
いま韓国の通貨「ウォン」が安いといいます。しかし、韓国はこのウォン安を契機に各国への輸出を伸ばしており、落ち込んでいた景気を回復させていっています。景気が回復基調に入るとウォン安も改善され、以前の為替レートへと戻っていくことになります。妻の言うように「韓国に行くなら、今よ。」というのもわかります。「いま円高でしょ。こんなに借金を膨らませていっている国の通貨が強いなんて信じられる? 暴落する前に行きたい国に行っておかなくちゃ。」 旅好きの妻は旅行に結びつけて世界経済を考えます。

2008年の秋頃からウォン安が本格化し、2009年2月には100円がおよそ1600ウォン台になりました。それがやがてウォン高傾向に転じ、2010年4月26日に100円がおよそ1170ウォンになっていたのですが、2010年5月25日に100円が1420ウォンに一気に安くなりました。
私は「タイの京都」と言われる「チェンマイ」に行こうとしてあの摩訶不思議なタイ文字の勉強を始めました。しかし、タイの政治情勢は悪化の一途を辿り、階級対立は改善される兆しはありません。数年前に訪れた「セントラルワールドセンター」の「ZEN」のある建物部分が政府に反対するデモ隊の放火で焼けてしまいました。微笑みの国であったタイが危険な国へと変貌してしまい、旅行の目的地と考えられなくなって、「タイ文字を読む」というカテゴリーの記事も未完のままです。
(参考) 「チエンマイへ」日記1 - チエンマイって?
私はある国や地域に旅行に行こうとする場合、その国や地域の歴史を知り、そこで使われている言語をわずかでも読めて話せるようにします。韓国のソウルには「角田房子」著の「閔妃暗殺―朝鮮王朝末期の国母―」を読んだことで十数年前に出かけました。そのときに、韓国語の学習をし、韓国語の会話の本や韓日辞典、日韓辞典などを買い揃えました。しかし、言語はスポーツと同様で日々鍛えておかないとすぐに運用能力が落ちてしまいます。そこで、韓国に行くという可能性が出てきましたので、再度ハングルの勉強です。

韓国語を表記するのは、「ハングル文字」です。多くの言語はアルファベットを用いて表記するのですが、韓国語はハングル文字という「表音文字」を持っています。日本語も「ひらがな」、「かたかな」という表音文字を持っていますが、「開音節」(子音+母音)しか表すことができません。しかし、ハングル文字は一文字で「閉音節」(子音+母音+子音)も表すことができます。例えば、「ハングル」という音を表すには、「カナ」では4文字必要なのですが、ハングルでは“한글”の2文字です。
それは、ハングル文字は子音を表す記号と母音を表す記号の組み合わせたものであるからで、一文字でいろいろな音を表すことができます。“f”を表す記号を持たなかったり、有声音と無声音の区別がなかったり、韓国語の音韻体系の範囲で作られた(15世紀中頃)記号なので、万能な文字ではないのですが、一度文字を覚えてしまえば、少なくとも読むことはできます。日本語のひらがな、カタカナ、漢字といった表記法を外国人が学ぶことの困難さから比べれば、遥かにハードルは低いと思います。

日本語では、母音を表す文字は、「あ」「い」「う」「え」「お」の5文字なのですが、ハングルでは、基本は ㅣ,ㅔ,ㅐ,ㅏ,ㅡ,ㅜ,ㅗ,ㅓ の8文字です。「い」→“ㅣ”、「え」→“ㅔ,ㅐ”、「あ」→“ㅏ”、「う」→“ㅡ,ㅜ”、「お」→“ㅗ,ㅓ”です。
母音を表すハングル文字は天(点、・)、地(横棒、―)、人(縦棒、|)という3つの要素を組み合わせて作られています。人が立っている形の縦棒の「人」は、非円唇前舌狭母音の「イ」であり、水平な地面である横棒の「地」は、非円唇後舌狭母音の「ウ」です。丸い空を表す点の「天」は、それだけでは母音を表しません。
「天+人+人」と左から並べると非円唇前舌半狭母音の「エ」になり、「人+天+人」と左から並べると非円唇前舌半広母音の「エ」になります。この音は、日本語の「エ」よりは舌の位置が低いのですが、ソウルなどではその区別が薄れてきているのだそうです。
「地+天」を上から下へと並べると円唇の後舌狭母音の「ウ」になり、「天+地」を上から下へと並べると円唇の後舌半狭母音の「オ」になります。
韓国語の母音には、この短母音以外に二重母音があり、硬口蓋接近音/j/に短母音が付いたタイプ(日本語の「ヤ」、「ユ」、「ヱ」、「ヨ」にあたる)と、両唇軟口蓋接近音/w/に短母音が付いたタイプ(日本語の「ワ」、「ウィ」、「ウェ」、「ウォ」にあたる)があります。しかし、この母音字母は基本の8つを覚えておけば、容易に読むことができます。
(この項 健人のパパ)
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