長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

全国城めぐり宣言 第25回 「羽前国 山辺城」 資料編

2015年03月29日 22時19分15秒 | 全国城めぐり宣言
山辺城(やまのべじょう)

 山辺城は、山形県東村山郡山辺町山辺にあった戦国時代の日本の城。形式は輪郭式平山城である。「山野辺城」と表記されることもある。
 城は、山形盆地西部の白鷹丘陵の先端地域に築かれている。現在の山辺小学校と、その南にある旧・山辺町役場を合わせた区画が城域で、山辺町役場部分に本丸(主郭)があったとされるが、現在は市街地に没している。

 築城年代は定かではないが、一説によると、平安時代の前九年ノ役の時期(1051~62年)に須賀川山辺氏によって築かれたともいわれる。ただし、山辺城の構造は明らかに中世の城郭のものであり、平安時代に築城されたという確証はなく、文明年間に在地の土豪だった山野辺一族によって築かれたと推測するのが自然である。
 11世紀後期に成立した軍記物語『陸奥話記』によれば、前九年ノ役で活躍した鎮守府将軍・源頼義の部将に「山辺太郎常貞(つねさだ)」という人物がおり(平将門の従弟・平忠頼の孫にあたる)、この山辺常貞が「須賀川山辺氏」を称して山辺の地を治めたという伝承が現地に残ったものと思われる。しかし、山辺常貞は上総国山辺郡(やまべぐん 現在の千葉県山武郡の南部)を一族発祥の地としており、在地の山野辺一族とは関係がない。
 なお、須賀川山辺氏の「須賀川」が、具体的にどの土地を指すのかは不明で、在地の山野辺一族にも山辺常貞の山辺一族にも、須賀川という地名との関連は見えない。
 ただし、山辺城のある山辺町には、山形県上山市の東南部から山形市西部を流れ、最上川に合流する「須川(すかわ)」という一級河川がある。このことから、在地の「須川の山野辺氏」がいつしか「須賀川の山辺氏」に転訛し、これに「山辺常貞」の経歴が加わって、「平安時代に須賀川山辺氏によって山辺城が築城された」という伝承が発生したのではないだろうか。

 山野辺刑部(やまのべ ぎょうぶ)は永正十一(1514)年、置賜地方の戦国大名・伊達稙宗が山形の最上家を攻めた時、最上軍の先遣隊として長谷堂城に出陣し、戦死した。
 その後は日野備中守が城主となったというが、慶長五(1600)年の慶長出羽合戦で、直江兼続率いる上杉軍の猛攻に遭い、山辺城は落城した。

 翌年の慶長六(1601)年、最上義光の四男・山野辺義忠(1588~1665年)が、14歳で1万9千石の城主となる。義忠は、前年・慶長五年の関ヶ原合戦の直前に、最上家から徳川家康に人質として預けられていた時期からその名声が鳴り響いていたとされ、山野辺家を継ぐと、山辺城の大改修や城下町の建設などに力を入れ、釣樋堰や上江堰などの治水事業、神社仏閣や交通網の整備を行うなど、多くの実績を上げ名君と謳われた。しかし、その実力が仇となり、最上本家の当主に義忠を推す勢力が台頭し、元和八(1622)年には最上家にお家騒動が発生する(最上騒動)。江戸幕府はこれを機に、同年八月に最上家を近江国蒲生郡1万石の移転減封に処し、義忠も再び徳川幕府預りの身となり、山辺城も廃城となった。

 義忠は備前国岡山藩の池田家にその身柄を預けられ、34歳から46歳までの12年間を幽閉のなかで送ったが、寛永十(1633)年九月、徳川幕府第3代将軍・徳川家光の命により水戸藩主・徳川頼房にその身柄を預けられ、知行1万石を得て水戸藩家老職となった。そして、義忠は頼房の世子・光圀の教育係も務めている。義忠の次男・義堅(1615~69年)も水戸藩主となった光圀に仕え、山野辺家の子孫は代々、水戸藩家老職に就いた。
 ちなみに、水戸光圀を主人公にした時代劇フィクション『水戸黄門』に登場する水戸藩家老の「山野辺兵庫」は、この山野辺義堅をモデルとしているが、義堅は光圀の隠居前に死没しており、年齢も義堅の方が10歳以上年長である。また、義堅が「兵庫」と称した事実はない(ただし、江戸幕末の義堅の子孫・山野辺義観が「山野辺兵庫」と名乗っていた)。

 江戸幕末の文久六(1823)年に、白河藩(現在の福島県白河市)阿部家の羽前国領となり、旧・山辺城の二ノ丸区域に陣屋が建築された。
 現在、山辺町の中央公民館の駐車場内(山辺城本丸に相当する区画)に、山辺陣屋の玄関部分が移築保存されている。



 山辺町は山形の中心部から9㎞、東の蔵王山から流れでる最上川の支流、須川の西にひらけた町である。町の西には白鷹山や小鳥海山などの山が連なり、山の辺にひろがる集落から町の名「山辺」は由来する。1600年代、山辺城を中心とする城下町がひらかれ、川西地区の中心地として繁栄する基がつくられた。
 明治から大正・昭和の三代にわたって、藍の匂いがたちこめ、藍染の木綿の北国きっての産地だった。そのため、全国に知られるオリエンタルカーペットの手織りじゅうたんとファッションニットが、長い間町の中心産業となっていたが、最近では海外からの安い製品に押されニット業界も厳しい状況にある。ニットなどの地場産業やりんご・さくらんぼなどの果樹や米栽培に従事する家庭、また山形などの会社に通勤する保護者が多い。

 城の西側には四ノ堀まであったようです。

 本丸の堀(内堀)は、本丸跡(旧・山辺町役場)周辺の道路であったと推察します。以前にも書きましたが、三ノ堀は旧・しあわせ銀行の裏と弾正淵専念寺前が掘らしく残っています。山野辺城趾の碑は一ノ堀跡の上に立っているようです。

 すぐ近くに「高楯城」があった。数年前、安達峰一郎博士の生家付近で建物跡が発掘された。

 三ノ堀は現在、水路になっている。
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全国城めぐり宣言 第24回 「羽前国 天童城」 資料編

2015年03月21日 23時21分58秒 | 全国城めぐり宣言
天童城(てんどうじょう)
 別名・舞鶴城。また、江戸時代の天童藩主・織田家の築いた山麓の陣屋を天童城、中世に天童家の居城だった山城を天童古城と称することもある。

 山形盆地の中東部(山形市の北)にあたる、山形県天童市の市街地の南東に位置する舞鶴山(標高241.8メートル / 比高133メートル)にあった山城(やまじろ)。舞鶴山という名前の由来は、尾根が多方向に展開する地形からきている。東西1キロ、南北1.2キロ、周囲4キロほどある全山を城塞化した規模の大きな城で、羽前国の村山地方では最大の山城といわれている。
 中央の高い山頂部に本丸(主郭)を置き、現在はその跡地に愛宕神社が建つ。本丸部分は東西100メートル、南北80メートルの面積であり、東側に物見櫓跡の土壇が残る。また、南側には井戸跡が残っている。山頂から北西・北東・南西・南東へ4つの尾根が延びる本丸下には2段の帯曲輪(おびぐるわ)が巡り、要所には幾重にも段状の曲輪群が連なる。本丸から南西に延びる尾根部分を南丸とし、北西に延びる尾根部分を中央丸、その先の尾根下を北丸とし、特に、東西50メートル、南北350メートルと南北に細長い中央丸には八森楯、小松楯などの出城があり、重臣が守備した。中央丸の南側は東に3段、西に5段の帯曲輪を設け、西側は西丸に続いている。北西に位置する帯曲輪は北丸に続いている。南北に長い東丸と本丸との間には、北側から大きく入り込んだ侵食谷を利用した幅20~30メートルほどの大規模な空堀が設けられている。
 西丸は本丸の東側に位置し、北と南の2つの区画に分かれ、それぞれ西側に迫り出す数段の段築を擁する。南丸は西丸の南側に位置し、東西50メートル、南北65メートルの面積であり、北東に5段程度の帯曲輪を設けている。北丸は城域の北端に位置し、現在は喜太郎稲荷神社が祀られている。山麓から喜太郎稲荷神社まで3段の帯曲輪が設けられていた。ちなみに、北丸跡の喜太郎稲荷神社は、麓の天童市街地にある喜太郎稲荷神社(田鶴町)と区別して「小路喜太郎稲荷神社」と呼ばれている。
 本丸・中央丸・北東の東丸に囲まれた北の麓には愛宕沼と呼ばれる沼がある。大手口は山の南東の麓、搦手口は北西の麓にあったが、どちらも遺構は残っていない。現在の天童市街地が根小屋(ねごや 家臣団その他の城に従属する人々の集落)であり、市も建つなど活気があったという。城跡の大部分は現在、天童公園となっている。
 登るには急坂を登り、北は沼、山頂の本丸付近は断崖で囲まれた天然の要害であった。天童の地名は、舞鶴山に二人の童子が天から無い降りたという伝説がある。

 舞鶴山は「城山」とも呼ばれ、伝承によれば、南北朝時代の建武三(1336)年に、山家城の山家信彦、溝延城の大江家、東根城の小田島長義らと共に南朝方に属した北畠天童丸(顕種)が、南朝方の拠点として舞鶴山に居館を構えたのが最初であるとされる。天童丸は、多賀城に下向した鎮守府将軍・北畠顕家か、もしくはその弟・北畠顕信の血縁者とされるが、その存在は伝説の域を出ない。天童丸は山寺立石寺と同盟して、正平年間(1346~70年)から文中年間(1372~75年)にかけて南朝勢力の挽回に努めたが、北朝方の最上家に敗れて陸奥国の津軽鯵ヶ沢に逃れたといわれ、その後の消息は不明である。

 北朝永和元年・南朝天授元(1375)年、最上家第2代・最上直家の子で、出羽按察使として山形に入った最上家初代・斯波兼頼の孫にあたる最上頼直が、成生荘の地頭・里見家の養子となり、天童伊予守頼直を称して居城を舞鶴山に築城し、本拠地を成生館から舞鶴山に移した。当時、天童を支配していた里見家は、後の戦国時代に安房国の大名となる里見家と同じ清和源氏系で、上野国を発祥とする里見一族は南北朝時代には新田家らと共に南朝方の勢力として活躍しており、北畠天童丸の伝説のある城を里見家が支配していたという経緯には、同じ南朝方の武将であるという類縁関係が見られる。しかし、里見家第5代当主・里見義景には実子がなかったため、奥州探題・斯波家兼の四男である義宗を養子に迎えたが、この義宗も子に恵まれなかったために最上頼直(義宗は頼直の大叔父にあたる)を後継として迎えたのであった。
 このため、天童家は最上家の分家ではなく里見家を称して最上家と同格の扱いとなり、享徳の乱では京の足利幕府から、最上家と天童家の両家に書状が送られた。 

 天童頼直は次男・頼高を東根に、三男・頼種を鷹巣に、四男・満長を上山に配置した。さらに家臣では、八森館に八森石見守、小幡館に小畑大隅守、かつての居城だった成生館に成生伯耆守、小松館に小松山城守、向館に大友将監、安斎館に安斎刑部、草苅館に草苅兵庫守、大泉館に大泉内蔵助を置き、勢力拡大を図った。これらは後に「最上八楯」と称され、天童家を中心に最上一族の中でも強大な力を誇るようになる。

 永正年間、米沢の伊達家が最上家の領内に侵攻するようになり、永正十一(1514)年、伊達稙宗は長谷堂合戦で最上義定を破り、最上家を事実上の傀儡としたが、天童城を拠点に各地の土豪や地侍を従え、村山地方東部を支配する大勢力となった天童頼長と最上八楯は、伊達家に抵抗を続けた。大永元(1521)年には、伊達稙宗・蘆名盛滋らとの合戦の際に一時、高城と共に天童城を占拠されたこともあったが、天童家は八楯の盟主として、最上家に代わる実力をつけるようになった。

 1570年、山形城主・最上義光が父・義守との相克を経て最上家家督を相続する。最上義光の、最上家のみによる出羽地方統一の動きに対抗し、天童頼貞は隠居した義守に肩入れして、義守の女婿・伊達輝宗らとも同盟を結び、義光を攻めて「天正最上の乱」が起きた(1574年)。天正五(1577)年五月、最上義光は天童城を直接攻撃する。しかし、勇猛を謳われた重臣・延沢能登守満延(信景)をはじめとし、東根頼景・楯岡満英ら最上八楯が天童頼貞に援護し、加えて天童城が天然の要害であることも手伝って義光は苦境に陥る。その結果、義光が頼貞の娘を側室に迎えることで抗争は和睦に至った。

 しかしこの間、義光は上山の上山家、真室川の鮭延家などを攻略し、庄内の大宝寺義氏を家臣の内応で暗殺し、勢いを増していた。
 さらに天正八(1580)年には東根城を攻撃し、東根頼景は家臣・里見源左衛門景佐・蔵増安房守・鈴木新左衛門尉らの離反もあって討死した。頼景を援護していた楯岡城主・楯岡満英は東根城落城の報を聞いて自害し、当主を失った楯岡家は義光に降り、一族の楯岡豊前守満茂が楯岡家を継いだ。
その後、成生館・飯田館・六田館の館主達も義光に降り、村山盆地はほぼ最上家の勢力下に入ったため、天童氏は孤立する。さらに天正十年(1582)年には、義光に嫁いでいた頼貞の娘が死去したため、天童家と最上家との再衝突は避けられないものとなった。

 天正十二(1584)年、義光は谷地の白鳥長久を山形城に誘き寄せ暗殺し、寒河江の大江家を滅ぼした。残った天童家の第11代・天童頼久(頼貞の子)は、天童城の天険を誇り義光に抵抗したが、重臣・延沢満延が、嫡男・又五郎康満と義光の娘・松尾姫との婚姻を取り付けて最上軍の再度の天童城攻めの際に義光に寝返り、それを契機に家臣団の離反が相次いだため、天童頼久は孤立無援となり、同年10月の八幡山合戦で兵5500を率いる義光に敗北し、天童城も10月19日に落城する。頼久は喜太郎という者の手引きで関山峠を越え、妻の実家であった仙台の国分盛重のもとに逃れ、以降は天童頼澄と名を改め、伊達政宗の家臣となった。最上義光は戦勝後、天童城を廃城処分として本丸跡に愛宕神社を建立し、勝軍地蔵を祀った。その後、この舞鶴山は「愛宕山」とも呼ばれるようになる。ちなみに、義光は二度にわたる城攻めで天童城の堅固さに手を焼き、こののち城として利用できないように愛宕神社を建てたともいわれている。実際に、現在の天童城跡には多数の郭(くるわ 曲輪)跡が残るものの、その他の遺構としては堀切跡と思われるものが一ヶ所あるほどで土塁などは全く見当たらず、義光が城の縄張りを徹底的に破壊した可能性がうかがえる。愛宕神社は現在も残っている。

 江戸時代の元禄十一(1698)年に羽後国久保田藩で編纂された軍記物語『奥羽永慶軍記』によると、ある時、最上義光の家臣・志村伊豆守光安が用あって、天童頼久のもとに赴いた。すると天童家の家臣が次のようなことを言った。

 「山形殿(最上義光)は平地の館(山形城)にお住まいになっていると聞くが、それはどうも心配なことである。天童殿の居城は山城であるが、この城はとても険阻で、数万の軍勢に攻められたからといって、何年も持ちこたえることができるほどのものだ。それに比べて山形殿の城は、軍勢に攻められたらひとたまりもないでしょう。」

 光安が帰ってこのことを報告すると、義光は怒って天童家の征伐を決意したという。
 しかし、義光の天童家討伐は、あくまでも出羽統一のために必要不可欠な最重要政策だったのであって、私怨による突発的な行動でなかったことは明らかである。

 江戸時代になり天保元(1830)年、織田家(織田信長の次男・信雄の子孫)が上野国(現在の群馬県)から転封されて天童藩を興し、舞鶴山の西麓(現在の天童市田鶴町)に、外堀と内堀を持つ御館(おたて)と呼ばれる陣屋を築いた。

 現在、天童城跡は天童公園(天童市・舞鶴山公園)として整備され、城郭時代の遺構はほとんど残っていないが、桜やつつじの名所となっている。公園には、毎年春の恒例行事である、甲冑を身にまとった人間が駒となる「人間将棋」で用いられる巨大な将棋盤があるが、天童における将棋の歴史は織田家が天童に入部して始まる。窮乏した天童藩では生活苦にあえぐ下級武士たちが将棋の駒づくりを内職とし始めたという。幕末には家老の吉田大八が藩士に将棋の駒づくりを奨励した。

 JR 奥羽本線・山形新幹線「天童駅」から南東へ約1.2キロ、自動車で約10分の距離にある。城跡の天童公園には無料駐車場が完備されている。公園には、江戸幕末の天童藩家老・吉田大八の像がある。
 車で登ることができるのは、比高60メートルの本丸と中央丸との間にある武者溜(むしゃだまり 軍勢を集結させるために設けられた広場)跡の駐車場までで、本丸はそこからさらに比高70~80メートルほど登った山頂部にあたる。本丸・中央丸以外の郭の遺構は比較的良好に残っているが、あまり整備されておらず薮化が激しい。駐車場から山頂までは徒歩で10分ほどで登山できる。


天童陣屋(てんどうじんや)

 現在の山形県天童市田鶴町に位置し、JR天童駅から南へ500メートルの区域に存在していた。
 天下統一を目前にして横死した織田信長の次男・信雄の子孫である、天童藩主織田家の陣屋。

 戦国末期に一時代を築いた織田家ではあったが、豊臣秀吉、徳川家康の時代を経た末に、天童の地でかろうじて2万石を有する小大名となる。
 天童陣屋は、江戸時代後期の天保元(1830)年、織田家第10代・織田信美の時代に築かれたものであり、それ以前には、織田家は明和四(1767)年に2万石の小藩として高畠(山形県東置賜郡高畠町)で発足しており、幕府への居館移転願いが認められて天童に移転した。
 織田家の前身は上野国小幡藩5万石であったが、減封されて羽前国に左遷されてしまった理由は、儒学者の山県大弐が幕府に対する謀反の疑いで捕らえられ処刑された事件に連座したことによる。
 減封された織田家は、5万石時代の藩士を多く抱えていたこともあり、藩の暮らしは非常に貧しいものであった。そこで下級の藩士たちが、将棋の駒づくりを内職として始めたことから、天童の将棋駒生産が始まったという。

 天童藩織田家の祖は、織田信雄である。信雄の父・信長は、最盛期には600万石以上の所領を持ち、実質的な天下人であった。その信長の死後に尾張・伊勢国の所領を相続した信雄もまた、100万石を領する大大名であった。
 しかし、信長の子がこれだけの大きな領地を有していることは、当時の天下人である豊臣秀吉にとって不安の種だった。天正十八年の小田原征伐後、秀吉は信雄に関東転封をもちかけたが、信雄がそれを拒否すると、それを理由に信雄の所領を没収した。
 その後、信雄は下野国烏山、羽前国、伊予国などへと所領を流され転々としていた。しかし、後に徳川家康の口利きによって許され、大和国で1万8千石を拝領する。ちなみに嫡男・織田秀雄は、越前国大野で5万石を拝領している。
 だが、関ヶ原合戦の際に西軍に属したため、信雄は秀雄と父子ともどもまたもや改易に処せられてしまう。以後、信雄は大坂城などに居住していたが、大坂ノ陣が開戦する直前に大坂城を脱出し、徳川方に加担した。そこで、家康との古くからの親交もあり、元和元年に上野国小幡5万石を与えられるに至った。

 陣屋の規模は大きく、南北450メートル、東西500メートルにわたる。輪郭式の陣屋であり、内堀を廻らせた本丸に相当する場所が藩主の居館で、その外側に総構え的に政庁や重臣の屋敷と外堀があったとされる。虎口にはそれぞれ枡形が用いられ、全体の構造はかつての小幡陣屋に共通するものがあり、行政面を重視した城郭であったという。

 この天童陣屋で織田家は4代を経て明治維新に至るが、明治維新では新政府軍に属し、家老・吉田大八が奥羽鎮撫使先導代理を命じられて軍の先鋒を担うが、藩内の動員兵力は400名ほどであり実質的な戦闘ができたとも見られず、周囲の諸藩からも孤立し、戊辰戦争での幕府方の庄内藩の攻撃によって陣屋は焼失。城下町も半分ほどが焼亡した。
 このため、天童藩もやむなく幕府方の奥越列藩同盟に加盟するが、責任を問われ吉田大八は切腹。さらに今度は新政府軍に攻撃され、降伏する。新政府により藩主・織田信敏は弟の織田寿重丸に家督を譲って隠居させられ、所領は没収されて2千石となった。
 その後、織田寿重丸は幼少であったため、信敏が藩主(藩知事)に復帰し、明治四(1871)年には廃藩置県により天童県となり、同年8月に山形県に編入された。

 現在は、遺構はほとんど失われており、本丸にあたる中央部分は JR羽越本線が貫通し、山形新幹線が走っている。
 城域の東には、織田家が氏神とした喜太郎稲荷神社が残され(天童城北丸跡にある喜太郎稲荷神社とは別)、神社の境内にあたる土地が陣屋の中心部となっていた。南は公園になっている。その他は民家や畑になっており、大手門跡の標識などが建てられているのみである。神社脇の公民館前には広いスペースがあり、車も駐車できる。ただし神社の入り口が狭いため、道路から分かりにくい。
 喜太郎稲荷神社の入口には当時、天童陣屋の門があり、近くには北辰一刀流道場「調武館」と稽古所が置かれ、天童織田藩の藩士が武術に励んでいたという。
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え~、なんやかんやあるんですが。

2015年03月17日 22時14分02秒 | 日記
 ハーイみなさまどうもこんばんは! そうだいでございまする~。今日も一日お疲れさまでございましたっと。

 えぇ、えぇ、更新ペースがずいぶんとのびのびになっておりますです、はい。

 まぁ、「更新回数を少なくするぶん、未完成の過去記事の完成を急がせる。」とかなんとか、威勢のいいことをけっこう前に宣言したわけだったんですが……やれてませんわなぁ、今のところは。じぇんっじぇん!

 日常が忙しいのか……うん、確かに忙しいことは忙しいんです。
 就職してはや2ヶ月目に入ったわけなんですが、まだまだ憶えてない仕事は山ほどあるし、自分自身「これは最低できてないと……」と考えている課題も山積みのまま! そうこうしてるうちに、4月からは新年度でしょう? も~いろいろ、気を引き締めなきゃいけないモードがず~っと続いております。

 そんなこと言ったって、親が健在な実家で生活してるってことは、こりゃまぁホントにありがたいことなんでありまして、ちょっと、独り暮らしをしてたときに気にしなきゃいけなかったこと(食事とか、生活費とか)を、ひとまず置いといて仕事に集中できるっていうのは、すばらしいことなのよねぇ。おかげさまで、遅れに遅れた生涯初めての「正社員ライフ」を、かなり円滑にスタートできたような、そんな感触は得ながら生きております。ほんとにね、30もなかばのオッサンが、若い方ばっかりの職場にのこのこ日参してますからね。いつも大変お世話になっております……

 車生活もねぇ。やっと慣れてきたような感じは、する瞬間もたま~にゃあるんですが、ちょっと知らない道に入っちゃうと途端に挙動不審車になっちゃうからね。駐車するたんびに感じる苦手意識は……経験あるのみ、ですよね!
 最近はまわりの車の車種を見る余裕も出てきたのですが、車種に対する興味って、やっぱり自分が車に乗らないと向かないですよね。知らない世界にわけいるっていうのは、何歳になってもおもしろいもんです。乗れば乗るほど、自分の使ってる車への愛着もわいてくるし。よろしくたのんます、お姉さん!

 最近はもう、貴重な休日も、次の出勤に向けての宿題やら準備やらであっという間に日が暮れてしまうことがいつもで、およそ5年ぶりに身近にきた TVも満足に使いきれてないし、買い物とか遊びとかもトンとやれてませんねぇ。たまってる読んでない本もまるで消化しきれてないし……いやぁ、活字を見るとす~ぐに眠くなるなる! 進まないんだよなぁ~、ページが。

 いちおう、新天地で働き始めて1ヶ月が無事に経過したということで、先週くらいの休日に、自分へのご苦労さんサービスみたいな気分で、近所の温泉には行きました。
 山形に帰ってきてから、自分から思いたったものとしては、記念すべき「最初の旅行」となったわけなのですが、行き先は近所も近所、家から2~3km ほどの距離にある「沼木温泉 辻ヶ花」(ぬまぎおんせん・つじがはな 山形市中西部 入湯料一般350円)という閑静な温泉保養施設でして……これ旅行か!? 車で3分かよ!
 とってもいい温泉でしたけど、そこ、私の高校生時代の通学路のすぐ脇なんですよね。いろいろとしみじみ感じながらお湯につかっていました。天気のいい真っ昼間からの温泉は最高だ!!
 山形はいいですね、温泉がホントにそこかしこにゴロッゴロしてますから。1コ1コ楽しんでいったら、県外にも国外にも出る必要はなくなります! 安上がりにリフレッシュできて言うことありません。


 TV はねぇ、さすが親のいる実家というべきか、やたら NHKがついてますよね。なんで、実は去年よりもよりナチュラルなかたちで大河ドラマが観れています。『花燃ゆ』。山形に来てからは、毎回かかさず観てますね。
 『花燃ゆ』はもう、毎回毎回、「おもしろいなぁ~。」と心底感じ入りながら観ております。脚本がいいんですよね。『軍師官兵衛』ではあんまり感じなかった、「脚本家が仕事してるな」っていうセリフが、けっこうな確率で耳に入ってくる気がするんです。あと、やっぱり音楽もいい仕事してる! さすがは川井憲次大先生よ。主題曲はそんなにいいってほどでもないんですが、川井さんお得意の「ビミョ~な心理描写」を際だたせたいときに流れるシーン音楽がそうとういいんだなぁ。

 ただ、やっぱり「おもしろい」と「盛り上がる」を両立させることの難しさ。これですよね。
 私の中では、『花燃ゆ』は「おもしろい。」なんですが、『軍師官兵衛』は「おもしろくねぇ~!!」だったんです。さて、私にとってテンションが上がるのはどっちだったのかっていうと……そりゃ『軍師官兵衛』のほうなんであります。要はおもしろいおもしろくないじゃなくて、どっちでもいいから「それを観て自分の温度がどのくらい上がるのか」なんですよねぇ。私は『花燃ゆ』で毎回レビューはできませんね。
 あと、キャスティングに関して、昨年に比べて大幅に「大丈夫かこいつ」枠が削減されたような気もするんだなぁ。主演の井上さんを筆頭として、おしなべてレギュラー出演陣が無難! な~んか、「うん、だいたいそのくらいの俳優さんよね。」っていう想定内の演技が続くというか。安定感はバツグンなんですが、演技を観て「おっ!」とか「えっ?」とか感じる局面が少ないと感じています。
 いや、まだ始まって間もないドラマをつかまえてぶつくさ言うのも早いわけなんですが、本田博太郎さんくらいだもんなぁ、ヘンな人なんて。劇団ひとりさんも「マジメルーキーややコミカル」って感じみたいだし。北大路欣也ちゃんとか高橋英樹ちゃんとかは、そりゃ出てくればいい演技をするに決まってるわけなんですが、そこにまた頼っちゃうのか~、みたいな、ねぇ。
 レギュラー陣のあの人、わたし大っ嫌いなんだよなぁ~! 毎回毎回、再認識してます。「その歳になってもそんな演技してるんだ、あんた!」な~んてね。
 そんなこんな言いつつも、これからも観ていくわけなんですが、新撰組はどんなキャスティングになりますかねぇ。久坂玄瑞や吉田稔麿が出てる以上はモブでは済まないと見たいんですが、どうかな!?

 あと、BSプレミアムでいまさらながら『名探偵ポワロ』の最終シーズンの再放送も観てますよ! 内容はもちろんいいに決まってるわけなんですが、そこまで「最終ですよ~お客さん」臭を随所にただよわせなくても……ってくらいに、ポアロに「やりおさめ」オーラがただよっているのが、なんとも寂しくなってしまいますね。いやでも、健康なうちに完結できるっていうのは、ホントにうらやましいことであります……熊倉さんも大変お疲れさまでございました。


 あと、我が『長岡京エイリアン』としては、なんとしても避けて通れない話題なのが、「プリキュア」と「モーニング娘。」の恐るべきドッキング映画なのでありまするが。
 いや~まさか、この2つがコラボするとは! とかって驚いたフリをしつつも、なんてったってハロー!プロジェクトとの浅からぬ縁を考えれば、充分に予想の範囲内ではありましたね。どっちも好きなあたしゃど~すれば!? でも……


 私は、この映画は観に行かないなぁ。


 そりゃまぁ、なんといっても独り暮らしの気ままさがなくなったから、そこらへんを配慮して……ということもあるわけなのですが、なにはなくとも、これは「春のカーニバル」なんですからね。カーニバルはお祭り。『 DX 』シリーズや『 NewStage 』シリーズとは根本が違うというにおいを感じるんです。

 そして、それはたぶん、本来のお客さんである「幼い女の子」が最も楽しめるものなんじゃなかろうかと。今年の新人さんがたも「プリンセス」なわけですし、そこはオッサンたる私は一歩身を引くべきなんじゃなかろうかと思い至りましたる次第。

 なんだかんだいっても、私は『 DX 』シリーズの熱い戦い、そして『 NewStage 』シリーズの深い戦いをいちばん楽しんでいるんだな、ということをしみじみ感じました。そこから観ると、CMの総員ダンスシーンには、どうにも我に返ってしまう距離感が……
 いやもちろん、ダンスシーンそのものは恒例の風景ですし、もともと一連のシリーズの遡源である映画『ちょ~短編 プリキュアオールスターズ GoGoドリームライブ』(2008年)からして、クライマックスにダンスシーン(CG を使っていないのが逆に目新しい)を持ってきていたのですから、今回はむしろ原点に戻ったともいえるのでしょうが……そこを堂々とメインにされてしまうと、少なくとも私はついていけなくなっちゃう。

 私の敬愛してやまない、かたくりこPさまや3代目プリオタ総統閣下、または koi2さまといった紳士諸氏の反応を観ますと、それ相応の派手なバトルもあるし、歴代シリーズを知っていればうならずにはおられない展開もあるらしいのですが、まぁ、「主題歌がない」という英断を聞いて、「そういう方向性なのならば、私はいいや。」と潔く決めることができました。私にとっては、オープニングの主題歌でなかば強制的に体温を急上昇させられてこそのオールスターズ映画でしたでしたからね。

 まぁ、そんなこんな言っても、どうしても観たいって考えたところで、映画館に行くヒマがあるんだったら仕事の予習をしろって話なんで、実際どっちにころんでもスクリーンで観ることはなかったと思うんですけれども。


 あぁ~ホント、未完成記事に手をつけられるの、いったいいつになるんだろ。
 しばらくはまず、仕事に専念ということで……とにかく、来るべき年度はじめを、なんとかしのいでいきたいとひたすら祈るわたくしなのでありました~!

 あぁ、もう春ですね~。
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ごった煮! 裏プリキュアオールスターズ!!  《2014年のカンブリア大爆発》

2015年03月13日 23時02分28秒 | アニメらへん
世界各国のプリキュアたち
シリーズ第11作『ハピネスチャージプリキュア!』(2014年2月~15年1月放送)より

 世界の各大陸で活躍しているプリキュアチーム。一部を除き、変身前の姿などは本編には登場しなかった。
 コスチュームのデザインは各チームで異なっているが、紺色のベストとハート形のブローチ、「ラブプリブレス」を身につけている点は、日本のぴかりが丘の「ハピネスチャージプリキュア」チームと共通している。世界中の子どもたちに応援されており、作中ではさまざまな分野でグッズ商品化もされている。本編中に登場したプリキュアを見る限りは、日本のキュアフォーチュンやキュアテンダーのように、単独で活動している海外プリキュアも多い。
 しかし、幻影帝国との抗争の果てに、多くのプリキュアたちが帝国の最高幹部であるプリキュアハンター・ファントムに敗北して異空間「プリキュア墓場」に捕らわれていたが、第43話『ぶつけあう想い!ラブリーとミラージュ!』(2014年12月7日放送)で、幻影帝国の王女であるクイーンミラージュが浄化されたことによって、全員が解放されてプリキュアとして復帰し、第46話『愛と憎しみのバトル!誠司 VS プリキュア!』(2014年12月28日放送)で、「ハピネスチャージプリキュア」チームの援護のために日本に集結した。その際は全員が大幅にパワーアップしており、サイアークの中でも最強クラスである邪神レッド直属の「赤いサイアーク」を相手にしても優位に戦っていた。
 最終回でレッドとの最終決戦が終結した後の、彼女たちの動向は語られてない。

 その具体的な人数は、ブルーが次々とプリキュアを生み出し、ファントムが狩るという拮抗状態が続いているため、常に変動している。作中に登場するお菓子つき玩具「ワールドプリキュアスナック」には全108種類+αのカードが収録されているが、1枚に複数のプリキュアが描かれている場合や、同じプリキュアのバージョン違いがある場合も考えられるため、参考にはしにくい。


○ボンバーガールズプリキュア
 アメリカ合衆国南部のテキサス州で活躍する、3人組のプリキュアチーム。西部劇をモチーフとしたチームで、コスチュームには保安官風かつカウガール風のフリンジがあしらわれている。
 チームの必殺技は、コスチュームに付いている星飾りをはずし、敵に投げつけて浄化する「スターブーメラン」。ただし、「ブーメラン」とは言うが反転してはこない。
 第8話『友情の危機!!ミスフォーチュンの不吉な予言!!』(2014年3月23日放送)で初登場した。
 世界のプリキュアチームの中でも強豪ないし人気の高いチームであるらしく、作中に登場するお菓子つき玩具「ワールドプリキュアスナック」のカードでは、かなり価値の高いカードに設定されている。
 この3名は、小堀幸、国府田マリ子、岡村明美が声を担当している(同じエピソード内で別のレギュラーキャラクターを演じている声優が兼任している)が、具体的に誰がどのプリキュアを担当しているかはクレジットされていない。また、それぞれの本名およびプリキュア名は、本編中では言及されていない。

赤髪のプリキュア
 ツインテールの髪が特徴の少女。色白の肌で、そばかすがある。瞳はライトブルー。
 テンガロンハットをかぶり、ブルーのスカーフとロンググローブを身にまとっている。また、複数の星の飾りをつけている。

金髪のプリキュア
 小さな帽子の形をした髪飾りをつけており、ポニーテールの髪が特徴の少女。瞳はオレンジ。
 カウボーイブーツやストッキングを履き、ベルトをつけている。

銀髪のプリキュア
 ウォーボンネット(羽根飾りのついた民族衣装)の髪飾りをつけた長髪の少女。色黒の肌で、瞳はライトグリーン。
 ネイティブアメリカン風のコスチュームを身にまとっている。


○ワンダフルネットプリキュア(シリーズで初めて登場した、変身後もメガネをかけているプリキュア)
 インド西部の主要都市ムンバイで活躍する、2人組のプリキュアチーム。2人ともメガネをかけており、ハイヒールを履いている。それぞれの本名およびプリキュア名は、本編中では言及されていない。
 第8話『友情の危機!!ミスフォーチュンの不吉な予言!!』(2014年3月23日放送)で初登場した。 
 必殺技は、周囲に展開させた11個の電卓を連打することで飛びだす光の数字を相手にぶつける「オプティカルウェーブ」。
 声優のキャスティングは公表されていないが、同じエピソード内で別のレギュラーキャラクターを演じている声優が兼任している可能性が高い。

オレンジの髪のプリキュア …… 声優不明
 短髪の少女で、額にはビンディをつけている。スカートはオレンジで短く、頭部にはイエローのベールを飾っている。

グリーンの髪のプリキュア …… 声優不明
 長髪の少女。スカートはホワイトで長く、サリーを基調としたコスチュームを身にまとっている。


○メルシィプリキュア
 フランスの首都パリで活躍するプリキュアチームだが、本編に登場しているメンバーは1名のみである。

キュアアール …… 矢野 亜沙美
 大きな縦ロール巻きをした、薄い色の金髪の少女。瞳はレッド。名前の由来は、フランス語で「芸術」を意味する「 Art(アール)」から。
 フランス貴族風のプリキュア。コスチュームは「ハピネスチャージプリキュア」チームとほぼ同じデザインだが、スカート部分にはフリルがあり、頭部にはピンクの羽根飾りをつけている。芸術の国フランスらしく、ラブプリブレスから召喚した巨大な絵筆を武器にして戦う。シンボルカラーはピンク。
 必殺技は、絵筆から虹色の絵の具を放出し、敵を塗りつぶして浄化する「パッソーアルカンシェル」。
 第8話『友情の危機!!ミスフォーチュンの不吉な予言!!』(2014年3月23日放送)で初登場した。
 単独で活動していながらも、「メルシィプリキュア」というチーム名を名乗っていることから、もともと2人以上いるチームだったが、他のメンバーがキュアハニーのように他のエリアのプリキュアチームの応援に出張しているか、あるいはプリキュアハンター・ファントムに封印されてしまい、キュアアールだけが残ったとも推測されるが、本編ではいっさい言及されていない。
 ただし、第28話『ハワイ上陸!アロ~ハプリキュア登場!』(2014年8月17日放送)では、キュアアールが幻影帝国の怪物「サイアーク」を相手に苦戦してキュアハニーの救援を受けており、その際に「私ひとりの力じゃ……」とも発言しているため、キュアアールがもともと単独で満足に活動しているようには見受けられない描写もある。第46話で復活して以降は、他の海外プリキュアチームと同様に大幅にパワーアップしている。


○キュアナイル …… 声優不明
 エジプトの首都カイロを拠点にしてサハラ砂漠全域を守っているプリキュアで、単独で活動している。ライトブルーの長髪と瞳が特徴。
 コスチュームはベリーダンサーを彷彿とさせるアラブ風で、頭部にはサークレットとベールを飾っている。スカートではなく、ズボンのような衣裳を着る史上初のプリキュア。ちなみに、セパレート式のコスチュームのプリキュアとしては『スイートプリキュア♪』のキュアメロディ以来である。
 必殺技は、ラブプリブレスから高圧の水流を発射する「ナイルストリーム」だが、プリキュアハンター・ファントムを倒すことはできなかった。
 第13話『強敵登場!キュアフォーチュン VS プリキュアハンター!』(2014年4月27日放送)で初登場し、プリキュアハンター・ファントムに敗北して鏡に封印されるが、第43話にてクイーンミラージュの浄化により解放され復活した。


○キュアコンチネンタル …… 声優不明
 イギリスの首都ロンドンのプリキュアで、単独で活動している。薄い金色の長髪で、瞳はブルー。「イギリス最強のプリキュア」とされている。
 頭部にブルーのリボンをつけており(変身前はピンク)、ブルーとホワイトを基調とした、『不思議の国のアリス』を模したようなエプロンドレス風のコスチュームを着ている。イヤリングはキノコを模している。頭のリボンは、変身前はピンクだが、変身後はブルーである。
 プリキュア名の由来は、イギリスの伝統的な朝食形式である「コンチネンタル・ブレックファースト」から。本名は本編中で言及されなかった。
 第14話『ヒーロー登場!あいつはいかしたすごいやつ!!』(2014年5月4日放送)で初登場し、プリキュアハンター・ファントムに敗北して鏡に封印されるが、第43話にてクイーンミラージュの浄化により解放され復活した。


○キュアカチューシャ …… 声優なし
 ロシアの首都モスクワのプリキュアで、単独で活動している。大人びた雰囲気の少女。オレンジの髪を後ろで束ねており、瞳はパープル。白いリボンで髪を束ねている。
 プリキュア名の由来は、ロシアで一般的な女性名「エカチェリーナ」の愛称である「カチューシャ」からきていると推測され、このことから、キュアカチューシャの本名が「エカチェリーナ」である可能性もあるが、本名は本編中で言及されなかった。ちなみに、ヘアバンドの種類として「カチューシャ」が用いられるのは日本固有の用法であり、キュアカチューシャもカチューシャはつけていない。
 第14話『ヒーロー登場!あいつはいかしたすごいやつ!!』(2014年5月4日放送)で初登場し、プリキュアハンター・ファントムに敗北して鏡に封印されるが、第43話にてクイーンミラージュの浄化により解放され復活した。
 コスチュームは、「ハピネスチャージプリキュア」チームと似たデザインのものにライトブルーのミニスカートとリボンタイだったが、第48話『憎しみをこえて!誕生!フォーエバーラブリー!』(2015年1月18日放送)では、その上にファーのショールつきの長袖を着用していた。


○キュアサザンクロス …… 声優なし
 オーストラリア南東部の主要都市シドニーのプリキュアで、単独で活動している。凛とした印象の大柄な体格の少女。大きくはねたレッドの髪のショートカットが特徴で、瞳はライトブルー。頭部にレッドのハートのついた羽根飾りをつけている。
 プリキュア名の由来は、オーストラリアの国旗にも描かれている「南十字星(southern cross)」からきている。本名は本編中で言及されなかった。
 第14話『ヒーロー登場!あいつはいかしたすごいやつ!!』(2014年5月4日放送)で初登場し、プリキュアハンター・ファントムに敗北して鏡に封印されるが、第43話にてクイーンミラージュの浄化により解放され復活した。
 コスチュームは、「ハピネスチャージプリキュア」チームに似たデザインに、レッドのミニスカートとリボンタイだったが、第48話以降はハイネックのインナーと肩まで伸びる朱色の大きな襟がついた。


○キュアパンタローニ、キュアゴーンナ …… どちらも声優なし
 イタリアの首都ローマのプリキュアたちで、双子の姉妹。2人1組で活動しているが、チーム名は本編中で言及されなかった。両者とも瞳はオレンジ。
 キュアパンタローニは、髪はサイドテールを左に流したブラウンであり、薄いパープルの髪留めをつけている。コスチュームのミニスカートの色はイエロー。第48話以降は薄いイエローのマントを着ている。
 キュアゴーンナは、髪はサイドテールを右に流したブラウンであり、薄いイエローの髪留めをつけている。コスチュームのミニスカートの色はグレー。第48話以降は薄いパープルのマントを着ている。
 プリキュア名の由来は、イタリア語で「ズボン」を表す「 pantaloni 」と、スカートを表す「 gonna 」からきている。ちなみに、両者を合わせれば「 gonna a pantaloni 」で、キュロットスカートを意味する。2人とも、本名は本編中で言及されなかった。
 第14話『ヒーロー登場!あいつはいかしたすごいやつ!!』(2014年5月4日放送)で初登場し、プリキュアハンター・ファントムに敗北して鏡に封印されるが、第43話にてクイーンミラージュの浄化により解放され復活した。


○第14話に登場したプリキュアチーム …… すべて声優なし
 それぞれグリーン、パープル、ピンクの髪をした3人組のチーム。
 世界のどこかにある古城のような場所でプリキュアハンター・ファントムと戦闘していたが、全員が敗北し、鏡に封印されている。
 その後、シリーズ終盤の最終決戦で明確に復活した姿が描写されることはなかった。


○マタドールプリキュア …… 声優不明
 スペインの首都マドリードで活躍するプリキュアチーム。「ハピネスチャージプリキュア」チームのパートナー妖精リボンいわく、「かなりの実力者」。
 本編に登場しているメンバーは1名のみで、レッドの髪とオレンジの瞳が特徴の少女(プリキュア名も本名も不明)。頭部には赤いバラを飾り(初登場時のみ白いバラ)、闘牛士のような肩当てのついた白い長袖シャツと濃紺のベスト、パープルのスカーフとスカートを身につけている。また、ムレータ(闘牛士が用いる赤い布)を持っている。
 第16話『私はマスコミよ!!プリキュアの秘密全部見せます!!』(2014年5月18日放送)で初登場し、プリキュアハンター・ファントムに敗北して鏡に封印されるが、第43話『ぶつけあう想い!ラブリーとミラージュ!』(2014年12月7日放送)にて、クイーンミラージュの浄化によって解放され復活した。


○第16話に登場した赤髪のプリキュア …… 声優なし
 ワンダフルネットプリキュアの映るカットと並列で、日本のニュース番組の「プリキュアウィークリー」コーナーの VTRに映っていた。ワンダフルネットチームの一員である可能性もあるが、夕刻か朝焼けの時間帯に戦闘していると見られるワンダフルネットチームとは明らかに背景の違う夜間に戦闘している。将棋の「王将」の駒のような胴体を持つサイアークと戦闘していたことから、日本を拠点に活動している、「ハピネスチャージプリキュア」チームとは別働のプリキュアであることも考えられるが、具体的な言及はされていない。プリキュア名も本名も不明。
※一般的な通称はないが、我が『長岡京エイリアン』では、将棋の町である山形県天童市にちなんで、彼女を「キュア天童」と呼称したい。
 3名のチョイアークに組み伏せられているカットのみの登場のため、コスチュームはレッドのフリルのついたホワイトのロンググローブと肩当てしか確認できない。ヘアスタイルは長い前髪を左に流しているショートカットのようで、一見するとキュアブラックに似ているが、前髪で左目が完全に隠れており、もみあげ部分がカールしている。瞳はオレンジ。
 ちなみに、「ハピネスチャージプリキュア」チームは「プリキュアウィークリー」内で「ぴかりが丘のプリキュア」と紹介されているため、日本国内や東京都内にも他のプリキュアチームがいることが示唆されている。
 その後、シリーズ終盤の最終決戦で明確に復活した姿が描写されることはなかった。


○第20話と第48話に登場した、うすい金髪ツインテールのプリキュア …… 声優不明
 「希望の戦士」とされている。正面にハートをあしらった、ライトグリーンとホワイトを基調としたコスチュームを着用している。
 第20話『悲しい過去!!キュアフォーチュンの涙』(2014年6月15日放送)で初登場し、プリキュアハンター・ファントムに敗北して鏡に封印される。
 映画『プリキュアオールスターズ NewStage』シリーズに登場した、うすい金髪ツインテールのプリキュア・キュアエコーによく似ているため、通称「にせエコー」とも呼ばれる。本拠地や所属チーム、プリキュア名や本名も本編中でいっさい言及されなかった。
 第48話では、他の海外プリキュアたちとともに赤いサイアークと戦闘している。
 キュアエコーとの違いは、リボンの髪留めがエコーはハート形だったのに対して、こちらは球形になっており、また、キュアエコーが星とハートの形をしたイヤリングをしているのに対し、こちらはリボンの髪留めと同じ球形のイヤリングをしていること。
 担当声優は公表されていないが、第20・48話に共通して出演している声優の誰かが兼任している可能性が高い。


○アロ~ハプリキュア
 アメリカ合衆国ハワイ州で活躍する、双子の姉妹によるプリキュアチーム。チームでの決めゼリフは、「南国に輝くふたつの光、アロ~ハプリキュア!」。
 第28話『ハワイ上陸!アロ~ハプリキュア登場!』(2014年8月17日放送)で初登場した。
 幻影帝国の大幹部マダムモメールに連敗しており、そのことが原因でケンカをしていたが、大森ゆうこ(キュアハニー)のおかげで和解し、「ハピネスチャージプリキュア」チームとともに総勢6名で幻影帝国と戦って勝利し、ハワイの平和を取り戻した。
 変身にはオハナ、オリナともに「プリチェンミラー」を使用している。必殺技は、2人で手を合わせて巨大な四つ葉のクローバー型の円盤を生み出し、フリスビーのように投げつけて敵の動きを封じ、そこに浄化の光線を放射する「プリキュア・ハワイアンリノアフア」。
 第46話でキュアテンダーとともに再登場し、「ハピネスチャージプリキュア」チームを援護。第47~最終話では、キュアテンダーやキュアミラージュとともに東京のぴかりが丘の防衛を担当した。

キュアサンセット / オハナ …… 吉田 仁美(30歳)
 オリナの双子の姉。色黒の肌をしており、長い黒髪とレッドの瞳が特徴。普段は半袖の Tシャツと短パンを着ている。気が強く、後先を考えず行動する性格。
 妹のオリナを「いつもウジウジ考えて、足を引っ張る」と酷評しているが、自分を支えてくれる存在とは認識している。ハワイを元に戻すことを目指している。
 プリキュアに変身するとオレンジのロングヘアに変わり、長い巻きスカートとヒールを履く。肩部分は露出している。頭に大きな花の髪飾りをつけている。
 変身後の決めゼリフは、「紅い夕日は明日への誓い、キュアサンセット!」。

キュアウェーブ / オリナ …… 仲谷 明香(23歳)
 オハナの双子の妹。色黒の肌をしており、短い黒髪とブルーの瞳が特徴。普段は長いスカートを履いている。気が弱く、よく考えてから実行する性格。
 姉のオハナを「いつも考えなしに動くし、ワガママで単純」と反発しているが、本心では強く慕っている。「キラキラ輝く、やさしいハワイの海に戻したい」という志をもっている。
 プリキュアに変身すると、2つのシニョン(おだんご)に結ったライトブルーの髪に変化し、短いスカートとヒールを履く。肩部分は露出している。
 変身後の決めゼリフは、「寄せては返す悠久の調べ、キュアウェーブ!」。


○第46話に登場した銀髪のプリキュア …… 声優なし
 第46話『愛と憎しみのバトル!誠司 VS プリキュア!』(2014年12月28日放送)で初登場し、復活した海外プリキュアたちの集合カットで、画面の向かって右端にいたプリキュア。通称「キュア右端」。
 エメラルドグリーンを基調とした、肩出しスーツとロンググローブ、フレアのロングスカートのコスチュームを着用している。肩出しのコスチュームのプリキュアとしては、『 Yes!プリキュア5』期のキュアミントとキュアアクア、アロ~ハプリキュアの2名に次ぐ史上5人目であり、次作『 Go!プリンセスプリキュア』のキュアトゥインクルに先駆けての登場だった。
 第46話で明確に描写された他の海外プリキュアは、以前の放送で登場済みだったのに対して、このプリキュアだけは初登場だった。本拠地や所属チーム、プリキュア名や本名も本編中でいっさい言及されていない。
 具体的に登場したのは第46話のみだったが、第22話『新たな変身!?フォーチュンの大いなる願い!』(2014年6月29日放送)で、プリキュアハンター・ファントムの「プリキュア墓場」に封印されていたプリキュアたちの1人として、彼女も画面に映っていた可能性が高い。


○キュアシェリー …… 深川 芹亜(19歳)
 第49話(最終回)に登場。オレンジの髪をツインテールにした少女で、瞳はライトグリーン。
 コスチュームは「ハピネスチャージプリキュア」チームと似たデザインで、イエローのミニスカートとオレンジのリボンタイになっている。全体的な配色は、シリーズ第10作『ドキドキ!プリキュア』に登場したキュアロゼッタに共通するものがある。
 スペイン産の強化ワインに「シェリー酒(Sherry)」があり、その他に人名としてもシェリー(Shelly、Shelley、Cherie)は世界的に使用されるが、プリキュア名の由来は不明である。
 所属チームや本拠地は不明だが、他の海外プリキュアたちとともに「赤いサイアーク」と戦闘していた。
 具体的に活躍したのは最終回のみだったが、第22話『新たな変身!?フォーチュンの大いなる願い!』(2014年6月29日放送)で、プリキュアハンター・ファントムの「プリキュア墓場」に封印されていたプリキュアたちの1人として、キュアシェリーも画面に映っていた可能性が高い。


※その他にも、第22話と第43話で、プリキュア墓場に封印されていたり、そこから解放されたプリキュアたちのシーンにおいて、数名のプリキュア(コスチュームなし)の姿が確認できるが、封印前や復活後の活躍が具体的に描写されていないため、詳細はいっさい不明である。
 また、第46話で集結した海外プリキュアたちの中で、明確に画面に映ったのは最前列のみであり、その後ろにもシルエットのみで複数の海外プリキュアの存在が確認できる。


《「キュア右端」ときたもんだ。途中です》
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ごった煮! 裏プリキュアオールスターズ!!  《2014年、タブー突破3連発》

2015年03月10日 22時49分28秒 | アニメらへん
●○キュアミラージュ / クイーンミラージュ(シリーズで初めて登場した、元プリキュアの悪の大幹部)…… 國府田 マリ子(44歳)
シリーズ第11作『ハピネスチャージプリキュア!』(2014年2月~15年1月放送)より

 クイーンミラージュの本来の姿であり、約300年前(18世紀初頭、江戸時代中期)に「ぴかり神社」(現在の東京都練馬区ぴかりが丘にある)の巫女をしていた少女。ブラックの髪をしている。当時はホワイトを基調とした巫女の装束を着ていた。現代ではピンクのワンピースにパープルのレギンスを着用している。温厚でやさしい性格である。
 キュアミラージュとして活動し、ブルーとともに巨大な闇と闘い、必殺技「シャイニングメイクドレッサー」で闇を封印していた。元々はブルーと恋人同士であり、ブルーに一途な恋心をよせていたが、誤解が生じたために失恋し、そのために深く悲しんだ結果、邪神レッドに洗脳されて「クイーンミラージュ」へと変貌してしまった。
 丸みを帯びたピンクのポニーテールにホワイトのリボンを結び、ピンクのダイヤの形をしたイヤリングをつけている。コスチュームはノースリーブで、ホワイトのロンググローブにホワイトと赤紅色のスカートを着用し、ホワイトのロングブーツを履いている。腰の後ろにつけたリボンは薄ピンク色で、飛行する際は細長い4枚の羽根になる。
 第30話におけるブルーの回想シーンで、初めてプリキュアとしての姿が登場した。

 世界征服を企む謎の国家「幻影帝国」を支配する女王。 頬には涙の形をした模様がある。一人称は「わたし」。
 薄い色の金髪で、頭部にブラックのリボンをつけ、背中に羽のようなものを生やし、ロングブーツを履いている。また、三日月をモチーフにしたような装飾とパープルの宝珠が施された王笏を携帯している。
 かつてブルースカイ王国だった地域を本拠地にしており、王宮はかわいらしい装飾物であふれている。また、王宮はプリキュアの力がほとんど発揮できない特殊な空間になっている。
 クイーンミラージュは執務室のソファーで寝そべっており、執事やメイドに自身の世話をさせている。また、執務室には無数の鏡がかけられており、世界中の様々な場所の様子を映しだすことができる。
 自分の望みどおりになる不幸の世界を理想とし、不幸こそが世界の真理と妄信しているため、愛、勇気、優しさ、幸せなどを「幻」と否定している。そのため、自身が幸福になることさえ望んでいない。プリキュアが放つ愛のエナジーを不快に思っており、プリキュアたちを守護する地球の精霊ブルーと、彼に近い距離にあるキュアラブリーには激しい憎悪をみせている。
 帝国の大幹部であるプリキュアハンター・ファントムの独断専行を叱責したり、失敗の続く大幹部のオレスキーたちも更迭しないなど、部下に対してある程度の温情はある。
 不幸が力の源であり、クレーターができるほどの強大な黒いエネルギー弾を放つほか、相手を洗脳して従わせる能力をもつ。ファントムら、自分の配下にある者をパワーアップさせる力も持っている。
 帝国の王女であるため、前線に出ることは長らくなかったが、ミラージュの姿を見ただけでキュアフォーチュンが一歩も動けなくなったり、怒りをにじませただけで執務室が半壊するほどのオーラを放っていた。しかもそのオーラは執務室の鏡を通じて外部にも放出し、ミラージュの幻影と対峙していたプリキュアたちの足元に直径数メートルのクレーターを作り出している。
 幻影帝国の幹部たちと同様に、怪物「サイアーク」を創造する能力を有するが、その規模は桁違いであり、世界各地の都市の上空に巨大な鏡を召喚してそこから強烈な光を照射し、それを浴びた人間を一人残らず鏡に閉じ込められてサイアーク化できる。しかも、それは執務室から一歩も動かずに行える能力である。これによって、パリ、ニューヨーク、ハワイ、東京(ぴかりが丘も含む)など、不幸のエリアと化していなかった世界の主要都市群を一瞬で制圧した。
 しかし、ミラージュは大きな力を発することができる代償として、自身のエネルギーが激しく消耗するという弱点がある。ブルーによれば、「憎しみによって大きな力をもたらせば、自身もその憎しみに呑み込まれてほろんでしまう」ということであるが、実際に、第41話『ミラージュのために!
ファントム最後の戦い!』(2014年11月23日放送)での大侵攻を成功させた後は、その直後に倒れ伏している。
 ブルーを激しく憎んでいるが、当初はブルーを倒すこと自体は避けていた。しかし、第29話『アクシアの真の姿!シャイニングメイクドレッサー!!』(2014年8月24日放送)で黒幕ディープミラー(レッドの仮の姿)の再洗脳をうけたことで、以降はブルーの始末に踏み切る。
 第43話『ぶつけあう想い!ラブリーとミラージュ!』(2014年1月27日放送)で、キュアラブリーと初めての直接対決におよび、「ブルーを愛したゆえに不幸になった」と語り激闘を繰り広げるが、キュアラブリーから「ブルーへの愛は消えていない」という本心を指摘されたことで気持ちが大いに揺らぎ、暴走する。
 最終的には、プリキュアたちの強化合体必殺技「プリキュア・イノセントプリフィケーション」で浄化されて元の巫女の姿に戻り、ブルーからの真の愛の告白を受けて、キュアラブリーに感謝の言葉を述べて改心した。
 クイーンミラージュとしての戦闘形態は、髪型やスカートが鋭角に変化し、背中には黒い4枚の羽根を生やしている。この時、周囲の空間は夕暮れのような赤い世界になり、地表部分はクイーンミラージュが流した涙で湖のようになっている。
 黒い傘を使用したり、黒い船で移動することもある。素早い戦闘能力に特化しており、分身を生み出したり、手から赤い光線を放つこともできる。
 さらにレッドの力によって暴走した際には、髪や衣装はボロボロになり、身体は炎に包まれた状態になる。イノセントフォームのキュアラブリーとも同等以上の戦闘力をもち、ブルースカイ王国をはじめとした全世界を一瞬のうちに燃やすことができる。

 本来の姿に戻ったあとは、パートナー妖精のファンファンとともに、愛乃めぐみたちの住むぴかりが丘に住むようになる。巫女だった時代の本名は不明である。レッドに洗脳された経験から、レッドの気配を感じ取ることができる。
 第48話『憎しみをこえて!誕生!フォーエバーラブリー!』(2015年1月18日放送)では、再びキュアミラージュに変身してキュアテンダーやアロ~ハプリキュアと共にサイアークと戦い、ぴかりが丘の防衛を担当している。また、惑星レッドで邪神レッドと戦っているキュアラブリーに光の粒を送り込み、「フォーエバーラブリー」への変身能力を与えた。
 最終話にて、レッドとブルーに同行するためにファンファンと別れ、地球を去った。
 少なくとも300年以上前から生存している人物であるが、巫女としての力なのかレッドに封印された状態が続いていたためか、300年前から老化はほとんど見られない。


●○氷川 まりあ / キュアテンダー(シリーズで初めて登場した、プリキュアの肉親プリキュア)…… 小林 沙苗(34歳)
シリーズ第11作『ハピネスチャージプリキュア!』(2014年2月~15年1月放送)より

 氷川いおな(キュアフォーチュン)の姉。ブラックのロングヘアが特徴で、薄いパープルの服を着ていることが多い。一人称は「わたし」。
 優しい性格であり、交友関係も広い。自分が決めたことは曲げない意志の強さを持つ。妹のいおなへの愛情は強いが、いおなに対して無理難題をつきつける一面もあり、お茶目な素顔を見せることもある。妹と同様に、祖父を師範とする「氷川流空手道場」で修練を積んだ格闘家でもあり、その腕前はいおなをはるかに凌駕している。いおなからは「お姉ちゃん」と慕われており、「オシャレかつ勤勉家で、友だちも多い」、「ひとりの女性として、すばらしい」と評されている。
 年齢は TVシリーズ本編では語られていないが(妹のいおなは中学2年生)、友人の幸代が本編中で結婚しているため、少なくとも16歳以上であると推定される。また、幸代はすでに社会人らしい容姿をしていたため、20歳前後である可能性もある。
 しかし、幻影帝国に封印されている期間は肉体が歳を取らないため、封印を解かれた後の姿は、プリキュアたちとそれほど歳は離れていない年上の高校生程度にも見える。

 世界征服を企む謎の国家「幻影帝国」の大幹部であるプリキュアハンター・ファントムから「最強のプリキュア」と評されているが、同時にお人好しな一面を「愚か」とも見られている。また、幻影帝国の女王・クイーンミラージュもその実力は認めていた。
 変身した姿は、濃いパープルの長いポニーテールが特徴で、左側にハートの髪飾り、胸にゴールドのリボンタイ、ゴールドの三日月型イヤリングと青紫色のロングフレアスカートにホワイトのロングブーツを履いている。妹のキュアフォーチュンに同じく色はパープルを基調としている。
 髪はキュアフォーチュンよりも若干ウェーブが効いており、大人びた雰囲気がある。
 必殺技は、空と地上に一つずつ大きな五芒星の魔法陣を描いて、両者の間に敵を閉じ込め、巨大なパープルの光波を放出することで浄化する「テンダー・ライジングスターバースト」。
 長らくプリキュアとして幻影帝国と戦っていたが、ファントムとの決戦の際にいおなをかばったことで敗北し、変身を解除されて「プリキュア墓場」に封印される。この後、まりあのプリキュア変身アイテム「プリチェンミラー」は、いおなが譲り受けることとなった。なお、まりあは表向きには「海外留学中に行方不明になった」ということにされており、真実を知るのはごく一部の人物に限られている。
 プリキュアになった時期や、ファントムに封印された時期については TVシリーズ本編では言及されていないが、封印された時期については、上北ふたごによるコミカライズ版において「3年前」と語られている。

 封印された後、まりあはクイーンミラージュに洗脳されて幻影帝国の大幹部になっており、幻影帝国の奥の手としてキュアラブリーたちと対峙することとなる。
 幻影帝国の大幹部となったキュアテンダーは、パープルのロングヘアに赤色の瞳になる。ブラックを基調としたコスチュームを身にまとい、背中にはパープルの蝶のような羽をつけ、頭部にはブラックの髪飾りをつけている。コスチュームのデザインはクイーンミラージュに近いものになっており、胸部のベストは襟と腰周り部分の丈が伸び、大きかったフレアスカートはミニスカートに短くなっている。赤い瞳の色は、幻影帝国の黒幕である邪神レッドの洗脳状態を表しているようで、正気に戻りかけた瞬間に瞳が一瞬青くなるという演出が多用されていた。キュアテンダーに洗脳を施したクイーンミラージュ自身も、ブルーの説得を受けて一瞬だけ瞳が青くなったことがあるため、ミラージュがテンダーに施した洗脳を、ミラージュ自身もレッドから受けていたことが示唆された。
 クイーンミラージュの洗脳によって過去の記憶が改ざん・抹消されており、いおなのことを妹だとは認識していない。 しかし、まりあとしての人格は少なからず残っており、同じプリキュアの呼びかけで記憶を思い出すこともある。冷徹かつ好戦的な性格であり、妹であっても容赦なく攻撃してくる。また、「幸せは一瞬、愛は幻」という思想に取りつかれている。クイーンミラージュの命令に忠実に従うが、同僚のオレスキーを邪魔者扱いするなど、協調性はない。
 戦闘能力はかなり高く、プリキュアたちを苦戦させるだけでなく、プリキュア4名の合体必殺技「プリキュア・ハピネスビッグバーン」さえも消滅させることもできる。その他にも、手から暗黒の光線を放ち、蝶形の強力な破壊光線も出せる。また、剣で攻撃することもあり、空を暗雲で覆う能力をもつ。必殺技に相当するものとして、手を天に掲げて三日月状のワームホールを作り出し、そこから暗黒の蝶を召喚してプリキュアたちに突撃させるというものがある(技の名前は不明)。
 第37話『やぶられたビッグバーン!まさかの強敵登場!』(2014年10月19日放送)から登場し、一向にプリキュアたちに勝利できない三幹部にしびれを切らしたクイーンミラージュからの要請で現れ、妹のいおなとは敵として再会することになる。プリキュアたちを圧倒して優位に立つが、いおなたちの説得を受けて記憶がよみがえり、最終的にはプリキュアたちの強化合体必殺技「プリキュア・イノセントプリフィケーション」で浄化されて本来の姿に戻った。
 キュアテンダーに復帰した後の第39話以降は、「自分がいなくても十分」という理由で「ハピネスチャージプリキュア」チームには加わらず、両親のいるアメリカを拠点に世界中のプリキュアを援護する道を選ぶ。
 その後、第46話『愛と憎しみのバトル!誠司 VS プリキュア!』(2014年12月28日放送)で、ダーク誠司との戦いに敗れたプリキュアたちのもとへ駆けつけ、戦意喪失しためぐみたちを叱責して「本当に大切な人を守る」ことの大切さを伝えた。以降は、幻影帝国の黒幕である邪神レッドがいる「惑星レッド」に出撃したプリキュア4名の代わりに、キュアミラージュやアロ~ハプリキュアと共にぴかりが丘の防衛を担当した。


●アンラブリー / プリキュアハンター・ファントム(シリーズで初めて登場した、悪の大幹部によるプリキュアのコピー)…… 中島 愛(24歳 キュアラブリーとの二役)

 プリキュアハンター・ファントム(声・野島裕史)は、幻影帝国の王女・クイーンミラージュの側に仕える最高幹部である。赤色の髪をした青年。一人称は「オレ」。
 ホワイトのコートを着て、腰にカットラス(湾曲刀)を帯剣している。また、左腕には大きなヴァンブレイス(金属製の籠手)を装備している。
 冷静沈着な性格で、クイーンミラージュから降された任務を完璧にこなしている。そのため、同僚の大幹部たちからは嫉妬されている。世界中のプリキュアを狙う狩人であり、プリキュアたちを自身の「エターナルゲージ」という特殊能力で鏡に封印し、異空間「プリキュア墓場」で保管している。
 空手の有段者であるキュアフォーチュンさえも圧倒するほどの高い戦闘能力をもち、武器のカットラスは、キュアラブリーの必殺技「プリキュア・ピンキーラブシュート」と、キュアフォーチュンの必殺技「プリキュア・スターダストシュート」を同時にかき消すほどの攻撃力がある。
 基本的に自身は幻影帝国の怪物「サイアーク」を使役しないが、カットラスから発生させた衝撃波を人々に浴びせることにより、一度に大量のサイアークを生み出すことができる。
 その正体は、かつてキュアミラージュ(クイーンミラージュ)のパートナーだった妖精「ファンファン」であったが、不幸に堕ちたミラージュの笑顔を取り戻したいという願いが暴走してファントムに変貌してしまい、ミラージュのためならば悪行も辞さないようになる。
 そのため、クイーンミラージュには強い忠誠を誓い、彼女からも絶大な信頼を置かれている。また、ミラージュが不幸になった元凶であるとみなすブルーには激しい憎悪を見せている。

 第30話『ファントムの秘策!もう一人のキュアラブリー!』(2014年8月31日放送)にて、クイーンミラ-ジュによって能力を強化された上でブルー討伐を命令され、キュアラブリーの「影」をまとい「アンラブリー」に変身して追いつめるが、プリキュアたちの合体必殺技「プリキュア・ハピネスビッグバーン」を受けて敗北した。アンラブリー時の一人称は「わたし」。
 アンラブリーの外見はキュアラブリーに酷似しているが、ブラック地に赤いラインのコスチュームが特徴で、ノースリーブロングコートの中にミニスカートを身につけ、ロンググローブをつけてロングブーツを履いている。変身時は声もキュアラブリーの声そのものに変わっているが、顔だちはファントムの面影を残している。
 愛乃めぐみ(キュアラブリー)の人格から記憶まで全てをコピーした存在で、めぐみの隠し持つコンプレックスも知り尽くしており、めぐみの過去や想いをあざ笑い、「だれの役にも立てない弱い子」と罵るという精神攻撃を展開する。
 戦闘能力が非常に高く、引き抜いた電柱で相手を殴りつけたり、服を掴んで叩きつけるという荒々しさが特徴で、腹部を殴るなど肉体的にも追いつめる。
 当初はプリキュア4名を軽く圧倒していたが、仲間の助力で立ち直ったキュアラブリーの猛反撃を受けたことで、変身を解除して元のファントムに戻った。



 やっぱり文章が長くなっちゃったんで、続きはまた次回! プリキュア(人数が)大爆発!!
コメント
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