夕べおそく金浦空港についた。 ソウル市内のホテルであわただしく眠る。
翌朝食は市内のレストランで ソルロンタン(牛骨や肉などを水で煮出してつくるスープ、 味付けはなく 肉や素麺、 薬味などを入れ塩・胡椒などで各自好みの味に調節。 ご飯も入れて濃厚な雑炊風)をいただく。
伝統とモダンが混在する街ソウル。 近くて遠い、 遠くて近い国を思うとき一抹の感傷が湧く。 かつて教わった隣国の歴史と文化に触れる旅だ。
昌徳宮 朝鮮王朝の歴代の王に愛され、王たちはここで長い時を過ごした。 自然美を重視した朝鮮時代の美意識がよく現れている。 落ちついた建築空間。
敦化門 周辺に樹齢300~400年のエンジュ8本。 朝廷の官僚が勤務する官庁がここに建てられ
自由に枝を伸ばすところから 学者の気概に喩えられた。
やはり植物に眼がいく。 建物は自然に調和している。
仁政殿 昌徳宮正殿 朝会、王即位の礼、外国の使臣の接見をするところ
仁政殿 内部 カーテンやシャンデリアなど西洋風インテリア。
屋根の飾り(西遊記) 瓦が青い仁政殿と 宣政殿(王が普段業務を行う)
王の通る所は 屋根つき
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民族衣装の美しいガイドに案内されて中に入ると 韓国の国鳥カササギが迎えた
このあとも 森のいたるところで見かける。 カラスより小振りで 肩や腹、翼の先は白。 黒くみえても緑や紫もうかがえて瑠璃色も美しい。 尾は長く、カシャとかカチャとか、 しゃがれ声で鳴く。 カササギは牽牛と織女のために翼をならべて、天の川に橋を渡すという中国の伝承もおもしろい。 日本では佐賀県にしかいないそうだ。
中国では「幸せを呼ぶ」 と、先日の鼻煙壺の模様にもあった。
宗廟は 神聖な王室の祠堂。 朝鮮時代の歴代王と王妃の神主位牌を祀り、祭祀を行うところ。 祭礼は国の最も重要な儀礼であり、厳格な手順と格式があり王自らが行った。 今も宗廟祭礼は毎年5月第1日曜日に行われ、600年も受け継がれている。 宗廟祭礼楽と調和してさらに荘厳さが添えられた。
参列者数百人、 韓国最大の伝統行事である。1995年重要無形文化財第56号、 2001年ユネスコ世界無形文化遺産(人類の口承および無形遺産の傑作)に指定された。
儀式のようすなど 詳しくはこちらで 写真をクリック拡大してご覧ください。
午後から南へ1時間 水原着
健陵 正祖(在位:1776-1800, 1752-1800)と彼の妃の孝懿王后(1753-1821)金氏の墓。 紅門 丁字閣 正祖・孝懿王后陵 直線上にならぶ。 正祖は 父王 荘祖の御陵を楊州拝峰山から水原の花山に移し龍珠寺を建て ここに冥福を祈った。
隆陵は右手奥。 今回は寄らないが 米びつに閉じこめられ非業の死を遂げた荘祖(第二王子が正祖)と献敬王后の陵。
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水原華城 朝鮮第22代正祖大王が2年9か月かけて完工。 要所要所に門、 砲台、やぐら、兵士の休憩所、軍事指揮所、訓練所など、 東西南北に整然と組み込んでいる建造物。 旗色に注目、 南は赤、西は白、北は黒、 東が青で区別される。
華虹門 北水門
訪花隋柳亭(東北角楼)にあがり四方を見渡せば 全長5.7㎞の城壁が万里の長城を思わせる。
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龍仁泊 カササギに導かれて 初めての韓国旅行はつづく。
パンフレットなどお借りして 自分宛のメモです。
丹念に撮影された写真に過ぎし日を呼び戻しています。ゆっくり楽しませていただきます。
「日本古代史研究サークル」の方々とごいっしょで中味の濃い旅ですね。羨ましく思いました。現地ガイドの説明がときどき理解できなくて。いつもツアー旅で 仕方がないのです。