Kimama Cinema

観た映画の気ままな覚え書き

世界残酷物語

2014年04月06日 | 1960年代 欧州

世界残酷物語(原題:MONDO CANE)

1962年 イタリア
監督・脚本:グァルティエロ・ヤコペッティ
製作:グァルティエロ・ヤコペッティ、パオロ・カヴァラ、フランコ・プロスペリ

ニューギニアでは豚に人が授乳していたり、南の島では女性たちが多数で男狩りをしていたり、
アメリカでは死んだ愛犬にお墓を建てたり・・・と世界各国でのあらゆる奇妙な風俗、習慣、趣味嗜好を
ジャーナリストであり、映画監督であるグァルティエロ・ヤコペッティが映し出す。
嘘かホントか!?
今みればユーモアに満ち満ちている映像をニヤニヤ観察する感覚だけど
この映画が公開されたのは50年以上前!

願わくはタイムスリップして、往事の映画館で往事の人々と一緒に見てみたい!!
お尻がムズがゆくてたまらないだろうけど、一緒に驚愕してみたいなあ。

捏造映像もかなり仕込まれている、いかがわしいドキュメンタリー作品☆
本作の世界的な大ヒットを受けて、原題 "MONDO CANE" から、これ以降の
いかがわしいドキュメンタリー映画は「モンド映画」と総称されるようになったという
記念碑的作品でもあります。
しかし60年代によく、これだけ世界各国の文化を知っていたなあ、と感心しきり。

残酷、ということで言えば
太古から変わらぬ暮らしを続けていた未開の地に、キリスト教の布教者がやってきて
今まで何も不自由ないと思っていた現地の人々が教えを受けることで、「漠然とした不安」を持ち
心身ともに苦しみ、信仰なしでは生きられないと思うようになるのが、悲しいなと思った。
しかしその発想から、貨物飛行機信仰へ向かうなんて、ユーモアの感覚が尋常じゃない。
ヤコペッティの目、凄すぎる。

世界が歪んでみえるのではない、
いかに世界が歪んでいるかが、よくわかるのだ。

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