1932年に竣工した銀座アパート、現 奥野ビルの80年の歴史が刻むその姿を、ありのまま残した306号室。
コンクリートのペイントは剥がれるまま。
時の経過もそのままに、敢えて手入れをしない形で維持させているのが、ここ スダ美容室。
自然に剥落を続ける壁の塗装は、この空間が今も生き続けていることを、静かに主張しているのかもしれません。
この部屋を管理する銀座奥野ビル三〇六号室プロジェクトの方々。ここをギャラリーの舞台とするアーティスト。この空間に惹かれて訪れる僕のような人達。
そんな様々な人々の思いが、この際立って個性的な部屋の意識を、今も生かし続けているのかもしれません。