Kimama Cinema

観た映画の気ままな覚え書き

黒いスーツを着た男

2016年05月17日 | 2010年代 欧州
黒いスーツを着た男(原題:Trois mondes )

2012年 フランス=モルドバ
監督:カトリーヌ・コルシニ
製作:ファビエンヌ・ヴォニエ
脚本:カトリーヌ・コルシニ、ブノワ・グラファン
出演:ラファエル・ペルソナ-ス、クロチルド・エム、アルタ・ドブロシ、レダ・カティブ、アルバン・オマル、アデル・エネル
撮影:クレール・マトン
音楽:グレゴワール・エッツェル


真夜中のパリ。

酔っ払って友人と騒ぎながら運転していたアルは1人の男をひき逃げした。彼は勤務先である車販売会社の社長令嬢との結婚を間近に控え、貧乏な生活から抜け出すチャンスを逃したくなかった。

自宅の窓から事故を目撃していたジュリエットは慌てて路上に出て救急車をよび、被害者に付き添う。翌日も様子が気になって病院へと様子を見に行き、被害者の家族とも連絡をとり、深く同情する。

被害者の妻のヴィラは、不法滞在しているモルドバ人で経済的にも余裕がなく、不意の事故に戸惑うばかり。病院や警察とのやりとりにも困り、ジュリエットを頼りにする。

この3人の倫理観が不安定で、なんとも辛い。こんなこと、日本では・・・なんて言い切れない。家族や恋人、勤務先、学校やらに隠匿しようと思えば、噓は積み重なっていく。
世の中は理不尽で、人びとは脆い。原題はTrois mondes=3人の世界なのに、邦題は「黒いスーツを着た男」。つまり日本でいえば、どこにでもいるってこと。

夜のパリで美男美女が密会しているにも関わらず、ひとかけらもロマンチックにみえなかった。やりきれない気持ちになる。


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