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豪雨の自衛隊観閲式(失われた携帯と女性部隊編)

2013-10-23 | 自衛隊

さんざん思わせぶりに引っ張って、なんだ、被害は携帯だけかつまらん。 

とタイトルを見て思われた方。
あなたは携帯を水に落としたらすべてのデータがこの世から
一瞬で消え去ってしまうということをご存じないに違いない。
そして、実際そうなったとき、人はどれだけ困るかということも。

前回、豪雨のため、外からは決して中のものが濡れない仕様の、
エナメル加工したトートバッグを膝の下に置いて、傘をささず約4時間、
バッグカバーと自分の膝だけで雨よけにしていたつもりのエリス中尉。


全てが終わり、地下鉄の座席に座るのすら躊躇われるほど濡れそぼった状態で(座ったけど)
なんとか車の置いてあるミッドタウンまでたどり着き、
朝から飲まず食わずのため空腹の極であった身体に「酢重」の暖かいごはんを夢中で詰め込み、
家で待つ家族のために、メゾンカイザーのパンやら、茅の家の温素麺や、
糖朝のマンゴープリンなどのお土産を買い込んで車に乗り、家にたどり着くまで、

自分の鞄の中を一回もちゃんとチェックしませんでした。

玄関に着くなりTOがお風呂を入れてくれたので、わたしはまず芯まで冷えた身体を温めたのですが、
妻思いのTOは、鞄の中のものを全部出して、タオルの上に並べてくれていました。

一度も手に取っていないのに、中でぼろぼろになっていたパンフレットの惨状もさることながら、
何より彼が驚いたのが携帯電話。

「バッグの底に水たまりがあって、水没してたよ!」

エナメルで外からの水分を受け付けないこの日のバッグ。
完全防水なので、中にたまった水も決して出て行かなかったのです。
まいったまいった。
驚いて調べると、充電は出来るのですが起動しません。
つまり、壊れてしまっていました。
ドライヤーで乾かしていると、息子が

「お米の中に入れておくと水分を吸ってくれるらしいよ」

汚れを拭って早速お米ケースの中に携帯を広げて縦に差し込み、インスタント墓標の出来上がり。
これそのものがわたしの携帯のお墓ってとこですか。
様々な思い出をありがとう、携帯。
安らかに眠・・・・・る前に、なんとかデータを残してから逝きたまえ。

「本当にするかな」

呆れるTO。

「シュールだなー。写真撮っとこう」

そんなもの撮らなくてよろしい。
そもそも、バッグの中で確か携帯には通電していたはず。
それが消えていたのだから、よっぽど長時間浸かっていたってことなんでしょう。
 
どちらにしても折りたたみ式の旧型携帯で、替え時でもありました。
次の朝一番でauショップに行き、iPhoneのブルーに電話をお取り替え。

「うーん、電源、入りませんね。データもたぶん・・・」
「・・・ダメですか」
「通電しないってことはメモリもダメなんです・・・・あっ
電池の蓋を開けた店員さん、慌てて床から何か拾っています。

「お客様・・・・・電池パックの中からこのようなものが・・・・」
「・・・・・・・・・・(赤面)」

彼が拾ったのは米粒。
一体どこから電池ケースに入り込んだのか。

米粒が入るくらいだから、水が入り込むのは当たりまえ。
携帯ってこんなに水に弱いものだったとは・・・。



さて、気を取り直して本来の話題に戻ります。

陸自朝霞駐屯地で行われた自衛隊観閲式予行演習。
観閲部隊が一旦入場しました。

高等看護学院学生部隊。


女性自衛官部隊。




陸海空自衛隊、女性部隊専用の旗もあるようです。 

一番前に立っている陸自の隊員は、女性部隊の連隊指揮官のようですね。
強そうだなあ。
腕立て伏せ100回とか平気でやってしまうんだろうなあ。




陸自女性隊員。
前に立っている隊長の帽子の鍔は、明らかに他の隊員に比べ飾りが多い、
女性隊員も階級によって帽子にそれが記されるんですね。



空自女性部隊。
注目していただきたいのは彼女らの脚。
男性と同じく、「休め」状態のときには、脚を60度に開いて仁王立ちです。
テレビドラマの自衛隊員に扮した女優さんなら、ここでモデル立ち(しかも斜めに構える)
をするところですが、本物はこの通り。

まあ、脚をそろえてまっすぐ立つと見た目には奇麗ですが、
長時間立ち続ける姿勢ではありませんからね。



海自女性部隊前。
風が強く、持っている旗が容赦なく顔に叩き付けているのに微動だにしない旗手。

しかし、こうして陸海空の女性隊員を一瞥してみると、
どうも陸自女性隊員が強面が多く、一番イカツイような気がします。
いや、あくまで印象ですが。




海自部隊。
向こうには空挺部隊が見えます。

「空の神兵」で見た空挺隊の降下ヘルメットと同じようなヘルメット着用。

 

車両行進のためにスタンバイしているこちらは正真正銘イカツイ迷彩柄の車の前には、
車両部隊の隊員。


ところで今回、防衛医大について調べていて、ある質問を発見しました。

「防衛医大に行きたいのですが、どんなところでしょうか」

これに対し、防衛医大の分刻みのスケジュールと制服着用、厳しい訓練に恐れをなして、
普通医大に進んだという回答者が答えて言うには

「防医大の説明を聞いてすぐにやめました。
今私は普通医大で学生生活をエンジョイしています。
何から何まで防衛医大とは逆の生活で、とても満足です」

人生に何を求めるかは人それぞれ。
彼(彼女?)にとって防衛医大とは、選択する価値もない「マイルドな地獄」だったのですね。
しかし、世の中の医学部志望学生が、全てこの回答者のように考える社会なら、
きっとこの世は秩序無きカオスになってしまっていたと思います。

自衛隊への入隊そのものがそうですが、厳しい生活が待っていると知っていても、
むしろ、だからこそ挑戦する若者がいるからこそ、日本の防衛は成り立っているということであるし、
そういう人間が一定数いる限り、少なくともこの国はまだまだ捨てたものではないと思えます。

人間社会は欲望のみにて動くにあらず。

わたしが自衛隊という組織に惹かれるのは、つまり欲望と対極の無私の精神がそこにあるからなのです。



 

まったくこの式典にそぐわないピンクのバス登場。
これはよくわかりませんが、招待客(つまりVIP)の関係者、
奥様とか家族のバスではないかと思われます。



向かいの観覧席の高いところには、映像班が待機。
やはりわたしと同じように本体には雨よけのビニールを掛けていますが、
レンズはどうしてもそう言うわけにいかないのでむき出しです。

雨に濡れたレンズに自衛隊ではどう対処しているのだろうか。



これはわたしの座っていたところの一段高いところの旗ふり係。
彼の指示により、観閲部隊の各連隊が出発したりします。

全体を見て列が詰まってしまったりしないように判断し指示しているようでした。



航空自衛隊部隊。
連隊旗がスカイブルーです。
前列全員がつけている飾緒が空の精鋭って感じでスマートですね。

陸海空から二人ずつが国旗を押し立てて定位置に着きます。



国旗と旭日旗、そして連隊旗が一斉に立ち上げられた様子。



空自の連隊が「旗の敬礼」をした瞬間。
相変わらずシャッタースピードのせいでろくな写真が撮れてませんね。
銃を持っている隊員は、「捧げ筒」をし、隊長は敬礼です。

この緊張感とは対照的に、後ろに座っている人たちが下を向き、
いかにも意気消沈している様子をご覧ください。
この頃、雨足は一層強くなり、下を向いていないと顔がびしょぬれになるような状態でした。
写っていませんが、皆わたしと同じく能面のような顔をしているはず、です。
人はこのようなとき、ただ無表情になってしまうものなんですね。



旗の敬礼全体図。

しゃがんで写真を撮っているのは陸自の写真部隊だと思うのですが、
この人たちが皆「グリーンベレー」でした。
グリーンベレー部隊が陸自にあったとは知らなんだ。



海自女性部隊の「注目」。
先ほどの仁王立ちとは違い、まっすぐ脚をそろえて立っています。
ただ、つま先の角度も90度と決められているらしく、
よく見たら結構不自然な姿勢で皆立っています。
観閲部隊は観閲式のための訓練をかなりするそうですから、
姿勢や脚の角度まで厳しく指導されているのでしょう。
 



敬礼の後、旗は一旦上に振り上げられて、地面と垂直に立てられ「直れ」です。



観閲官である総理大臣の受ける栄誉礼のための儀仗隊入場。









国旗掲揚の準備が整いました。
紅白の観閲台の前にいるのは、偽の観閲官。
総理大臣、防衛大臣などが観閲官となります。
今日は予行演習なので、総理大臣役に緑のゼッケンをつけさせて代理をさせます。
ちなみにゼッケンには「観閲官」と大きく書いてあります(笑)





自衛隊旗の見本各種。

中央で振られている黄色の模様は、師団長旗。
右に二竿ある赤い旗は普通科大隊旗。
旭日旗の隣は旅団長旗とおそらく団長旗。
向こうに見える青いのは防衛大学校旗です。




ずっと雨に濡れた旗で顔を叩かれっぱなしの気の毒な旗手。


何年か前の女子部隊は戦闘服に銃の行進をしたことがあると読みましたが、
またどこからかいらん横槍でも入ったんでしょうか。



国旗掲揚。

客席には起立が呼びかけられます。
勿論全員立ちましたが、何となく「不承不承」な空気が漂いました。
あまりの雨脚の強さに、少しでも席を立つと、その間に座っていたところが濡れてしまうからです。
わたしのシートクッションもこの間にたっぷりと水を含みました(泣)



ここで観閲官たる内閣総理大臣が、車両で観閲部隊を車上から観閲。
それにしても安倍総理に似た感じの人をよく見つけてきたものだ。
おそらくこの人も当日出番のない隊から選ばれた自衛官だと思われます。
車上の安倍総理(の偽者)は、本番同様、右手を胸に乗せる「観閲ポーズ」で、
左手をバーの上に置いて観閲を行います。



観閲官車を見送る女性部隊。
車両の動きに伴って、隊長クラスは身体ごと見送りつつ敬礼。
その他は首から上だけ注目して見送りです。


そして、この後観閲官が観閲台に就き、いよいよ観閲行進が始まるのです。