◎独存、不死不生
(2021-04-18)
荘子大宗師篇から。
聖人になる素質のある人間を聖人に育ててみたいがどうすればよいかと、女偊(じょく(亻禹))に対し南伯子葵が問うたところ。
『そうなる希望が持てないにしろ、聖人の道を聖人の素質のある人間に説くのは楽だ。私は改めてその修行を行って彼に教えてやった。
わたしは修行三日目にこの世(天下)を超越することができるようになった。
更にその修行を続けること七日目に物質を超越することができるようになった。
更にその修行を続けること九日目に生を超越することができるようになった。既に生を超越したので、光明を得た(朝徹:朝日がぱっと照るように大悟する。)
光明を得て後に独存となった。
独存となれば、古今はなくなり(今ここだけとなる)、古今がなくなってその次に不死不生という死も区別がない世界に入る。』
この次に攖寧(えいねい)の話が続く。
七つの身体論、特に第六身体から第七身体への展開や十牛図を知らないと、天下を超えるとか、不死不生が死の側から窮めるということであるなどは想像もつかないのではないか。
『原文:吾猶守而告之,參日而後能外天下;已外天下矣,吾又守之,七日而後能外物;已外物矣,吾又守之,九日而後能外生;已外生矣,而後能朝徹;朝徹,而後能見獨;見獨,而後能無古今;無古今,而後能入於不死不生。』