アーネスト・フェノロサが称え、その立ち姿が麗しいと言われる十一面観音立像に会いに、奈良 聖林寺(しょうりんじ)へ行きました。
桜井市からやや南へ離れた山間にひっそりと建つ聖林寺は、なかなか行く機会を掴みにくいお寺。
いつかは見てみたいと思っていた噂の十一面観音立像ですが、現在JR東海のポスターでその姿を見ることができます。
この凛とした空気感。調和のとれた端正なプロポーション。
その美しい写真に魅了され、初めてこの聖林寺の山門をくぐりました。
ご本尊は、本堂中央に安置される巨大な子安延命地蔵菩薩ですので、客仏である十一面観音立像は、階段を上ったところに建立された別のお堂の中。
お堂の扉を開き、長年待ち続けた御仏が眼前に。
フェノロサが息を飲んだその理由を、見てすぐに理解しました。
2メートルを超える長身の観音様の、凛々しく伸びやかなオーラを全身に感じ、それは心安らぐ幸せな時間でした。