雷ブログ

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「地球」を売り物にする人たち  マッケンジー・ファンク 柴田裕之訳

2016年03月28日 09時00分00秒 | 雷日記
こんにちは、落雷抑制システムズの松本です。

久々にスケールの大きな大作(426ページ)でした。 地球温暖化に関連してスケールの大きなビジネスを展開しようとしている話です。 

平均気温が上昇すると北極海の氷が溶け、今までは海上交通などできないと思っていたカナダの北部が通過できると大西洋と太平洋がつながるのです。 米国の東海岸を出港した貨物船が一路北上し、カナダの陸地が終わるころ西に進路を変え、グリーンランドとの間をアラスカまで西に進み、その後ベーリング海峡から南下して北太平洋へと抜ける航路です。 例えば、米国の東海岸から上海に行くには、東海岸から南下してパナマ運河を通って太平洋に出てくるよりも距離が短くなるそうです。今までもこの航路を試験的に通った船はありますが、砕氷船程ではなくても「アイス・クラス」と呼ばれる「準」砕氷船のような船でしたが、今度は、一般の商船でも通れるようになるのです。

今まで氷の閉ざされていた航路が通過できるからと言って大型商船が通るようになれば、より一層、温暖化に拍車をかけて北極の氷が少なくなることでしょう。 しかし、この沿岸の人たちからすれば、氷に閉ざされていた地域が商用に利用されることになり、大きな経済効果がもたらされます。今まで凍り付いていた地域の下には膨大な石油資源が眠り、カナダ政府はこの航路の管理権を握るべき、既にこの航路で、カナダ海軍が他国の商船を臨検する訓練まで始めているそうです。 この航路(北西航路)の主導権争いに中国は大型の砕氷船まで出しているそうで、凍りついた場所の氷が溶けてアクセスできる場所になると、北極圏の資源争いが激化しそうで、冷たい氷の海で熱い戦いが繰り広げられそうです。

アジアから欧州に行くにも、西に進んでスエズ運河を目指すのではなく、太平洋を北上してベーリング海峡を抜けてから西に進路を取り、ロシア北部の沿岸部を通過してノルウェーまで出ると、メルカトールの地図では高緯度が誇張されているので距離が長く見えますが、実は北極に近い場所を通過しているので実際の航路は短くなり、これは時間と燃料の節約につながり大きな経済効果があるそうです。  ロシアは、北極圏の権益について自国の旗を北極の氷の下に置いてくるというパフォーマンンスをしていますし、ロシア沿岸から離れれば、氷が厚くなり航行は困難、ロシアの沿岸部を通らせてもらう事になりますが、氷の具合によってはロシア砕氷船によるサポートも必要になるでしょうから、ロシアははしゃいでいます。 砕氷船によるエスコート、氷の状況を情報提供料、など通行は規制できなくてもビジネスの種はいろいろあります。

問題は環境への悪影響です。大型のディーゼル・エンジンから大量の排気ガスを出しながら進み、もし、燃料の重油が流れ出ると、氷の下に入り込んで、固まり、流出防止用のオイルフェンスなど役に立たないのです。 それでも経済効率優先で北極圏にまで入り込もうとしているのです。

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