POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
 





 新型インフルエンザワクチンの接種が開始されて第7週(11月30日~12月6日)の医療機関納入数量は、330万人分であったそうです。接種開始からの接種者数は最大で推定(医療機関納入数が接種者数とはならない)932万人と考えられているようです。12月の医療機関納入数は1,540万回分が予定されています。

 新型インフルエンザのワクチンは国内生産分で需要分を用意できないことから、優先順位がつけられ、10月19日から接種を開始しています。
(1) 医師や看護師などの医療従事者(約100万人)、
(2) 妊婦(約100万人)と基礎疾患のある人(約900万人)、
(3) 小児(1歳~就学前、約600万人) と小学校低学年(約400万人)、
(4) 乳幼児(1歳未満)の保護者(約200万人)、
(5) 小学校高学年~高校生(約1,000万人)と高齢者(65歳以上、約2,100万人)

 次に列記する基礎疾患を有しており、入院中または通院中の人たちは優先して新型インフルエンザワクチンの接種が受けられます。
(1) 慢性呼吸器疾患 (2) 慢性心疾患 (3) 慢性腎疾患 (4) 慢性肝疾患 (5) 神経疾患・神経筋疾患 (6) 血液疾患 (7) 糖尿病 (8) 疾患や治療に伴う免疫抑制状態 (9) 小児科領域の慢性疾患

 しかし、残念なことに、この基礎疾患のある人たちがワクチンの接種を受けた後で死亡する例が起こっています。その多くは接種と死亡の因果関係は不明とされています。新型インフルエンザに感染すると重篤化しやすいこの人たちを救うものが「ワクチン」であったはずなのですが、待ち焦がれた「ワクチン」がリスクのあるものであったことになります。
 
 12月7日報告分までで、接種後の死亡は64例となっていますが、その58例めを見てみます。自己免疫性疾患(腸炎、溶血性貧血)、気管支喘息の基礎疾患のある10代後半の男性は、11月19日に季節性インフルエンザワクチン接種を受けます。このときに腹痛とだるさがあったようです。その8日後、11月27日午後4時40分頃に新型インフルエンザワクチンの接種を受けます。新型インフルエンザワクチン接種後にも、腹痛とだるさを訴えます。その4日後の12月1日出勤後に、だるさを訴えて帰宅します。しかし、午後3時頃、帰宅した家族が、嘔吐し心肺停止している男性を発見することになります。救急搬送されますが、死亡が確認されます。接種を受けたワクチンは「化血研」のものであったようです。

 国産の新型インフルエンザワクチンは、大手製薬メーカーではなく、比較的小規模の4団体のみが製造しています。その4団体とは、財団法人化学及血清療法研究所(熊本市、「化血研」)と財団法人阪大微生物病研究会(大阪府吹田市、「微研会」)、学校法人北里研究所生物製剤研究所(埼玉県北本市、「北研」)、デンカ生研株式会社(東京都中央区、「デンカ」)です。死亡例で見て、使用されたワクチンは、「化血研」のものが多いのですが、それぞれのメーカーの出荷数がわかりませんので、「化血研」のワクチンに死亡する頻度が高いのかどうかは言えません。

 接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種を行ってはならない。
(1)明らかな発熱を呈している者
(2)重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
(3)本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
(4)上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

 接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
(1)心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者
(2)予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
(3)過去に痙攣の既往のある者
(4)過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
(4)気管支喘息のある者
(5)本剤の成分又は鶏卵、鶏肉、その他鶏由来のものに対してアレルギーを呈するおそれのある者
 (厚生労働省のサイトから)

 2008年度の季節性インフルエンザワクチンは、およそ4,700万人に接種され、接種後の死亡例は2例。調査では接種と死亡の間に明らかな因果関係はないとしています。重篤な副反応があったのは、121例。2009年度の新型インフルエンザワクチンでは、11月26日までで、およそ600万人に接種されて、重篤な副反応があった例は、110例(死亡は31例)。季節性のインフルエンザワクチンと比べ、比率は高いと言えます。「接種要注意者」が感染リスクとの考量で、接種を以前は避けていた人たちが今回は接種を受けたため、重篤化した人たちが多くでたと考えられるかも知れません。

 2009年1月~3月の季節性インフルエンザの前シーズン(2008~2009年シーズン)のインフルエンザ感染の年齢階級のデータによると、感染者の20%ほどが4歳まで、40%弱が5~9歳、20%強が10~19歳(10~14歳が20%弱)になり、未成年が感染者の80%ほども占めています。これが今シーズン(2009~2010年シーズン)の10~12月のデータ(40~53週のうち48週まで)によると、年齢階級で10~14歳が30%ほど、15~19歳で10%弱。10~19歳で感染者全体の30%弱を占めることになっています。



 これを48週(11月23日~11月29日)だけで見ると、5~14歳の感染者が減少し、0~4歳の感染者や20歳以上の感染者が増加したことで、その比率が減少してきています。学童・学生の感染者が減少すると、全体の感染者数も急激に減少していくことになります。



 国立感染症研究所が全国約5,000医療機関を対象に行っているインフルエンザの定点調査で、最新の1週間、49週(11月30日~12月6日)の新規患者が、1医療機関当たり31.82(患者報告数153,131人)となり、前週、48週(11月23~29日)の39.63人から約20%減になりました(第28週以降の累積の推計患者数は約1,414万人)。

 気を緩めずに、マスク着用、手洗い励行などの感染予防策を続けますが、流行が終息する様相を見せるようになったのは朗報ですね(インフルエンザはピークを過ぎると早くて1か月、遅くて3か月ほどで終息します)。



 ただ、これは学童・学生の間での流行が終息傾向にあるということを意味するに過ぎません。前シーズンの例によると、0~4歳と20~29歳の感染者が第2のピークがあるとすると増加することになります。
             
(参考) 「新型インフルエンザの抗体保有率の上昇で流行は止まるか

             (この項 健人のパパ)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« ローマの「サ... カトリックの... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。