長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

総大将、『少年ジャンプ』にあらわる ~ぬらりひょんサーガ 第17回~

2011年10月31日 14時11分23秒 | ゲゲゲの鬼太郎その愛
《前回までのあらすじ》
 来るべき宿敵・ゲゲゲの鬼太郎との平成初の対決にむけて、着々と武者修行を重ねるぬらりひょん。
 「スーパー戦隊」ものへのゲスト出演に続いて彼がおもむいたのは、あの奇跡の超名作妖怪マンガだった!


 前回にも触れたように、だいたい1993~95年くらいをピークとして盛り上がった「平成妖怪ブーム」。
 これを構成していた「学校の怪談ブーム」と「京極夏彦ブーム」という2つの要素は、のちにそれぞれ「学校の怪談」が映像の世界での「Jホラーブーム」に、京極夏彦が活力をあたえた怪奇小説の世界は、『新 耳袋』を代表とする「実録怪談ブーム」や「都市伝説ブーム」への広がりを見せていくこととなりました。そして、怖い話を創り上げる重要な要素となる「恐怖描写」と「ストーリーテリング」各自に脚光があたった絶好のタイミングで、待望のアニメ第4期『ゲゲゲの鬼太郎』(1996~98年)はスタートした、というわけ。うまくできてんなぁ~!


 さて、そういった流れの中での1993年、秋。

 日本全国、いや、今や世界中にその名を轟かす人気を誇る天下のマンガ雑誌『週刊少年ジャンプ』(集英社)で、「学校の怪談ブーム」に想をえた新連載が開始されることとなりました。

『地獄先生ぬ~べ~』(1993年10月~99年6月 全276話)

 いや~。大好きだったなぁ、わたし。語りのうまさ、怪奇な事件、展開のバランス、テーマ性、エロ、いろんな方面でたいっへん! 勉強になりました。

 この『地獄先生ぬ~べ~』は、簡単に説明すればジャンルは「妖怪ホラーアクションエロギャグマンガ」ということになるかと。なんと欲張りな。
 作者は、原作・真倉翔(連載当初29歳)と作画・岡野剛(たけし 同・26歳)のコンビ。

 お話の筋は基本的に一話完結の形式となっているのですが、関東地方のどこかにあると設定されている架空の町「童守町(どうもりちょう)」に巻き起こる、現代科学では解明できない謎に満ちた数々の事件を、「童守小学校」5年3組の担任教師をつとめる鵺野鳴介(ぬえの めいすけ 通称ぬ~べ~)先生が解決していくというもの。
 たいていの事件の犯人は「霊」や「妖怪」といった科学の通用しない存在なのですが、なんでまた小学校の先生であるぬ~べ~がそんな方面に立ち向かっていけるのかといいますと、なんとぬ~べ~は強力な除霊能力を持った「鬼の手」を自身の左手に封印しており、その上「白衣観音経(びゃくえかんのんきょう)」を駆使することもできる霊能力教師だったのです! さすがは『ジャンプ』の主人公~。

 こういった流れなのでストーリーの本筋は「ホラーアクション」となるわけなのですが、毎週毎週ゲストが変わる一話完結ものをおよそ6年も続けることができたのは驚異的なことでした。これはつまり、ゲスト妖怪の出現した理由やその退治法を毎回ひねり出していたってことなんですからねぇ。これはまさに原作と作画との分業スタイルの利点が活きた、特に原作者である真倉先生の功績によるところが大きいでしょう。
 ちなみに、真倉先生はのちにアニメ第5期『ゲゲゲの鬼太郎』(2007~09年)でも2話分の脚本を手がけており、変わらず絶妙なストーリーテリングを披露されています。

 ただし、リアルタイムで『地獄先生ぬ~べ~』を愛読していた私としましては、当時夢中になっていたこの作品の魅力は、むしろその本筋に「かたち」を与える作画の部分にありました。

 まぁ~岡野先生の絵がいいんだなぁ。
 今になって、文庫化して再発売された『地獄先生ぬ~べ~』を読みなおしてみると、「絵がうまい」というよりもむしろ、「絵がわかりやすい」んですね。すっごく少年マンガらしいんです。
 21世紀に入ってひさしい現在、30すぎのオッサンになってしまった私の目から見てみますと、『ジャンプ』をはじめ、数多くの少年マンガ雑誌で連載されている諸作の中には、「絵はうまいんだろうけど、独自の世界ができあがりすぎていてとっつきにくい。」とか、極端な話、「絵のうまさが鼻について読む気がわかない!」と感じるものもあるんですね。確実に年々レベルが上がってきていることはわかるのですが、「一見さんお断り」っぽい個室営業が増えている気がするのね、同じ1冊の雑誌の中ででも。

 でもねぇ、『地獄先生ぬ~べ~』の岡野先生の絵はいいんですよ。お店にたとえると間口が広い広い! 男子でも女子でも、ホラー好きでもバトル好きでもギャグ好きでもエロ好きでも気軽に読めるのよね。
 しみじみ、こういうのが「少年マンガ」なんだなぁ~、と感心しちゃうんですよねぇ。まさしく、クラスの生徒、ひいては童守町の住民全員を愛するぬ~べ~のキャラクターと岡野先生の来る者をこばまない筆は一心同体となっているんだなぁ。悪人は容赦なく殺されちゃうけど。

 また、絵の明快さに輪をかけてフットワークが軽いのがギャグ&エロ方面で、小学生にバッチリ照準をあてたくだらないギャグと中高生のハートをズドンと撃ち抜く直球エロカットは数多くの若者たちに甚大な心的後遺症をのこすこととなりました。
 ギャグに関しては、15年も前のTVCM ネタや時事ネタ、同じ時期に『ジャンプ』で連載されていた他のマンガのパロディなどもあるため風化している部分も少なくないのですが、エロはまぁ~すごいですね。
 美少女小学生、巨乳小学生、雪女、いたこギャル、美少女人魚、魔女先生、ナイスバディ河童、取り憑いた男に逆におむつプレイを強要される美女妖怪……もうムチャクチャです。
 今はこのくらいのエロ描写も許されない出版事情になっているかもしれませんが、こういうアブないマンガもあってこその少年誌だと思うしなぁ。ともあれ、今現在もちゃ~んと単行本の形で『地獄先生ぬ~べ~』全作品を楽しむことができるのは素晴らしいことですよ。

 最初にのべたように、折からの「学校の怪談ブーム」の乗った形で始まった『地獄先生ぬ~べ~』は、比較的まじめでショッキングな残酷描写も多かった初期こそ人気低迷にあえいでいたものの、むしろブームの定型からはずれた作品そのもののストーリーのおもしろさやキャラクターの魅力が発揮された頃から徐々に支持されていくようになり、最終的には同時期に連載されていた『るろうに剣心』(作・和月伸宏 1994~99年連載)などとともに、『ONE PIECE』にいたるまでの『ジャンプ』人気をささえた長寿タイトルとなりました。現在はコミックス版の他に文庫版やコンビニコミックの形でも手軽に読むことができ、連載終了からずいぶんと時のたった今もなお累計2000万部を超える現役の人気作となっていることは言うまでもありません。
 こちらも長期連載となっているのですが、『地獄先生ぬ~べ~』の人気キャラクターだった「いたこギャルいずな」が主人公となったスピンオフ作品『現代都市妖鬼考 霊媒師いずな』も、同じ真倉・岡野コンビによって2007年8月から連載中なのはもうおなじみですよね(『隔週刊スーパージャンプ』で連載されていたが、掲載誌の休刊により2011年12月から創刊される『隔週刊グランドジャンプ』に移籍予定)。


 さぁさぁ、やっと本題。そんな大ヒット妖怪マンガ『地獄先生ぬ~べ~』に我らがぬらりひょん先生が登場したのは、連載開始から1年以上たってバラエティあふれる内容もノリにノッてきた1995年2月掲載の第69話!

『ペテン師妖怪!?ぬらりひょん』の巻

 だったのですがぁ~。

 あら、字数かさんできちゃった!? じゃあ、続きは次回ということで。
 『地獄先生ぬ~べ~』で月またいじゃった! 「ぬらりひょんサーガ」興奮の平成飛翔編は、まった来月~。
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こんなところに総大将 ~ぬらりひょんサーガ 第16回~

2011年10月29日 13時51分31秒 | ゲゲゲの鬼太郎その愛
《前回までのあらすじ》
 やべぇ! 10月終わるわ!!
 やはり、1ヶ月で「ぬらりひょんサーガ」を完結させることはかなわなんだか。
 でも、さすがに来月にはなんとかなるんじゃないかなぁ。
 冬が来るまでにはなんとかしようと、実にぬる~い決意を胸にいだくそうだいであった。いい加減に旋回!! ぶい~ん。


 これまでつづってきたように、日本で昭和時代に巻き起こった「妖怪ブーム」は2度あったわけで、最初は1970年前後、2度目はバブル期の1980年代中盤でした。有名な『ゲゲゲの鬼太郎』のアニメシリーズで、最初のブームに放映されたのが第1・2期、文字通り2度目のブームの動力源となったのが第3期だったということもふれてきましたね。そして、それらのビッグウェーブにノリにノッてみるみるうちにイメージを巨大化させることに成功した妖怪の代表こそが! 他ならぬ我らがぬらりひょん先生だったというワケで。
 「凶悪」「妖怪総大将」「朱の盤が部下」「人類が生まれる前から生きてきた」などなど、あることないことグッチャグチャにとりまぜて現代のぬらりひょんイメージはできあがってきたのです。

 こういった戦後日本、はっきり言っちゃえば「鬼太郎サーガ」発信のイメージと、それとはまったく関係のない「いつの間にか家にいるなんだかよくわからない人畜無害な妖怪」(これも昭和発祥なんですが)というイメージのどちらを優先させてぬらりひょんというキャラクターを描くのか?
 平成以降の作家さんたちは、妖怪ぬらりひょんを登場させるにあたって常に、世間に浸透してしまった分裂症ぎみなイメージたちの取捨選択にせまられることになるのでした。


 ここでちょっとお話は変わりますが、平成に入ってからの「妖怪ブーム」について。

 そんなもの、平成にあったか? と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、私そうだいに言わせていただければ、いよいよ21世紀も間近に迫ってきた平成初期にちゃーんと、昭和から数えれば3度目、いわば「第3次妖怪ブーム」にあたるものは到来していたのでございます。


 「第3次妖怪ブーム」とはすなはち、「学校の怪談」&「京極夏彦」ブーム! いっしょくた!? 乱暴ね~。


 まず「学校の怪談ブーム」のほうを先に説明させていただきますと、その原点となったのは、当時、日本全国の小学生のあいだで口々にささやかれていた「怖いうわさ」「怪談」。今でいえばまさに「都市伝説」にあたるものの数々を、民俗学者・常光徹がまとめるという形で出版された児童書『学校の怪談』シリーズ(講談社 1990年から2011年現在まで20巻が刊行)だとされています。
 トイレの花子さん(伝承は1950年代からあったらしい)、上半身だけの幽霊テケテケ、ムラサキババア、音楽室のひとりでに鳴るピアノ……いろいろ流行りましたよねぇ!

 それまで、もうほとんど語り手がいなくなったと思われていた、伝承や説話の世界で使われていた怖い要素や語りパターンが、現代日本の学校という場所で生き生きと延命しているという事実は、マジビビリしている子ども以外の大人たちにも強烈なノスタルジーを喚起させることとなり、本来、子供向けの読み物だったはずのこのシリーズは、大人向けの怪談本、研究書、マンガ、アニメ、ドラマ、映画など、さまざまなジャンルに影響をあたえていくこととなりました。

 特に、「学校の怪談を映像で再現する」といったこころみは数多くの映像作家のクリエイター魂に火をつけていくこととなり、後世にその名を残すさまざまな映像作品が生まれることとなりました。「ヒュ~、ドロドロ」で足のない幽霊が出てくる怪談映画の世界はとっくの昔に消え去っていたわけなのですが、じゃあかわりに何が出て来るんだ? という需要にやっと本格的な回答がなされるようになったのは、まさにこの頃だったのではないでしょうか。


 ここで、だいたい代表的な当時の「学校の怪談」ものの映像作品を挙げてみましょう。


オリジナルビデオシリーズ『ほんとにあった怖い話』(1991年7月~92年7月 全3作)
 脚本・小中千昭、監督・鶴田法男によるオムニバスドラマ
 「ハイ!吾郎さん。」の『ほんとにあった怖い話』シリーズ(フジテレビ)とは関係がない

TVドラマシリーズ『学校の怪談』(1994年1~3月 関西テレビ)
 1話完結ものの30分番組
 2001年までにオムニバス形式のスペシャルドラマも制作されていた
 『スウィングガールズ』(2004年)の矢口史靖や「血を吸う」シリーズの山本迪夫、のちの「Jホラーブーム」をになう清水崇、鶴田法男らが演出を担当していた

ホラー映画『学校の怪談』(1995年7月 東宝)
 『愛を乞うひと』(1998年)の平山秀幸が監督
 『学校の怪談』シリーズは1999年まで4作が製作されているが、『1』『2』『4』を平山監督が担当している(『3』のみ「平成ガメラシリーズ」の金子修介監督)
 過去に有名になった人面犬(1989~90年に大流行)や口裂け女(1979年に大流行)、古典的な妖怪であるろくろ首やのっぺらぼうなども現代のお化けたちとともに登場している

サスペンス映画『トイレの花子さん』(1995年7月 松竹)
 『東京タワー』(2008年)の松岡錠司が監督
 トイレの花子さんがほっとんど登場しない異色作


 まぁこんな感じなわけですよ。
 そして、このあたりで「恐怖を映像で表現する技術」を身につけた作家のみなさんが、「学校の怪談」というくくりにとらわれないホラー映画作品の製作に取りかかっていき、一番乗りとしては『女優霊』(1996年)の脚本・高橋洋、監督・中田秀夫コンビによるホラー映画『リング』(1998年1月)が大ヒットして、いわゆる「Jホラーブーム」が始まることとなるんですな。「Jホラー」というブーム名で、主義も撮影法もまったく違うみなさんを同じ集団のように扱うことに異議をとなえる方も多いのですが、とにかく、当時は日本でしか観られなかったような恐怖表現の手法がこの時期に数多く成立したことは確かでした。もちろん、それの元ネタとなるものは過去の世界の映画界に点在していたのだとしても、それを眼の肥えた現代のお客が恐れおののくレベルに昇華させた熱意と技術は素晴らしかったと思います。おみごと!


 いっぽう、「学校の怪談ブーム」とほぼ時を同じくして巻き起こったのが、小説の分野での「京極夏彦ブーム」。

 正体不明(当時)の新人作家・京極夏彦が1994年9月に講談社ノベルスから発表したデビュー作『姑獲鳥(うぶめ)の夏』は、戦後1950年代の東京をおもな舞台に「どことなく妖怪の気配を感じさせる異常な犯罪」が起こり、それを古書店『京極堂』店主兼神主兼陰陽師の男・中禅寺秋彦がべしゃりだけで解決するという長編ミステリー小説だったのですが、その独特の雰囲気をただよわせた文章と豊富すぎる知識の洪水、それらに押されて読者も思わず「あ、あぁ~、ハイ……」と納得せざるをえなくなってしまう前代未聞の驚愕トリックが話題となりました。
 その後、ズビズバと妖怪にこだわりまくった続編がリリースされ、そのたんびに本がレンガのように巨大化していくというあたり、なおかつ作者自身があやしい&こっちも出す本同様にどんどん巨大化していくというあたりも世間の耳目を集めることとなり、未曽有の「妖怪小説ブーム」が発生することとなったのです。つってもまぁ、類似商品はほぼないんですけど。

 『嗤う伊右衛門』(1997年)や『塗り仏の宴』2部作(1998年)なども話題となりましたが、熱のあるブームとして京極さんの諸作がもてはやされたのは、デビューの1994年からだいたい1999年の『巷説百物語』くらいまでだったでしょうか?
 その後もコンスタントにあやしい作品を発表し続けて現在にいたるのですが、すでに一時の流行をこえて定評ある実力派の風格をおびておられますね。

 次の「京極堂シリーズ」最新作は『ヌエのいしぶみ』でしたっけ?
 「ヌエ」はねぇ……私そうだいも大変にお世話になった妖怪様なんですよ。京極先生、つまんない作品にしたら承知しませんよ。夜な夜なご自宅の屋根に陣取って頭痛のタネになってやる!


 こんなわけで、お互いの因果関係はいざ知らず、1994~95年に時をほぼ同じくして巻き起こった2つのブーム。
 現代の日本で現役ルーキーとして活躍する妖怪たちを描いた「学校の怪談ブーム」も、過去の昭和時代に忘れられかけた伝承世界の妖怪たちが跳梁跋扈する「京極夏彦ブーム」も、映像と小説という大きな違いはあったものの、まぁ大雑把にくくれば「妖怪」を平成の世にクローズアップするといった点で同様の効果を世間にもたらすこととなったのであります。これらの動きのひとつの成果となったのが、1996年1月~98年3月に満を持して放映されたアニメ第4期『ゲゲゲの鬼太郎』(主演・松岡洋子)だったということでして。

 しかし! こういった「平成妖怪ブーム」の中で、我らがぬらりひょん先生はのんべんだらりと鬼太郎の復活を待ちながら休養する、という愚挙にはおよんでいませんでした。わしはそんなに枯れちゃいねぇ!

 実は、ぬらりひょん先生は馴れない2つの新世界に果敢にもチャレンジしておられていたのです。まさしくこれは、来るべき再起に向けての武者修行! かっけぇ~。


 その新世界のうちの1つ目が、なんと実写の「スーパー戦隊シリーズ」というわけ。


『忍者戦隊カクレンジャー』(1994年2月~95年2月 全53話)
・東映伝統の「スーパー戦隊シリーズ」第18作(メイン脚本・杉村升)
・「忍者」をモチーフとした史上初の「和風戦隊」で、敵組織が日本古来の妖怪で構成されている
 ※「敵が妖怪」という設定では『仮面ライダー響鬼(ヒビキ)』(2005~06年)にさきがけている
 ※カクレンジャーメンバーのキャラクター設定は『西遊記』をもとにしている
・戦国時代に「妖怪忍者の頭領ぬらりひょん」ら妖怪軍団を地底界に封印した功績のある精鋭忍者集団「隠流(かくれりゅう)」の子孫5名が、現代にまた復活した妖怪たちを退治するためにスーパー戦隊を結成する物語
・戦隊のリーダーが女性(ニンジャホワイト)という珍しい設定
 ※ニンジャホワイトは忍者隠流の第24代宗家(演・広瀬仁美13歳 現在は女優業を引退)
 ※他のカクレンジャーメンバーは「猿飛佐助」「霧隠才蔵」「三好清海入道」「自来也」の子孫
 ※なんとなく真田家に関連がありそうだが、自来也だけは「江戸時代後期の熊本生まれ新潟育ち」なので無関係……っていうか、戦国時代に自来也はいねぇ!!
・主人公のニンジャレッドを小川輝晃(25歳)、ニンジャブラックをケイン=コスギ(19歳)が演じていた
・敵組織の大幹部「貴公子ジュニア」(大ボス妖怪大魔王の実子)を遠藤憲一(32歳)が怪演していた
・敵の妖怪はミリタリーやカジュアルを導入したスーツ造型にデザインされている(メインデザイン・篠原保)
・戦国時代に活躍していた妖怪忍者の頭領ぬらりひょんは、2000年前に地底界に封印された「妖怪大魔王」(声・柴田秀勝)の復活をもくろんでいた
・ぬらりひょんは第1話『忍者でござる』(1994年2月)にしか登場しておらず、戦国時代の隠流との最終決戦で封印されたのちは再登場していない


 こういったかたちになっとりまして、要するにぬらりひょんは、物語全体の「序章」となる戦国時代のくだりに第1回のゲスト妖怪として登場しているだけだったんです(人間の姿はしていない)。
 ただし、戦国時代限定で言えば日本の妖怪忍者軍団の首領だったということで、からくも「妖怪総大将」の権威を守ることには成功しています。外見はトカゲかワニみたいなレザーな質感のスーツ造型で、「おじいちゃん」の要素のまったくないマッチョな首領になっていたんですけど。
 さすがニンジャということで、この『カクレンジャー』は日本はもとより、海外でも大ウケだったようですね。1回だけの出演だったけど、いいポジションでしたねぇ~ぬらりひょん先生!


 そして、平成ぬらりひょん2番目の武者修行はと言いますと、おもむいた先は天下の『週刊少年ジャンプ』!!

 そうなんです、『マガジン』(講談社)と『サンデー』(小学館)それぞれで連載経験のあった水木しげる先生の「鬼太郎サーガ」も実は『ジャンプ』(集英社)にはとんと縁がなく、当然ながらぬらりひょんも出演はないままだったのですが、平成妖怪ブームのさなかで、『ゲゲゲの鬼太郎』とは関係のないある「妖怪ホラーエロギャグアクションマンガ」に彼がゲスト出演する運びとなったのです。
 『ぬらりひょんの孫』をさかのぼること約10年の昔に、すでにぬらりひょんはソロで『ジャンプ』デビューを果たしていたのだ……

 といった感じで、次回はぬらりひょんの『地獄先生ぬ~べ~』遠征記から。
 祢々子河童は……出てこない!! 残念ながら。
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映画『電人ザボーガー』に奇跡は起きたか

2011年10月28日 14時25分47秒 | 特撮あたり
 モヘヘ~イ。どうもこんにちは、そうだいでございます。
 秋ねぇ。私の町は雲ひとつない快晴ねぇ。けど寒くなった。サンマ食いてぇなぁ!

 もしかしたらこの広い世界に何人かいらっしゃるかも知れない、この『長岡京エイリアン』をチェックなさっている「ぬらりひょんファン」のみなさま、または前回の予告にピクッとこられた「カクレンジャーファン」もしくは「ぬ~べ~ファン」のみなさま、ごめんなすって!! 今日もまた、ぬらりひょん関連とは別の話題になります。次にやるから、待っててちょーだいませ。


 そうだいはちからをためて……いました。

 おととい26日にね、また桜木町に行ってきたんですよ。もうこれは毎月やってますから! それに、秋になってどんどん歩きやすくなってきましたからね~。
 ただ、今回はちょっと変則的な行程になりました。

 まず、出発地点はおなじみあずき色の京浜急行の「鶴見市場駅」(神奈川県横浜市鶴見区市場大和町)。私、京急好きだなぁ~。のんびりしてて。乗ってるおじいさんがすべからくギャンブル好きで、おばあさんがすべからく魚料理がうまいように見える車内の雰囲気も、大好き! 完全なる偏見です。

 ところが、今回は鶴見市場から桜木町には向かわず、いったん国道14号線にのって北上し、およそ12キロ歩いて、以前に出発地点にしたこともある東急東横線の「綱島駅」(横浜市港北区)を目指しました。
 なぜかっつうと、そこにあるお店でお買い物したかったから。買い物はプレゼントですぐにお店から発送してもらったのですが、無事に届いたようで、昨日送り先から返事をいただきました。よろこんでもらえてたら、うーれしーいねぇ~!!
 そんでもって、夕方5時にお店を出たあとは、すぐそばにあった綱島台という小山のような森のような自然公園を散策し、「自然」を前面に押し出した照明設備ゼロの散策コースだったために途中から正真正銘の真っ暗闇になってしまったことには心底ビビりました。日が短くなってますからね~。遠くに残る夕陽の紅をたよりに頂上の高台に向かったんですけど、暗黒の森の先にある空だけがボヤ~っとあかく染まっていたあの情景はちょっとすごい絵だったなぁ。森の中に UFOがとまってんのか!?みたいな。

 といった風景を楽しみまして、ノッてきたわたくしは、そこから東急東横線に乗って「横浜駅」へ向かいました。
 そして、横浜駅からは横浜市営地下鉄ブルーラインに乗って1駅の「高島町駅」へ。そこから1キロ歩いてゴールの桜木町へと。
 ブルーラインには前から1度は乗ってみたかったのでムリヤリ使ってみたのですが……まぁ、また使うことはたぶん、ないんじゃないかなぁ。きれいな地下鉄なんですけど。
 人間ってのは不思議な生き物でして、なれっこになっている「初乗り130円」くらいにはなんの抵抗もないんですけど、料金ボードで「初乗り200円」を読んだ瞬間に、

「え、えぇ~……」

 とテンションが下がってしまうんですねぇ~! 100円もしない違いなのに。そんなケチケチな田舎モンは私だけかしらん?
 まぁとにかく、「ブルーラインに乗ってみたい」というのが最優先だったので乗ったのですが、桜木町駅にそのまま到着するのもシャクだったので、わざわざ高島町駅で降りて歩いて向かったというわけ。

 こんな感じの、やたらに自分の体力と財力を使う経緯をへて宵の口にやってきた桜木町だったのですが、ただそこでゴールというのでもなく、今回はちゃんと目的があったのよ。


 言うまでもない。桜木町の映画館「ブルク13」で上映している話題の映画『電人ザボーガー』(監督・井口 昇)を観る!! これだぁ~。

 いや~、楽しみにしてましたよ。なんか、観た人の評判が尋常じゃなく高いのよねぇ。

 とは言うものの、実はわたくし、特撮ファンの風上にもおけない大馬鹿タリンコでありまして、恥ずかしながら原典のTV特撮番組『電人ザボーガー』(1974年4月~75年6月 全52話)を1話たりとも観たことがないし、井口昇監督の作品もいまだ1本も観たことがなかったのです……
 私はこの『電人ザボーガー』はもちろんのこと、『マグマ大使』や『宇宙猿人ゴリ』といった「ピー・プロダクション」の作品にめっぽう弱くて。自分の不勉強じゃなく境遇のせいに転嫁してしまうのですが、実家の山形でピープロの作品をTVの再放送やビデオレンタルで観る機会はゼロに近かったんですよ! そこらへんで円谷プロの「ウルトラシリーズ」や東映の「仮面ライダーシリーズ」とは、出会いの確率において格段の差があったのです。
 しかも、『電人ザボーガー』が放送された時期は、まさしく『ウルトラマンタロウ』と『仮面ライダーストロンガー』が放映されていた時期とブッかぶり!! これを「前門の狼、後門の虎」と言わずしてなんと言う!?

 あと、井口監督の作品といえば、前作は『富江 アンリミテッド』(主演・仲村みう)ですよ。
 日本屈指のホラーヒロイン「川上富江」の話題であんなに盛り上がったわたくしならば、その最新作を観に行くのがほぼ義務に近かったのに、結局『ブラック・スワン』のほう観ちゃったんだよなぁ!! いまだに大後悔。
 あと、井口監督の「映画以外のお仕事」も、私はちょっと観てないんだよなぁ。私は自分で自分のことを「普通じゃない」と自覚してはいるのですが、井口監督のジャンルをレンタルする気には……なれなかった! 変態失格。

 そんなこんなで、前情報ほぼなしで観てしまった映画版の『電人ザボーガー』だったわけですが。


 いんや~、泣いた泣いた。なんの誇張もなく、声を出さないようにこらえるのが大変だったシーンが2~3ヶ所ありました。

 「愛」……だねぇ。
 極端な言い方をすると、私はモデルになった作品がどんなものかとか、俳優の演技とか、特撮技術のレベルとかはどうであっても良くて、とにかく「作り手の愛」がズビズバほとばしっていれば、それでいいのでございます。
 映画『電人ザボーガー』には、その愛が最初の1カットから最後のエンドロールまで、114分間ギッチギチに詰まっていたと。そう感じられただけで、私はもう充分に幸せでした。

 ざっくり言ってしまいますと、映画『電人ザボーガー』の物語は2部構成となっていまして、第1部は1970年代に放送されたTVシリーズ版の『電人ザボーガー』の、異常に予算のかかった豪華リメイクのような体裁をしているのですが、TV版とはまるで違うオリジナルな結末を迎えて終了。そこから一挙に時間は跳んで25年後。現代日本と思われる世界を舞台に第2部は始まり、くたびれた中年となった主人公・大門豊がふたたび戦場におもむくといった流れでストーリーは怒涛のクライマックスに突入していくこととなります。
 要するに、この映画『電人ザボーガー』は単なるTV版の作り直しではなく、「もしTV版に描かれた物語が、大門豊が中年になるまで続く展開になっていたら?」という、「元ネタ」と「現代日本」の両方をとりこんだ「リメイクでも続編でもない世紀をまたいだハイブリッド」になっているのです。
 このあたりの、昭和の泥臭さと、それが記憶に残りつつもキレイで味気ない現在に生きている男たち(生身の女性はほっとんど登場しない)の、過去を思いっきり引きずり続けている背中の「かっこわるい美しさ」は、ぜひとも作品をご覧になって楽しんでいただきたいと思います。
 昭和の特撮番組への愛。くたびれた市井の男たちへの愛。そして、そんな男たちからの女たちへの愛。呆れながらも菩薩のような心の広さで男たちの乱痴気騒ぎにつきあってくれる女たちの愛。

 あとはねぇ、やっぱり終盤の、東京崩壊を背景にしての中年大門と宿敵組織「Σ(シグマ)団」との最終決戦は、これはどうしてもスクリーンで観なくてはなりません! スピード感にあふれつつもちゃんとバカバカしいバイク戦&空中戦は大画面で観ないと~。

 もうね、とにかく私から申し上げられることは、

「いいから、男は必ず観て!! 女は、バカな男たちが観たかったら観て!」

 これに尽きます。いろんなシーンで、「どんだけ男は女や女体に幻想を持っているんだ?」というロマン全開の光景が展開されるのですが、対象が「女性」でなくとも、「正義」や「悪」や「大人」にさまざまな幻想を投影して作られるのが昭和のほのぼのとした特撮番組だったというわけで、そういう「筋金」の部分で、映画『電人ザボーガー』はまぎれもなく昭和特撮番組を誰よりも正当に受け継いでいる作品なのです。


 こういった感じで、『長岡京エイリアン映画推進事業部』としては「9割ホメ」なんですけれど、ホメてばっかいてもしょうがないので、それゆえに「惜しい!」といったポイントをちょっとだけ。

 問題は、映画『電人ザボーガー』に作品としての「奇跡」は起きたのか? ということ。ストーリー上の奇跡的な展開じゃあありません。それはちゃんと起きてましたけど。
 私の言いたい「奇跡」とは、何百人もの人間が集まってひとつの映画を創るにあたって、監督のセンスや俳優の才能といった一流の素材が足し算になるだけでなく、倍以上のかけ算となる「化学反応」みたいなことです。

 結論としては、私は「足し算」以上のものは生まれなかったような気がするんですね。井口監督の愛と才能がズバ抜けていて、そのうえ日本の特撮技術の粋が集まった『電人ザボーガー』がここまでの傑作となっていることは当然のなりゆきだと感じられるんだなぁ。そこを超えた、この作品だけでしか観られない理屈で説明できないなにかが私は観たかった。

 具体的に言ってしまうと、俳優さんに私は食いたりなさが残ったのよねぇ。
 前半と後半とで「四半世紀」というシャレにならない時間のへだたりがある映画『電人ザボーガー』なのですが、作品は主人公・大門豊のみ、前半を25歳の古原靖久さん、後半を47歳の板尾創路さんが演じるというアクロバットをほどこしてはいるものの、それ以外の面々は演技だけで時の流れをあらわしています。

 まぁ~、ムリよね。紫綬褒章もらった柄本明さんだってムリなんだから。

 しかも、一緒に演技している板尾さんが、演技とはまったく違う次元の「顔に深く刻み込まれた中年のしわ」というリーサルウエポンを持っているため、ならぶ人はもれなく全員、「25年」という歳月の演技にうすっぺらさをただよわせてしまうことになってしまうのです!
 策士、策におぼれる!? 「主人公2人1役作戦」がかえってアダとなってしまったか。

 俳優さんに関してもっと残念だったのは、さまざまな理由で「しゃべった途端に……がっくし。」な方がどのシーンにもかならず誰かいた、ということ。

 たとえば悪の組織「Σ団」の首領・悪ノ宮博士(い~いネーミングセンス!)を演じた泣く子も黙る名優・柄本明さんは、悪の演技にひたりすぎてなに言ってんのかまったく聞き取れないセリフだらけ。悪の女サイボーグ幹部・ミスボーグを演じた山崎真実さんはスタイルもポージングも表情も最高なんだけど、いかんせん声にまだまだ覇気が足りない。ミスボーグはいろんな鬱屈を背負って悪の世界に入ったキャラクターですから。
 Σ団に関しては、他の戦闘員みたいな扱いで出てきた5大幹部も味わいがあって良かったんですけど、こっちはこっちでアツくセリフを叫びすぎててなに言ってんのかわかんない。

 私、しみじみ感じ入りました。特撮に必要なのは、なにはなくとも「カツゼツの良さ」!
 自分の持っている「ルール」をちゃんと人にわかるように説明できる人物でなければ、特撮の世界では「ヒーロー」にも「悪役」にもなれないのです。おのれの身体ではっきりと語れない者は、ギャーと叫んで悪の組織に殺されるか、イーッと叫んでヒーローにぶっとばされるしか道はない。シビアすぎ!

 ただそんな中でも、あんまり役に立たない刑事役を演じた渡辺裕之さんの異常なまでのセリフの棒読みさかげんには感服いたしました。
 これはすごい……棒読みも55歳になるまで続ければこんなに味わい深いものになるのかと。
 渡辺さんの場合は、セリフの意味をしゃべり方で伝えているのは全体の0.5% ほどで、残りの99.5% を「顔」でカバーしている! すっごくいい初老顔!!

 この人だ……この「役に立ちそうにないのになんか信頼できる」感じ。渡辺裕之さんこそ、藤田進や佐分利信、そしてゆくゆくはあの笠智衆老師の衣鉢を継ぐ資格を有している貴重な「なんかいい棒読みDNA」の継承者であらせられるのではないか!?
 その確信が得られただけでも、十二分に映画館に行った収穫はありました。

 なんだかんだ言ったけど、映画『電人ザボーガー』はおすすめよ~!!
 亜紗美さんのむっちりアクション、万歳。
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早いだろ~、秋

2011年10月26日 03時15分58秒 | 日記
緊急搬送のKEIKO、くも膜下出血だったことが判明
 (RBB TODAY 2011年10月25日付け記事より)

 24日、自宅で倒れて緊急搬送された、音楽ユニット globeのボーカル KEIKO(39歳 別表記「K-C-O」)が、くも膜下出血と診断されていたことがわかった。所属事務所がKEIKOのホームページで報告した。

 KEIKOは25日未明に緊急手術を受け、現在は意識もあるという。ホームページには夫である音楽プロデューサー・小室哲哉(52歳)のコメントも掲載されており、
「この度は、ご心配をお掛けいたしまして申し訳ございません。病院関係者の皆様のご尽力のおかげで、手術も無事に成功いたしました。KEIKOも精一杯頑張っておりますので、引き続き見守っていただければと思います」
 とメッセージをおくっている。


 えぇ~……まぁ無事のようだから良かったけど、40手前でくも膜下出血って。
 スターってのは大変なんですねぇ。
 そんなに忙しく働いているわけでもない私にとっても、30代後半なんてそう遠くもない未来だからねぇ。
 気をつけないとなぁ……1人カラオケでキンキン高音で絶叫してんのも自粛するか。

 全然関係ないですけど、globeの曲ってカラオケで唄うの大変ですよね。
 いやいや、キーが高いから大変なんじゃなくて、必ずどこかにマークパンサーのべしゃりがあって、そこで手持ちぶさたになってユラユラ揺れてんのが死ぬほど恥ずかしいからです。

 どんなに名曲でも、間奏が長いのはカラオケではキツイなぁ……くも膜下の話題どっかにいっちゃった!


 早いと言えば、こっちの話題も。


「日本一スカートが短いアイドル」スマイレージの相次ぐメンバー卒業の原因は?
 (楽天 Infoseek WOMAN 10月25日付け記事より)

 AKB48がトップに君臨し、その他のアイドルたちが追走するという構図が出来上がった現在のアイドル界。飛ぶ鳥を落とす勢いのAKB48グループの増殖はとどまるところを知らず、ライバルの乃木坂46、名古屋を中心に活躍するSKE48、博多を活動拠点とするHKT48などに加え、インドネシアや中国、台湾でもグループ結成に動くなど、今や巨大グループに発展した。そんな彼女たちの独擅場となりつつあるアイドル界で、今年その対抗馬となり得るのではないかと期待されたのが、再ブレイクの兆しもチラホラ見え始めたモーニング娘。でありハロプログループであった。その中でも特に期待が高いのが、「日本一スカートが短いアイドル」と呼ばれるスマイレージだ。

 スマイレージは、2009年にモーニング娘。擁するハロー!プロジェクトの研修生であるハロプロエッグから選抜された、和田彩花、前田憂佳、福田花音、小川紗季の4名で結成されたグループ。インディーズで4枚のシングルCDをリリースした後、2010年からメジャーデビュー。1年目からレコード大賞最優秀新人賞を受賞している。今年もすでに2ヶ月に1枚のペースでシングルをリリースし、好調なセールスを記録している。また5月に行われた1周年記念イベントでは、つんく♂プロデューサー(42歳)からメンバーの増員が発表され、8月には中西香菜、小数賀芙由香(こすが ふゆか)、竹内朱莉(あかり)、勝田里奈、田村芽実(めいみ)の5名がサブメンバーとして加入、10月には小数賀を除く4名が正メンバー入りしている。メンバーを増員し、「打倒AKB48」を旗印にアイドル界の頂点を目指す用意は万全かと思いきや、ここにきてグループから卒業者が続出する事態となっている。

 まず、8月に卒業を発表したのはオリジナルメンバーのひとりである小川紗季(14歳)。その翌月9月には、サブメンバーとして加入したばかりの小数賀芙由香(13歳)も重度の貧血により数ヶ月間治療に専念することを発表し脱退。そして今月25日には、前田憂佳(16歳)が大学進学を目指すとし、今年いっぱいでの卒業を発表した。

 この一連の脱退劇をうけ、ネット上では新メンバーと元メンバーの確執もあったのではなどと、まことしやかに囁かれている。オーディションを発表した際に福田花音(16歳)は、「この(オリジナルメンバー)4人がいい。」と涙目で話したとも伝わっている。新メンバー加入に納得できなかったゆえの脱退とも考えられるというわけだ。

 キャッチーな楽曲や、韓流ブームよりも前から美脚を売りにしていたダンス、メディアでの取りあげられ方などを見る限り、AKB48に匹敵するポテンシャルは十二分にあったであろうスマイレージ。スキャンダル回避、メンバー内の確執、本当に学業専念のためなのか……いましばらくは、さまざまなウワサが噴出するだろう。ともあれ、「新生スマイレージ」として一致団結し、若干の閉塞感も漂いはじめたアイドル業界を活性化する存在となることを、ファンは願っているに違いない。


 たぁーいへーんねぇ~!!
 「学業専念」っていうのは、確かにず~っと昔からあるアイドル引退の建て前ですけどねぇ。
 しかし、学業を優先しなければならないほどスマイレージは先行き不透明か!? そこらへんの進学校の優等生よりも、スマイレージのメンバーでいるほうが人生の役に立つ勉強はよっぽどできるんじゃないかと思うんだけどなぁ~、おじさんは。

「スマイレージでそんなに未来に不安を感じてるんだったら、アタシたちはどうすりゃいいのよ!!」

 って叫びたくなるアイドルグループのみなさまもけっこうおられるのではなかろうかと思うのですが。

 でもねぇ、そこは気の持ちよう!
 顔だ歌だなんてどうでもよろしい。ただただ、

「私は日本のアイドルです。きゅるるん!!」

 と絶叫して、秩序も希望もあったもんじゃない現代日本の荒野に立ちつくしてくれるジャンヌダルクのようなお人こそが、ファンの探し求めているほんとうのアイドルなんだと思うんだな。


 続けることこそが、もっとも尊い価値。

 私そうだいは、9年もやっていたことを「やめた」今だからこそ、心の底からこのことを痛感しています。
 やめてはじめて理解してしまった愚かさよ。でも後悔はしていないし、実感として非常にえがたい収穫をいただいたことに感謝しています。

 やめて「おしまい」になる関係なんてひとっつもない! 「やめたあと」という時間に続いていくだけ。
 だったら、いつでもどこでも笑顔で再会できるように生きるまでです。

 アイドルをやめる人も、アイドルだった過去をひた隠しにしていくような「その後」だけは歩んでほしくないなぁと、無責任ながらもそう願ってしまいます。

 ここまで業界が拡大しちゃったからにはさ、これから解散しちゃうグループとか脱退するメンバーも多くなるんだろうなぁ……

 ただね、スマイレージにかぎって言わせていただきますと、やぁっぱ「生脚」はよくねぇんだって!! 若い女性は脚を冷やしちゃいかんって!
 アイドルはもう肉体環境は過酷ですよね。まだ身体もできてないのに打ち身すり傷とか疲労骨折とか。

 もうさぁ、スカートの下にジャージっていう「寒冷地仕様はにわスマイレージ」でいくべきなんじゃない!?

 さみぃ世の中だからこそ、ぬくもっていきまっしょい!!
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真の妖怪総大将とは!? ~ぬらりひょんサーガ 第15回~

2011年10月24日 14時34分06秒 | ゲゲゲの鬼太郎その愛
《前回までのあらすじ》
 バブル期の過剰なエネルギーにまともに乗ったかたちでスタートしたアニメ第3期『ゲゲゲの鬼太郎』。
 水木しげるテイストから自由に逸脱したこのシリーズは足かけ4年、全115話にわたる大ヒット作となり、正義のアクションヒーロー・鬼太郎に対峙する悪の大ボスキャラとしてのポジションにいつの間にかおさまっていた我らが妖怪ぬらりひょんは、未曽有の「妖怪総大将景気」に大いにわくこととなったのだった!
 まさか、洋装軍服にサーベルをひっさげて凶悪妖怪軍団をしたがえたり、鬼太郎に顔をかち割られて国会議事堂のてっぺんから墜落したり、挙げ句の果てには身長50メートルの巨大ゾンビになり果ててしまうとは……
 にやけた顔をして遊郭に出入りしていたあのころがなつかしい。っていうか、瀬戸内海に帰りてぇ!!


 まぁ~こういったノリでさんざん悪者扱いされてしまった妖怪総大将ぬらりひょんだったわけなのですが、ぶっちゃけ悪の大ボスの立ち位置は「悪賢そうな顔をしている妖怪」ならば誰でも良かったようで、ぬらりひょんが彼本来の個性を発揮しているシーンはほとんどありませんでした。ひたすらその悪そうな雰囲気と、人も妖怪も誰彼かまわずだまくらかす知能と舌があったというだけ。いや、そこがぬらりひょんのパーソナリティそのものといえばそうなんですけど。

 とにかく、昭和末期の「第2次妖怪ブーム」でてんてこまいの働きぶりを見せることとなったぬらりひょん先生(と朱の盤)だったものの、それがアダとなってしまったためか、そもそもの鬼太郎サーガの創造主である水木しげる先生に完全に無視されてしまったという哀しい現実は、前回の『新編 ゲゲゲの鬼太郎』の項でふれました。
 あくまでも、水木先生の中にいた妖怪ぬらりひょんは『週刊少年マガジン』版(第2シリーズ)や『週刊実話』版(第6シリーズ)に登場する「ひょうひょうとした悪人」なのであって、鬼太郎への復讐に執着しつつ日本妖怪を統べる総大将になろうという野心に燃えるアニメ第3期での「確固たる信念を持った悪人」というキャラクターにはまるで興味が湧かなかったのではないでしょうか。

 ところが、TVアニメという爆発的な浸透力を持つメディアの中で、「鬼太郎のライバルといえばぬらりひょん!」というイメージを第3期がここまで広めてしまった以上、さすがに水木先生も相手にしないでい続けるわけにもいかなくなったのか、ついにぬらりひょんは原作マンガの中で3回目、2011年の現時点では最後となる出演を果たすこととなりました。素晴らしい、水木先生とアニメ第3期との和解ですよ!


 その瞬間は、アニメ第3期が無事に終了し、「平成」の時代が幕を開けてすぐの1991年にやってきました。意外とすぐだったのネ。

『鬼太郎国盗り物語 決戦!箱根城!!の巻 前後編』(1991年7~8月 講談社)

 これは、講談社の『月刊コミックボンボン』(第18話から『月刊DXボンボン』に移籍)で連載された鬼太郎サーガ9番目のシリーズ『鬼太郎国盗り物語』(1990年11月~93年3月 全28話)の第9~10話にあたり、箱根山中にあるという妖怪城(たんたん坊先生の妖怪城やアニメに何回か登場した妖怪城とは別の本格的な城塞)に籠城した日本妖怪軍団の大激戦をつづった白熱のエピソードとなっています。

 1990年の秋、「水木しげる画業40周年」を記念し満を持して開始された新シリーズ『鬼太郎国盗り物語』は、残念ながらいまだにアニメ化はされていないのですが、パッと見は「雷虎」「旧鼠王」「魔女ゴルゴーン」「五徳猫」といったゲスト妖怪を鬼太郎が退治するといったおなじみの一話完結もののようでありながら、連載が進むにしたがって、徐々にそれらを背後からあやつっていた太平洋の地底に住む地球の先住民族国家「ムー帝国」の日本征服の野望が見えてくる、という長編ストーリーの骨格も持ったシリーズとなっていました。これに続く第10シリーズ『鬼太郎霊団』(1996年2月~97年3月)が実質3回で頓挫してしまったため、現時点では「ちゃんと完結した鬼太郎もの」としては最後のシリーズとなっています。

 また、おなじくアニメ化と縁がない第7シリーズ『雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎』(1980年8月~81年6月 少年画報社『月刊少年ポピー』連載 全11話)のメインヒロイン「雪姫ちゃん」のように、鬼太郎の兄弟と目される新キャラクター「寝太郎」が登場するという衝撃の展開もあり、めずらしい悪女キャラクター「毒娘」や、まわしをキリッとしめて鬼太郎と因縁の相撲対決にいどむ「バックベアード」(本当)が活躍したりと、なんでこれがアニメ化されていないのかが不思議でしょうがない相変わらずの水木ワールド大爆走が観られる素晴らしいシリーズとなっています。現在は全3巻の角川文庫版と全5巻の講談社ボンボンコミックス版が手に入りやすいでしょうか。

 物語の設定によると、ムー帝国の国民はどうやら人類と妖怪っぽい種族が混在しているらしく、善良な国民と皇帝一家をさしおいて帝国を牛耳った妖怪系の総理大臣と大臣の「歯痛殿下」が、配下の軍勢や賛同する世界の妖怪を率いて日本に侵攻するという筋になっており、それに対する鬼太郎ファミリーが日本や世界各地の悪役妖怪を倒しながらムー帝国首都に攻めのぼっていくという、タイトル通りの「国盗り物語」となっております。


 さて問題のぬらりひょん先生なのですが、この『鬼太郎国盗り物語』では、なんと大方の予想を裏切って「正義側の頼りになる助っ人」として大活躍するんだなぁ!!

 物語の前半戦、ムー帝国が復活させた古代日本の大魔王「凶王」ひきいる「巨大はにわ軍団」が、鬼太郎ファミリーの籠城する最終拠点・箱根の妖怪城を完全包囲。
 妖怪城の落城も目前となり絶体絶命の危機に陥った鬼太郎たちでしたが、そこにさっそうと現れたのが羽織袴姿のりりしいぬらりひょんだった! でも、顔は『マガジン版』のまんまのにやけ顔。


「鬼太郎。今は過去の因縁を語っている場合ではない。
 日本の妖怪の存亡にかかわる危機ならば、ここは手に手を取り合ってともに闘おうではないか。」

 そ、総大将ォオ~!!

 言葉少なに「過去の恨みは水に流す」と言い切った漢気あふれるぬらりひょん。
 原始時代に流されたことも、三原山の火口に落とされてドロドロのゾンビになったことも、地獄の血の池に突き落とされたこともぜ~んぶ忘れてくれるというのか……ちょっと、いくらなんでも水に流しすぎなんじゃないかと思えてしまうような大物っぷり。

 ともあれ、ここでのぬらりひょんはアニメ版とはまるで違う「妖怪総大将」ぶりを見せつけてくれます。水木しげるによる原作マンガの世界で彼が日本妖怪の軍勢を指揮したのはこれが唯一!
 ぬらりひょんは扇をひるがえし、「一つ目小僧軍」「化け狸軍」「カラス天狗軍」「輪入道軍」といった複数の軍隊をムー帝国軍に激突させます。一つ目小僧って、そんなに部隊を組むほどバトル向きか……?

 思わぬ日本妖怪軍の猛攻にひるんだムー帝国軍は巨大な雲のような生物兵器「ひとだま」を投入。ひとだまはあらゆる妖怪を呑み込んで再び鬼太郎側は劣勢に陥ります。やっぱりダメか?
 しかし、ここで総大将ぬらりひょんは、動揺して退却案を口にしだす日本妖怪たちを一喝。

「だめ!! 退却する必要もないし、城もまもれる。」

 そう言ってぬらりひょんが最後に召喚したのは、その「ひとだま」を大好物とする妖怪「ひとだま喰い」!! 誰!?
 「ひとだま」よりもさらに大きく、妖怪「野槌(のづち)」が空を飛んでいるような、南方の妖怪「ペナンガラン」のような口だけがついた、ニュルっとした謎の妖怪「ひとだま喰い」。

 登場するや、「ひとだま喰い」はあわてて逃げようとする「ひとだま」をツルツルッと食べてしまい、げっぷをひとつして、

「ごっつおさんでした。」

 という一言を残して、唖然とする両軍オーディエンスをしりめに飛び去っていくのでした。

 ……ハッ!? 日本妖怪の勝利だ!! やった~。


 まぁこういった、いきあたりばった……いや、的確な采配をふるって日本妖怪存亡の危機をみごとに救った妖怪総大将ぬらりひょん!!
 鬼太郎と固い握手をかわしたあとはひょうひょうと去っていき、その後の鬼太郎ファミリーによるムー帝国への反撃にはいっさい関わってきません。カッコエぇ~。
 正確に言えば、先ほどにもふれた貴重なバックベアードの力士ルックが観られる第20話『妖怪大相撲』(1992年7月)の巻に親方衆の1人としてチラッと出演しているのですが、これはお遊びということで。

 やっぱり、水木しげる神先生の手がける「妖怪総大将ぬらりひょん」は、ひと味ちがうわ。


 思わぬ頼もしさを見せてくれるワンポイントリリーフとして出演したぬらりひょんだったのですが、こういった意外な一面を発揮して始まった「平成のぬらりひょんサーガ」は、その後、昭和以上に起伏に富んだ道のりを歩んでいくこととなるのでした。

 次回は、待望のアニメ第4期『ゲゲゲの鬼太郎』にいく「まで」の、ぬらりひょん先生のアルバイトみたいな活躍を2つ紹介したいと思いま~す。

 キーワードは、「忍者戦隊」と「地獄先生」。あんびりーばぼー!
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