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人物叢書 豊田佐吉 楫西光速  吉川弘文館

2023年10月27日 09時00分00秒 | 雷日記

こんにちは。 落雷抑制の松本です。

 昭和37年(1962年)に出版された古い本ですが、先日、トヨタ産業技術記念館で豊田佐吉翁の事を知って、早速、購入しました。 本書を手に取りびっくりしたのは、この吉川弘文館という出版社、創立されたのは1857年(安政4年)で、古代史から近現代史までの多数の研究書に加え、文化史・美術史・考古学・民俗学・宗教史・国語・国文学等の書籍を出版しており、日本史の大半の学者が著書・編著を刊行しているそうで、日本の歴史上の偉人についての著作を体系化して解説を始め、シリーズとして日本歴史学会による人物叢書に作り替えたのが昭和60年だそうです。この出版社さん、立派ですね。。

 今まで、いわゆる理系で機械系にばかり興味があり、小学生の頃、「伝記」なるものを読んだ覚えはありますが、完全に忘れています。人間自体に感銘を受けたのは遅ればせながら、この豊田佐吉翁で、本書でその生い立ちからの一生を知ると、実に面白いのは、佐吉が生まれた頃、既に外国から国産の織機より優れたものが多数稼動していて、そこに学歴も、それ故の知識もなく、指導者、協力者、事業を助けるスポンサーもないまま、父親の大工仕事を手伝いながら、納屋に閉じこもって自ら考え抜いて改良に改良を加える底力は、温い環境でダラダラと仕事をしている自分の反省材料、刺激材料になります。64歳で亡くなるまでの濃密な時間は、約200ページの本書では表現しきれないでしょうが、凡人には十分な刺激で溢れています。

 日本にまだきちんとした教育制度が始まる前の、大政奉還の年に生まれ、日本が急速に近代化にむかうなか、静岡県の貧しい片田舎で父親の大工仕事の手伝いをしていたというのは、教育制度が完備し、ある程度の知識が与えられ、インターネットを用いれば、当時の何千倍もの情報をヤスヤスと手に入れることができる状態にありながら、豊田佐吉ほどの発明家が出てくることはないでしょう。

 学校教育に携わる方には失礼ですが、教育とか情報とかは、人間力の前には本当は大した存在ではないように思えます。アホをいくら教育してもアホはアホ、本質は変わらないのです。それを覆い隠すのが「学歴」という看板であるように思えます。学歴は能力とは関係ないのです。能力が無いのに総理大臣にでもなってしまうと、岸田さん、痛々しいいですね。一生懸命、総理大臣を演じ切ろうとしていますが、教室での成績とは関係のない政治の場では、アホは隠し切れません。 これは学歴が生んだ悲劇とも言うべき事であり、私は、いつも、可哀想に、お気の毒にと思って見ています。


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