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 今年度(平成22~23年度)のインフルエンザワクチンは、新型H1N1・季節性H3N2・B型の3種類を含む3価ワクチンと新型H1N1のみの1価ワクチンの2種類が供給される予定なのだそうです。13歳以上65歳未満の方は、1回目は 3,600円、2回目は 2,550円(同一医療機関で接種の場合)または3,600円(1回目と異なる医療機関で2回目を接種される場合)となる見込みのようです。合計で少なくとも6,150円になります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・平成22年度インフルエンザHAワクチン製造株の決定について(通知)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・薬食発0709第7号             ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・平成22年7月9日
国立感染症研究所長殿
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・厚生労働省医薬食品局長

 生物学的製剤基準(平成16年3月30日厚生労働省告示第155号)の規定にかかる平成22年度のインフルエンザHAワクチン製造株について、下記のとおり決定したので通知する。

                              記
 A型株
  A/カリフォルニア/7/2009(H1N1)pdm 
  A/ビクトリア/210/2009(H3N2)
 B型株
  B/ブリスベン/60/2008


 今年度のインフルエンザワクチンは新型H1N1ワクチンを含むため、接種方法・費用が変更されており、大きく値上がりをした感じがあります。私たちの住む町では季節性のインフルエンザワクチンの接種は、医療機関によっては1回接種で2,000円程度で済みました。1歳以上13歳未満の方は、補助が考えられており、例えば、東京都の23区では補助が予定されており、豊島区の場合は1回目および2回目とも1,500円/回の予定のようです。それでも、3,000円かかることになります。

 インフルエンザに感染するとインフルエンザ脳症を発症するなどのリスクの高いこの年齢層(1歳~14歳)に大幅な補助をし、ワクチンの接種率を上げるなどの施策は考えられないものなのでしょうか。インフルエンザの怖さを十分に知っている私たちは、他の出費を削ってでも、この金額を出すことを厭わないのですが、必ずしもすべての親御さんにその知識があるとは限りません。理想は、保育園・幼稚園・学校に「集団免疫」の壁を作ることです。

 2009年6月15日のブログ記事「「集団免疫」と「集団接種」と「ワクチンの有効性」と「接種禍」と」で次のように書きました。

 「インフルエンザワクチンの接種に関して、対照研究が行われたことがあったようです。対照研究では、ある現象について、その仮説を検証するために、処理を加える実験群(intervention group)と比較するための対照群(control group)を作ります。実験群と対照群は、検証する処理を実験群に施すということ以外は、まったく同一にします。

 学童の実験群には、ワクチンを接種し、対照群には、ワクチンを接種しません。このときは、ワクチンのインフルエンザの学童への感染防止にそれほど有意な結果は見られなかったようなのですが、家族など周囲への感染の割合が減ったといいます。

 「集団免疫(herd immunity)」という言葉があります。集団の構成員の一定数が免疫を獲得すると、集団の中に感染患者が出ても、集団の中で感染が阻止されることを意味し、その結果、子供や老人などの免疫力が弱い(「免疫学的弱者」、「ハイリスク群」)者たちが感染を免れることができることをいいます。」(引用終わり)

 インフルエンザの2009~2010年シーズン、8月24日までで、急性肺炎(人工呼吸器装着)…434人、急性脳症…547人、集中治療室入室…1011人、この3例の総計(重複分を取り除いて)…1562人、死亡者…202人(うち基礎疾患を有する者 145人)という報告が厚生労働省から出されています。

 2009年09月25日のブログ記事「我が子の命を守るために親として「インフルエンザ脳症」を知る。」で次のように書きました。

 「小さな子どもを持つ(これまでにインフルエンザ脳症を発症した患者を年齢別にみると4~9歳の子供に集中し、ほかにも12歳や14歳がいる)親は、子どもが発熱や咳などの「風邪様症状」を示したときは、むやみに「市販薬」を服用させるべきではなく(少なくとも「アスピリン(アセチルサリチル酸)」を成分とする解熱薬や解熱剤として含まれる感冒薬は必ず避けるべきです)、発熱から1日は「インフルエンザ脳症」発症の可能性を考えておく必要はあります。異常言動や異常行動、意識レベルの低下、意識障害、痙攣がある場合は速やかに病院に行く必要があります。」(引用終わり)



 厚生労働省が報告している「インフルエンザによる重症患者・死亡者の概況」を見ると、インフルエンザ脳症で入院している1歳から9歳までの子どもは、全体の3分の1(66%)を占めます。これに我が子「健人」の属する年齢区分10~14歳を加えると、全体の82%にも達します。1~14歳までのインフルエンザ脳症で入院した450人の中で基礎疾患を有していた子は22%に過ぎません。この年齢層の何%が基礎疾患を有しているのかが不明ですから、基礎疾患があると危険性がどの程度増すかは分かりません。しかし、新型インフルエンザはこの年齢層では「危険なウイルス」と言えるのです。親が知識を身に付けて子を守ってやらなくてはいけないのです。

 2009年8月30日のブログ記事「ひとり歩きする数字-インフルエンザによる死亡者、年間1万人」で次のように書きました。

 「日本の季節性インフルエンザの年間死者数は1万人であり、新型インフルエンザでのこの死者数は驚くにあたらないとする論調があります。本当に従来の季節性インフルエンザで年間1万人ほどの死亡者が出るのでしょうか。ここにデータがあります。2000年から2008年までの「インフルエンザによる死者数」の統計です。

 2000年・・・・・・575人
 2001年・・・・・・214人
 2002年・・・・・・358人
 2003年・・・・1,171人
 2004年・・・・・・694人
 2005年・・・・1,818人
 2006年・・・・・・865人
 2007年・・・・・・696人
 2008年・・・・・・272人

 平均で年800人ほどが死亡しています。この事実にも驚きますが、年間の死亡者が1万人という数字はどこから出てくるのでしょう。ここに「超過死亡者」という考え方があります。インフルエンザによる死亡は、炎症が上気道に留まらず肺に達して肺炎という疾患を起こすためによるものが圧倒的に多いのです(少ないが「脳症」もある)。そのため、死亡診断書には「肺炎」と記載され、インフルエンザによる死亡にカウントされないこともあります。そこで、肺炎等の死亡者のうち、インフルエンザの流行があったために増えたであろう死亡者をもインフルエンザによる死亡にカウントします。」(引用終わり)

 今回の新型インフルエンザでどの程度の死者が出たのでしょう。厚生労働省の報告では、202人です。平均の800人ほどから比べるとかなり少ない。これにインフルエンザワクチンの接種後に亡くなった133人(2010年6月30日までの報告分)を加えてみましょう。335人になります。加えてみる理由は、季節性インフルエンザでは、流行期(ピーク期)の前にワクチン接種が行われたのですが、新型インフルエンザでは、ピーク期をやや過ぎたところで接種が行われているのです。

 そうすると、ワクチン接種後に亡くなったとしても、インフルエンザに感染していて亡くなった可能性も否定はできません。これは、厚生労働省の「第1回新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会(2010年8月25日)」の報告で、ワクチン接種後に死亡した事例は、11月接種では68人(およそ103万人が接種)、1月接種で4人(およそ84万人が接種)と述べられていることから理解できます。いまだ流行の終息していなかった11月には、10万人当たり6.6人が接種後死亡し、流行の終息に近い時期の1月には、10万人当たり0.5人と、同じワクチンでありながら、有意な差となって現れているのです。

 多めにみたインフルエンザによる死亡者数、335人は、2001年や2002年の死亡者数に近く、これを見る限り、保健当局は新型インフルエンザを抑えこむことに成功した、と言えそうです。「超過死亡者」という考え方に立っても、今回は保健当局の十分な注視があったのですから、インフルエンザ感染で死亡しながら、インフルエンザによる死亡にカウントされなかった事例は、かなり少ないといえそうです。

 新型インフルエンザワクチン接種者の重篤な副反応報告において、基礎疾患を有する患者の割合が高いのですが、これは、ワクチンを重い基礎疾患を有する患者に優先接種した影響が考えられそうです。11月の接種は、基礎疾患を有する人たちへの優先接種でした。だから、11月接種では、10万人当たり6.6人の死亡者がでたのかも知れません。12月接種では、211万人に接種者が大幅に増えたのですが、10万人当たり、2.0人と激減します。

 世界的な大流行にもかかわらず、死亡者を少なく抑えたのですから、2010~2011年シーズンもさらにインフルエンザによる死亡者を抑えたいものです。

(参考)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・平成23年度インフルエンザHAワクチン製造株の決定について(通知)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・薬食発0502第5号             ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・平成23年5月2日
国立感染症研究所長殿
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・厚生労働省医薬食品局長

 生物学的製剤基準(平成16年3月30日厚生労働省告示第155号)の規定にかかる平成23年度のインフルエンザHAワクチン製造株について、下記のとおり決定したので通知する。

                              記
 A型株
  A/カリフォルニア/7/2009(H1N1)pdm09 
  A/ビクトリア/210/2009(H3N2)
 B型株
  B/ブリスベン/60/2008


                     (健人のパパ)

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