけの百鬼夜行モブ」として糊口を凌いでいた臥薪嘗胆の場でしたね。因縁深い!
 ただし、純然たる時代劇の味わいが強かった昭和の妖怪シリーズと違って、前作の平成版『妖怪大戦争』は「ゲゲゲの鬼太郎ブーム」以降の現代妖怪文化を総括するようなごった煮テイストとなっており、わんさと登場する妖怪どもを現出せしめるにあたり、時に着ぐるみ、時に特殊メイク、時に CGビジュアルという様々な特撮技術の手数でさばきまくる様子は、まさに妖怪映画の見本市のようなお祭り感にあふれていました。

 妖怪の造形という点では『さくや 妖怪伝』(2000年)から始まる「原口智生監督の妖怪シリーズ」の雰囲気を受け継いでいるし、舞台が現代という点では東宝の『学校の怪談』シリーズ(1995~99年 全4作)を彷彿とさせる時代性もあり、ラスボスがあの魔人・加藤保憲という点では『帝都物語』(1988年)からの「加藤保憲三部作」の続編でもあるし、「妖怪と陰陽師」の関係で言えば野村萬斎主演の映画『陰陽師』二部作(2001~03年)の外伝とも言えるという手広さだったかと思います。後年への影響という点では、ウエンツ瑛士の主演による実写映画版『ゲゲゲの鬼太郎』二部作(2007~08年)の実現にも、平成版『妖怪大戦争』のヒット(興行収入20億円)が寄与したところは大きいのではないでしょうか。さすが三池監督、まさにお祭りといいますか、節操なさすぎ!

 今年の『ガーディアンズ』に行く前に、前作の平成版『妖怪大戦争』でのぬらりひょんの活躍を振り返ってみたいのですが、ここでぬらりひょんを演じたのは、大御所ミュージシャンの忌野清志郎さんでした。なるほど、日本音楽史にその名を残す大偉人なのに、確かにそのフットワークの軽さは妖怪じみているというか、ぬらりひょんそのものでしたね!
 そして、忌野ぬらりひょんはまさしく昭和の妖怪シリーズの直系の子孫といった感じで、派手なお大尽のような和服を着こんではいても、その実まったく役に立たない空気妖怪(でも存在感はなんかある!)という絶妙な脱力キャラとなっていました。当然、妖怪の総大将などでは全くありません。でも、あの映画に絶対にいなくてはならない妖怪なんだよなぁ。演技なぞほとんどしていないようなのですが、本当に見事なぬらりひょんっぷりでした。

 さて、その点、満を持して公開された今回の『ガーディアンズ』における最新モデルぬらりひょんの活躍は、どうだったのでしょうか。

 まず、本記事は『ガーディアンズ』の感想記事ではなく、あくまでも「ぬらりひょんがどうだったか」を考察する内容ですので、ここでは映画本編中のぬらりひょんの活躍に限定して話を進めていきたいと思います。映画全体の感想は、最後にちょろっと!

 本作で妖怪ぬらりひょんを演じたのは、今ノリにノッている中年俳優の大森南朋さんです。麿赤児さんじゃなくて、息子さんがぬらりひょんやってるよ!

 本作における大森ぬらりひょんは、国際妖怪会議「ヤミット」にも日本代表として出席するまごうかたなき「妖怪総大将」として、物語に欠かせない存在として登場します。前作の忌野ぬらりひょんとはまるで違う頼もしさ!
 先述のあらすじにもある通り、妖怪獣が東京に進撃した場合、東京に封印されていた「あのお方」の結界が破られ、その結果日本列島が分裂、崩壊してしまうことに。それを恐れた日本妖怪と総大将ぬらりひょんは、妖怪獣を食い止める力を持つ伝説の武神「大魔神」を復活させるために、平安時代にその名を轟かせた妖怪スレイヤー・渡辺綱の子孫である渡辺兄を呼び出すのでした。
 つまり、本作のぬらりひょんは日本列島の崩壊を防ごうと奮闘する大役を担うわけなのですが、かつて平成版『妖怪大戦争』においては、魔人・加藤保憲による「日本妖怪機怪化計画」を阻止しようと決起した者は猩猩(近藤正臣さんのほう)や川姫くらいだったのに対し、今作の大森ぬらりひょんはかなり迅速に日本妖怪の総意をとりまとめて渡辺兄を捜索・補足しているあたり、非常に手際のよいものがあります。まるで忌野ぬらりひょんとは別個体のようなリーダーシップ!

 実際に、本作には少なからず前作『妖怪大戦争』と同じ妖怪が再登場しているのですが、猩猩や天狗、すねこすりといったおなじみの面々も容姿や方言からして前作とは別個体で(小豆洗いを除く)、わけても我らが大森ぬらりひょんは、青白くぶよっとした頭部に赤い派手な長羽織をまとっていた忌野ぬらりひょんとはまるで違う、ヒビのように深いしわの刻まれた頭部に、くすんだからし色の中羽織を着ている枯れた老人の姿をしています。でも、身のこなしはだいぶ軽くて頭脳もしゃべり方も明晰ですけどね!

 かつてマンガ『鬼太郎国盗り物語』や『ぬらりひょんの孫』で、ペテンなし正真正銘の妖怪総大将を担った経験のあるぬらりひょんでしたが、今作での特徴は、意外と日本妖怪の中でも妖怪獣への対応の点で、諸勢力が分裂しているというところでしょうか。
 具体的には、ぬらりひょんに賛同する日本妖怪たちとは袂を分かつ形で、とりわけ人間に対立的な「鬼勢力(茨木童子、酒呑童子など)」と、妖怪獣のせいで日本の人間界がどうなろうが、野生に暮らす俺たちは知ったこっちゃないという立場の「隠神刑部狸とたぬき勢力(八百八狸軍団)」が作中に登場します。そのため、いかなぬらりひょんといえども日本全国の妖怪をしっかり束ねている、という訳ではないようです。そこらへんの苦境にわたわた慌てる大森ぬらりひょんの姿は、なかなかリアルですね。

 今作における大森ぬらりひょんは、ともかく知恵だけで日本妖怪の代表になっているような知性一辺倒のキャラクターで、その点は平成も含めて過去の「妖怪シリーズ」でのぬらりひょんとはだいぶ違った印象を与えるのですが、完全に人間に味方する正義の妖怪というよりは、渡辺党の子孫が大魔神の人柱になることを知っていながら黙っていたりする小ズルい部分も見られることから、人間社会が崩壊すると日本妖怪も活躍の場を失ってしまうから仕方なく助勢している、といった態度が見え隠れする、かなりグレーな存在となっています。こういうところは実に妖怪シリーズっぽいといいますか、「正直、人間の命なんかどうでもいいが。」という姿勢がギリ残されているのは良かったですね。あくまで独立種族であるという矜持は守っているという。
 また、映画本編を観るまでは「えぇ~、親父さんじゃなくて大森さんがぬらりひょんなの~!?」という不安もあったのですが、実際に観てみますと、やはり若すぎる感じはしますが、特段なんの超能力も、手製爆弾も仕込み杖さえも持ち合わせず、とにかく知恵と弁舌だけで日本存亡の危機をなんとかしようとするその徒手空拳っぷりは、まさしく妖怪ぬらりひょんの原点回帰を観た思いがいたしました。シンプルじじい、is the best!!


 2020年代の2人のぬらりひょんについてまとめますと、大倉ぬらりひょんも大森ぬらりひょんも(大塚明夫ぬらりひょん以来「大」が多いな!!)、過去にくっついてきた幾多のイメージの中から、「人間界との親和性が高い」という要素を上手に抽出したキャラクターになっているような気がします。そのため、無数の日本妖怪の中でも、フィクション作品にダントツで登場させやすい人気タレントになりおおせているのではないでしょうか。頭もいいし人間・妖怪双方の世界に詳しいし、味方やストーリーの説明要員にしたら、これほど頼りになるキャラもいませんよね。
 しかし、どっちのぬらりひょんも本当に角が取れてるといいますか、シリアスもコメディも両面でイケる便利な妖怪になったもんですね。これも、直前の明夫ぬらりひょんがあそこまでにド外道な悪役に徹してくれたおかげなのかな? 悪逆非道のデトックス効果!!

 まぁ、最新だからといって大森ぬらりひょんが何か新しい地平を切り開いているかというと、正直そ~でもないのですが、今はとりあえず、アブない橋は渡らずに地道にコツコツぬらりひょんの名を広める草の根運動を行っているというところなのでしょうか。その努力は、必ず大輪の花を咲かせますよ! まずは力を蓄えよ、総大将!!

 さて、このように2010年代から再開した我が『長岡京エイリアン』の「ぬらりひょんサーガ」も、なんとか最新の項目にまでたどり着きましたので、いったんここで再び打ち止めとさせていただきたいと思います。
 さぁ、次のこの記事を立ち上げる時は、一体どのようなぬらりひょんが現れるのでしょうか!? 2020年代も、まだまだ始まったばかりであります!!

 たかだか生まれて3~400年、まだまだ新人ぬらりひょん。休むヒマなどわしゃいらぬ! じじい青春まっただ中!!


【超蛇足ですが】
 映画としての『妖怪大戦争 ガーディアンズ』について、ちょっとだけ。
 前作よりも上映時間的には短いはずなのですが、ずいぶんと長く感じましたね……
 まぁ、大森ぬらりひょんがいたので私個人は満足だったのですが、ちょっと「妖怪獣」と「あのお方」っていうあたりのラスボスの渋滞ぶりがやけにまだるっこしくて、しかも最後には大魔神もあんな感じになっちゃうしで、後半「これいつ終わんの~!?」という気分になってしまいました。中盤に兄と弟が別行動を取っちゃうのが、重大なテンポの鈍化につながっていたような気もします。
 最後の荒ぶる大怨霊の鎮め方がアレっていうのは、非常にオーソドックスで良いと思ったのですが、そこにいくまでに色々と残念なマイナスポイントが多すぎたような気がする。なんにせよ、前作のような勢いだけで乗り切ろうとするバカバカしいテンションが消え去っていて、どこか気の抜けたビールのようにしらけた空気が漂っているように見えたのは、ちと残念でしたね。
 大森さんだけでなく、杉咲さんや大沢たかおさんをメインキャストに据えているあたり、俳優陣を大幅に若返らせることで前作との差別化を図ったのかも知れないのですが、それだけに前作の菅原文太さんや近藤正臣さんのような包容力のある登場人物がいなかったのも、役者層の幅の薄さが露呈するだけだったような気がします。特に、杉咲さん一人で前作の高橋真唯(現・岩井堂聖子)&栗山千明のトラウマ級エロティックWヒロインに対抗させようとするのは、酷にも程があるだろう! せめて、九尾の狐をフカキョンさまが演じておられたら~!! すみません、単なる個人的願望です。
 あと、最後にこれだけは言いたいのですが、今作での猩猩役の大倉さんの関西弁ツッコミが、んまぁ~うるさい! ガラが悪い!! なんで同じ方言なのに、前作の阿部サダヲさんとは大違いなのでしょうか!? 不思議だ……でも、大倉さんなりに現場でなんらかの危機感を察知したから、あんなに張り切っちゃったのかもね。だとしても、ひとりで何とかできるというもんでもないんだなぁ。難しいものです!!
 とにもかくにも、忌野清志郎に井上陽水に水木しげるという前作の「奇跡感」だけが際立ってしまう、今回の『ガーディアンズ』なのでありました。魔人・神木保憲の本格登板は……なくてもいっかな!?


≪夏休み特別ふろく 大映妖怪シリーズの歴代百鬼夜行メンバー総ざらえ!!≫
※妖怪名に続くカッコ内の数字は、シリーズにおける通算登場回数
1、『妖怪百物語』(1968年3月 監督・安田公義)
 …… おいてけ掘、人魂、化け提灯、河童、牛鬼、ひょうすべ、一つ目小僧、油すまし(演・別府敏保)、ぬっぺっぽう、ぬらりひょん、火吹き婆、青坊主、カラス天狗、泥田坊、馬頭鬼、般若、とんずら、陰摩羅鬼、毛倡妓、土転び、のっぺらぼう、一角大王、白粉婆、おとろし、ろくろ首(演・毛利郁子)、傘化け、狂骨、大首(演・小柳圭子)、姥が火、呼子

2、『妖怪大戦争』(1968年12月 監督・黒田義之)
 …… 河童(2 演・黒木現)、油すまし(2 演・別府敏保)、青坊主(2)、雲外鏡、ろくろ首(2 演・毛利郁子)、二口女(演・行友圭子)、傘化け(2)、ぬっぺっぽう(2)、海坊主(演・松田剛武)、三つ目坊主、牛鬼(2)、陰摩羅鬼(2)、ひょうすべ(2)、ぬらりひょん(2)、一つ目小僧(2)、泥田坊(2)、火吹き婆(2)、とんずら(2)、カラス天狗(2)、大天狗、雷神、毛倡妓(2)、白粉婆(2)、狂骨(2)、一つ目の妖怪、のっぺらぼう(2)

3、『東海道お化け道中』(1969年3月 監督・安田公義と黒田義之の共同)
 …… 百々爺、蛇骨婆(演・石井喜美子)、ぬらりひょん(3)、木の枝のお化け、土転び(2)、のっぺらぼう(3)、泥田坊(3)、妖怪水車、火吹き婆(3)、ひょうすべ(3)、白粉婆(3)、青坊主(3)、一角大王(2)、毛倡妓(3)、狂骨(3)、カラス天狗(3)、一つ目小僧(3)、人魂(2)、抜け首

4、『妖怪大戦争』(2005年8月 監督・三池崇史)
 ……(登場した妖怪の数がハンパなく多いため主要なもののみ記述)猩猩(演・近藤正臣)、河童の川太郎(3 演・阿部サダヲ)、川姫(演・高橋真唯)、小豆洗い(演・岡村隆史)、すねこすり(声・竹内順子)、一本だたら(演・田口浩正)、大天狗(2 演・遠藤憲一)、砂かけ婆(演・根岸季衣)、ろくろ首(3 演・三輪明日美)、雪女(演・吉井怜)、豆腐小僧(演・蛍原徹)、大首(2 演・石橋蓮司)、ぬらりひょん(4 演・忌野清志郎)、油すまし(3 演・竹中直人)、魍魎、牛頭鬼、雷神(2)、飛縁魔(演・荒俣泰子)、柳婆(演・武良悦子)、鍛冶が媼、姑獲鳥(演・今井久美子)、化け猫、毛倡妓(4 演・藤倉みのり)、野寺坊(演・マメ山田)、雨降り小僧、百目、納戸婆、小鬼、のっぺらぼう(4 演・成海璃子)、塗り壁、袖引き小僧、三つ目坊主(2)、一つ目小僧(4 演・広野健至)、木霊、カラス天狗(4)、かみきり、ぶるぶる、手の目(演・藤山信雄)、山童、なまはげ、泥田坊(4 演・森﨑えいじ)、青坊主(4 演・荒川真)、瀬戸大将、おとろし(2)、ぬっぺっぽう(3)、姥が火(2)、センポクカンポク、白粉婆(4 演・今野紀子)、むじな、黒かみきり、二口女(2 演・清水能子)、蕪大臣、コロポックル、瓶長、赤鬼、青鬼、方相氏、木魚達磨、払子守、白蔵主、犬神、絡新婦、鉄鼠、呼子(2)、土転び(3)、倉ぼっこ、お歯黒べったり、のぞき坊、塗仏、骨女、箕借り婆、天井なめ、見越し入道、百々爺(2 演・井上淳哉)、一反木綿、傘化け(3)、徳利転がし、くだん、輪入道、雲外鏡(2)、化け提灯(2)、化け狸、遠野河童、釜鳴、禰々子河童、つるべ火、山ン本五郎左衛門(演・荒俣宏)、神ン野悪五郎(演・京極夏彦)、妖怪大翁(演・水木しげる)

5、『妖怪大戦争 ガーディアンズ』(2021年8月 監督・三池崇史)
 …… 九尾の狐(演・杉咲花)、姑獲鳥(2 演・安藤サクラ)、猩猩(2 演・大倉孝二)、大天狗(3 演・三浦貴大)、カラス天狗(5)、雪女(2 演・大島優子)、天邪鬼(演・赤楚衛二)、茨木童子(演・SUMIRE)、酒呑童子(演・浜尾ノリタカ)、土蜘蛛、小豆洗い(2 演・岡村隆史)、夜道怪(演・遠藤憲一)、大首(3 演・石橋蓮司)、ひかきん、ぬらりひょん(5 演・大森南朋)、隠神刑部狸(演・大沢たかお)、八百八狸(2)、牛鬼バイク(3)、雨降り小僧(2 演・荒俣宏)、河童(4 演・木村風太)、一本だたら(2)、雲外鏡(3)、すねこすり(2 声・小桜エツコ)、水龍、枕返し(演・マメ山田)、手の目(2 演・岩永ひひお)、戸隠の鬼女、砂かけ婆(2 演・諏訪太朗)、ろくろ首(4 演・新井舞良)、ぬっぺっぽう(4)、キジムナー、二口女(3)、豆腐小僧(2 演・佐藤佐吉)、座敷童子、かわうそ、シバテン、油すまし(4)、ひょうすべ(4)、輪入道(2)、姥が火(3)、一つ目小僧(5)、かみきり(2)、瀬戸大将(2)、子泣き爺、徳利転がし(2)、一反木綿(2)、傘化け(4)

つまり、百鬼夜行のスーパー常連妖怪は!?
全作品5回皆勤 …… カラス天狗、ぬらりひょん、一つ目小僧
4回登場 ……  河童、ろくろ首、ぬっぺっぽう、油すまし、ひょうすべ、傘化け
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やったぜ朱の盤!アニメ第6期『ゲゲゲの鬼太郎』明夫ぬらりひょんの野望 ~ぬらりひょんサーガ第40回~

2021年08月11日 23時58分50秒 | ゲゲゲの鬼太郎その愛
前回までのあらすじ≫
 2010年代の最新ぬらりひょんサーガは、文字通り「正真正銘の妖怪総大将ぬらりひょん」から始まった! 演ずるは、歴代ぬらりひょん役者中、最高齢にして「初代ねずみ男」としても妖怪との縁が深い大御所・大塚周夫!!
 21世紀に入り、さらに意気軒高なぬらりひょんの新たなるディケイドは、これ以上ない程に幸先の良いスタートを切った。そして続く、驚くべき「ぬらりひょんバブル」の発生! こはいったいいかなることにやあらん!?
 しかし、ぬらりひょんの野望は幅広い展開だけにはとどまらなかった。やはり10年のシメは、「あいつ」との正面対決でなくてはのう!!


 アニメ版『ぬらりひょんの孫』における大塚周夫ぬらりひょんの後、2010年代は地味~に映像作品の中でのぬらりひょんが今までにない頻度でわんさか登場する、謎のバブル期に突入してしまいます。
 ざっと挙げると、

・アニメ映画『妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』(2015年12月公開)以降の子安武人ぬらりひょん
・3DCGアニメ映画『GANTZ:O』(2016年10月公開)の津嘉山正種ぬらりひょん
・実写アニメ混成映画『妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』(2016年12月公開)の実写パートの斎藤工ぬらりひょん
・アニメ第2期『鬼灯の冷徹』の2018年5月放送回『瓢箪鯰』の龍田直樹ぬらりひょん

 そして、まさしくぬらりひょんのホームタウン(なのにいちばん地獄……)とでもいうべき『ゲゲゲの鬼太郎』、その待望のアニメ第6期における大塚明夫ぬらりひょんのご登場をもって2010年代は打ち止め。
 つまり、アニメ版『ぬらりひょんの孫』での「若き日のぬらりひょん」を演じた遊佐浩二ぬらりひょんもカウントしますと、2010年代は実に「7名」ものぬらりひょん俳優が誕生するという異様な時代となってしまったのでした。なんじゃあ、こりゃあ!?
 ちなみに、アニメ第1期『ゲゲゲの鬼太郎』における、『ダークナイト』ジョーカーの35年先を行く孤高の爆弾魔ぬらりひょんを始祖とする映像作品ぬらりひょん史を振り返りますと、

1960年代 …… 2名(槐柳二、大映妖怪映画シリーズの子役俳優)
1970年代 …… なし
1980年代 …… 4名(夏樹陽子、千葉耕市、青野武、汐路章)
1990年代 …… 2名(千田義正、西村知道)
2000年代 …… 4名(滝口順平、忌野清志郎、青野武、緒形拳)

 ということになりますから、2010年代の様相がいかに飛びぬけているかがおわかりになるかと思います。それにしても1970年代、ひどすぎ……やっぱり、妖怪と好景気は合わないのかなぁ。確かに、2010年代も景気は、よかぁなかったよね。
 ちなみにちなみに、現在2021年8月時点での2020年代のぬらりひょん俳優は、ドラマ『妖怪シェアハウス』での大倉孝二ぬらりひょんと、いよいよ今月公開の映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』での大森南朋ぬらりひょんの2名です。2010年代の勢いを継いで、なかなか良いペースのすべり出しですな。

 さて、お話を2010年代に戻しますが、本来ならばこの「ぬらりひょんサーガ」で、大塚周夫&遊佐浩二(&藤原啓治……)ぬらりひょんの後に続く子安ぬら、津嘉山ぬら、工ぬら、龍田ぬらに関するつらつらを語らねばならないところなのですが、なんせ、現時点でそれらの作品をわたくし、まことに不勉強なことにじぇんじぇんチェックしておりません! ですので、遺憾ながらこの4名のぬらりひょんの活躍については、涙を飲んで割愛させていただきたいと思います。
 申し訳ねぇ……10年前だったら、ヒマに任せていくらでもジャブジャブ時間を注ぎ込んで作品を鑑賞することもできたのですが、今はキツいんだよなぁ。いずれ、時間ができたらチェックもしたいとは思いますが。
 ただ、いくら忙しくとも万障繰り合わせて観てしまいたくなる「おぉっ!?」というポイントがあったらいいんですが、な~んか食指が動かないんだよなぁ。いや、4名とも素晴らしい俳優さんだとは思うのですが、子安さんはたぶん、いつもの子安さんでしょ? 津嘉山さんはマンガ原作の忠実な映像化なだけという感じだろうし、工さんはいわゆるサービス出演でしょ? 龍田さんは、さすがに『ゲゲゲの鬼太郎』に大いに貢献している方だから気にもなるのですが、マンガ原作を読むだに、「妖怪総大将」の逆張りをしたゲストネタというていですよね。ちょ~っと……目新しい活躍があったとは思えず。

 そうなんですよ。確かに、2010年代はぬらりひょんが最も多く映像作品に出た目覚ましい時代ではあったのですが、特筆すべき新規開拓ポイントは、そんなになかったんですよね。いや、「そうじゃないぞ! ちゃんと観ろ!!」というご意見がありましたら、ぜひともお教えいただきたいのですが。

 ところがギッチョン! そんな感じで終わろうとしていた2010年代も末、ついに日本妖怪カルチャーの真打が、ついにその重い腰を上げた!!
 言うまでもなく、アニメ第6期『ゲゲゲの鬼太郎』(2018~20年)のご登場でございます。いや~、2010年代はやんないのかとヒヤヒヤしちゃったよ!

 アニメ第6期『ゲゲゲの鬼太郎』に関して最も重要な点は、なんと言っても原作者であらせられる「妖怪大翁」こと水木しげる様が、正真正銘の妖怪もしくは神様にお姿を変えられて(2015年11月30日)から、最初に世に出たアニメシリーズだったということです。
 これは別に、歴代アニメシリーズに関して水木サンが原作者としてズバズバチェックを入れていたから、その拘束から解放されたというわけでは毛頭ありません。むしろ水木サンは、「ゼニががっぽがっぽ入るのならば、何しても構わんヨ。」という、まさしく人間の執着というものをとうの昔に捨て去ってしまった境地にあったわけで、そういう意味では、アニメシリーズへの水木しげるご本人の影響力は、ほぼ無かったとも言えるはずです。ただ、水木しげるの寛容すぎるほどのたなごころの中で、アニメシリーズ、特に第3・5期は、けっこう自由にアニメスタッフのオリジナリティを注ぎ込める実験場になっていて、そこが魅力にもなるし、鼻についたこともあるし。ともかく、その時代時代に最前線で活躍していたアニメ業界の制作陣にとって『ゲゲゲの鬼太郎』は、約10年ごとに何度もアニメ化されるだけ「やり甲斐のある」コンテンツになり続けていたのでしょう。シリーズごとにコロッコロ姿を変える猫娘のあり方が、そのいい例ですよね。

 そして、2010年代の後半に6たび『ゲゲゲの鬼太郎』の物語をリブートさせるにあたり問題となったのはまさしく、「水木しげるなき後初めてのアニメ化」という世間からの熱い注目の視線を、制作スタッフがどれほど重く受けとめたのか、ということなのです。
 私の大雑把な印象を申させていただきますと、水木しげるの「フハッ」な空気感から解放されたアニメ第6期は、良くも悪くも、マジメに気合を入れすぎちゃった!!

 先代の全体的に陽気で妖怪バトル要素の強かった第5期(高山みなみ鬼太郎)の逆をいくかのように、2010年代の第6期は、それなりに大迫力の妖怪バトルがちゃんとありつつも、それ以上に非常にシリアスなメッセージ性が前面に打ち出されており、発達した人間社会に順応することに肯定的で積極的だった第5期の妖怪たち(毎週の人間界でのアルバイト先が話題となっていた猫娘がその好例です)と違って、第6期の妖怪たちは「ゲゲゲの森」という人間が立ち入ることが基本的に許されない異次元空間に棲む、「人類文明とは相いれない種族」という線引きがはっきりされています。そのため、第6期で鬼太郎ファミリーが出馬するのは「人類と妖怪の衝突トラブルの仲裁」という意味合いが過去シリーズ以上に強調されており、それがために、鬼太郎のスタンスもまた多分に妖怪よりであり、自分が安楽に生きるためなら他人や他種族が不幸になることも、果ては自然環境の破壊さえも知ったこっちゃないというエゴをむき出しにした現代人に対しては、躊躇なく罰を与えたり妖怪の報復を容認するドライな立場を徹底させています。鬼太郎を演じる沢城みゆきさんの低音の演技も相まって、6期の鬼太郎はクール&こわい!

 ところが、放送開始当初はそんな感じでド硬派な6期鬼太郎だったのですが、シリーズ前半の「第1部 名無し編(第1~49話)」でしょっちゅう顔を合わせることとなった人間の少女・犬山まなとの出逢いによって、鬼太郎ファミリーやその周辺の妖怪たちと人間側との交流は徐々に深まり、「人間側にもっと『人間・妖怪共存の未来』を期待してもよいのではないか」というあたたかい変化も現れていくのでした。
 ご存じの通り、第6期『ゲゲゲの鬼太郎』は放送全97回ということで、アニメ版シリーズが長期タイトル化した第3期以降の中では最も少ない話数となったのですが、「犬山まな」というオリジナルキャラクターと鬼太郎との関係を第1話から最終話までしっかりとつなぎ続けた第6期の構造は非常に完成度の高いものとなっており、生命力と人(妖怪)たらしの魅力にあふれたポジティブヒロインまなの力強さは、レギュラーでありながらも今一つ主体性のない「作劇上都合のいいヒロイン」になりがちだった第3期の天童ユメコや、シリーズ中になんとな~くフェイドアウトしてしまった第4期の村上祐子、そして妖怪同士の激しい抗争の解決を観ないまま終了してしまった第5期の後半ヒロイン・アマミ一族のミウといった数々の先達の無念をはらすものとなったと思います。アツいなぁ!!

 こんな感じでアニメ第6期は、基本的には従来通り原作のスタイルを順守してエピソードごとのゲスト妖怪が巻き起こすトラブル・事件を鬼太郎が解決するという一話完結形式を取りながらも、21世紀に入って10年以上経ち、さまざまな部分で行き詰まりを見せ始めている人間の現代文明を背景にして、滅びゆく妖怪の姿に「かつてあった生活のあたたかみ、心の豊かさ」を見いだす文明批評を一貫したテーマに据えた骨太のシリーズになっていたかと思います。まぁ、そうはいってもそればっかりではさすがに息も詰まりますから、たまには第84話『外国人労働者チンさん』や第90話『アイドル伝説さざえ鬼』のような、全シリーズ通しても屈指の珍作もさしはさまれてくるわけなのですが、それにしても、過激化する SNS社会の闇を照射するエピソードの数々は、ただ笑ってばかりもいられない鋭さを持つものになっていたと思います。

 そんな第6期は、鬼太郎ファミリーが対峙する敵妖怪勢力ごとにざっくり大別すると「第1部 名無し編(第1~49話)」、「第2部 地獄の四将編(第50~75話)」、そして我らがおぬら様が満を持してお出ましになる「第3部 ぬらりひょん編(第76~97話)」の3部構成になっております。当然、それらの全話に名無しや地獄四将、おぬら様が関わるというわけでもなく、3部すべてに共通して毎度おなじみ別の敵勢力「バックベアードと西洋妖怪軍団」が割り込んでくる伏流もあるのですが、まぁ各シーズンの最終エピソードでは、各勢力のラスボスと鬼太郎ファミリーが激突するという流れになっています。

 それにしても第6期の放送開始当初を思い出しますと、なにやらのっけから、不思議な矢のような呪具とダウナー系ラッパーを彷彿とさせるあおりリリックを駆使して日本各地の妖怪を暴走させる、黒衣に不気味な仮面の名無し(声・銀河万丈!)という、原作マンガのどこにも登場しない謎の存在が現れ、私もかなり戸惑いました。「これは、かなり独立独歩のダークなシリーズになるのでは……」と感じたものでしたが、エピソード自体は水木しげるの原作マンガに準拠した部分を丁寧に残して、毎週毎週、その独自のアレンジ具合を楽しみにしていたものでした。
 ただひとつだけ心残りなのは、愛しのおぬら様が出てくるのかどうか……

 今でもよく覚えていますが、放送開始当初、第6期のシリーズ構成を担当された大野木寛さんがインタビューに答える形で、「かつてのアニメシリーズのぬらりひょんのような明確なラスボスが登場する時代ではない」といった内容の発言をしておられたことは、私個人としては残念な気もしました。でも、その発言にも大いにうなずけるものがあり、人間の欲望や悪意を利用して妖怪を暴走させる名無しは本質的に徒党を組むような思想を持った敵ではなく、言ってみれば、あの原作マンガ『墓場の鬼太郎』に登場した「爆弾魔ぬらりひょん」のように理解不能な孤高さをたたえた純粋悪であり、そういったすさんだテロ時代を反映したカオス感のただよう第6期の作風に、今さらかつての第3~5期のぬらりひょんのような、妙に人間臭く滑稽な俗っぽさを持つライバルキャラがしゃしゃり出てくる余地はないように見えたのです。


 ところが。それでもおぬら様は出てきた! 人間側に心を近づけてゆく鬼太郎の、希望を踏みにじる最悪の敵として!!


 先述したように、アニメ第6期における妖怪ぬらりひょんは、過去シリーズのようにエピソードの初期からちらっちら登場するような準レギュラー的な立場ではなく、シリーズ終盤の第3部のみに集中して登場するという、よりラスボスみを強めた特殊な存在になっています。
 ちょっとここで、過去シリーズでの歴代ぬらりひょんと今期の大塚明夫ぬらりひょん(以下、明夫ぬら)とを、その登場話数で比較してみましょう。

第3期・千葉耕市&第一次青野武ぬらりひょん「全115話中15話登場(貢献度13%)」
第4期・西村知道ぬらりひょん「全114話中18話登場(貢献度16%)」
第5期・第二次青野武ぬらりひょん「全100話中12話登場(貢献度12%)」
第6期・大塚明夫ぬらりひょん「全97話中10話登場(貢献度10%)」
ちなみに
アニメ『ぬらりひょんの孫』大塚周夫ぬらりひょん「全24話中18話登場(貢献度75%)」
同・遊佐浩二ぬらりひょん「全24話中2話登場(貢献度8%)」
アニメ『ぬらりひょんの孫 千年魔京』周夫ぬらりひょん「全24話中13話(貢献度54%)」
同・遊佐ぬらりひょん「全24話中7話(貢献度29%)」

 こんな感じになります。少ない! たった10話のみの登場でしたか。その10話にしても、最初っから最後まで明夫ぬらが出ずっぱりというエピソードは最終3話(第95~97話)までほぼなく、例によって各エピソードのゲスト妖怪の暴走を裏から操る黒幕という立場に徹しています。
 でも、今期の明夫ぬらを観て、過去のぬらりひょんたちに比べて「存在感が薄い」と思う人は、そうそういないのではないでしょうか。

 そうなのです。今期の明夫ぬらはまさに「黒幕中の黒幕」、「短期集中型ぬらりひょん」といった感じで、おふざけ一切なし、イージーミスもブチギレも一切なしで不敵に鬼太郎の前に立ちはだかる、「史上最恐」にして「史上最凶」のぬらりひょんなのです!!

 まず、第2部のラスボスにあたる「地獄の四将」、すなはち「鵺」、「黒坊主」、「鬼童伊吹丸」、「九尾の狐玉藻前」の妖怪ビッグ4(黒坊主……?)を解き放った真犯人こそがぬらりひょんだったという、登場前の前提からしてものすごいハードルの上げ方なのですが、その悪行に恥じないかのように、今期の明夫ぬらは日本の政財界に大きな影響力を持つ謎のフィクサーとして人間界に完全に溶け込んでいるらしいことがわかります。この時点で、どんなにがんばってもゼネコン企業の社長どまりだった過去のぬらりひょんたちとは一線を画すサクセスぶりを見せているのですが、最終的にはあの西洋妖怪軍団をも手玉に取って、自分以外の全妖怪と全人類とを全面衝突させて双方ともに力をそぎ、そののちに自分の思い通りになる妖怪のみを従えた「新世界」を創ろうとする、正真正銘の破壊者としての野望をあらわにするのでした。こわすぎ……

 今期の明夫ぬらの容姿に関してみてみますと、その姿は、まさに原作者水木しげるがその妖怪画集で描いた、我が『長岡京エイリアン』で言うところの「ダークぬらりひょん」(薄暗い日本家屋の玄関口に暗めの羽織袴姿で上がり込んでくる姿 1970年刊の『水木しげる妖怪画集』が初出か)をかなり忠実にトレースしたデザインになっています。つまり、同じく水木しげるの作画を元にしていると言っても、マンガ『墓場の鬼太郎』の『妖怪ぬらりひょん』に登場する「タレ目でひょろっとした体型のぬらりひょん」とは全く別流の容姿になっているのです。
 そのためこの明夫ぬらは、マンガのタレ目タイプに準拠したアニメ第2・4期のぬらりひょんはもちろんのこと、ダークぬらりひょんを基盤としつつもやや頭身を高くして人間味のあるアレンジを加えた第3期とも、そもそも水木しげるデザインを元にしていない第5期ともまるで違う、頭部が異様に膨張し(3.5頭身くらい?)、小さめの目にも鋭い眼光をたたえた異形の老人の姿をしています。
 この容姿からもわかるように、明夫ぬらは自らの手を汚して格闘戦に出るという局面はほぼなく(アニメぬらりひょん伝統の手製爆弾と仕込み杖は一応持っていますが)、自分の身に危機が迫った時のバトル対応はもっぱら、腹心の妖怪・朱の盤(演・チョー!!)に一任しています。
※『ゲゲゲの鬼太郎』サーガでは、アニメ第3期いらい、顔の赤い股旅姿の妖怪の名前を一貫して「朱の盆」と表記していますが、我が『長岡京エイリアン』では、この妖怪伝承の起源から使用されている「朱の盤」表記で通させていただきます。

 ここよ! この、「ぬらりひょんと朱の盤」というコンビ自体はアニメ第3期いらいの腐れ縁なのですが、ここの関係性もまた、第6期はだいぶ違うんです。
 まず、朱の盤がギャグ要員じゃない! 決して知的な存在のようにも見えないのですが、過去シリーズで定番となっていた「ぬらりひょんの指示を間違える」とか、「ぬらりひょんの過失に愚痴をつぶやいて逆ギレされる」といった漫才コンビのような笑える関係がいっさいなく、ただひたすらにぬらりひょんの破壊的な思想に心酔し、「頭脳」で立ち回るぬらりひょんを「パワー」で守る用心棒の立場に尽くしているのです。
 そしてそのパワーも決して伊達ではなく、わりと本気めにぬらりひょんを狙ってきた鬼太郎のリモコン下駄、髪の毛針、霊毛ちゃんちゃんこの全攻撃をなんなく食い止める超頑丈な肉体と顔面を有しており、鬼太郎との全面対決が実現せずにシリーズが終了したことが悔やまれるような無限の可能性を秘めた強キャラに描かれているのです。また、演じているのがあのチョーさんなもんですから、とぼけた雰囲気の中にもたま~に見えるサイコな振る舞いやドスのきいた啖呵が、こわいこわい!
 かつてのシリーズでの経歴をひもとけば、だんだん人間(ユメコちゃん!)や鬼太郎ファミリーのあたたかみにあこがれを抱くようになり、なんとかご主人様と鬼太郎たちを仲直りさせる方策は無いものかと苦悩する軟派っぷりを見せることもあった朱の盤だったのですが、思いッきりドス黒い悪に染まった明夫ぬらに巻き込まれる形で、今期の朱の盤もまた、妥協いっさいなしの冷血殺戮マシーンと化していたのでした。セーラー服と機関銃ならぬ、股旅姿とガトリングガン!!

 そして、なにはなくとも、そのような悪のカリスマを見事に演じきった大塚明夫さんの名演! 第6期ぬらりひょんの強大な存在感の源泉は、ひとえにそこに尽きますね。
 『ゲゲゲの鬼太郎』サーガとは関係が無いにしても、奇しくもその偉大なる父・大塚周夫が演じた約10年後に自身も演じることとなったぬらりひょん役だったのですが、明夫ぬらは驚くほど大塚周夫の声質にそっくり! 彼の得意としていた老獪でひょうひょうとした身軽さを自家薬籠中のものとしていながらも、周夫ぬらが持っていた妖怪総大将としての人望(妖怪望)あふれる「あたたかみ」はきれいに取り払って、その代わりに大塚明夫さんご自身が持ち味としている渋みのききまくった蠱惑的な低音ボイスを差し込むことで、変幻自在に軽々と立ち回りながらも、悪意を増幅させる重さをまとった呪いの言霊を的確にはなって周囲の人々や妖怪たちを扇動する黒幕の役を、嬉々として演じてみせているのでした。銀河万丈さんとか古谷徹さんとか田中敦子さんとか(もとこォオ!!)、なみいる名優の方々が敵役を演じてきた第6期だったわけですが、そのトリを飾るにふさわしい、文句のつけようのない堂々たるラスボスっぷりだったと思います。

 やっぱりね、明夫ぬらがたった10話とはもったいない話ですよ。全97話できれいに完結した第6期ではあるのですが、最終話も規模こそ世界サイズではありますが、あくまでもぬらりひょんの作戦の一つが失敗に終わったという範疇のものですし、だいたい第6期のルールとして、妖怪は消滅する直前に青い火の玉に姿を変えることになっていますから、それで言えば自ら持っていた爆弾を炸裂させて自決したように見える明夫ぬらも、青い火の玉が出てこなかったことから、爆炎にまぎれてトンズラぶっこいただけである可能性が非常に濃厚です。
 ご主人様を失った朱の盤も、最終話のエピローグであんなに意気消沈していたことですし、また帰ってきてほしいですね、明夫ぬら!

 このように、同じ悪役ポジションではありながらも、過去のシリーズとは全く異なる性質の「ガチで笑えない悪」として登板した2010年代最後の大塚明夫ぬらりひょんだったのですが、その異質ぶりを象徴する最大の特質は、やはり「鬼太郎討滅に執着していない」という点だと思います。
 そうなのです。この明夫ぬらは、鬼太郎に別段因縁があるとかいう過去もありませんし、そもそも感情も思い入れも持たずに「妖怪のたぐい」の一勢力としか捉えていないようですから、できれば自分の鉄砲玉の一つに組み入れたいけど、できなきゃ適当に人間側を扇動して潰すから別にいいや、程度のコマとしか考えていないのです。
 これは革命的ですね……過去の英霊ぬらのみなさま方は(すみません、西村知道さんはまだ現役バリバリよ!?)、自分の妖怪総大将の夢を執拗にツブしにかかる鬼太郎を強く恨み、自らの手で鬼太郎を倒すことにこだわり、そのためにいつの間にか愛憎半ばする感情を持ってしまい、「わしが殺すまで、死ぬな鬼太郎♡」的な矛盾しまくったベジータ思考におちいりながらも、肝心の鬼太郎からはなしのつぶての塩対応ばかりで毎回ひどい目に遭わされるという悲惨な運命をたどっていました。谷崎潤一郎の『痴人の愛』か!!
 ところが、そのあたりの敗因たる執着を明夫ぬらはハナッから捨てているんですからね。なるほど、だから今期のぬらりひょんは一貫して鬼太郎のことを「鬼太郎君」と呼んで距離を置いていたのか。君子危うきに近寄らず……煮ても焼いても死なない奴はほっとけということですね。さすが、ばかに大きな頭は見せかけだけではありません。

 もう一つ第6期で気になったのは、『ゲゲゲの鬼太郎』サーガの中でも随一の知恵袋であるはずの目玉おやじが、地獄の四将事件の黒幕にぬらりひょんがいる可能性に露ほども思い至っていなかったということですね。
 たいていこういう場合、目玉おやじはぬらりひょんの名を聞いたとたんに「やはりあいつじゃったか……」とかなんとか言って、妖怪界における口八丁手八丁のペテン師妖怪ぬらりひょんの存在をしたり顔で語りだすはずなのですが、今期に限って、博識なはずの目玉おやじですら、その名を聞いても「ぬらりひょんじゃと!?」とおうむ返しに応えるだけで、全然ピンときていないような反応なのです。

 つらつらかんがみまするに、これ、目玉おやじはぬらりひょんのことを「妖怪をけしかけて人間を襲わせる過激派」と昔から認識はしていても、まさか地獄の四将を脱獄させるようなことをしでかす大物とは捉えていなかった、もっと踏み込むならば、ぬらりひょんのことを「瀬戸内海にいるぷかぷか浮き沈みするだけのタコ妖怪」としか認識していなかったのではないでしょうか。また目玉おやじは、ぬらりひょんが日本の政財界に通じているという現状も把握はしていたようなのですが、それだけに、なんだかんだ言っても人間界に依存して生き延びておるではないかと、その妖怪・人間どっちつかずのフワフワした態度を見くびっている部分もあったのではないでしょうか。そういう処世の仕方もアリなのかのう、みたいな感じで。

 つまり目玉おやじは、目の前に現れた頭でっかちの老人妖怪が、あの人畜無害なイタズラ妖怪ぬらりひょんのなれの果てであることなぞ知る由もなかったので、あれほどまでに驚いていたのではないでしょうか。ということは、ぬらりひょんが最終的にあのような姿と性質に進化したのは、目玉おやじがあずかり知らない経緯をへて「いつの間にかそうなっていた」ということだったということなのでしょう。

「いつの間にかそうなっていた」……まさに、妖怪ぬらりひょんの歴史を体現する文言ではありませんか。

そして、ぬらりひょんがそうなってしまったのは、間違いなく、佐藤有文さんをはじめとする昭和妖怪ブームでの「人間たち」の想像の結果に他ならなかったのです。

 なるほど……目玉おやじがぬらりひょんの進化に全く気づかなかったのも非常に筋の通った話ですね。だって、完全に人間ルートで進化したのが今のぬらりひょんなのですから。
 そう考えると、内心で「ぬらりひょん……? あの江戸時代生まれのペーペーで、せいぜい夜の海をぷかぷかしてるか、百鬼夜行のモブにまざってうろうろしてるだけの奴が、なぜ日本政財界の黒幕で、地獄の四将を脱獄させてんの?」という目玉おやじの困惑も、よくわかろうというものです。

 余談ですが、私がいつもお世話になっている Wikipediaのアニメ版『ゲゲゲの鬼太郎』の「第6期ぬらりひょん」の項では、彼が「鬼太郎や目玉おやじとは旧知の間柄」と記している文章があるのですが、こればかりは全く承服しかねるものがあります。だったら地獄の四将事件の真犯人にぬらりひょんを想起しないわけがないじゃありませんか。第6期の設定ではどう考えても、せいぜい鬼太郎父子はぬらりひょんの名前か昔の姿を知っている程度どまりだと思います。これはおそらく、記事を投稿した人が明夫ぬらの異常になれなれしい言動に幻惑されて誤った認識を脳裏に刻み込んでしまった結果に違いありません。ホ~ラ、妖怪ぬらりひょんは現実世界にちゃんと生きてるよ!!

 それはともかく、劇中ではそんなこと一言も言っていませんが、2010年代最後の大塚明夫ぬらりひょんは、史上最悪のヒールっぷりを発揮した「悪の権化」でありながらも、同時に、江戸時代生まれの海の妖怪ぬらりひょんという設定も見据えた正体不明の「新しい妖怪」であることを、あの目玉おやじのぼんやりしたリアクションは体現していたのでした。第6期、やっぱすげぇな!!

 字数もかさんできましたので、アニメ第6期『ゲゲゲの鬼太郎』に登場した大塚明夫ぬらりひょんに関するつれづれはここまでにいたしとうございますが、ともかく史上最大規模の発展を遂げた狂乱の「ぬらりひょん2010年代」は、「悪」の方向での究極進化ともいえる明夫ぬらの大活躍によって幕を閉じたのでございました。

 さぁ、次なる2020年代に登場する最新モードスタイルぬらりひょんは、いったいどのような方向性に活路を見いだしてゆくのでありましょうか!?
 まだまだ終わらないぬらりひょんサーガの続きは、まったじっかい~!!

 明夫ぬらもまた観たいけど、チョーさん朱の盤の胸をすく活躍も、いつかまた観たいな♡


≪特別ふろく 息子もストーキング!!明夫ぬらりひょん、全出演時間、全行動≫
第76話『ぬらりひょんの野望』(2019年10月6日放送)
 …… 出演3シーン計4分05秒、セリフ9言(大塚議員との会話、土転びとの会話、朱の盤との会話)
    ※朱の盤は出演3シーン計4分20秒、セリフ5言
第77話『人間消失!猫仙人の復讐』(10月13日放送)
 …… 出演2シーン計7分05秒、セリフ20言(鬼太郎との会話など)
    ※朱の盤は出演2シーン計7分05秒、セリフ5言
第82話『爺婆ぬっぺっぽう』(11月24日放送)
 …… 出演1シーン50秒、セリフ2言(鬼太郎との会話)
    ※朱の盤は登場しているがセリフなし(出演50秒)
第85話『巨人ダイダラボッチ』(12月15日放送)
 …… 出演3シーン3分45秒、セリフ11言(鬼太郎との会話)
    ※朱の盤は出演2シーン計3分35秒、セリフ7言
第89話『手の目の呪い』(2020年1月19日放送)
 …… 出演3シーン計4分45秒、セリフ10言(鬼太郎との会話、人間への妖怪決起をうながす演説)
    ※朱の盤は出演3シーン計4分45秒、セリフ4言
第92話『構成作家は天邪鬼』(2月9日放送)
 …… 出演1シーン計55秒、セリフ1言(天邪鬼の封印を解く)
    ※朱の盤は出演1シーン計55秒、セリフ3言
第94話『ぶらり不死身温泉バスの旅』(2月23日放送)
 …… 出演3シーン計4分25秒、セリフ10言(朱の盤との会話、西洋妖怪軍団との会話)
    ※朱の盤は出演3シーン計4分25秒、セリフ7言
第95話『妖怪大同盟』(3月15日放送)
 …… 出演3シーン計4分20秒、セリフ8言(西洋妖怪軍団とともに宣戦布告、警察への妖怪ゲリラアジトの通報、ねずみ男との会話)
    ※朱の盆は出演3シーン計4分20秒、セリフ2言
第96話『第二次妖怪大戦争』(3月22日放送)
 …… 出演3シーン計9分15秒、セリフ31言(西洋妖怪軍団に毒を盛る、ねずみ男を籠絡、ねずみ男にマナを狙わせる)
    ※朱の盆は出演4シーン計9分50秒、セリフ9言
第97話最終回『見えてる世界が全てじゃない』(3月29日放送)
 …… 出演1シーン計3分05秒、セリフ5言(鬼太郎との会話)
    ※朱の盆は出演2シーン計3分12秒、セリフ2言
トータル …… 全出演23シーン総計42分30秒(97話中10話に出演)、セリフ総数107言
ちなみにチョー朱の盤は …… 全出演24シーン総計43分17秒(97話中10話に出演)、セリフ総数44言
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硬軟自在、融通無碍!! 大塚周夫ぬらりひょんの境地 ~ぬらりひょんサーガ第39回~

2021年08月04日 00時20分48秒 | ゲゲゲの鬼太郎その愛
前回までのあらすじ≫
 およそ10年前の2011年に、誰に頼まれもしないのに始まり、30回以上の記事を経て勝手に終息した、「変幻自在の大妖怪ぬらりひょんの正体に迫る謎プロジェクト」、ぬらりひょんサーガ!! 地方のゆるキャラもびっくりの、瀬戸内海の波間にぷかぷか浮き沈みするだけの癒し妖怪だったはずの彼は、自身の飽くなき野望のなせる業か、はたまた時代の気まぐれな骰子の目が見せるうたかたの夢なのか、300年の日本闇文化史の荒波を乗り越える中で「ハゲた老人の姿をして人家に現れる」、「いつの間にか、いる」という特徴をしれっと身につけ、しまいには「日本妖怪の総大将」という称号すらうかがう超メジャーなセレブ妖怪になってしまった! つい200年前まで百鬼夜行のモブ妖怪だったじゃないの!? 映画『スカーフェイス』のアル=パチーノもビックリな成り上がりっぷり!!
 しかし、お爺ちゃんのくせに年甲斐もない(でも妖怪としては若手)爆走は依然としてとどまるところを知らず、10年も経てば、21世紀を舞台としたいろんな新活躍もぼちぼちたまってきた。
 ってなわけで、『ぬらりひょんサーガ』のアップデート、勝手にえっちらおっちら始めてまいりま~っす! さぁ、今度はいつ終わるのカナ☆


 いや~、周夫。なにはなくとも、周夫!!

 2010年代のおぬら様関連トピックのハイライトを、待望のアニメ第6期『ゲゲゲの鬼太郎』(2018~20年)におけるガチ巨悪「大塚明夫ぬらりひょん」の爆誕とするのならば、そのディケイドの端緒を作ったはじまりの創造者こそは、アニメ版『ぬらりひょんの孫』(2010~11年 全2期)の「大塚周夫ぬらりひょん」だったというわけなのであります。いやそれ、ほんとの創造者じゃん! 実の父子!!

 アニメ版の原作にあたる、天下の『週刊少年ジャンプ』サマで連載されていた、青春妖怪ファンタジーホラーアクションマンガ『ぬらりひょんの孫』(作・椎橋寛 2008~13年 ただし最終エピソードの途中から掲載雑誌が変更)の内容に関するつれづれは、すでに我が『長岡京エイリアン』の過去企画でさんざんっぱら言い尽くしたのでもう触れません。今回は、あくまでもアニメ版のおぬら様の活躍に限定させていただきます。

 原作マンガの好評連載を受けて、いつもの人気ジャンプマンガの流れに乗ってアニメ化された『ぬらりひょんの孫』。2010年に第1期が、翌11年には第2期『千年魔京』がそれぞれ半年間全24話ずつ(総集編放送を除く)放送され、第1期では原作マンガのコミックス第1~6巻に相当する「牛鬼組編」と「四国八十八鬼夜行編」が、第2期では第7~16巻に相当する「京妖怪連合編」が映像化されました。
 言うまでもなく、原作マンガはアニメ放送終了後も連載がコミックス第25巻まで続くので、「京妖怪連合編」のあとの「百物語組編」(第16~21巻)と「安倍晴明最終決戦編」(第21~25巻)がいまだアニメ化されていないという状況なのですが……まぁ、それでもいいんじゃないかな!?

 いろいろ評判を見てみますと、このアニメ版『ぬらりひょんの孫』は、原作マンガのファンの方々にとっては少々不満な点もあったらしく、特に第1期のほうは、何やら数名いるヒロインの扱いのバランスが原作と違いすぎるとかなんとかで、散々な言われ方をしている一面もあるようです。

 でも……作中でいちばんのヒロインが、当時イケイケだったアイドル声優だろうが日本武道館をワンマンで埋められる歌手声優だろうがキュアアクアだろうが、ちかぬら様のご活躍だけしか眼中にない私にとっては、心底どうでもよろしい!! そういう観点からいくと、アニメ版『ぬらりひょんの孫』は、2期とも十二分に合格水準の上を行く出来となっていたのです。

 まず、アニメ版『ぬらりひょんの孫』は、当然ながら『ゲゲゲの鬼太郎』ではないのです。日本全国での本放送は BS局ですし、放送時間は日が替わるか替わらないかくらいの深夜なのですから、けっこう売れている人気声優さんが男女に限らずわんさと出演しているという異例の大盤振る舞いの中で、トドメとばかりにあの大御所・大塚周夫様が出ているんですよ!? ジャンプの威光とは、ここまでスゴイものなのかと!
 ただ、いくらなんでも結局は深夜アニメ。周夫ぬらりひょんの出番も「看板貸し」みたいな感じでかなり少ないんじゃなかろうかと悲観したわたくしは、念のためにアニメ版の DVDをぜ~んぶ観返してみて、具体的に周夫ぬらりひょん、その若き日を演じた遊佐浩二によるぬらりひょん、そしてぬらりひょんと人間とのハーフとなる奴良組2代目総大将・奴良鯉伴が何分何秒出演しているのかを、洗いざらい調べてみたわけなのです。ええ、正気じゃありませんが、なにか?

 その結果、前回の記事にあたる補足資料にある通り、大塚周夫によるぬらりひょんは第1・2期どちらでも約49分ずつ、計98分ものセリフと出番を残していたという事実が明らかとなったのです。
 これ、けっこう出てますよ! さすがに全話には出演していないのですが、原作マンガで描かれている活躍はほぼ全てアニメ化されていました。第1期では、名前の通りにぬらりくらりとした昼行燈な隠居爺さんでありながらも、四国八十八鬼夜行の刺客・悪風妖怪ムチを華麗に葬って以降は、四国の隠神刑部狸にサシで話をつけに行き、奴良組との抗争を穏便に終息させるという重要な役どころを。第2期では、自身の奴良組創立と息子の鯉伴の死にまつわる京の大妖怪・九尾狐との因縁の対決を孫に託……しきれずに自分も京に殴りこんでしまうやんちゃっぷりを発揮してくれています。喰っちゃってる! おじいちゃん、お孫さん喰っちゃってるよ!!

 『ぬらりひょんの孫』における奴良組初代総大将たる大妖怪ぬらりひょんは、実際の瀬戸内海の伝承妖怪ぬらりひょんよりもさらに大昔、室町時代後期にあたる16世紀初頭の生まれだそうで、戦国時代を終結に導いた太閤秀吉亡き後の豊臣政権を陰から牛耳っていた九尾狐と激突していた頃には、すでに自身に心酔する妖怪たちを率いて大規模な百鬼夜行を形成していたという、恐るべきカリスマ性の持ち主でした。大映の昭和妖怪映画3部作みたいな百鬼夜行のモブじゃないよ、正真正銘のリーダーです!!
 この経歴を見ても明らかなように、『ぬらりひょんの孫』におけるおぬら様は、外見こそ、過去20世紀までにほぼほぼ定着してきた和装に大きなハゲ頭のおじいちゃんというイメージを従順に踏襲しているものの、その内実は、それまでの歴代ぬらりひょんがたどり着けそうでなかなかたどり着けなかった、「ほんとの妖怪総大将」の位置に少なくとも400年はい続けている、しかもそこら辺のてきとうな妖怪をだまくらかして操っているのではなく、おのれの実に漢らしい人望(妖怪望)でとりまとめ、現代にいたるまでしっかり面倒も見ているという、完全オリジナルなニューエイジぬらりひょんだったのです。甲斐性 MAX!!

 これはすごい! 今までは「自称」総大将がほとんどだったからね……その、男女を問わず惚れこんでしまう包容力、気概、度胸!! もともと蛇骨婆しか頼れる妖怪のいなかった『墓場の鬼太郎』版ぬらりひょんと、そのアニメ化である槐柳二ぬらりひょんは当たり前のこととして、なんとか策を弄して日本妖怪を統べんと欲した千葉耕市ぬらりひょんも青野武ぬらりひょんも西村知道ぬらりひょんも、緒形拳ぬらりひょんでさえも到達しえなかった境地に立つ、大塚周夫ぬらりひょん!! 強いて挙げれば、輪入道部隊に一つ目部隊に狸部隊にカラス天狗飛行隊といった妖怪大軍団を率いて、あの仇敵ゲゲゲの鬼太郎とも一時休戦の熱い握手を交わし、異様に限定的な妖怪秘密兵器「ひとだま食い」を駆って地下帝国ムーの侵攻を見事撃退した、マンガ『鬼太郎国盗り物語』(1990~93年連載)における妖怪総大将ぬらりひょんに、そのイメージが最も近いでしょうか。あれは、規模からいっても、どんなに劣勢になってもまるで動じない度量の大きさから言っても、まさに押しも押されもせぬ妖怪総大将でしたよね。顔は例によって、なに考えてるんだかわかんない水木しげるチックなタレ目タイプでしたけど。

 大塚周夫さんといえば、何はなくとも妖怪好きにとって忘れるわけにはいかないキャリアとして、『ゲゲゲの鬼太郎』、いやさ世界マンガ史上にその名を残す偉大なるトリックスター・ねずみ男を3度にわたって演じた(アニメ第1・2期と『墓場鬼太郎』)というものがあります。その縁があってか、後年には息子の大塚明夫さんも、一度だけねずみ男を演じておられます(2017年公開の映画『妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活』にて)。
 ねずみ男を演じる大塚周夫さんの軽妙さ、自由度、おもしろおかしさといったらもう、周夫さんの声に合わせてアニメの絵を描いているんじゃないかというくらいの絶妙なフィット感があるわけなんですが、原作マンガにおけるねずみ男って、もうちょっと狡猾で計算高いというか、場合によっては鬼太郎の命も狙いかねない怖さがあるんですよね。そこをかなり大胆にアレンジして、現代の最新第6期にまで連綿と続く「どうしてもどこか憎めない情の持ち主」だとか、「間抜けだけど生き方に魅力のある鬼太郎終生の友」といったキャラクターにしたのは、ひとえに周夫さんの名演のたまものですよね。また、男女の声質のバランスをあえて逆にした、低音でぶつぶつつぶやく野沢雅子鬼太郎に対する、キーキー高音の周夫ねずみ男という対比、そして掛け合いの達者さが最高すぎる!

 さて、それをふまえて『ぬらりひょんの孫』での周夫ぬらりひょん(以下、ちかぬら)を観てみますと、ちかぬらはそれほど誇張されたおふざけも多くはなく、前半はあくまでもかわいい孫の行く末を心配しながら見守るご隠居を静かに演じ、後半に進むにつれて、かなり深みのある底知れないすごみを持った、妖怪シンジケートの総帥としての迫力を垣間見せ……たかと思うと、またぬらりくらりとお茶をすする、ちっちゃなお爺ちゃんに戻るという変幻自在、融通無碍な演技で、観る者を魅了してくれます。
 原作の都合上、老いたとはいえ大妖怪ぬらりひょんを脅かす存在がまずいないので、ちかぬらもまた、本気を出して闘うような場面はアニメ版の中にはなく、苦境に陥りそうになっても上手に逃げ切れてしまうので、全体的に落ち着いた演技が続きます。でも、ちかぬらの登場するシーンは、おふざけでも物語の核心にせまる緊迫の場面でも、グッと空気を引き締めるものがあるんですよね。「総大将は、何を語る……?」と、周囲の者たちの集中力を、敵味方関係なく引き寄せてしまう魔力があるのです。
 まさしくそれこそ、百鬼夜行の主・妖怪総大将の証なわけ! いや~、ちかぬらの力は偉大だ。稀代の名優・大塚周夫が演じる大妖怪ぬらりひょん、世に出てほんとに良かったよぉ。
 残念ながら、大塚周夫さんはアニメ版第2期『千年魔京』終了後の2015年1月に急逝されてしまうわけなのですが(享年85)、その死のつい半日前まで声の仕事をされていたという話からも分かるように、当時のぬらりひょんもきわめて明朗闊達に演じ切っておられていました。う~ん、人間つくづく、健康が第一!!
 だって、周夫さんがぬらりひょんを演じられた時のお歳「81~82歳」って、実写もアニメもひっくるめた歴代の映像作品で数々のぬらりひょんを演じられた役者さんがたの中でも、最高齢なんじゃない?
 話題がそこに及んだので、ちょっとそのへんの情報をまとめてみましょう。

≪特別ふろく 誰得!?歴代ぬらりひょん役者、演じた当時の年齢いちらん≫
初代・槐 柳二(アニメ第1期『ゲゲゲの鬼太郎』)……39歳(1968年)
※大映の実写特撮映画『妖怪百物語』『妖怪大戦争』『東海道お化け道中』(1968~69年)に登場するぬらりひょんは演者不明
2代目・夏樹 陽子(実写『月曜ドラマランド』)……32歳(1985年)
3代目・千葉 耕市(アニメ第3期『ゲゲゲの鬼太郎』第4話のみ)……54歳(1985年)
4代目・青野 武(アニメ第3期『ゲゲゲの鬼太郎』とその劇場版作品)……49~51歳(1985~88年)
5代目・汐路 章(実写オリジナルビデオ)……59歳(1987年)
6代目・千田 義正(実写『忍者戦隊カクレンジャー』)……25歳(1994年)
7代目・西村 知道(アニメ第4期『ゲゲゲの鬼太郎』)……50~51歳(1996~98年)
8代目・滝口 順平(ゲーム『異聞妖怪奇譚』)……72歳(2003年)
9代目・忌野 清志郎(実写映画『妖怪大戦争』)……54歳(2005年)
第二次・青野 武(アニメ第5期『ゲゲゲの鬼太郎』とその劇場版作品)……70~72歳(2007~09年)
10代目・緒形 拳(実写映画『千年呪い歌』)……70歳(2008年)
11代目・大塚 周夫(アニメ『ぬらりひょんの孫』1・2期)……81~82歳(2010~11年)
12代目・遊佐 浩二(アニメ『ぬらりひょんの孫』1・2期)……41~42歳(2010~11年)
13代目・子安 武人(アニメ『妖怪ウォッチ』シリーズ)……48歳~(2015年~)
14代目・津嘉山 正種(アニメ映画『GANTZ:O』)……72歳(2016年)
15代目・斎藤 工(実写アニメ混成映画『妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』実写パート)……35歳(2016年)
16代目・龍田 直樹(アニメ『鬼灯の冷徹』第2期)……67歳(2018年)
17代目・大塚 明夫(アニメ第6期『ゲゲゲの鬼太郎』)……59~60歳(2019~20年)
18代目・大倉 孝二(実写ドラマ『妖怪シェアハウス』)……46歳(2020年)
19代目・大森 南朋(実写映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』)……49歳(2021年)

 なんだ、この無意味すぎる情報は……もうすぐ20人!!
 こう見てみますと、最年長どころか、80代でぬらりひょんを演じているのは周夫さんただおひとりなんですね!! やっぱり偉大だわ。

 だとするのならば、やっぱり、ちかぬらに壮年期の青野武ぬらりひょんのような、血管がブチ切れかねないアンビシャスな演技をお願いするわけにはまいりません。静かにスゴみを発揮する、あのたたずまいで正解だったのだ。

 ただ、全盛期を過ぎて隠居したちかぬらの背中には、自分の命や、数百年かけて築きあげたみずからの百鬼夜行までをも投げ出すような激闘にはもはや加わることができない、一抹の寂しさのようなものがにじみ出ていたように感じました。もう物語の主人公にはなれない、老いたヒーローのリアルな感慨があらわれていたんですよね。その分、自分を慕ってくれる家族や手下は山のようにいるわけなのですが、海千山千の難敵との闘いの中に生を見いだしてきた乱世の覇者・ぬらりひょん。平和な老後では満たされない何かを、ふと心の中に感じてしまう瞬間も、あったのではないのでしょうか。


 そう。ぬらりひょんには、やはり「あいつ」が必要なのだ……


 思い起こせば、ちかぬらの住まう奴良邸には、百鬼夜行のうちのほんの一部ながらも、有象無象の妖怪たちが所狭しとうじゃうじゃ寄生していたのですが……

1、下駄を履いてカラコロ歩く妖怪は、どこにもいない。みんな総大将にならって、草履かわらじ履き。側近のカラス天狗だけ、天狗の頭領なんで一本歯の下駄を履いてたけど、下駄の音だけは絶対に鳴らさないように基本、自前の翼でぱたぱた飛んでいた……
2、奴良組には前髪で片目が隠れている妖怪が少なくとも2匹いたのだが(牛鬼と毛倡妓)、そのどちらも、右目を隠すスタイルをかたくなに守り抜いている……
3、黄色と黒のボーダーの服を着た妖怪は1匹もいない。

 やはり、総大将は恐れているのだ……自分の築きあげた王国が、下駄をカラコロ鳴らして歩き、前髪で左目を隠し、黄色と黒のボーダーのちゃんちゃんこを着たあの少年の手にかかった瞬間、砂上の楼閣のようにいとも簡単に崩壊してしまうことを。彼の魔手にかかってしまえば、いかな天下のジャンプマンガの主人公である最愛の孫といえども、命の保証すら、はなはだ怪しい!! だってアイツ、紙みたいにペラッペラに押しつぶされても、ドロドロに完全溶解しても、かまぼこになっても死なないんだぜ!? しまいにゃ地獄の閻魔大王にさえコネがあるという……はーい、そんなんムリムリ!!

 あるいは、総大将は、いつか来る「その日」にそなえて、安倍晴明以上に勝てる気がしないあの少年が来るその日に備えて、静かにお茶をすすっていたのかも知れないのだ……

 結局、なんとも幸せなことに『ぬらりひょんの孫』の世界に彼がやって来ることはついに無かったわけなのですが(当たり前です)、老獪なちかぬらの予感は正しかった。2010年代にも、やはりあの少年は帰って来た!
 そして、それを迎えうったのは、ちかぬらの息子・奴良鯉伴……じゃなくて、ホントの息子の大塚明夫ぬらりひょん!! あきぬら、あきぬら!!

 さぁ~、お膳立ては全部そろいました!! 偉大なるちかぬらの後を継ぐ明夫ぬらりひょん。その戦い方や、いかに!?
 といったていの、かなり強引な引っ張り方で、ぬらりひょんサーガは次回に続くのでありましたァ~ん。

 ……周夫さんの系譜を継ぐ明夫ぬらりひょんの活躍もすばらしかったけど、私個人としては、アメコミ『バットマン』シリーズのジョーカー声優つながりで、青野武ぬらりひょんの系譜を継ぐはずだった藤原啓治ぬらりひょんも、観たかったな……やっぱり人間、健康が第一よね! ただただ涙、涙!!
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硬軟自在、融通無碍!! 大塚周夫ぬらりひょんの境地 ~ぬらりひょんサーガ補足資料~

2021年08月01日 13時50分43秒 | ゲゲゲの鬼太郎その愛
アニメ版『ぬらりひょんの孫』について
 ※そのパイロット版的作品として、ドラマCD版(2009年12月リリース)、ヴォイスコミック版(2009年12月放送 全4回 テレビ東京『サキよみジャンBANG!』内コーナーにて)が、のちのアニメ版とほぼ同じキャスティングで展開されていた。

おもなスタッフ(年齢は放送当時のもの)
『ぬらりひょんの孫』(第1期)……2010年7~12月に TOKYO MX、BS11ほかで放送、全26話(うち総集編2話)
監督     …… 西村 純二(54歳 『風人物語』など)
シリーズ構成 …… 高橋 ナツコ(リメイク版『ヤッターマン』など)
キャラクターデザイン・総作画監督(『千年魔京』も)…… 岡 真里子(『地獄少女』シリーズなど)
妖怪デザイン・絵コンテ(『千年魔京』も)…… 田頭 しのぶ(『少年陰陽師』など)
音楽     …… 田中 公平(56歳 『ONE PIECE』など)
音響監督(『千年魔京』も)…… 郷田 ほづみ(52歳)
アニメーション制作(『千年魔京』も)…… スタジオディーン(『らんま1/2』など)

『ぬらりひょんの孫 千年魔京』(第2期)……2011年7~12月に TOKYO MX、BS11ほかで放送、全26話(うち総集編2話)
監督     …… 福田 道生(47歳 『ヒャッコ』など)
シリーズ構成 …… 子安 秀明(33歳 『アキカン!』など)
音楽     …… 田中 公平(57歳)、サワグチ カズヒコ(39歳)、井内 啓二(35歳)

おもなキャスティング(年齢は放送当時のもの)
奴良(ぬら)リクオ …… 福山 潤(31歳)
幼少期のリクオ   …… 喜多村 英梨(22歳)
 本作の主人公。中学1年生の13歳の少年。大妖怪ぬらりひょんの血を4分の1引く孫で、妖怪と人間のクォーター(4分の1妖怪)。覚醒時は妖怪の血によって姿形や性格がガラリと変わる。
ぬらりひょん     …… 大塚 周夫(81歳 2015年没)
青年期のぬらりひょん …… 遊佐 浩二(42歳)
 奴良組初代総大将。リクオの祖父で、妖怪の主。二代目となった息子・鯉伴が早逝したため、隠居の身でありながら総大将代理を務めていた。
 普段は飄々とした好々爺だが、昔は悪行の限りを尽くし「闇世界の主」と言われていた。室町時代後期の生まれ。年齢は500歳前後で、400年前に羽衣狐に生き肝を抉り取られたことにより、寿命を大幅に減らされている。また、羽衣狐によって「子々孫々に渡り、妖怪との間には子をなせない」呪いをかけられている。当初から三代目を継ぐのはリクオであると強く信じ、周囲から反対されてもその意思は揺るがなかった。
 普段は自由気ままに振る舞っているが、いざとなれば周りの助言にも耳を貸さず決定を下す信念の持ち主。常識に囚われない自由な立ち振る舞いから多くの妖怪を惹きつけ、全国各地の妖怪達を自身の百鬼夜行としてまとめあげ、わずか百年で巨大な勢力にまで成長させたカリスマ。現在でもその実力は衰えていない。
氷麗(つらら)…… 堀江 由衣(33歳 母親の雪麗も兼任)
 奴良組に所属する雪女。リクオの側近で、本作のヒロインのひとり。長い黒髪に金色で多重円状の瞳を持ち、白い着物を着た少女。
青田坊(あおたぼう)…… 安元 洋貴(33歳)
 リクオの側近の一人。鉄紺色の僧衣を纏った破戒僧。愛称は「青」。屈強な肉体と妖怪を一撃で殴り殺す怪力の持ち主で、奴良組の主力。「奴良組の突撃隊長」を自称し、戦いでは先陣を切ることが多い。
黒田坊(くろたぼう)…… 鳥海 浩輔(37歳)
 リクオの側近の一人。黒い法衣に袈裟を纏い、笠をかぶった破戒僧。愛称は「黒」。青田坊とは仲が良く、出入りの際には常に勝負を競っている「もう一人の突撃隊長」。
首無(くびなし)…… 櫻井 孝宏(36歳)
 リクオの側近の一人。「常州の弦殺師」の異名を持つ二枚目の青年。妖怪としては抜け首にあたり、頭部が胴体から離れ宙に浮いている。
毛倡妓(けじょうろう)…… かかず ゆみ(37歳)
 リクオの百鬼夜行の一員。ウェーブがかかった長髪の女郎の妖怪。奴良家の家事を担っているアネゴ肌な巨乳美女。
河童 …… 矢部 雅史(40歳)
 リクオの百鬼夜行の一員。忍装束を着て、頭の上に巨大な皿をかぶっている。
鴉天狗(からすてんぐ)…… 間島 淳司(32歳)
 奴良家お目付役。「高尾山天狗党」の党首。愛称は「カラス」。非常に小さな身体に、つまようじほどに短い錫杖を持っている。リクオの世話係たちのまとめ役。
黒羽丸(くろうまる)…… 下野 紘(30歳)
 鴉天狗の子供「三羽鴉」の長男。人間に変化した姿は黒髪の青年。父親や弟妹とは違って普段から甲冑を着ている。
トサカ丸 …… 入野 自由(22歳)
 三羽鴉の次男。モヒカン刈り頭が特徴。人間に変化した姿はモヒカン頭の青年。
ささ美 …… 小清水 亜美(24歳)
 三羽鴉の長女。人間に変化した姿はメガネを掛けた黒髪の女性。
木魚達磨(もくぎょだるま)…… 辻 親八(53歳)
 奴良組系「達磨会」の会長。奴良組の相談役で、本家に住み込んでいる。400年前から奴良組に属していた古参。
牛鬼(ぎゅうき)…… 中田 譲治(56歳)
 奴良組系「牛鬼組」の組長。物静かで慎重に物事を考える性格。幻術を用いた戦いを得意とし、剣術も極めて高い実力を誇る。平安時代中期の生まれ。
牛頭丸(ごずまる)…… 吉野 裕行(36歳)
 牛鬼組の若頭。まげを結い左目を前髪で隠した少年。幼い頃から馬頭丸と共に牛鬼に仕え、牛鬼からの信頼が最も厚い部下である。
馬頭丸(めずまる)…… 保志 総一朗(38歳)
 牛鬼組の若頭補佐。いつも馬の頭蓋骨を頭にかぶっている少年。
鴆(ぜん)…… 杉田 智和(29歳)
 奴良組系「薬師一派」の組長。猛毒の羽を持つ鳥の妖怪。普段は青年の姿をしている。
狒々(ひひ)…… 辻谷 耕史(48歳 2018年没)
 奴良組系「関東大猿会」の会長。振分け髪に小袖と袴を纏い、顔のサイズに合わない小面の能面をつけた大猿の妖怪。400年前から奴良組に属していた古参。
猩影(しょうえい)…… 星野 貴紀(30歳)
 狒々の息子で、関東大猿会の二代目会長。年齢はリクオより少し年上の若い妖怪。
一ツ目入道 …… 松山 鷹志(50歳)
 奴良組系「独眼鬼組」の組長。ちょんまげ頭をした一つ目の大男の妖怪。400年前から奴良組に属していた古参。
旧鼠(きゅうそ)…… 子安 武人(43歳)
 奴良組系「旧鼠組」の組長。浮世絵町の歓楽街で暗躍するネズミ妖怪。「星矢」という源氏名でホストクラブのナンバーワンとして振舞う。
隠神刑部狸・玉章(いぬがみぎょうぶだぬき・たまずき)…… 石田 彰(42歳)
 四国八十八鬼夜行の現在の組長。隠神刑部狸の88番目の嫁の8人目の息子にして、彼の神通力を最も強く受け継いだ妖怪。普段は高校生ぐらいの少年の外見をしている。
隠神刑部狸(いぬがみぎょうぶだぬき)…… 森 功至(65歳)
 八百八狸の長で、四国三大狸妖怪の一人。四国八十八鬼夜行を築いた大親分だが、現在は隠居中。ぬらりひょんとは旧知の仲。
犬神 …… 岡本 信彦(23歳)
 四国八十八鬼夜行幹部「七人同行」のひとり。土佐弁を話す犬妖怪。平安時代に犬神の呪いを行って失敗し、犬神憑きとなった術者を先祖に持つ。
袖モギ様 …… チョー(52歳)
 四国八十八鬼夜行幹部「七人同行」のひとり。小柄な地蔵の姿をした妖怪。
花開院 ゆら …… 前田 愛(35歳)
 陰陽師・花開院本家の少女。本作のヒロインのひとり。
家長 カナ …… 平野 綾(22歳)
 リクオの幼稚園からの幼馴染。本作のヒロインのひとり、なんだけど……

『千年魔京』から登場
羽衣狐(はごろもぎつね)…… 能登 麻美子(人間体 31歳)/ 根谷美智子(本体 45歳)
 京妖怪連合を統べる狐の大妖怪。平安時代中期の生まれ。通称「信田の狐」。9本の尾を持つ九尾の狐。陰陽師・花開院家の宿敵であると同時に、奴良組にとってはリクオの父親である鯉伴を殺した仇敵。
鬼童丸(きどうまる)…… 黒田 崇矢(46歳)
 羽衣狐ひきいる京妖怪連合の幹部妖怪で、千年前から羽衣狐母子に仕えていた。強面の中年男性の姿をした鬼の頭領。酒呑童子の息子で、人間の女との間に生まれた半妖。
茨木童子(いばらきどうじ)…… 津田 健次郎(40歳)
 羽衣狐ひきいる京妖怪連合の幹部妖怪で、千年前から羽衣狐母子に仕えていた。顔の左半分が卒塔婆で隠れている、鋭い眼をした鬼の青年。羽衣狐に従うまでは「鬼の大将」酒呑童子の腹心だった。
しょうけら …… 斎賀 みつき(38歳)
 羽衣狐ひきいる京妖怪連合の幹部妖怪で、康申の日に天に伺いを立てて人を断罪する虫の妖怪。普段は十字架のネックレスを身に付けた青年の姿をしている。
狂骨(娘)…… 日笠 陽子(26歳)
 羽衣狐ひきいる京妖怪連合の幹部妖怪。不気味な瞳を持つ幼い少女の妖怪。主君である羽衣狐を「お姉様」と呼び慕っている。
土蜘蛛(つちぐも)…… 小杉 十郎太(53歳)
 羽衣狐ひきいる京妖怪連合の幹部妖怪。将来復活する安倍晴明と戦うことのみを目的として、羽衣狐に対する忠誠心も持たずに手を貸している。
がしゃどくろ …… 楠 大典(44歳)
 羽衣狐ひきいる京妖怪連合幹部の、巨大な骸骨の妖怪。第四の封印「西方願寺」に封印されていた。
鏖地蔵(みなごろしじぞう)…… 茶風林(49歳)
 羽衣狐ひきいる京妖怪連合の参謀として活動するが、実は……
鞍馬山の大天狗 …… 宝亀 克寿(64歳)
 かつて約400年前に京妖怪連合の幹部だった、鞍馬山に住む天狗。牛鬼とは旧知の仲。現在は羽衣狐の配下ではない。
赤河童(あかがっぱ)…… 宮内 敦士(42歳)
 東北地方の妖怪を統率する、奥州遠野一家の総大将で、巨大な顔の河童。ぬらりひょんとは古い付き合い。
かまいたちのイタク …… 岸尾 だいすけ(37歳)
 奥州遠野一家の妖怪。バンダナを頭に巻いた青年。昼は小さいイタチの姿になってしまうが、こちらが本来の姿らしい。
天邪鬼の淡島(あわしま)…… 柚木 涼香(37歳)
 奥州遠野一家の妖怪。さばさばした性格の好青年。鬼神の父と天女の母を持ち、昼は男、夜は女になる。
珱姫(ようひめ)…… 桑島 法子(35歳)
 ぬらりひょんの妻で、鯉伴の母、リクオの祖母。400年前の京の公家の娘で、京都一と謳われた程の絶世の美女。あらゆる難病を瞬く間に治す不思議な力を持っていた。
奴良 鯉伴(りはん)…… 藤原 啓治(46歳 2020年没)
 奴良組二代目総大将。ぬらりひょんと珱姫の息子で、リクオの父親。半妖。江戸時代初期の生まれで、現在は故人。
花開院 秀元 …… 緑川 光(43歳)
 花開院家十三代目当主。約400年前の九尾の狐封印に貢献した故人だが、子孫に式神として召喚される。霊力が高いため、ほぼ生身の姿で行動できる。
花開院 竜二 …… 小西 克幸(38歳)
 花開院本家の陰陽師で、ゆらの兄。高校3年生。
安倍 晴明 …… 小山 力也(47歳)
 ご存知、日本一の陰陽師! 本作では、九尾の狐こと羽衣狐のバカ息子。


≪徹底ストーキング!!周夫ぬらりひょん、全出演時間、全行動≫
第1期
第1話 …… 出演3シーン計2分30秒、セリフ6言(牛鬼との会話、リクオとの会話、奴良組幹部会議)+次回予告(リクオと)
第2話 …… 出演4シーン計1分45秒、セリフ9言(鴆との会話、リクオとの会話2回、ひとり朝食)
第3話 …… 出演1シーン40秒、セリフ4言(ゆら達との会話)
第4話 …… 出演1シーン3分20秒、セリフ4言(リクオの覚醒に立ち会う)
第5話 …… 出演4シーン計2分40秒、セリフ11言(奴良組古参幹部との会話、鴉天狗への指示、鴉天狗への示唆、息子の嫁・若菜との会話)
第6話 …… 出演シーンなし!
第7話 …… 出演4シーン計2分05秒、セリフ5言(鴉天狗の報告を聞く、鴆との会話、リクオを案じる、若菜に灸をすえてもらう)
第8話 …… 出演シーンなし、ただし牛鬼が語る室町後期~戦国時代の奴良組との対決の回想で、若き日の総大将として遊佐浩二ぬらりひょんが登場(5分25秒、セリフ5言)
第9話 …… 出演2シーン計7分15秒、セリフ12言(リクオとの会話、奴良組幹部総会)、前話に引き続き牛鬼の回想で遊佐ぬらりひょん登場(25秒、セリフ1言)
第10話 …… 出演2シーン計30秒、セリフ3言(帰宅、若菜との会話)
第11話 …… 出演6シーン計10分20秒、セリフ38言(狒々との会話、鴉天狗との会話、納豆小僧との会話、駄菓子屋、ゆらとの会話、ムチに遭遇、ゆらの式神を見る)
第12話 …… 出演1シーン9分30秒、セリフ26言(秘技「真・明鏡止水」でムチを一蹴、四国行きを決める)
第13話 …… 出演シーンなし!!
第14話 …… 出演1シーン55秒、セリフ4言(四国に到着)
第15話 …… 出演1シーン3秒、セリフなし!(四国の温泉につかる)
第16話 …… 出演1シーン2分45秒、セリフ14言(愛媛県・山口霊神堂での隠神刑部狸との再会)
第17話 …… 出演シーンなしィ!
第18話 …… 出演1シーン1分30秒、セリフ8言(隠神刑部狸との会話)
第19話 …… 出演シーンなしィイ(ただしオープニングで前話出演シーンのダイジェストはあり)
第20話 …… 出演2シーン計1分40秒、セリフ8言(玉章が妖刀「魔王の小槌」を持っていることを知る、リクオの回想)
第21話 …… 出演5シーン計4分45秒、セリフ7言(タマズサとタマズキ、魔王の小槌の由来、隠神刑部狸と寝台特急で東京へ向かう)
第22話 …… 出演シーンなし~
第23話 …… 出演3シーン計1分10秒、セリフ1言(隠神刑部狸と寝台特急で東京へ向かう、縁側でキセルをのむ姿のイメージ)
第24話最終回 …… 出演4シーン計6分35秒、セリフ8言(東京に到着、リクオの玉章へのとどめを止める、隠神刑部狸と玉章の帰国をリクオに伝える、奴良組手打ちの祝宴)
トータル …… 全出演42シーン総計49分58秒(24話中18話に出演)、セリフ総数168言
ちなみに遊佐ぬらりひょんは …… 全出演2シーン総計5分50秒(24話中2話に出演)、セリフ総数6言

第2期『千年魔京』
第1話 …… 出演4シーン計8分30秒、セリフ23言(リクオとの会話、奴良組幹部会議、こたつで茶を飲む)
      ※リクオの父・奴良鯉伴(演・藤原啓治)の出演1シーン1分10秒、セリフ1言(鯉伴の死)
第2話 …… 出演シーンなし!
第3話 …… 出演1シーン30秒、セリフ3言(牛鬼との会話)
      ※400年前の総大将として遊佐浩二ぬらりひょんが登場(2分25秒、セリフ2言)
第4話 …… 出演シーンなし、ただし400年前の羽衣狐との因縁の回想で、遊佐浩二ぬらりひょんが引き続き活躍(4シーン計11分50秒、セリフ51言)
第5話 …… 出演シーンなし、ただし400年前の羽衣狐との対決の回想で、遊佐ぬらりひょんが引き続き活躍(4シーン計18分00秒、セリフ41言)
第6話 …… 出演2シーン計3分55秒、セリフ23言(リクオを遠野へ送る、リクオの回想)
第7話 …… 出演1シーン45秒、セリフ3言(リクオの回想)
第8話 …… 出演シーンなし、ただし奥州遠野一家総大将・赤河童の回想で遊佐ぬらりひょんが登場(5秒、セリフ1言)+次回予告でセリフ1言
第9話 …… 出演1シーン2分25秒、セリフ10言(リクオを京都へ送る)
第10話 …… 出演シーンなし!!
第11話 …… 出演シーンなし、ただし首無の回想で奴良鯉伴が登場(1分20秒、セリフ6言)
第12話 …… 出演1シーン1分35秒、セリフ4言(木魚達磨、鴉天狗との会話)
第13話 …… 出演1シーン3秒、セリフ1言(リクオの回想)
第14話 …… 出演1シーン20秒、セリフ2言(鴉天狗との会話)
      ※リクオの父・奴良鯉伴の出演1シーン1分00秒、セリフ2言(リクオの回想)
第15話 …… 出演シーンなしィ!
第16話 …… 出演シーンなし、ただし首無の回想で奴良鯉伴が登場(1分50秒、セリフ5言)
第17話 …… 出演シーンなし、ただし牛鬼の回想で奴良鯉伴が登場(25秒、セリフ1言)
第18話 …… 出演シーンなしィイ
第19話 …… 出演5シーン計7分25秒、セリフ23言(羽衣狐と対決、京妖怪軍団幹部の追撃を逃れて弐條城本丸天守閣から脱出する)
      ※羽衣狐の見た幻影として遊佐ぬらりひょんが登場(1分00秒、セリフ4言)
      ※リクオの父・奴良鯉伴の出演1シーン15秒、セリフ1言(リクオの回想)
第20話 …… 出演シーンなし~
第21話 …… 出演1シーン30秒、セリフ2言(弐條城一ノ堀での奴良組妖怪との会話)+次回予告でセリフ1言
第22話 …… 出演1シーン30秒、セリフ3言(弐條城本丸での奴良組幹部との会話)
第23話 …… 出演5シーン計7分30秒、セリフ13言(息子・鯉伴と山吹乙女の回想、弐條城天守閣での安倍晴明との会話)
      ※回想シーンで遊佐ぬらりひょんが登場(30秒、セリフ3言)
      ※リクオの父・奴良鯉伴の出演3シーン計5分35秒、セリフ11言(ぬらりひょん、山吹乙女の回想)
第24話最終回 …… 出演3シーン計14分30秒、セリフ15言(安倍晴明との決戦、花開院秀元との会話、リクオの奴良組三代目襲名式)
      ※リクオの見た夢の中で遊佐ぬらりひょんが登場(4分20秒、セリフ15言)
      ※リクオの父・奴良鯉伴の出演2シーン計4分40秒、セリフ20言(山吹乙女の回想、リクオの夢の中)
トータル …… 全出演27シーン総計48分28秒(24話中13話に出演)、セリフ総数125言
ちなみに遊佐ぬらりひょんは …… 全出演13シーン総計38分10秒(24話中7話に出演)、セリフ総数117言
ちなみにちなみに藤原鯉伴は …… 全出演11シーン総計16分15秒(24話中8話に出演)、セリフ総数47言

トータルのトータル!! アニメ版通算出演時間&セリフ数
周夫ぬらりひょん …… 全出演69シーン総計98分26秒(48話中31話に出演)、セリフ総数293言
遊佐ぬらりひょん …… 全出演15シーン総計44分00秒(48話中9話に出演)、セリフ総数123言
藤原鯉伴     …… 全出演11シーン総計16分15秒(『千年魔京』のみ)、セリフ総数47言


 2021年の夏まっさかりに、何をやっとるんだ、私は……これぞ、愛!!
 本題は、まったじっかい~。
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