POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
 





人は呼吸をする(吸気)と、空気が鼻や口から入り、のど(咽頭)を通って肺に達します。この空気の通り道を「気道」と言います。気道は大きく2つ、上気道と下気道に分けられ、鼻腔から咽頭・喉頭(声帯のある部分)までの部分が「上気道」です。この上気道部分にライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルスといったウィルスが感染し、増殖すると喉痛(咽頭炎)、咳、くしゃみといった「風邪症状」が現れます。

インフルエンザウィルスも、この上気道の粘膜で増殖するウィルスです。インフルエンザ罹患者の咳やくしゃみなどによって飛散する体液の粒子(飛沫)にはウィルスが乗っています。インフルエンザウィルスは、この飛沫を移動の乗り物としているのです。罹患者がマスクをしている場合、この飛沫が飛散することなく、その多くはマスクの内側の繊維に付着してインフルエンザウィルスの感染という悪意ある試みは失敗に終わります。

「風邪症状」が現れたと思ったら、他人への感染を防ぐため、マスクを着用するという配慮を常識にしてもらいたいものです。西欧人にはマスクを着用することに抵抗感があるようで、街中でマスクをしている人を見かけることはほとんどありません。マスクをしている人は感染性の呼吸器炎症の「重病患者」であると考えるようです。しかし、私たち日本人には「花粉症対策」でマスクをかける人も多くなって、マスク姿に違和感を感じなくなってきています。ぜひ、「風邪症状」が現れたら、マスクを適切にかけてください。

日本では、成田などの国際空港で、新型インフルエンザ発生国からの帰国者や入国者にたいして、「検疫」を行っています。風邪症状のある人やインフルエンザは発熱という症状を伴うことから、熱のある人の喉や鼻の粘膜を採取して、「迅速診断キット」を用い、約15分で診断を行います。

「迅速診断キット」は、インフルエンザウイルスが持つ蛋白質(抗原)を調べ、ウイルスタイプがA型かB型かを区別する診断器具で、新型インフルエンザウィルスであることを判別することはできません。Aソ連型、A香港型といったA型のインフルエンザウイルスへの感染を確認するにとどまります。

A型インフルエンザウィルスへの感染が確認されると、まず「隔離」され、感染の拡大を防ぐため、他人との接触が禁止されます。次に、ウイルスの型の解析をしやすくするために、PCR法を用いて、採取した試料にごく少量含まれるウィルスの遺伝子の断片を次々に複製し、増幅させます。

PCR法(Polymerase Chain Reaction、ポリメラーゼ・チェーン・リアクション、ポリメレース・チェーン・リアクション)は、ポリメラーゼという酵素を使って、特定の遺伝子の断片を次々に複製し、増幅させる方法で、それに要する時間が2時間程度と短いようです。

複製・増幅が完了すると、ウイルスの粒子表面にあるヘマグルチニン(赤血球凝集素、haemagglutinin、HA)の型の判別が行われます。HAは現在16種類の型があるようです。新型インフルエンザウィルスは、H1という型に分類され、A香港型はH3に分類されます。

米国から帰国した名古屋市のトヨタ自動車社員が、「迅速診断キット」の診断結果から新型インフルエンザへの感染を疑われましたが、H3に陽性反応がでたことから、「A香港型」への感染であり、通常のインフルエンザ治療が施されることになりました。

同じように、新型インフルエンザの「疑い」とされた横浜市の男子高校生は、H3に陰性の反応が出て、新型インフルエンザの可能性が出てきました。しかし、結果は「Aソ連型」に感染していることが判明し、これも通常のインフルエンザ治療ということになりました。新型インフルエンザとAソ連型インフルエンザのウイルスは、ともにH1型なのです。彼の場合、接触者が多く、新型インフルエンザであったとしたら、「二次感染」(日本国内での感染の広がり)という事態を引き起こしかねませんでした。

しかし、韓国では「二次感染」が疑われる事例が発生したといいます。「濃厚接触者」に新型インフルエンザへの感染が疑われているのです。その女性(44)は、4月26日、仁川国際空港に帰国した新型インフルエンザ罹患者と現状では推定されている韓国人の修道女(51)を車で迎えに行き、宿舎である共同施設で4月28日まで共に過ごし、インフルエンザの症状が現れたといいます。(追記:韓国政府は5月2日になって、メキシコから帰国した韓国人女性が新型インフルエンザに感染していたことを確認したと発表しました。)

日本の「水際作戦」は、現在までのところ、うまく行っているようです。「検疫」の網をすり抜けて、新型インフルエンザが日本国内に持ち込まれないことを強く願っています。いずれは、「Aメキシコ型」(「A北米型」?)として、好ましいことではありませんが、季節性のインフルエンザの仲間入りをするとしても、ワクチンの製造が軌道に乗ってからにしてもらいたいものです。

            (この項 健人のパパ)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« 新型インフル... 「濃厚接触者... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。