「銀座アパートメント」
それが奥野ビルの本来の呼び名。
築81年にもなる歴史あるこのビルは、戦時中の空襲被害も免れ今に至ります。
銀座一丁目という立地。周囲のビルが次々と近代化していく中、まるでここだけ時代のエアポケットにはまり込んだかのように、時が停止した異次元のビル。
くすんだ茶色いタイル張りの外観と、それぞれの部屋から大きくはみ出すように育った植栽のコントラストが、奥野ビルならではの独特の雰囲気を醸し出しています。
このオーラを前にすると、ビルの中に入るためには何か特別の資格が必要なのではと、居住まいを正されるような気持ちになるのです。
80年の歴史の重みは、確かにそこに存在するのです。