国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

ジャスミン革命は中国に波及するか?

2011年02月24日 | 中国
エドワード・ルトワック氏のフォーリンアフェアーズ誌に掲載予定の論文が注目される。中国はドイツと同じ誤りを繰り返そうとしているという。これは、第二次大戦でドイツが米国に宣戦布告して自滅的な二正面作戦をとって敗北したことを指しているのではないかと思われる。「現在の共産党指導層は、戦前の日本軍のようなものであり、全体のコースは変えられないと思う。米海軍校毎年留学生を送っていた日本軍の一部には、当然、米国との戦争が無謀であることはわかっていた。しかし、そうした見解は軍の方針とはならなかった。それと同じことである。」とのコメントも、ドイツと同様の日本の無謀な戦略を指摘したものである。しかし、ヒトラーが第二次大戦で対米宣戦布告したのは、戦争でわざと負けて旧プロイセン王国のプロテスタント地域をソビエトの支配下に追いやり衰退させ、カトリックのバイエルンやオーストリアをアメリカ等の支配下で繁栄させるという戦略があったのではないかとおもわれる。欧州の第二次大戦は1618-1648年の三十年戦争と同様のカトリックドイツとプロテスタントドイツの内戦だったのだろう。そして、ヒトラーの戦略は見事に成功した。ヒトラーがバイエルンとオーストリアの国境地域で生まれ育ったことを考えれば、彼はカトリックドイツの手先であったと思われる。日本が対米宣戦布告したのも、戦争でわざと負けて朝鮮半島や満州、台湾といった貧しい植民地を切り捨て、日本本土だけの国となって米国の衛星国となり繁栄するのが目的であったと考えられる。その戦略は見事に成功した。成功しすぎたために、1990年代に米国が日本を仮想敵国と認識して激しく攻撃したことは記憶に新しい。この様な背景を考慮に入れると、エドワード・ルトワック氏の主張は、中国も米国にわざと負ける戦略をとろうとしていることを示しているように思われる。中国では沿海部大都市の富裕層が支配階層であり、広大な内陸農村部の農村戸籍者が被支配階層であって、その間の格差は巨大である。中国支配階層はジャスミン革命でわざと共産党政権を崩壊させ、貧しい内陸部を切り捨てて、沿海部の親米・親日都市国家として生き残ることを計画しているのではないかと私は想像している。この戦略は、中国人の大部分が貧困状態を継続することで、世界の資源需要が小さくなる点で日米欧などの先進国にとって有益である。 . . . 本文を読む
コメント (10)