長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

帰ってはきたけどよう!

2015年01月29日 23時47分20秒 | 日記
 いや~どうもこんばんは、そうだいでございます。みなさま、今日も一日お疲れさまでございました!

 わたくし、帰りましたよ。実家の山形県に。無事に、とどこおりなく! えぇ!

 さまざまな、千葉でお世話になった方々のうれしい応援のお言葉をいただいて、16年にわたったひとり暮らし生活にピリオドをうって、実家に帰ってきたわけなのですが。

 んまぁ~、身のまわりの何もかもが新しい勉強、勉強の目白押しで! こりゃ大変だ、来月の出勤初日なんかすぐにきちゃうぞ。準備は間に合うのか!?
 いちおう、まわりの非常に心強いサポートも受けて、じょじょに態勢は整いつつあるのですが、なにもかもが、まぁ~ったく自分の身体になじんでいないと! やばいです、かぎりなく、ピッカピカの山形1年生に近い状態なんです。よろしくお願いいたします、ハイッ!!

 まずは、引越しの段ボール箱をぜんぶ開けきるところから悪戦苦闘ぎみなんですが、もう時間がないんでねぇ。ちゃっちゃと進めなくてはいけません。あぁ、日々の生活の中で「ヒマだなぁ~。」なんて感じる余裕が出るのは、いったいいつのことになるのやらやら!

 しかし、東北地方ってこんなに寒かったんだっけ。雪景色なのはいまさら驚くことでもないんですが、晴れたって風がなくたって気温が安定して寒い! 日なたがポカポカなんて、んなこたぁまだまだ先のことに決まってんだろうという、大自然の厳しいおぼしめしが!!
 そういえば、明日は全国的に特に寒くなって、東京や千葉も雪が降る可能性が高いそうですね。

 なつかしい……私、おととしも去年も首都圏で雪が降った日には必ず仕事をしていて、どっちも帰り道にそうとうヒドい目に遭ってたんだよなぁ。4~5時間ほど雪道を歩いたんだっけ。雪中行軍は、年が明けた冬の個人的な風物詩だったんですよね。
 まぁ思えば、それも首都圏だからできた笑い話なんでありましてね。山形じゃ笑いごとにならないシチュエーションですからね。ていうか、まず通勤が電車じゃないからね。雪だってなんだって車で移動なわけなんですよ。

 ううわ~、車! 車!! 早く車が運転できるようになんなきゃいけないわけなんですよ、あたしゃ! そりゃもう、仕事の通勤もそうなんですが、山形ではなににつけても車が必須の移動手段なのであります。自転車だなんて、とんでもない。

 今まで、完全なる身分証明書としての役目しかになってこなかった我が「メッキもいいところのゴールド運転免許」も、ついに本来の能力を発動せねばならないことに……ヒエ~恐ろしい!!
 現時点では、自分がガススタンドで、口笛の一つでも吹きながら余裕でセルフ給油をしているさまなんて想像することもできないのですが、それもそうとう近いうちにできるようにならなければ、いち山形県人としてしめしがつかなくなるのです。


 車だけにかぎらず、2月からの新しい職場でのお仕事のこともあるし、とにかく新しい環境での未知の体験づくめ(車は遥かかなたの昔に経験があったわけですが……)で、基本的に毎日がテンパリぎみの連続なのですが、一日一日、少しでも多くのことを消化しつつ、しのいでしのいで! 人様に迷惑だけはかけないようにして、しのいで生きてまいりましょう!! そうすれば、いつかはプハーッと息つぎができる日が来るのではなかろうか……

 あーしかし、車で行く夜道が、あんなに怖いものだったとは……いや、教習のときに学んだことのほとんどが、見事に頭の中から消え去っていたという事実のほうが怖いか!? 危なかった……教えてくれたナビゲイターの人に感謝だったよ、ほんと。

 事故に遭わないでいるかぎり、いつかは慣れるんでしょうが……それは山形での生活全体についてもそうなんだろうけど、慣れないうちはほんとに緊張の連続でしょうよ! でもこれは覚悟していたことだし、ここはひたむきに一歩一歩、だな。

 あぁ、のほほんと、この『長岡京エイリアン』の記事を整理できる日は、いつ来るのであろうかのう! いちおう今は元気に生きてま~っす!! お酒が呑めないから、牛乳ばっか飲んでるよ。
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最近の悪いもんは、どうなっとるのかねぇ~チミ!  ~オール仮面ライダーシリーズ復習、4時間目~

2015年01月27日 23時13分28秒 | 特撮あたり
映画『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦 MEGA MAX 』(2011年12月公開 95分 東映)


 映画『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦 MEGA MAX 』は、特撮 TVドラマシリーズ『仮面ライダー』シリーズの第22作『仮面ライダーフォーゼ』と第21作『仮面ライダーオーズ』の劇場版作品。
 キャッチコピーは「2011年冬、MOVIE大戦が進化する。」、「この冬、最大の興奮、キターッ!!」、「大地で、大海原で、大宇宙で! 時空も超えるメガ盛りスーパーバトル!」。

 仮面ライダー生誕40周年記念作品。放送中の仮面ライダーと前作の仮面ライダーが共演するクロスオーバー作品『 MOVIE大戦シリーズ』の第3弾。『フォーゼ』としては初の、『オーズ』としては4作目にあたる劇場版作品。と同時に、仮面ライダーシリーズ生誕40周年記念企画の最後を締めくくる作品でもある。
 従来の3部構成ではなく、本作ではゲストキャラである、栄光の7人ライダーと仮面ライダーW をメインに据えた2つの副章「幕開け(序章)」と「風都 暗躍する陰謀(ブリッジ)」がさらに用意され、『序章(7人ライダー編)』→『オーズ編』→『ブリッジ( W編)』→『フォーゼ編』→『 MOVIE大戦』の5部構成となり、各パートが時系列順に進行する様になった。
 敵側では、『仮面ライダーW 』に登場した敵組織「財団X 」が登場する他、宇宙をテーマにしたつながりとして、映画『新・仮面ライダー 8人ライダー VS 銀河王』(1980年)に登場したサドンダスと銀河王が、リファインされる形で財団X の幹部として再登場する。

 本作は、『仮面ライダーW 』の TVシリーズ本編や Vシネマ、劇場版と、『仮面ライダーオーズ』の TVシリーズの後日談として描かれている。『仮面ライダーフォーゼ』に関しては具体的な時期系列こそ不明だが、TVシリーズに組み込まれた作りになっており、本作の後に放送されたエピソードや劇場版に、財団X やフォーゼ・ロケットステイツ・ロケットスイッチスーパーワン、美咲撫子が登場している。

 全国301スクリーンで公開され、2011年12月10・11日の初日2日間で興行収入約3億8千万円、動員約33万3千人を記録し、映画観客動員ランキングで初登場第1位を獲得した。最終的な興行収入は約15億1千万円。


あらすじ
「幕開け 戦え!伝説の7人ライダー(序章)」
 宇宙から隕石群が飛来し、落下地域で異常事態が次々と発生。隕石の一つに付着していた宇宙生命の種「 SOLU 」をめぐり、伝説の7人ライダーと財団X は世界各国で激闘を繰り広げるが、SOLU は財団X の手に渡ってしまう。
 財団X は次なる目的を、メダル・スイッチに向ける。

「仮面ライダーオーズ アンク復活と未来のメダルとつながる希望」
 夢見町の港に落ちた隕石によって時空が歪み、40年後の未来につながるワームホールが発生。そこを通じて未来のコアメダルを使用して変身した悪の仮面ライダー「仮面ライダーポセイドン」が現代に現れた。
 「戦い」の欲望に突き動かされるポセイドンは、この時代の仮面ライダーであるオーズ・バース・プロトバースとの交戦を望み暴れ回る。鴻上ファウンデーションは事態収拾のため、それぞれの日常に戻っていた火野映司(オーズ)・後藤慎太郎(バース)・伊達明(プロトバース)の3名を夢見町に呼び戻す。
 バースとプロトバースはポセイドンに敗北し戦闘不能となるが、グリードとの戦いの末に消滅したはずのアンクが出現し、持ち前の策略でポセイドンが所持していたコアメダルを奪取。これによって映司がオーズとして復帰を果たし、ポセイドンと対決する。

「風都 暗躍する陰謀 颯爽!仮面ライダージョーカー(ブリッジ)」
 左翔太郎(仮面ライダーW / 仮面ライダージョーカー)は、風都で SOLUを移送中の財団X と遭遇。翔太郎はジョーカーに変身し、ヤミーを使って応戦する財団X を蹴散らすも、その戦いの最中で SOLUが行方不明になってしまう。
 一方、7人ライダーは財団X の保有する秘密空港「空港X 」に辿り着き、財団X の幹部レム・カンナギと対峙するが、カンナギの罠にはまり、それぞれコアメダルとアストロスイッチに変換されてしまう。

「仮面ライダーフォーゼ 撫・子・降・臨」
 天ノ川学園高等学校は学園祭の時期を迎え、仮面ライダー部の面々も伝説の7人ライダーに関する調査結果を発表し、学園祭を楽しんでいた。そこへ突如、上空から昴星高校の制服を来た謎の美少女・美咲撫子が降ってきた。撫子を間一髪抱き止めた如月弦太朗(仮面ライダーフォーゼ)は、撫子に一目惚れしてしまう。
 仮面ライダー部が撫子に事情を聞く中、突如撫子を狙ってホロスコープス配下のダスタードが多数襲来し、撫子を守るため弦太朗はフォーゼに変身して交戦。すると撫子も唐突に仮面ライダーなでしこへと変身し、フォーゼと共闘を開始する。

「 MOVIE大戦 MEGA MAX 」
 隕石群によって起こった一連の事件がつながると共に、カンナギが財団X を離反し、未来のコアメダルだった SOLUと、それをアストロスイッチに変換した「 SOLUスイッチ」の2つを独占する。
 カンナギを追う W・オーズ・フォーゼの3大ライダーは一同に会して決戦に臨むも、カンナギが差し向けた怪人大軍団が彼らの前に立ち塞がる。オーズとフォーゼの力で元の姿を取り戻した7人ライダー、40年後の未来から現れたオーズの仲間「仮面ライダーアクア」も加わり、オーズとフォーゼは共に戦いを終局させるため、カンナギが SOLUスイッチの力で変身した「超銀河王」との大気圏上での最終決戦におもむく。


主な登場キャラクター・用語
如月 弦太朗 / 仮面ライダーフォーゼ …… 福士 蒼汰(18歳)
 仮面ライダーフォーゼに変身する主人公。天ノ川学園高等学校2年B組に転入してきた男子生徒。17歳。一人称は「俺」。
 学園内では規定の制服を着用せず、短ラン・Tシャツ・ボンタン(冬場はスカジャン)、つぶして薄くした革製の改造学生鞄にリーゼントという昭和時代の不良のような格好にアイデンティティを持つ。
 転入初日にゾディアーツと遭遇し、賢吾から奪ったフォーゼドライバーで変身。当初は賢吾と対立するもユウキのアドバイスにより、自分がフォーゼに変身する肉体労働、彼に分析や助言を任せる頭脳労働という関係を成立させ、仮面ライダーフォーゼとして闘うこととなった。その後フォーゼの力で学園を守るべく、独断で「仮面ライダー部」を創立、高校生活をエンジョイするかたわら、仲間を集めてゾディアーツから生徒を守る闘いをくり広げる。

歌星 賢吾 …… 高橋 龍輝(18歳)
 2年B組在籍の男子生徒。17歳。一人称は「俺」だが、第12話で一度だけ「僕」を用いていた。
 明晰な頭脳の持ち主だが生まれつきの虚弱体質で、「保健室の先生より長く保健室にいる」という噂があるほどだが、それを口実に授業のサボタージュも多いため、優秀な成績にも関わらず進級に支障が出かねないほど内申点は著しく低く、教師からは問題児扱いされている。本来ならば自らフォーゼに変身したいが、その体質のために変身できずにおり、自身の虚弱さに憤りを抱いている。
 内向的で他者に対して心を開くことは滅多にない。更に毒舌家でもあり、思った事は歯に衣着せずにズバズバと言い、価値観のそぐわない相手に辛辣な言葉をぶつけたり、「時間の無駄」としてしばしば物事を否定する。弦太朗の編入以前は、ユウキ以外にはほとんど友人もいなかったが、その物言いが的確なアドバイスになることもあるため、他の生徒からは一目置かれた存在であるほか、彼を慕う女生徒も少なからずいる。
 自分の生まれる前後にアストロスイッチの開発者だった父・緑郎を失っており、現在は一人暮らしである。1年前の誕生日に贈られたゲートスイッチの力でラビットハッチへのゲートを手に入れて以来、父親の遺した資料を元にアストロスイッチとフォーゼドライバーに関する研究を行っていた。
 無断でラビットハッチを使用していた「仮面ライダー部」を部活と認めていなかったが、月面に取り残されたところを弦太朗に助けられた一件から考えを改め、月面でライダー部の旗を立て「学園と地球の自由と平和を守る仮面ライダー部」の正式なスタートを宣言する。
 名前は「本郷猛(仮面ライダー1号)」のアナグラム。

城島 ユウキ …… 清水 富美加(17歳)
 2年B組在籍の女子生徒で、弦太朗の幼馴染。17歳。髪は黒のロングヘア。一人称は「あたし」。
 天真爛漫でノリのいい性格は弦太朗と馬が合い、彼を「ゲンちゃん」と呼んでいる。天高の生徒の中では、唯一最初から彼に理解を示しており、仮面ライダー部設立に賛同し、部員第1号となる。また、フォーゼの変身時に居合わせた場合には、フォーゼの後ろで一緒にポーズを取っている。1年生の頃、宇宙科学者である歌星博士の息子であるという理由で賢吾と接触して協力し、フォーゼドライバーの使用方法も熟知していた。幼い頃に「星からの声」を聞いた経験から宇宙に憧れを抱き、宇宙飛行士になって宇宙へ行くこと夢見る宇宙オタク。
 名前は結城丈二(ライダーマン)の苗字と名前を入れ替え、「ま」を加えたアナグラム。企画段階では理系のオタクっぽいキャラクターであったが、演じる清水富美加にあわせて明るいキャラクターとなった。

風城 美羽 …… 坂田 梨香子(18歳)
 18歳の財閥の令嬢で、天高ではチアリーダー部部長だった。一人称は「私」。
 美人だが「学園の女王」と呼ばれているのを鼻にかけ、それを隠そうともしない高いプライドを持つ傲慢な性格。しかし影では自己鍛錬を怠らないなど、1年でクイーンの座を手に入れた、芯の通った努力家でもある。それゆえに努力を怠り他者に頼りがちな者には厳しく、どんな状況に陥ろうとも、他者からの同情を極度に嫌う。その性格のため、突拍子もない行動に出る無鉄砲な一面もある。また、時にはゾディアーツをも出し抜く程の巧妙な作戦を考案するなど、知略家な一面も見せる。口癖は「 Oops!」)。
 当初は弦太朗をトラッシュと見下していたが、クイーンフェスの事件を通して、彼を認めたうえで仮面ライダー部に入部する。入部当初から勝手に部長を名乗ったが、程なく他のメンバーから追認されている。一方で、チアリーダー部は取り巻き(サイドキックス)のジュンに任せて事実上引退した。恋人である隼とはクイーンフェスの事件で疎遠になったが、彼が改心して仮面ライダー部に入部したことで、恋人ではなく仲間として受け入れている。
 名前は風見志郎(仮面ライダーV3)のアナグラム。

大文字 隼 …… 冨森 ジャスティン(22歳)
 元アメフト部部長。制服はブレザーではなく学園のスタジャンを着用していた。一人称は基本的に「俺」だが、両親といるときは「僕」になる。
腕っ節が強く、どこかキザな言動を見せ、敬礼のポーズをする癖があるエリート。
 当初は美羽と同様に弦太朗をトラッシュと見下しており、父親から学んだ帝王学に基き、「キング」(一般的なジョックのトップ)という立場を盾に独善的かつ横暴な振舞いをしてきた。だがそれは父親の期待に応えなければならないという精神的呪縛から来るものであり、本来はシャイで寂しがり屋な性格で、仲間と支え合う学園生活に憧れていた。そのため、他者から反発され周囲から孤立することに人知れず心を痛めていた。反発した部員に対する暴行の一件で参加した補習を通して、その本心を弦太朗たちにさらけ出したことがきっかけで和解し友人となる。
 名前は「大」の字を「一」と「人」に分けて並べ替えると、「一文字隼人(仮面ライダー2号)」になる。

野座間 友子 …… 志保(19歳)
 1年生の女子生徒。16歳。一人称は「私」。下まつげの黒メイクが特徴で、他人にノーメイクの顔を見られることを極度に嫌うが、その素顔は弦太朗からも美人と言われるほどのなかなかの美少女。無口で他者と話すことが苦手なため、たどたどしい話し方をする。
 「面白いから」という理由で弦太朗を気に入り、最初の協力者となって以降は、陰ながら彼らの活動に力を貸す。一方で、独特かつズレた感覚の持ち主であることから、周囲から孤立しており、「自分に居場所がない」「自分を変えなければいけない」と思い込んでいたが、弦太朗から「今のままのお前を受け止める。」と諭され、考えを改めて仮面ライダー部に加入する。
 フォーゼを「仮面ライダー」と呼んだ最初の人間であり、仮面ライダー部設立のきっかけを作った。「正義の味方」としての仮面ライダーに憧れを持っている。
 苗字の「野座間(のざま)」は、仮面ライダーアマゾン( AMAZON )の綴りを逆読みしたもので、名前の「友子」は、アマゾンがまさひこ少年と「アマゾン、トモダチ。」と言って友情を交わしたことから来ている。

JK(ジェイク)…… 土屋 シオン(19歳)
 1年生の男子生徒。16歳。本名は神宮海蔵(じんぐう・かいぞう)だが、気に入っていないため普段は名乗っていない。両手をクロスさせて自分のイニシャルを手先で作る「 J、K。」が決めポーズ。一人称は「俺」。
 学園一の情報通を自称するお調子者で裏地を派手な色づかいにした制服のブレザーの前を開け、ネクタイを緩め、ワイシャツは襟元を開け裾を外に出すなど、だらしなく見える服装をしている。ブレイクダンスが得意であり(演じている土屋の特技であり、スタント無しで技を披露することもある)、その要領で敵の攻撃を回避したこともある。
 あだ名の由来は、神敬介(仮面ライダーX)の頭文字( Jin Keisuke )から。本名の「海蔵」はカイゾーグから来ている。

湊 ミハル / 仮面ライダーアクア / 仮面ライダーポセイドン …… 荒井 敦史(18歳)
 40年後(西暦2051年)の未来において、仮面ライダーとして人々を襲うモンスターと戦う使命を課せられた青年。
 戦闘能力は高いが、消極的で弱々しい性格で勇気がない。当初は仮面ライダーアクアに変身することが決まったが、その性格に加えて水が苦手であったせいで、アクアシステムとの相性が悪く葛藤に苛まれる。そんな中、年老いた鴻上からポセイドンドライバーと未来のコアメダルを受け取ったことで、仮面ライダーポセイドンとして戦うことになった。
 だが、ポセイドンの能力をうまく使いこなせずにモンスターとの戦闘に苦戦していたところ、40年前から飛ばされてきた無数のオーメダルが体内に侵入。ポセイドンの真の力が解放されるも、同時にコアメダルに自我が芽生えてしまい、身体の主導権を奪われ暴走、時空の歪みから生まれたワームホールを通じて強者を求めて現代に現れた。
 戦いの中で映司の呼びかけに応え、ポセイドンの意思をはねのけ意識を取り戻す。その後は単独でも活動できる程に成長してしまったポセイドンから弾き出される形で解放された。
 「 MOVIE大戦 MEGA MAX編」では、フォーゼと共にカンナギと対決するオーズの前に現れ、オーズに未来のコアメダルを託して、7人ライダーに加勢してダミー怪人軍団と戦った。

美咲 撫子(みさき なでしこ) / 仮面ライダーなでしこ …… 真野 恵里菜(20歳)
 SOLU が、昴星高校に通う生徒「美咲撫子」の姿をコピーした姿。高い所を気に入っている他、食べ物を噛まずに吸い込んだり自分の身体の一部を別の物に作り変えたりできる。
 本来 SOLUには知能がなく、周囲の言動を模倣するのみだったが、弦太朗との交流で感情を得るまでに急速進化した。カンナギに捕えられ肉体を失うも、最終的に「意思を持った高エネルギー体」となって宇宙に帰っていった。エンディングでは本物の美咲撫子も登場している。
 苗字の美咲は字は、異なるが『仮面ライダーストロンガー』の電波人間タックル / 岬ユリ子から採られている。

財団X
 『仮面ライダーW』に登場した、闇の組織にして死の商人。世界のエネルギーを支配するため、時空を越えた未来のコアメダルとコズミックエナジーを制御できるアストロスイッチを手に入れようと世界各国で暗躍を再開する。
 世間では都市伝説とされている歴代仮面ライダーが実在することも把握しており、以前から彼らと敵対していたらしい。1号からストロンガーまでの仮面ライダー7人と死闘を繰り広げる最中、「オーメダル」(『オーズ』より)の運用技術(怪人ヤミーやグリードの生成、変身機構、ドライバーの製造など)を入手している。
 本作では、『W』におけるガイアメモリと同様に人間を怪物化させるキーアイテム「ゾディアーツスイッチ」を開発した組織「ホロスコープス」に資金援助を行っている姿が描かれている。
 なお、劇中で語られることはないが、『真・仮面ライダー 序章』(1992年)で仮面ライダーシンを生み出した組織「財団」との関係も推測される。

レム・カンナギ / 超銀河王 …… 益岡 徹(55歳)
 財団X の幹部で、アンノウンエネルギー開発担当。自身が「銀河の王」となるために財団への裏切りを画策し、未来のコアメダルの回収や SOLUを使ったアストロスイッチの作成を狙う。本作ではすべてのエピソードに登場している。
 人間を強制的に突然変異へと促した超進化生命体「ミュータミット」を研究しており、側近にその能力を与えている。自身にもその処置を施しており、口から強烈な振動波を放つ。
 最終決戦では、SOLUスイッチと未来から来たポセイドンの3枚のコアメダルを装着した「ギンガオードライバー」を用いて「超銀河王」に変身する。
 未来のコアメダルから引き出した「時間を超越する力」を利用し、わずかな間だが時を停止させる能力を持っており、それを駆使することでフォーゼ・オーズの2大ライダーを圧倒する。コズミックエナジーをその手で凝縮して強烈な破壊光線として放つ能力も持つ。SOLUの能力を転用してコズミックエナジーで精製したローブ状の装甲は防具としての役目に留まらず、戦況に応じて適した形状の武器に自在に変形させることが可能で、自分の意思で遠隔操作もできる。
エクソダスで大気圏を突破してコズミックエナジーをフルチャージしてしまうと、全世界のエネルギーを支配下におき、時間停止能力も更なる進化をとげ、何者も手出しができない程の絶対的な力を得てしまう。その野望を阻止するために仮面ライダーたちが決戦を挑む。
 原典は映画『新・仮面ライダー 8人ライダー VS 銀河王』(1980年)に登場した銀河王だが、もともと人間であるため、地球外の機械生命体だった原典との直接の関係はなく、デザインも大きく異なる。

カタル / サドンダス …… ダンテ=カーヴァー(34歳)
 カンナギの直属の部下の黒人男性。超進化生命体ミュータミットで、ドラゴンのような姿をした怪人サドンダスへの変身能力を持つ。寡黙な人物で、本編中で喋ることはほとんどない。「フォーゼ編」でサドンダスに変身し、フォーゼの足止めのために立ち上がる。
 サドンダスは、その口から高熱線を吐くなど高い戦闘能力に加え、翼を使った飛行能力やフォーゼ・ファイヤーステイツの「ライダー爆熱シュート」にもビクともしない耐久力を持つ。
 ただし、彼に施されたミュータミット技術は試作段階のものであったため、サドンダスに変身しければその能力を発揮することはできない。
 原典は、映画『新・仮面ライダー 8人ライダー VS 銀河王』に登場した、銀河王の擁する最強怪人サドンダス。
 のちにオリジナル DVD『仮面ライダーフォーゼ 超バトルDVD 友情のロケットドリルステイツ』(2012年6月)では、改良型としてサドンダスβ(ベータ)が登場し、仮面ライダーアマゾンやフォーゼと長期戦を繰り広げる。

ソラリス / ユニコーン・ゾディアーツ …… 人見 早苗(29歳)
 カンナギの直属の部下の女性。超進化生命体ミュータミットで、常人離れした身体格闘能力を持つ。本作ではすべてのエピソードに登場している。
最終決戦ではゾディアーツスイッチを使用してユニコーン・ゾディアーツ(進化形態)に変身し、部下たちが変身したゾディアーツを率いて Wと対決する。

キイマ統制官 …… 渡辺 梓(42歳)
 財団X の幹部で、カンナギの上司にあたる。カンナギの裏切りを見抜けず、彼が財団を離反する際に殺害される。

ダミー怪人
 カンナギが作り出した歴代怪人の複製(ダミー)で、エクソダスを追うフォーゼとオーズの前に立ち塞がる。
テラー・ドーパント、クレイドール・ドーパント、スミロドン・ドーパント、Rナスカ・ドーパント、ウヴァ、カザリ、ガメル、メズール

戦闘員
 財団X が各組織との提携により得た技術で生み出した戦闘員。冒頭で世界中に飛来した SOLUを狙い、7人ライダーと戦った。マスカレイド・ドーパント、屑ヤミー、星屑忍者ダスタードの混成部隊。

SOLU(ソル)
 細胞核にコズミックエナジーを内包した生命の種。SOLUとは「 Seeds Of Life from the Universe(宇宙から来た生命の種)」の頭文字。
 液体金属状の宇宙生命体で、反射的に物質をコピーすることで変化や精製を行うことができる。その本来の姿から、劇中で弦太朗などには「スライム」とも呼ばれる。
 知性や感情を持たない生命体と考えられていたが、弦太朗と接触する中で急激な進化を果たし心を持つようになった。

SOLU スイッチ
 カンナギが、生命を物質化する装置で撫子( SOLU )を再構成したアストロスイッチ。SOLUの能力やエネルギーだけを純粋に変換したものであり、元となった SOLUの意志や記憶は消失するらしい。

ミュータミット
 カンナギが研究していた超進化生命体。強制的に生物を突然変異させることで、通常の進化ではありえない形や速度で能力を発現させる。人間のままで特殊能力や高い身体能力を発揮するものから、変身能力を持つものまで様々。

未来のコアメダル
 鴻上ファウンデーションが、失われた本来のコアメダルに代わって自ら開発を始め、40年後に完成させたもの。グリード発生を防ぐために不純物を排し、純粋な欲望のみで構成されている。

7人ライダーのスイッチとメダル
 カンナギによって、生命体を物質化する特殊な装置で7人ライダーが変換されたもの。1号、2号、V3、ライダーマンはアストロスイッチに、X、アマゾン、ストロンガーはコアメダルにされた。それぞれリミットブレイクとスキャニングチャージを行うことで、物質化されていたライダーたちは解放された。

エクソダス
 カンナギが極秘に開発させた宇宙船で、彼の拠点。スペースシャトルのような垂直発射ではなく、滑走路からマスドライバーで離陸し順次ブースターを切り離す形式をとる。
 衛星軌道上でコズミックエナジーを得ることを狙っており、大気圏から出てしまうまでがカンナギを止められるタイムリミットとなる。後の『フォーゼ』の単独劇場作品『みんなで宇宙キターッ!』(2012年)では、財団Xの所有する同型機の「エクソダス・マークII」が登場する。


登場する仮面ライダー
 仮面ライダー1号(声・稲田徹)、仮面ライダー2号(声・藤本たかひろ)、仮面ライダーV3(声・田中大文)、ライダーマン(声・増田隆之)、仮面ライダーX(声・千葉一伸)、仮面ライダーアマゾン(声・戸部公爾)、仮面ライダーストロンガー(声・石川英郎)、仮面ライダーW(演・桐山漣&菅田将暉)、仮面ライダーオーズ(演・渡部秀)、仮面ライダーバース(演・君嶋麻耶)、仮面ライダープロトバース(演・岩永洋昭)、仮面ライダーフォーゼ、仮面ライダーメテオ(演・吉沢亮)、仮面ライダーアクア、仮面ライダーポセイドン、仮面ライダーなでしこ
 ……以上、昭和ライダー7名、平成ライダー3名、平成サブライダー6名の、合計16名


主なスタッフ
本編&アクション監督 …… 坂本 浩一(41歳)
脚本         …… 中島 かずき(52歳 「フォーゼ編」、「 MOVIE大戦 MEGA MAX 編」)、小林 靖子(46歳「オーズ編」)
音楽         …… 鳴瀬 シュウヘイ、中川 幸太郎(42歳)
特撮監督       …… 佛田 洋(50歳)
キャラクターデザイン …… 早瀬 マサト(46歳)、阿部 統(37歳)
クリーチャーデザイン …… 麻宮 騎亜(48歳)、出渕 裕(53歳)、篠原 保(46歳)

主題歌『 SAMURAI STRONG STYLE 』(歌唱・綾小路翔)
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最近の悪いもんは、どうなっとるのかねぇ~チミ!  ~オール仮面ライダーシリーズ復習、3時間目~

2015年01月21日 23時24分59秒 | 特撮あたり
映画『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』(2011年4月公開 93分 東映)


 映画『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』は、特撮 TVドラマシリーズ『仮面ライダー』シリーズの劇場版作品である。キャッチコピーは、「世界よ、これが日本のヒーローだ!!」。仮面ライダー生誕40周年記念・東映創立60周年記念作品。

 タイトルの『レッツゴー仮面ライダー』は、シリーズ第1作『仮面ライダー』(1971~73年)の主題歌『レッツゴー!! ライダーキック』へのオマージュである。上映当時の現行作品であるシリーズ第21作『仮面ライダーオーズ』、これまでに幾度も劇場版が制作されたシリーズ第17作『仮面ライダー電王』と共に、仮面ライダー1号・2号が主演格を務め、歴代の仮面ライダーも登場する。そして今回は主人公ライダー27名だけではなく、『オーズ』の仮面ライダーバースをはじめとする平成のサブライダーも参戦し、総勢63名から成る「真のオールライダー」の集結がかなった。ただし、一部のサブライダーや劇場版限定登場のライダーの大半は登場していない。
 さらに、本作では『仮面ライダー』と同じ石ノ森章太郎原作の特撮作品の『人造人間キカイダー』(1972~73年)、『キカイダー01』(1973~74年)、『イナズマン』(1973~74年)、『快傑ズバット』(1977年)から主人公ヒーロー4名がゲストとして登場する。これについて白倉伸一郎プロデューサーは、当時の子供たちが親になった40年を一区切りと考え、「人それぞれ、ヒーローが異なると思いますが、本作品では当時憧れたヒーローに再会できます。」と語っている。
 敵側では、昭和・平成の歴代組織や怪人と結託して格段に巨大化したショッカーが登場。シリーズ第19作『仮面ライダーディケイド』で再登場したアポロガイスト・シャドームーン・ジャーク将軍・キングダーク・ドラスの他に、『仮面ライダー』のブラック将軍・ショッカー首領、『仮面ライダーストロンガー』(1975年)のジェネラルシャドウ・岩石大首領、『仮面ライダー BLACK 』(1987~88年)の大神官ダロムが登場する。
 物語の世界観は、1971年から多くの仮面ライダーたちが40年に渡って悪と戦ってきたという設定となっており、これまで各作品ごとに独立していた平成作品の世界観も、昭和作品から続いているようになっている。
 キャストは、仮面ライダー1号(本郷猛)、2号(一文字隼人)、V3(風見志郎)をそれぞれ演じた藤岡弘、・佐々木剛・宮内洋の3名が各ライダーの声で出演する。3名の劇場版での共演は『仮面ライダーX 五人ライダー対キングダーク』(1974年)以来37年ぶりであり、TVシリーズも含めれば『仮面ライダーストロンガー』以来である。また、単独の出演としても、藤岡は TVスペシャル『全員集合!7人の仮面ライダー!!』(1976年)、佐々木と宮内は TVスペシャル『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』(1984年)以来である。
 またショッカー側でも、ショッカー大首領役としては最後の出演となった納谷悟朗(2013年没)をはじめとして、原典のオリジナルキャスティングとなっている。

 全国273スクリーンで公開され、公開初日の土日2日間のみで興行収入約3億5百万円・動員約26万人を記録し、映画観客動員ランキングで初登場第1位を獲得した。さらに公開第2週も首位となったために2週連続第1位となり、これは仮面ライダー劇場版シリーズでは初となる快挙であった。平成ライダー劇場版シリーズとしても、本作品で累計成績が動員1600万人・興行収入200億円を突破し、本作の最終興行収入は13億3千万円を記録した。


あらすじ
 仮面ライダーオーズは3体のモールイマジンと戦うが、モールイマジンは偶然居合わせた少年の記憶をたどって過去に逃亡する。そこへ、時の列車・デンライナーとともに野上幸太郎と相棒のテディが登場し、火野映司とアンクは彼らとともにモールイマジンの後を追って、1971年11月11日の世界に向かう。1971年の世界で、仮面ライダー NEW電王はモールイマジンを倒すが、その際にアンクは1枚のセルメダルを落としてしまう。
 現代に戻った映司とアンクは、見知らぬ少年のナオキとミツルにオーメダルを盗まれてしまう。後を追って訪れたのは見覚えのないスラムで、現れた警官はナオキとミツルの窃盗を取り締まるどころか、怪人に変貌して暴れ回る。映司とアンクが戻ったはずの現代日本は、なんと悪の組織・ショッカーによって、40年以上も支配されていた。しかも、仮面ライダー1号・2号がショッカー最強の戦士として君臨している。これは、1971年の世界でアンクが落としたセルメダルが原因となって生じた、時間改変によるものだった。ショッカーに回収されたセルメダルが、独自に開発されたショッカーメダルに吸収されたことで最強怪人「ショッカーグリード」が誕生し、ショッカーグリードに敗北した1号・2号がショッカーに洗脳されたため、1号・2号以降のライダーは誰も誕生しないことになってしまったのだ。だが、特異点ゆえに時間の影響を受けない幸太郎と、彼に同行していた映司だけは生き残っていた。そして、ショッカーは後世に現れる多くの大組織と結託し、日本を自らの支配下に置いていた。
 ショッカーは世界を完全に制圧すべく、さらなる侵攻を開始。映司が現代にとどまって怪人連合を迎撃する一方、幸太郎たちは歴史を修正すべく、再び1971年の世界へと向かう。


主な登場人物、用語
火野 映司 / 仮面ライダーオーズ …… 渡部 秀(19歳)
 本作の主人公。定職・貯金・住居も持たずに各地を放浪している21歳の青年。常にエスニック調のファッションを好んで着用している。世の中を達観した様子さえみせるマイペースな性格。しかし、長旅で何度も修羅場を潜ってきた経験から、危険な状況や戦闘の渦中にあってもほとんど動揺することはなく、生身でヤミーを退ける程に身体能力も高いが、ヘビだけは苦手で、恋愛・女性心理に疎いことがコンプレックスになっている。「クスクシエ」に住み込みのアルバイト従業員として働いている。
 元は裕福な政治家一族の出身で、学生時代から困った人を助け、世界中の子どもたちを救うこと・世界を変えることを目標とし、多額の寄付や紛争地帯への旅を行っていた。だがその寄付が内戦の資金に利用されて情勢が悪化し、アフリカの紛争地帯の村で心を通わせた少女を目の前で失い、自身も武装勢力の人質にされたが、政治家である家族の根回しにより釈放され、さらにこの一件を「戦地を救った勇敢な政治家の息子」という美談に仕立て上げられてしまった。この事件以来、実家とは距離を置き、世界という現実の前での無力感や、無思慮な善意で多くの人を犠牲にしてしまい自分だけが無事に生還してしまった罪悪感から、自分自身の欲望や、自らの命に対する執着さえも失っている。周囲の願いやエゴを自らが引き受け、己の命も全く顧みない度を越えた自己犠牲はアンクからも危惧されている。そのために、多くの欲望を許容できることから、欲望の結晶であるオーメダルを使用しても暴走することのない「オーズの器」を持つ、仮面ライダーオーズの最適合者(変身者)となった。
 本作では、先輩ライダーたちのことを知ろうと、1号からストロンガーまでの協力者だった立花藤兵衛が作成したデータベースを入手し、歴代ライダーや戦っていた組織のことを調べていた。

アンク …… 三浦 涼介(24歳)
 映司に協力する鳥系グリード。本体は右前腕部しか実体化していないため、ヤミーの生成といった本来の能力をほとんど失っている。
 不完全な「モノ」でしかない自分を含めたグリードを嫌悪しており、バラバラにならない「強い体」と世界の美しさを感じ味わうことができる「命」を持つ完全な存在へと進化するために、他の全てのコアメダルを独占しようと暗躍する。
 右腕だけの状態で飛行して移動もできるが行動が制限されるため、普段は人間の泉信吾の肉体に憑依して行動する。人間態のままヤミーと互角以上に渡り合えるほどの戦闘能力がある。映司と共に「クスクシエ」に居候することになり、仕事(コスプレ)は拒むものの、店には顔を出している。復活・憑依後に食べて初めて「美味い」と感じたアイスキャンディーを気に入って頻繁に口にしている。
 ケチでがめつく計算高い性格で、常に相手に嫌味を言う毒舌家。表向きは物事を損得勘定でしか捉えないリアリストであるが、「世界の美しさを感じる本当の『命』が欲しい」という行動原理から、根はロマンチストであるとも言える。

泉 比奈 …… 高田 里穂(16歳)
 服飾系専門学校に通う少女で、アンクが憑依している青年・泉信吾の妹。18歳。
 華奢な見た目とは裏腹に、260キログラムのライドベンダーを軽々と持ち上げる程の人並外れた怪力の持ち主で、それが元で「クスクシエ」のアルバイトに採用されるが、彼女自身はコンプレックスの種にしている。
 困っている人を放っておけない義侠心あふれる性格。両親は既に他界しているためか、唯一の家族である兄の信吾を慕っている。街中で困っていた映司を助けて知り合う。映司のヤミー探索を進んで手伝うことも多く、持ち前の怪力でグリードに立ち向かうこともある。
 当初はアンクを信吾と誤解したが、映司から事情を聞いて以降は、アンクを「信吾の生命を維持している怪物」と認識し、アンクを見張り抑止力となっている。映司やアンクと関わっていくうちに、映司の歩んできた過去や他人に手を伸ばす彼自身の思いを理解していき、アンクに対しても情がわいてきている。

クスクシエ
 『仮面ライダーオーズ』の舞台である、東京都武蔵野市夢見町にある、日替わりで世界各国の料理を出す多国籍料理店。従業員は毎回、料理のテーマに沿った衣装(コスプレ)に身を包む決まりとなっている。
 本作で、クスクシエのある土地には40年前に、立花藤兵衛が経営する喫茶店で、少年仮面ライダー隊の本部でもあった「スナック・アミーゴ」があったことが判明する。

ナオキ …… 吉川 史樹(13歳)、ささき いさお(68歳)
 冒頭でモールイマジンに襲われた少年。なぜか「1971年11月11日」に関する記憶を持っている。時間が改変された現代では、ミツルたちと行動を共にしている。戦いの最中、改変前の1971年の日本に取り残されるも、後に2011年において、成長した壮年の白衣の男として現れる。

ミツル …… 今井 悠貴(12歳)
 時間が改変された現代でスラムで暮らす少年たちのリーダー。父親がショッカーに研究員となる人材として拉致されたため、悪に支配された世界を憎んでいる。

シゲル …… 林 遼威(ろい 10歳)
 時間が改変された現代でミツルたちと共にスラムで暮らす少年。ミツルとともにスリの悪行をするが映司に諭される。

少年仮面ライダー隊
 1971年の過去の世界で、仮面ライダー1号・2号を助ける5人の少年少女。原典ではショッカーの動きを察知して仮面ライダーに知らせるものの、ショッカーに捕まってしまうことが多かったが、本作では自転車を使った連携攻撃でショッカー戦闘員に立ち向う勇敢な活躍を見せる。

ノッコ …… 恒松 祐里(12歳)
 1971年の過去の世界で登場する、少年仮面ライダー隊の少女隊員。アンクが落としたセルメダルを探しにやってきた幸太郎のそばにいたモモタロスたちを見てショッカーの怪人だと勘違いする。40年前に取り残されたナオキとは後に結ばれ、ミツルの母親となる。

野上 幸太郎 / 仮面ライダー NEW電王 …… 桜田 通(19歳)
 仮面ライダー NEW電王に変身する青年。本作では、髪を金髪に染めている。

テディ …… 小野 大輔(32歳)
 幸太郎の相棒である青鬼型イマジン。一人称は「私」。礼儀正しく謙虚な性格で、誰よりも幸太郎を気にかけており、幸太郎に降りかかる災難を陰ながら回避したりしている。幸太郎に直接憑依することはないが、戦闘の際は銃剣「マチェーテディ」に変身し、幸太郎がカウントダウンでとどめを刺す際にはカウント役を務める。幸太郎をサポートするイマジンたちの中でも影が薄いらしい。
 本作では仮面ライダーの歴史について詳しいことが判明し、オーズやアンクの存在も知っていた。1971年の世界でいったん命を落とすが、歴史修復によって復活した。

オーナー …… 石丸 謙二郎(57歳)
 デンライナーのオーナー。素性や目的などは一切不明の壮年の男性。しばしばデンライナーの食堂車に現れる。デンライナーや時の運行、分岐点などの詳細を知る人物は彼と駅長のみだが、そのことを他人に漏らすことはない。時間の干渉を受けない。
 常に無表情ながらも飄々としているが、時の運行を乱す者やデンライナーのルールに反する者に対しては一転して厳しい表情を見せ、「乗車拒否」などの強力な権限を行使する。しかし、時には粋な計らいを見せることもある。好物は、客室乗務員のナオミが作る料理(特にチャーハン)。

ナオミ …… 秋山 莉奈(25歳)
 デンライナーでアルバイトをしている客室乗務員。主に食堂車勤務だが、車内アナウンスなども務める。奇抜な格好をしており、両腕と両足首には大量の腕時計を装い、髪は1束だけ濃いピンク色のメッシュが施されている。天真爛漫かつ能天気な性格で、デンライナー内でのイマジンたちの騒動をむしろ楽しみ、必要以上に煽ることもある。「~しまーす」、「~ですよぅ」などのぶりっ子口調が特徴。しかも、自分に都合の悪いことには無関係を装ってしれっと誤魔化すなど、面の皮が厚くしたたかな一面もある。

モールイマジン1・2・3
 物語の冒頭に登場。オーズに追い詰められていたところをナオキに取り憑き、1971年に逃走したイマジンたち。このことがきっかけとなり、今回の事件が起こる。仮面ライダー NEW電王に敗れて全滅した。それぞれクローハンドに赤い服、アックスハンドに青い服、本作で初登場したドリルハンドに黄色い服の姿をしている。

ショッカー
 ショッカー大首領を頂点に全世界の征服を企む悪の組織。大首領は本作で改変される前の歴史では、仮面ライダーたち(1号~ZX )が戦ってきた諸悪の根源でもあった。
 本来の歴史ならば、ショッカーは1号・2号の活躍によって壊滅したはずだったが、歴史の改変で最強怪人「ショッカーグリード」を完成させ、ダブルライダーを敗北に追い込み洗脳する。その後、歴代の仮面ライダーたちが戦うはずだった様々な大組織と結託し、国際連合などの世界の主要機関をほぼ制圧。2011年の時点では、ダブルライダーとショッカーグリードの存在によって世界の組織の中でも最も強大な存在となっている。ショッカーに支配された日本は貧富階層の差が激しい優者必勝社会となっており、廃墟とスラムが蔓延していた。
 組織はショッカーからドーパントまでの様々な怪人の軍団で構成され、ショッカー大首領と、国連参加国首脳の地位に立った11名の各組織最高幹部の下に統率されている。前々作『オールライダー対大ショッカー』(2009年)の大ショッカーでは、同じシーンに多数の怪人を登場させたために、音声などが不自然な形になっていた(言語能力のない怪人がしゃべる、獣の怪人が虫の羽音を立てる、女性の怪人が男性の声を発するなど)が、本作では個々のオリジナルでの声が多く使用されており、爆発演出なども歴代シリーズの各作品に合わせたものとなっている。
 なお、昭和の歴代シリーズで主に納谷悟朗が声を担当していた「悪の組織の全ての黒幕」としての大首領が平成ライダーシリーズに登場したのは本作が初めてであり、前作・前々作の『仮面ライダーディケイド』の世界観ではこの大首領はすでに存在しておらず、空位となった大首領の座をシャドームーンやネオ生命体がうかがうといった構図になっている。

ショッカー大首領 …… 納谷 悟朗(81歳 2013年没)
 原典の TVシリーズ『仮面ライダー』(1971~73年)と同じく、赤いフードで顔を隠した姿をしている。ショッカーのみならず、同盟関係にある様々な悪の組織の頂点に君臨する存在になっている。本作では自ら戦闘もし、一つ目や両手からの光弾、頭部に生えた無数の蛇を伸ばして行う締めつけや投げつけ、蛇の口から連続して火炎弾して放つなどの多彩な攻撃で、28大ライダーを圧倒する。
 さらには岩石大首領へと姿を変えるが、デザインは原典の『仮面ライダーストロンガー』(1975年)のものとは異なり、身の丈は4000メートルを超える(『ストロンガー』時は数十メートル級)。アポロガイスト曰く、大首領がこの姿になることは世界の滅亡を意味し、全てを破壊し尽くすまで止まらないと言われている。その巨体は溶岩や噴石を放ち、その一挙手一投足が、人智を超えた天災クラスの破壊力を誇る。変身時には怒りに同調するかのように周りの山々が噴火し、空は黒く染まり、大きな地割れが発生した。その規格外の力でライダーたちを追い込むが、全仮面ライダーによる必殺技「オールライダーブレイク」でその身を貫かれ、崩壊した。

ブラック将軍 / ヒルカメレオン …… 福本 清三(68歳)
 2011年の時点でのショッカー最高幹部。デザインは原典の『仮面ライダー』時と同一。
 1971年11月11日にアンクが落としたセルメダルを大首領に献上して最強怪人ショッカーグリード誕生のきっかけを作り、その後、メダルを回収するために現れた仮面ライダー NEW電王およびモモタロスと対決する。
 サーベルを振るって、変身前の状態でも仮面ライダーと互角に戦えるうえ、ヒルカメレオンへの変身後は周囲の背景に溶け込む擬態能力で仮面ライダーオーズと NEW電王を翻弄する。さらに、セルメダルを奪回されたときに備えて偽物のメダルを用意しておくという周到な一面も見せた。

アポロガイスト …… 川原 和久(声を担当 49歳)
 2011年の時点での GOD機関大幹部。ショッカー大首領の発言に反発したゴルゴムとクライシス帝国を諌める言動をとる。歴代仮面ライダーが復活した際には、宿敵である Xライダーと対決した。

キングダーク …… 飯塚 昭三(声を担当 77歳)
 2011年の時点での GOD機関大幹部。原典同様にマントをまとい、平常時は寝そべっている。ショッカーの主要なメンバーが倒された後にようやく立ち上がるが、岩石大首領の起こした地割れに巻き込まれてしまう。

十面鬼ユム・キミル …… 石川 英郎(声を担当 41歳)
 2011年の時点での秘密結社ゲドン首領。ショッカーと結託した組織や種族から集った11名の代表者のひとりとして登場する。最終決戦では仮面ライダーオーズと戦闘した。

ジェネラル・シャドウ …… 柴田 秀勝(声を担当 74歳)
 2011年の時点でのデルザー軍団代表。実質的にはショッカーの直属の幹部となっており、ショッカー警察を指揮してゲリラ狩りも行っていた。歴史が改変された世界(仮面ライダー1号と2号が敗れた世界)で、仮面ライダーオーズを相手に戦う。最終決戦ではオールライダーに押されて逃亡を謀るも、遅れてやってきたキカイダー、キカイダー01、イナズマン、ズバットの必殺技を受け、爆死した。

大神官ダロム …… 飯塚 昭三(声を担当 77歳)
 2011年の時点での暗黒結社ゴルゴム大幹部。人間の文明や文化を破壊し、優れた人間だけを怪人に変えた怪人だけの世界を創ろうとするゴルゴムの理想に反することから、クライシス帝国のジャーク将軍共々、ショッカーの理念に反対していたが、まずは人間世界の征服を優先させる方針を受け入れる。
 最終決戦では自らは戦うことなく、岩石大首領の起こした地割れに飲み込まれた。

シャドームーン …… てらそま まさき(声を担当 48歳)
 2011年の時点での暗黒結社ゴルゴム最高幹部。しかし、ショッカー主催の会議での代表席には、なぜか部下の大神官ダロムが座っていた。オーズや NEW電王らを「シャドービーム」で苦しめるが、仮面ライダーディケイドとサタンサーベルを振るい対決して敗れた。

ジャーク将軍 …… 加藤 精三(声を担当 84歳 2014年没)
 2011年の時点でのクライシス帝国最高幹部。暗黒結社ゴルゴム代表の大神官ダロムと同様に、人類滅亡がクライシス帝国の目的であるため、優秀な人間は怪人連合の一員として迎えるというショッカーの方針に反発するが、まずは世界征服という提案を暫定的に受け入れる。最終決戦では仮面ライダー NEW電王と対決するが、最後は岩石大首領が起こした地割れに飲み込まれた。

その他、平成ライダーシリーズからは、ン・ガミオ・ゼダ(グロンギ族)、水のエル(アンノウン)、ケルベロス(アンデッド)、アルビノレオイマジン(イマジン)、テラー・ドーパント(ドーパント)が各組織の代表として登場している。

ショッカーグリード …… 石川 英郎(声を担当 41歳)
 ショッカーが独自に研究していたコアメダル「ショッカーメダル」が、過去を訪れたアンクが落としたセルメダルを吸収することによって誕生した、ショッカーの創造した本作オリジナルのグリードにして、ショッカー最強の怪人。腰に巻いているベルトにはショッカーの紋章が刻まれている。
 その性格は、まさしくショッカーの在り様を反映したように自身の悪の実力に絶対的な自信を持っており、敵ならば幼い子供が相手でも完膚なきまでに叩き潰す意を示す。
 ショッカーの紋章であるワシに酷似した姿をしている。ただし、ワシの顔の下にガスマスクのような顔があったり、眼・肩部からヘビが突き出ており、ゲルショッカーの紋章である「ヘビが絡みついたワシ」のようにも見える。
 メダル状の複数のエネルギー弾をマシンガンのような勢いで連続して放ち、圧倒的なパワーで一度は1号・2号を敗北に追い込み、NEW電王・モモタロス・オーズを圧倒した。だが、2011年の再戦の際には1号・2号による「ライダーダブルキック」で倒された。

怪人
 ザンジオー、ジャガーマン、毒トカゲ男、シオマネキング、イカデビル(声・関智一)、ガラガランダ(声・鈴村健一)、ガニコウモル、カメバズーカ、コマサンダー、タイガーロイド、怪魔ロボット・シュバリアン、改造兵士レベル2、ネオ生命体ドラス、コブラ男ガライ、ショッカー骨戦闘員

 なお、イカデビルとガラガランダは、過去シリーズではショッカー大幹部の死神博士と地獄大使の変身した怪人形態だったが、本作では大幹部としては登場していない。


登場する仮面ライダー
 仮面ライダー1号(声・藤岡弘、)、仮面ライダー2号(声・佐々木剛)、仮面ライダーV3(声・宮内洋)、ライダーマン(声・穴井勇輝)、仮面ライダーX(セリフなし)、仮面ライダーアマゾン(声・関智一)、仮面ライダーストロンガー(声・関智一)、スカイライダー(セリフなし)、仮面ライダースーパー1(セリフなし)、仮面ライダーZX(セリフなし)、仮面ライダーBLACK & BLACK RX(穴井勇輝)、仮面ライダーシン(セリフなし)、仮面ライダーZO(セリフなし)、仮面ライダーJ(セリフなし)、仮面ライダークウガ(セリフなし)、仮面ライダーアギト(セリフなし)、仮面ライダー龍騎(セリフなし)、仮面ライダーファイズ(セリフなし)、仮面ライダーブレイド(セリフなし)、仮面ライダー響鬼(セリフなし)、仮面ライダーカブト(セリフなし)、仮面ライダー電王(セリフなし)、仮面ライダー NEW電王、仮面ライダーキバ(セリフなし)、仮面ライダーディケイド(セリフなし)、仮面ライダーW(演・桐山漣&菅田将暉)、仮面ライダーオーズの、主人公ライダー27名と、仮面ライダーバース(声・岩永洋昭)ら平成サブライダー36名を合わせた、計63名


主なスタッフ
監督            …… 金田 治(61歳)
脚本            …… 米村 正二(47歳)
音楽            …… 中川 幸太郎(42歳)
撮影            …… いのくま まさお(71歳)
キャラクターデザイン    …… 早瀬 マサト(46歳)、阿部 統(36歳)
ショッカーグリードデザイン …… 出渕 裕(52歳)
イマジン怪人デザイン    …… 韮沢 靖(47歳)
特撮監督          …… 佛田 洋(49歳)
アクション監督       …… 宮崎 剛(47歳)

主題歌『 Let's Go RiderKick 2011』(歌唱・仮面ライダーGIRLS )
※『仮面ライダー』(1971~73年)の主題歌『レッツゴー!! ライダーキック』のリメイク曲。
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いい日、旅立……てるか、これ!?  ~お芝居はしごも、しばしのみおさめ~

2015年01月16日 23時01分09秒 | 日記
 う~、さみさみ! どうもこんばんは、そうだいでございます。みなさま、今日も一日お疲れさまでございました!

 いや~、わたくし的には、昨日は今まで2年半ほどお世話になっていたお仕事のお勤め最終日ということで、しみじみ感謝し、しみじみ感動する一日とあいなりました。ほんとに、会う方、会う方みなさまからあたたかいお言葉をかけていただきまして……まことに私は果報者であります。
 まぁ、と言いましても、離れるったって千葉から山形なんですから! 決して「今生の別れ」というほど遠い距離ではないのですが、やっぱり、長くあいても2~3日おきには必ず顔をあわせていたみなさまと会わなくなるというのは、確実に胸に迫るさみしさがあるってもんです。でも、こういうのは日がたつごとに強くなってくるもんでしょうから、来月山形に帰ってからくらいに、やっと本格的に実感がわいてくるのかもしれませんが。私はホント、そういう感覚はアパトサウルスなみに鈍感ですからね~。今はまだ、すぐにでも会えるような気分が残っています。
 みなさま、変わらずにお元気でいてほしいですねぇ。受け取った、ありがたいお手紙やプレゼントの数々は、大事に持っていきたいと思います。おたがい、達者でね~!

 思い起こせば、昨日まで所属していた会社サマに拾っていただいたとき、私は劇団も退団して、何をするでもなく東急東横線か京急線沿いをふらふら歩いて桜木町を目指すという、変なものに憑かれたとしか思えない日々を送っている得体の知れない30すぎのオッサンでありました。まぁ、得体の知れないのは今もそうなんですけれども。
 しかも、まず資格を持っていなければお話にならない業界であるのにもかかわらず、資格なしでもよし、という度量の広さで雇っていただいた御恩は、まぁ死ぬまで忘れない部類のものであると認識しております。おかげさまで、遅ればせながら資格もとれました……
 確かに、千葉市在住のわたくしを川越やら川崎やら館山やらにぶっとばすお電話に恐怖する日々もありましたが、交通費もちゃんといただいてたわけですし、本当にいい勉強になりました。埼玉県って、ほんとに広いのねぇ。
 特に、1年半くらい専属にならせてもらった鎌ヶ谷市の仕事場のみなさまがたには、もうほんとにご迷惑もおかけしましたが、大変ながらもとっても楽しい日々を送らせていただきました。感謝感激、雨、生田斗真でございます! とうまく~ん!!

 さて、そんなこんなでありまして、さしあたって今日から私がやらなくちゃならないのはもう、引越しの準備、準備のオンパレードで! 必要最低限の物しかないアパート暮らしのわたくしでも、県外に引っ越すとなりますと、まぁ~連絡しなきゃならない関係各所サマが多い多い。仕事はないから一日中フリーではあるんですが、必ずなにかの用事があって外に出かける毎日になりそうです、千葉にいる残り2週間くらいは。あっという間なんだろうなぁ~。

 とは言いつつも、本日16日はのっけからの一日オフ……といいますか、おそらく最後の一日お遊び、といった内容となります。
 つっても、「オフ」じゃあないんだよなぁ、気分的には! だって、知り合いの方が出演されているお芝居を2本はしごするという流れになっておりまして、もちろん拝見するのは楽しみなんですが、アホはアホなりに集中してしっかり内容を見届けなくてはならないし、そのうえ、たぶん軽い気分でふらっと東京にやって来てお芝居を観るお出かけは、本日をもってしばらくはおっしま~い、ということになりそうなのです。

 なんてったって、こちとら山形暮らしになりますからね……東京まで片道5~600円で1~2時間なんていう千葉暮らしとはだいぶ事情が変わってきてしまうわけでして。
 思い起こせば、まだ山形にいた高校生時代に、同じ演劇部の友だちと連れだって、東京まで新幹線で行って2~3本のお芝居をはしごする、なんていうこともしてましたが、そりゃもう1泊2日くらいの完全なる旅行でしたからね! 気軽にホイホイやるわけにはいかねぇわなぁ。
 ところが、ありがたいことではあるんですが、東京でお芝居をする私の知り合いの方々はたっくさんおられますんでねぇ。いついつに公演やるヨ!というお誘いを、それこそ月イチのペースでいただいてしまうのでありまして。
 できれば、今までみたいにほぼ全てのお誘いに応じて拝見しに行きたいんですけどね……まぁ、山形での生活を安定させるためには、ちょっと休日も惜しんで、いろいろ勉強やら準備をしなきゃいけないこともありますし。自分の予想としては、まず今年2015年いっぱいは、東京に遊びに行く、ということはあまり考えずに日々の予定を組んでいこうかな、と腹をくくっております。いちおうしばらくは、「趣味は貯金です。」の精神でがんばっていこうかしらね!? 使うところには使うけどね。

 1998年の春に千葉に来てから、まぁ~いろんなお芝居を観てきましたけど。大学生時代の4年間に私、家計簿も兼ねて、この日はどのお芝居を観たとか、どの映画を観たとかって記録をつけてたんですよね。あれ、10年前の引越しのときに捨てちゃったんだよなぁ! なんというもったいないことを……思い出が満載のノートになるはずだったのになぁ。千葉に来て最初に観たのはなんだったんだろ……印象に残っている最古のものは、ナイロン100℃の『Φ(ファイ)』(1998年6~7月 中野ザ・ポケット)ですね。なんだかよくわかんないけど、とにかくおもしろかったんですよ! その、「なんだかよくわかんない」ってところが東京なんだろうな、なんてことを羽前人なりに考えてました。あとあれ、劇場のオープニング公演だったらしいんですが、終演後にお客さん全員にジュースがふるまわれてましたよね? あれ、それとも、劇場の空調が動かなかったから用意されたんだっけな。よくおぼえてないんですが、そこにもいたく感心した記憶があります。東京の一流のお芝居は、観た後にジュースをめぐんでくれるのかと! 千葉に来て最初のころは、すべてが首都圏の「ちょっぴり予想の上をいくシステム」との出会いの連続でした。東京はおそろしかとこばい!


 そして、それから実に16年の歳月が経過いたしまして。
 いちおう、自分の気持ちの中では「いったんの最後。」という心構えで、いつものように電車に乗って東京に向かったわけです。さぁさぁ、今日観るお芝居は、どっちもアタリになるかしらん!?


韓国現代戯曲ドラマリーディング『木蘭姉さん』(2015年1月16・17日 演出・松本祐子、作・キムウンソン 三軒茶屋・シアタートラム)


 まず1本目は、2年に1回のペースで企画されている「韓国現代戯曲ドラマリーディング」の第7回として上演されている3本のうち、私の知り合いの俳優の永栄正顕さんが出演している『木蘭姉さん』だけを観劇しました。
 この企画は、確か2年前の2013年2月に開催された第6回も私は観ていて、その時は女優の中島愛子さんや、「元祖演劇乃素いき座」の土井通肇さんが出演しているリーディング作品『白い桜桃』(演出・明神慈、作・ペサムシク)を拝見したんだそうです。そうです!?
 いや~、よく憶えてないんだよなぁ。でも、確か同じシアタートラムで上演されていて、ぼんやりとだけど私が観た回で、ドラマリーディングであるのにも関わらず、土井さんが自分のセリフをうっかり読み落としてしまって、土井さんのそのセリフをきっかけにして舞台に上がるつもりで客席から登場した俳優さんたちが、所在無く舞台の前をうろうろした末にキレるという爆笑ハプニングを目の当たりにしていた……ような気がします。この『白い桜桃』だったと思うんですけど。土井さんは本当にいい俳優さんですよね。

 そして今回の『木蘭姉さん』なんですが、タイトルの「木蘭」はこの物語の主人公である女性の名前で、劇中では「モンナンさん」と発音されていました。
 この「木蘭」という名前は、韓国では「いかにも古風な名前」といったニュアンスでからかわれる雰囲気を持っているらしいのですが、確かに「木蘭」と聞けば、国は違うのですが同じアジアということで、6世紀中国の江南地方に存在していた「陳帝国」に伝わっていた歌謡『木蘭』の主人公である、男装して軍に参加し、北の異民族国家・突厥帝国と闘ったという女傑「花 木蘭」のことが連想されます。これはつまり、1998年のディズニーアニメ映画『ムーラン』の原作ですよね。ムーランか……観ればきっとおもしろいんだろうけど、『ポカホンタス』とおんなじくらいに食指が動かないのは、なぜなんだろうか!?

 それはともかく、『木蘭姉さん』のモンナンさんは、北朝鮮から韓国にやって来た音楽家で、いわゆる「脱北者」という立場になるわけなのですが、韓国にやって来た経緯がかなり本人にとっては不本意なものだったらしく、なんとか両親のいる北朝鮮に帰りたいと切望し、東南アジアや中国を経由して北朝鮮に帰国するために闇ブローカーに払わなければならない大金をかせごうとします。
 そこに登場するのが、ソウルでピンサロを経営している中年女性チョウ・デジャで、デジャはモンナンを水商売で働かせようとはせずに、人生に絶望して引きこもり状態になっている自分の長男テサンの、家庭教師のていを借りた話し相手として雇うのでした。

 こういった環境の中で、北朝鮮へ帰りたいと願うモンナンの努力が物語の本筋となり、ひたむきで純粋な女性として育ったモンナンの生きる姿勢に感化されたテサンもまた、少しずつ生きる力を取り戻してくるという再生のドラマが展開されるのですが、お話はその他にも、テサンの弟で、不景気のあおりをくらった予算削減のために、自分の教える学科自体が廃止されてしまった大学教授のテガンのエピソードや、テサン・テガンの妹でうだつの上がらない小説家のテヤンが、モンナンの話を聞いて新たな小説を創作しようと必死になるエピソードなどがからんできます。
 つまりは、モンナンという不思議な人物の登場によって、家族の絆が危ういものになっていたデジャ一家の面々が再び集まり、そこからまた新しい局面へと進みだす、といったあたりが『木蘭姉さん』のおおまかな流れになっているのです。
 ところが、自分が北朝鮮へ帰るということを秘密にして生活するモンナンに、ある日、デジャが長男テサンとの結婚を勧めるようになり、物語はいっきに悲劇のかおりをただよわせてきます。さぁ、モンナンは計画通りに故国へ帰る道を選ぶのか、それとも、自分に心を開いてくれたテサンや、異国での苦難の日々を楽しいものにしてくれたデジャ一家への恩を優先する道を選ぶのか……

 こんな感じなわけなのですが、ドラマリーディング『木蘭姉さん』は、台本を俳優全員が手に持って舞台上で朗読する、という体裁はとりつつも、衣装はしっかり役ごとに着替え分けて、身体も可能な限り台本に書かれた動きをしっかりやるという、かぎりなく演劇に近い形で上演されていました。簡素ながらも、シーンごとにテーブル、ベッドなどの大道具も用意されていましたし。まさに、普通のお芝居との違いといえば、俳優が台本を持っているか持っていないか、くらいだったのです。

 そうなると……いや、物語自体はものすごくおもしろかったですし、こういった「ほぼお芝居」の作品を、ドラマリーディングということで普通のお芝居のチケット代設定よりも格段に安い1500円で楽しめるのは非常にお得なことなんですが、観ている間じゅうずっと、私の頭の中では、

「なんで……リーディング?」

 という疑問が駆け巡りまくってしまいまして。内容よりも何よりも、まずそこが気になって仕方がありませんでした。
 いや、そりゃあ、理由を聞いたら「ドラマリーディングの上演が前提の企画だから。」ということになるのでしょうが、俳優さんに身体をめいっぱい使ってもらって、そこまで物語をしっかり立ち上げたいという情熱が演出家さんに湧き上がったとするのならば、もはや企画の「リーディングで」というくくりは足かせ以外の何者でもないようにしか見えなくなっちゃうんですね。

 だって、私も劇団に所属していた時代に何回かドラマリーディングに出演させていただいた経験はあるんですが、あれ、練習してるうちにおぼえちゃいますからね、台本に書いてあるセリフなんか。特に、力を入れて演じたい大事なシーンこそ、なおさら自然に頭に入ってきちゃうでしょ。実際に『木蘭姉さん』でも、俳優さんによっては、演技に熱が入るにしたがって、手にしっかり台本を持っているのに、いつの間にか視線が台本を離れて暗記したセリフをしっかり発声している状態になっている方、ふつうにいました。そりゃしょうがないですよ、台本持ちながら酒盛りとかやってるんですからね。

 俳優さんがそうなるのはわかるような気がするんですが、そうすると、私の目にはどうにも、「芝居をしている人が台本を持っている」という状態がとてつもなく不自然なものに見えてきてしまって……『木蘭姉さん』のストーリーよりも、リーディング公演をお芝居っぽくやっている演出家さんの意図とか、選んだ韓国戯曲をリーディングで上演したい企画の真意とかが気になって、なんともヘンな気分におちいってしまうのでありました。

 いやいや、とにかくお話はおもしろいんだから、上演形式とか台本があるないとか、んなこたどうでもいいじゃねぇか。楽しめ! という声もいっぽうでは頭の中で聞こえてくるのですが、お芝居じゃなくてあえてリーディングをやるのならば、お芝居から離れ続けた方向でそのリーディング公演をおもしろくするスタイルが、私は観たくて。難しいんでしょうけれども!
 せめて、俳優さんが台本を持って舞台に立っていることに説得力はほしい気がします。つまり、本番まで何百回もその台本を読んで稽古を重ねている経緯が実際にあるとしても、本番中は「初めてこの台本を読むんですが……おもしろいねぇ、これ!!」という演技を忘れないでいただきたいのです、あたしゃ! そこでプロフェッショナルな演技をしてもらえたら、各自の役柄になりきるお芝居的な演技なんかいらない。だってお芝居じゃないんだもん。リーディングなんだもん。

 そんなこんなをつらつら考えながら観ていたのですが、『木蘭姉さん』は、2012年に35歳の戯曲家が執筆したとは思えないほどに構成が老練で緻密で、それなのにかなりわかりやすいストーリーライン(モンナンの帰国)が一貫して真ん中にドンと用意されているから、登場人物が多いのにマンガのように楽に話が飲み込める間口の広さがあるな、と感じました。キャラクターたちも、北朝鮮と韓国との現在も続いている不安定な関係や、韓国国内の社会問題をしっかり体現する笑えない状況にありながらも、そこをしっかり喜劇的に笑って生きている明快な強さがあって。
 私も演劇をいっぱい観ているわけではないのでデカい口は叩けないのですが、同じ世代の日本の戯曲家さんたちとはちょっと別次元というか、「誰に観てもらうか」という視線がまったく違うんだろうな、という気はしました。『木蘭姉さん』はそうとう上の世代のお客さんにも楽しめる内容になっていて、私が観た回でも、むしろそっちの方々のほうにウケている雰囲気がありましたもんね。大衆演劇みたいなんだよなぁ、笑いのとり方が。お客さんのセンスに挑戦するような冒険をする場所ではない、みたいな。

 いやぁしかし、モンナン姉さんを演じていた主演の kiyokaさん、歌うまかったねぇ!! うまい生歌っていうのは、ほんとに無条件で感動しちゃうからすばらしい武器ですよ。あぁ、沖縄アクターズスクールのご出身ですか! そりゃうまいわけだわぁ。

 お芝居について、いろいろなことを考えるいい機会になりました。ただ、そうやって突き詰めていくと、結局は、「じゃあお前がやってみろ! ってなるんだけど……やれないから役者やめたのよねぇ。バカなのね~。バカなのよ~。」という境地におちいるわけでして。
 だからといって、それがやっと理解できるようになった今からまた役者やるか? といっても、今の私は、昔の私よりいくばくかはバカでなくなっているかもしれないにしても、確実に若くはなくなっているわけでして。失ったものはちゃんと認識していなくてはなりません。老兵は去るのみのみ!


劇団山の手事情社公演『テンペスト』(2015年1月14~18日 演出・安田雅弘、作・シェイクスピア 池袋・東京芸術劇場シアターイースト)


 そんでまぁ、2本目は山の手事情社さんのシェイクスピアものでありますが。

おもしろかったですね! とっても。

 私は、最近の山の手事情社さんの公演を全て観ているわけではなく、2013年の『ひかりごけ』、14年の『ドン・ジュアン』といった感じで年いちのペースで観ています。そして、昨年の秋ごろに主演の山本芳郎さんからじきじきにお誘いの手紙を頂戴しまして、公演時期が1月の中盤でしたので、

「あぁ、なんだかこれ、私が千葉暮らしのあいだに観る最後のお芝居になるくさい!」

 とビビッときて、一も二もなく拝見させていただくこととしました。ほんとは、最後なんだから誰のつてでもない観たことのない劇団かプロデュースのお芝居にしようかとも考えていたのですが、あんまり興味のわくものがなくて。かと思ったら、今月やたらと寺山修司の舞台が上演されてたりしてるんですが、「えぇ~、最後にテラヤマ?」という気もしたのでやめときました。あんなの、しょっちゅうどっかでやってんだろ。

 それで年が明けてみたら、ほんとにこの『テンペスト』が最後の観劇になったので、心して拝見しようということで! そしたら……


下品ねぇ~! あらやだ、あんなかっこうして……下品ねぇ~!! いや待てよ、あれはこう解釈すれば……やっぱ下品ねぇ~!!


 って感じでした。いやはやまったく、迷いがない! ブレのない下品さでしたね。
 まさか、世界的に「許しの物語」として名高いシェイクスピア最後の戯曲『テンペスト』が……どっちかっていうと、印象としては「ほんわかハッピーエンドファンタジー」という感じだった『テンペスト』が、あれほどまでにダークで俗っぽく、汚辱に満ちた作品になってしまうとは!

 俳優さんがたも、主演の魔術王プロスペロー役の山本さんをただ一人のぞいて、全員が全員、とにかく容貌は怪異、動作は下品、セリフはひたすらやかましい! なにか言うたびに、なにがおもしろいのかさっぱりわかんないけど「グハハハ!」とか「きききき!」とかって笑うような、野生の集団なのであります。これ、別に「魔女の息子」っていう設定になっている怪獣王子キャリバンだけじゃなくて、プロスペローが手塩にかけて育てたはずの愛娘ミランダとか、プロスペローが使役する風の妖精エアリエルとかも全員ひっくるめてバーバリアンなんだから、せんかたありません。

 つまり、この山の手事情社版『テンペスト』におけるプロスペローの魔法島は、下品こそをその存在の本質とする、あの「ペンギン村」にひとしい結界を形成してしまっているのでした。なるほど、だからミランダを演じる倉品淳子さんは、つねにアラレちゃんメガネをかけていたのか。ほよよ~!! ということは、その魔法島に漂着した船乗りのトリンキュローとステファノーのコンビはニコチャン大王主従ということに……大久保美智子さんは大王だったのか! そりゃ下品なわけだわぁ。

 ともあれ、それ以外にもプロスペローをミラノから追放した弟のアントーニオや、政敵のナポリ女王ジョヴァンナも含めて、登場する人物のほぼ全てが不気味な容姿をした怪人に描かれているのに対して、ただひとりプロスペローのみが、魔法の杖を手にした高潔そうな大人物に描かれているというポイントが目立ちます。

 ……ということは、物語のクライマックスでこれみよがしにプロスペローの独り舞台になる構成といい、この物語は始めから終わりまで、プロスペローの頭の中で展開された、一人称の「夢の中のお話」なのではないのか? かつて自分を追放した敵たちを許せない、という彼の妄念が生み出した……


「われわれ人間は、夢と同じもので織りなされている。はかない一生の仕上げをするのは、眠りなのだ。」


 ほら、プロスペロー、最後にそんなこと言ってるし! ふと観れば、舞台の中央には、床から天井まで空間を埋め尽くすかのように無数のベッドが積み上げられています。セリフも内容がわかるギリギリまで切り詰められており、非常に観やすい物語であると感じました。

 「全てを許す物語」は、「全てを許せなかった人間」が夢想した最期の走馬灯であったのか。

 そんなことを考える、プロスペローのラストシーンだったのですが、いや~、まさかそこで「あの名曲」が大音量で流れるとはねぇ! でも、それを唄うあの人が実にいさぎよくある世界を去って行ったのに対して、舞台上にたたずむプロスペローはいかにも無念たらたらといった感じで、現世に対する怨念を持ち続けながら暗転、というふうに見えたのは、それはそれでカッコいいんだぞ! というポジティブな主張と受け取りました。また、それを山本さんが演じているから、じめじめしてなくていいんですよ。老けてない「老醜」というものは、こんなにクリアな輝きを持っているのかと。

 ただ、やっぱり今回、私がいちばんすごいと思ったのは、作品の一貫した下品さで、特に、怪獣王子キャリバンを演じた岩淵吉能(よしのぶ)さんの、SMクラブの奴隷みたいなシースルーシャツ&Tバックを身にまとった絶妙にだらしない体型からかもし出される哀しみは、もう最高だと感じ入りました。
 中盤で、プロスペローの呪縛から逃げ出せない奴隷生活に耐えられなくなって絶叫するシーンがあったのですが、涙が出るくらいにステキでしたね。若輩者の私でも、「なんかわかる! わかるぞ!!」と応援したくなってしまう魅力がありましたよね。

 下品さも、やっぱり下品なだけじゃダメで、バカバカしい下品さじゃなきゃいけないんですよね。プロスペロー以外の出演者全員が総出で狂喜乱舞するシーンがあったのですが、舞台奥にいた人が尋常でない勢いで嘔吐してるのを観て、私は大爆笑してしまいました。


「うわー! あれたぶん、映画『マルサの女2』(1988年)で大衆食堂のおかみさんが吐くときに使われたポンプマシンとおんなじやつだ!! なつかしい!!」


 あれはいいですねぇ。スタッフじゃないから舞台裏を見たわけじゃないんですが、あれは、吐く役者さんが客席から見えない側のほっぺにポンプをつけていて、口を開けたらポンプからドボジャーッと勢いよく液体が出るってやつでしょ?

 これね、私よく知ってるっていうか、小学生だったときに、私の親父がどこからもらってきたのか、『マルサの女2』の制作メイキングビデオだけがずっと家にあって、この中でやけに自慢げに、「これが勢いのある嘔吐マシンである!」とかって紹介されてたんですよね。
 いや~、なつかしい。小学生心に、「バカな大人もいるもんだ……」と慄然としたものです。


 まさか、ごくごく個人的にノスタルジックきわまる「『マルサの女2』のやつ」と、ここで再逢することになろうとは……クライマックスに流れた曲のセレクトとあわせて、山の手事情社さんには、最高にすばらしい餞別の作品を見せていただいたような気分に浸りました。お誘いいただいた山本さん、ほんとうにありがとうございました。


 バカなことに、迷いなく、全力をかたむける。

 山形でも、基本、そのスタイルにあこがれながら生きていきたいと思います。きーーーーん!!
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最近の悪いもんは、どうなっとるのかねぇ~チミ!  ~オール仮面ライダーシリーズ復習、2時間目~

2015年01月13日 23時35分59秒 | 特撮あたり
映画『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』(2009年12月公開 90分 東映)


 映画『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』は、特撮 TVドラマシリーズ『仮面ライダー』シリーズの第20作『仮面ライダーW 』と第19作『仮面ライダーディケイド』の劇場版作品。
 キャッチコピーは「本当の始まり。 / 本当の終わり。」、「仮面ライダーW、誕生の秘密。 / 仮面ライダーディケイド、最後の勇姿。」。

 放送中の仮面ライダーと、前作の仮面ライダーが共演するクロスオーバー作品『 MOVIE大戦』シリーズの第1弾。と同時に、『仮面ライダーディケイド』の放送開始と共に始まった「平成仮面ライダー10周年プロジェクト」の第4弾にして、最後を締めくくる「平成仮面ライダー10th 冬の陣」という位置づけでもある。『 W』としては初、『ディケイド』としては2作目にあたる劇場版作品。前作『仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』のエンドロール後と、『ディケイド』TVシリーズの最終回放送後に公式に公開が発表された。
 本作は『 W』と『ディケイド』のエピソード各1編・最終エピソード1編の計3編で構成されており、『ディケイド』、『 W』、『 MOVIE大戦』の順で上映された。

 『 W』のエピソードは『仮面ライダーW ビギンズナイト』と題され、Wの「本当の始まり」となる、仮面ライダーW の誕生秘話が描かれ、公式解説書によれば、TVシリーズ第12話と第13話の間に位置するエピソードであるとされる。
 『ディケイド』のエピソードは『仮面ライダーディケイド 完結編』と題され、ディケイドの「本当の終わり」となる、TVシリーズ最終回の後日談が描かれる。『完結編』は TVシリーズから時間が経過している設定となっており、『ディケイド』最終話終盤の展開にも本作では特に触れられていないが、2010年5月に関東ローカルで再放送された最終話では、『特別編』として終盤の展開が大きく変更され、『完結編』によりスムーズに繋がるラストに修正された。
 そして、最終エピソードは『 MOVIE大戦2010』と題され、ディケイドとスーパーショッカーとの最終決戦に Wが参戦し、Wとディケイドが前作『オールライダー対大ショッカー』と同様に共演する。
 『完結編』では、栄次郎に死神博士になった記憶が残っていたり、仮面ライダークウガ・ライジングアルティメットが再登場し、『 MOVIE大戦2010』ではディケイドと Wが前作での初対面を憶えているなど、前作の設定・要素が反映されている。
 なお、『ディケイド』は本作で完結となっているが、本作の海東大樹(仮面ライダーディエンド)が主役のスピンオフ作品『仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダー THE MOVIE 超・電王トリロジー EPISODE YELLOW お宝 DEエンド・パイレーツ』(2010年)や、再びディケイドが主役の立場に置かれている映画『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』(2012年)は、本作の後日談となっている。

 全国292スクリーンで公開され、2011年12月12・13日の公開2日間で興行収入約4億5千万円・動員約39万6千人を記録し、映画観客動員ランキングで初登場第2位を獲得した。
 また、映画『仮面ライダーアギト PROJECT G4』からの平成ライダー劇場版シリーズは、13作目となる今作で累計観客動員1000万人を突破した。最終興行収入は15億4000万円を記録し、2013年時点で、仮面ライダー劇場版シリーズとしての最終興行収入第4位を樹立した。


あらすじ(『 W ビギンズナイト』は省略します)
『仮面ライダーディケイド 完結編』
 紅渡(仮面ライダーキバ)により自分の本来の使命を宣告され、ついに「世界の破壊者」であることを受け入れてしまった門矢士 / 仮面ライダーディケイドは、「ライダー大戦」を勃発させた後、姿を消した。
 光夏海の悲痛な叫びも空しく、士はディケイドに変身して多くの仮面ライダーたちを次々と倒していく。そしてディケイドは、小野寺ユウスケが変身した仮面ライダークウガ・アルティメットフォームを激戦の末に倒し、その使命を完遂する。全てのライダーを倒した士の前に姿を現したのは、彼を止めるという決意を固め、仮面ライダーキバーラに変身して士との決戦に臨む夏海だった。
 そんな戦いの最中、ゾル大佐として力を得た鳴滝は、光栄次郎をスーパー死神博士として覚醒させ、共に新たなる組織「スーパーショッカー」を結成。世界征服達成の切り札となる「神を超える力」、ネオ生命体の誕生を目論む。

『 MOVIE大戦2010』
 逃走したダミー・ドーパントを追いかけている内に、Wはディケイドたちとスーパーショッカーの戦いの場へと来てしまう。
 ディケイドとW、正面から運命と向かい合った2人の仮面ライダーが再び出会った時、最終決戦の幕が上がる。


主な登場人物
門矢 士(かどや つかさ) / 仮面ライダーディケイド …… 井上 正大(20歳)
 本シリーズの主人公。仮面ライダーディケイドに変身する青年。20歳。一人称は「俺」。写真家を自称し、ピンク色の二眼レフのトイカメラを常に身につけている。クールかつ自信家で、誰に対しても尊大な態度で接し、傲岸不遜な態度を取ることが多い。
 物語の序盤で、自分が全ての仮面ライダーを破壊する存在であること、そして世界の消滅を防ぐために旅をしなければならないことを告げられる。旅する世界のどこかで自分の本来いた世界が見つかるかもしれないと考え、旅を続ける。
 鳴滝や訪れた世界のライダーからは「破壊者」や「悪魔」などと忌み嫌われ、時折自身も皮肉で自称することもある。また、全ての世界を救おうという意思はあるのだが、意図しなくとも訪れた世界が自分の存在で崩壊することを知り、苦悩する。しかし、旅を続ける内に、そうした自分を受け入れてくれる夏海を大切に思うようになる。
 本作では、「世界の破壊者」としての運命を受け入れ、「仮面ライダーディケイド激情態」に変身して他の仮面ライダーたちを次々に倒していったが、最後は仮面ライダーキバーラに変身した光夏海にあえて倒される。彼の真の目的は、ライダーの世界を一度破壊することで、消えゆく運命にあった仮面ライダーの物語を永遠にするためだった。その後、仲間たちとこれまで出会ったライダーたちの思いを受けて復活し、スーパーショッカーに立ち向かう。

光 夏海(ひかり なつみ)…… 森 カンナ(21歳)
 本シリーズのヒロイン。祖父・光栄次郎の経営する光写真館で受付係をしている女性。20歳。一人称は「私」。本来は仮面ライダーのいなかった「夏海の世界」の出身。誰に対しても敬語で話し、他人の首筋にある「笑いのツボ」を押すことで相手を否応無しに大笑いさせる、光家秘伝の特技を持つ。士からは「ナツミカン」とも呼ばれる。
 本作では、世界の破壊者になってしまった士を止めるため、キバーラの力を使用して「仮面ライダーキバーラ」に変身する。

海東 大樹(かいとう だいき) / 仮面ライダーディエンド …… 戸谷 公人(19歳)
 仮面ライダーディエンドに変身する青年。一人称は「僕」。本来は他に仮面ライダーのいなかった「仮面ライダーディエンドの世界」の出身。様々な世界を単独で往来し、「僕の旅の行き先は、僕が決める。」という信念のもとに、価値のある「お宝」と判断した物を収集している、孤高のトレジャーハンターである。
 ディエンドライバーを入手して士たちよりも先に異世界を渡り歩いていた様子で、異世界の事象にも詳しい。本人は、士とは古い知り合いだと語る。鳴滝とも面識がある。口の悪さは天下一品で、他人から誤解を招きやすい。
 士たちとの馴れ合いや人づきあいが苦手で別行動を取り、目的の相違から彼らの旅を妨害することもしばしばである。当初は興味本位から士と共闘することが多かったが、シリーズ終盤では士に助言したり気にかける行動を見せており、士たちが大切な仲間であることを自覚するようになる。
 本作では、他の仮面ライダーたちと共にスーパーショッカーと戦う。

小野寺 ユウスケ / 仮面ライダークウガ …… 村井 良大(21歳)
 ディケイドを倒すという目的を抱く鳴滝から変身ベルト・アークルを託され、仮面ライダークウガに変身する能力を得た青年。一人称は「俺」。「仮面ライダークウガの世界」の出身。最初は尊大な態度をとる士に食ってかかったが、共闘を経て友情を築き、強い信頼を寄せるようになる。
 本作では、世界の破壊者になってしまった士を倒すために他の仮面ライダーたちを率いて戦うが、ディケイドに倒される。しかしライダー大戦の終了後に復活し、ディケイドと共にスーパーショッカーと戦う。

キバーラ …… 沢城 みゆき(24歳 声を担当)
 翼長11.5cm ほどの、キバット族の白いコウモリ型モンスター。一人称は「私」。仮面ライダーに変身する者に噛みつくことで、その能力を強化させる。
 本作では、ディケイドを止めようとする光夏海を「仮面ライダーキバーラ」に変身させる。

岬 ユリコ / 電波人間タックル …… 広瀬 アリス(15歳)
 士と行動をともにする、天真爛漫な女性戦士。本来は仮面ライダーと同様の改造人間でありながら、全ての世界を敵に回した士の唯一の心の支えとなろうとする。
 原典では仮面ライダーストロンガーのパートナーだったが、本作では自分の「居場所」を探し求めている。しかし、実際には蜂女との戦闘によってすでに死亡しており、魂が実体化した存在となったものだった。
 蜂女との再戦で必殺技ウルトラサイクロンを発動させて痛手を負わせるが、自身も力を使い果たしてしまい、夏海に「居場所ができたよ。」と言い残して消滅した。

ロベルト 志島 / ダミー・ドーパント …… 手塚 とおる(47歳)
 歌手・睦月恵里香(演・沢井美優)の墓のある教会の神父で、「闇と静寂の会」会長。
 「死は神聖なる儀式」として捉え、風都で発生する怪奇現象「死人還り」に不快感を抱く素振りを見せるが、裏の顔は、「ダミー(偽者)」のガイアメモリで変身した「偽者・複製品」の記憶を宿したドーパントで、人物や物体などあらゆる姿に擬態することで、死人が蘇ったように見せかけていた。
 ディレクターズカット版の追加シーンでは、他者の深層心理からトラウマとなっている人物を探り出し、その能力も含めて全てを忠実にコピーすることができると解説された。ただし、擬態能力以外の戦闘能力は皆無に等しく、最期はネオ生命体に取り込まれた。

鳴海 荘吉 / 仮面ライダースカル …… 吉川 晃司(44歳)
 『 MOVIE大戦2010』終盤で登場。士が翔太郎に託したライダーカードの力で登場する、『仮面ライダーW 』の世界とは別世界の鳴海荘吉。

スーパーショッカー
 『仮面ライダーディケイド 完結編』と『 MOVIE大戦2010』に登場する敵組織。ディケイドを始めとしたオールライダーに敗れた大ショッカーの残党によって再編成され誕生した新組織。
 前身組織と同様に、複数の世界から結集した様々な悪の組織・種族の怪人たちで構成されている。残党の集まりであるため、大ショッカーと比較すると組織としては縮小しているが、新たに加わった怪人も多数おり、各組織、各種族の中から選りすぐって、かつて歴代の仮面ライダーを苦しめた精鋭怪人が集結した。そのため、前作のような無尽蔵の怪人軍団ではなく、幹部級怪人が戦闘員を引き連れる編成になっている。
 前作で大ショッカー大首領に就任したシャドームーンが敗れたため、スーパーショッカーに大首領は存在しないが、のちのち完成体となったネオ生命体が大首領となるか、ネオ生命体を後ろ盾にしてスーパー死神博士自身が大首領となる計画であったと推測される。
 「ネオ生命体」と「スーパークライス要塞」の二大切り札による、大ショッカー時代以上の勢力拡大と、「ライダー大戦」に乗じた世界征服を狙っている。
 組織の紋章は、「 S」を模した双頭の鷹。

ゾル大佐 …… 奥田 達士(41歳)
 その正体は、ディケイドを倒したい一心で、スーパーショッカー結成の手引きを行った鳴滝。おでんの屋台の親父に扮しておびき出した光栄次郎をスーパー死神博士として覚醒させ、自らもゾル大佐に変身する。
 原典同様に「服装のたるみは精神のたるみ」として、戦闘員たちを電磁鞭で叱咤する。劇中で自ら戦うことはないが、絶大な戦闘力を秘めている。原典『仮面ライダー』(1971~73年)のゾル大佐とは異なり、劇中では怪人・黄金狼男には変身しなかった。

スーパー死神博士 …… 石橋 蓮司(68歳)
 その正体は、『ディケイド』のヒロイン・光夏海の祖父・光栄次郎。おでん屋台で鳴滝に出くわし、彼が見せたスルメイカとビール(イカでビール)で、前作『オールライダー対大ショッカー』での記憶を思いだしかけた所に、突如として飛来したマントに包まれてスーパー死神博士に変貌してしまう。しかし、外見上は小指の付け爪に「スーパー」と書かれただけで、その他は前作の死神博士と特に違いは無い。
 ゾル大佐になった鳴滝とともにスーパーショッカーを結成し、前作同様に「怪人作りの名人」として、世界征服成就のために「神を超える力」であるネオ生命体を誕生させた。なお、本作では怪人形態イカデビルには変身しない。
 『 MOVIE大戦2010』ではスーパー死神博士の正体が判明し、栄次郎が死神博士のガイアメモリを悪用されて強制的に変身させられていたことが明らかとなる。

蜂女(はちおんな)…… 及川 奈央(28歳)
 スーパーショッカーの女性怪人で、幹部候補。元ショッカー所属でスーパー死神博士に気に入られている。ネオ生命体の誕生と組織の勢力拡大のために行動する。
 「ワスプフルーレ」という名のレイピアが武器で、剣先に仕込まれた毒針を突き刺す「スティングショック」で攻撃し、敵を数秒で死へと誘う。タックルとは対戦した過去があるために因縁を持っており、再度の対戦でウルトラサイクロンを受けて重傷を負い、ネオ生命体の力を得ようとしたが逆に吸収されてしまった。

ネオ生命体 …… 本城 雄太郎(13歳 声を担当)
 スーパー死神博士が創造した、スーパーショッカーの切り札となる完全生物にして「神を超える力」。緑色の液体状の姿で、小型のプールのような機材の中におり、高エネルギーの生命体を取り込むことで成長する。少年のような無邪気な言動をし、外に出て暴れたがっている。生みの親であるスーパー死神博士を「パパ」、蜂女を「ママ」、ディケイドを「おにいちゃん」と呼称する。
 物語中盤に蜂女を取り込み成長。その際にスーパークライス要塞の起動とともに、ディケイドと遊ぶための「おもちゃ」として、平成12大ライダーをも圧倒するほどの「最強最悪の怪人」ドラスを誕生させた。
 『 MOVIE大戦2010』ではスーパークライス要塞に意識をシンクロさせ、巨大生物のように意のままに操り猛威を振るう。その後、『 W ビギンズナイト』から登場したダミー・ドーパントをその身に取り込み、「究極生命体」アルティメットD へと変異した。

アルティメットD …… 酒井 敬幸(声を担当)
 『 MOVIE大戦2010』に登場。スーパークライス要塞を失ったネオ生命体が、逃走しようとしたダミー・ドーパントを取り込み変異した「究極生命体」。口調・声色はそれまでの少年のようなものから、成人男性のような野太いドスの利いたものに変化した。
 頑強そうな巨体からは想像不可能なほどの高速移動を駆使した攻撃を行う。胸部からは一国を滅ぼすほどの威力を持つ分子破壊光弾「アルティメットボム」を発射し、ディケイドと Wを同時に相手にしながらもその圧倒的な力で翻弄する。

ドラス …… 酒井 敬幸(2役)
 前作『オールライダー対大ショッカー』では大ショッカーの怪人軍団の一員に過ぎなかったが、本作では「最強最悪の怪人」として再登場。
 ネオ生命体が蜂女を取りこみ成長した際に「おもちゃ」として形成した、「邪悪な金属生命体」。ディケイド率いる平成12大ライダーをも圧倒するが、ディケイドと最強フォームに変身した9大ライダー、ディエンド、キバーラたちの連携攻撃の前に敗れた。
 原典の『 ZO』(1993年)のようにネオ生命体とドラスは完全な同一体ではなく、本作のドラスはあくまで、ネオ生命体が生み出した分身体である。
 本作での経緯から、前作に登場した怪人軍団のドラスは、ネオ生命体を創造するために当時の死神博士が取り組んでいた、実験段階でのプロトタイプであったと推測される。

怪人
 ザンジオー、ジャガーマン、毒トカゲ男、ヒルカメレオン、コブラ男ガライといった昭和シリーズの怪人の他、平成シリーズからも各作品で活躍した精鋭怪人が復活してスーパーショッカーに所属している。
 なお、ヒルカメレオンは原典ではゲルショッカー大幹部・ブラック将軍の変身した怪人形態だったのだが(1973年)、本作ではブラック将軍の姿では登場していない。

スーパークライス要塞
 スーパーショッカーの移動巨大要塞。クライシス帝国のクライス要塞をスーパーショッカーが復活させて改造した。
 原典の『 BLACK RX 』(1988~89年)では単なる移動要塞だったが、本作ではネオ生命体が中核に据えられており、ネオ生命体がドラスを誕生させたことに伴い復活。ネオ生命体が意識をシンクロさせることで意のままに操り、巨大生物のように動く。
 原典の「空中モード」の他に「地上モード」への変形も可能となり、圧倒的火力と機動力でライダーたちと激戦を繰り広げる。
 『 BLACK RX 』当時のミニチュアでは実現できなかった雨宮慶太の機能構想を、本作では CGで映像化している。

マンモスメカ
 スーパークライス要塞から射出された巨大メカ。要塞が空から、マンモスメカは地上からディケイドたちに猛攻をしかけた。

スーパーショッカー戦闘員
 大ショッカーの戦闘員を強化改造したものだが、外見はショッカー骨戦闘員と変わりがない。

登場する仮面ライダー
 スカイライダー(声・赤羽根健治)、仮面ライダースーパー1(声・根本幸多)、仮面ライダーJ(声・根本幸多)、仮面ライダークウガ、仮面ライダーアギト(演・山中聡)、仮面ライダー龍騎(演・水谷百輔)、仮面ライダーファイズ(声・赤羽根健治)、仮面ライダーブレイド(演・鈴木拡樹)、仮面ライダー響鬼(演・小清水一揮)、仮面ライダーカブト(演・片岡大次郎)、仮面ライダー電王(声・関俊彦)、仮面ライダーキバ(演・深沢嵐)、仮面ライダーディケイド、仮面ライダーディエンド、仮面ライダーW(演・桐山漣&菅田将暉)、仮面ライダーアクセル(演・木ノ本嶺浩)

仮面ライダーキバーラ
 光夏海がキバーラの力で変身した、本作オリジナルの仮面ライダー。基本カラーは白と紫。夏海がキバーラと共に「変身」と声を合わせて変身する。変身中、キバーラはベルトと一体化した形になる。
 素手による格闘スタイルで戦う他、細身の剣「キバーラサーベル」を武器とし、華麗な剣技を駆使して戦う。持ち手の柄で光家秘伝「笑いのツボ」を押すこともできる。
 必殺技は、紫色の光の翼を背面に発生させ、キバーラサーベルを逆手に握り敵に向かって斬りかかる「ソニックスタッブ」。ドラス戦では紫色の光をまとったキバーラサーベルで敵を一刀両断する名称不明の技も使用した。

仮面ライダースカル
 鳴海荘吉が変身ベルト「ロストドライバー」とスカルメモリを使用して変身する仮面ライダー。Wのプロトタイプ的存在でもある。基本カラーは黒と銀色。決めゼリフは、戦闘開始時に右手を相手に向けて「さあ、お前の罪を数えろ!」。このセリフは、荘吉の死後は Wに受け継がれている。
 骸骨を模した顔を備え、白い帽子とマフラーを身に着けている。帽子を除くこれらのデザインは、『仮面ライダー』シリーズの原型として知られる、石ノ森章太郎のマンガ『スカルマン』(1970年)のデザインを受け継いでいる。帽子は変身前にもかぶっている物で、それに隠れる様に頭部に「 S」の傷跡がある。
 総合的な戦闘スペックは特別高いわけではないが、変身する壮吉自身の卓越した身体能力によって極めて高い戦闘能力を誇り、幹部級のドーパントとも華麗な戦闘を繰り広げているほか、スカルメモリの「骸骨の記憶」がロストドライバーによって極限まで高められており、それを元にした高い身体能力を活かした格闘戦、専用武器「スカルマグナム」を使用する銃撃戦を得意とする。
 『仮面ライダーW 』本編開始の時点で荘吉は故人になっているため、本人が登場するのは『ビギンズナイト』の回想シーンと、映画『オーズ&ダブル feat.スカル』(2010年公開)の第1章『仮面ライダースカル メッセージfor ダブル』のみである。『ビキンズナイト』では、ダミー・ドーパントが擬態した偽者が登場し、『 MOVIE大戦2010』では門矢士がライダー大戦の際に持っていたライダーカードで「別の世界」のスカルが出現した。
 名前の由来も『スカルマン』から。

 ……以上、昭和ライダー3名、平成ライダー11名、平成サブライダー4名、合計18名


主なスタッフ
監督          …… 田 竜太(45歳)
脚本          …… 三条 陸(45歳 『仮面ライダーW ビギンズナイト』担当)、米村 正二(45歳 『仮面ライダーディケイド 完結編』・『 MOVIE大戦2010』担当)
音楽          …… 鳴瀬 シュウヘイ、中川 幸太郎(40歳)
特撮監督        …… 佛田 洋(48歳)
アクション監督     …… 宮崎 剛(46歳)
キャラクターデザイン  …… 早瀬 マサト(44歳)
クリーチャーデザイン  …… 寺田 克也(46歳)
タックル・蜂女衣裳造型 …… 竹田 団吾(48歳)

主題歌『 Stay the Ride Alive 』(歌唱・GACKT )
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