イタリアは長靴のような形をしており、そのつま先にあたるのが「カラブリア州(Regione Calabria)」です。この州は西はティレニア海(Mar Tirreno)、東はイオニア海(Mar Ionio)に面していますが、長靴の裏にあたり、イオニア海に面したコムーネ(ここでは「村」)に「サンタンドレーア・アポストロ・デッロ・イオーニオ (Sant'Andrea Apostolo dello Ionio)」があります。「イオニアの使徒聖アンドレ」というような意味でしょうか。ペテロの弟アンデレ(イタリア語ではアンドレーア(Andrea)」はイオニア地方のあるギリシアと関係が深く、ギリシャ人がイエスに会いにきたときに、その間を仲介しています(ヨハネによる福音書12章22節)。また、ギリシアのアカイア地方でX字型の十字架で処刑され、殉教したと言われています。
宗教画においてX字型の十字架(「聖アンデレ十字(croce di sant'Andrea、Saint Andrew's Cross)」)と共に描かれている聖人は「聖アンドレ」ということになります。青地に白のソールタイア(Saltire、斜め十字帯)を用いたセント・アンドリュー・クロスの国旗があります。聖アンデレを守護聖人(その地域を守っている聖人)とするスコットランドの国旗です。
大阪府和泉市に「桃山学院大学」があります。英国聖公会宣教協会 (CMS) の宣教師「チャールズ・F・ワレン(Charles Frederick Warren)」が「神学教育」のために設立した教育施設が発展したものです。谷村新司、塚地武雅、なだぎ武、森脇健児などの出身校で、英名を“St. Andrew's University”と言います。この「桃山学院大学」の校章にも「セント・アンドリュー・クロス」を見ることができます。