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No1074『SUPER 8 スーパーエイト』~エンドロールの8ミリ映像作品に拍手~

爆音映画祭、最終日の2本目。
スティーヴン・スピルバーグ製作
J・J・エイブラムズが監督をつとめたSFサスペンス(2011年)。

冒頭の派手な列車の脱線事故の迫力は、爆音ならではの醍醐味。
残念なのは、フィルム上映ではなかったこと。

本作も少年と少女の淡い恋の物語を織り交ぜる。
米軍の貨物列車事故を、偶然、町はずれの駅舎のそばで
8ミリ映画の撮影中に出くわした保安官補の息子ジョーとクラスメイトたち。
クラスメイトのアリスも出演者に加わってもらった初日の出来事で、
一同は、煤で真っ黒になりながらも、命は助かる。。

この貨物列車が、実は、とんでもない軍の極秘研究中の生命体を乗せていて、
それが、行方をくらましたことから、軍は大騒動。
秘密は伏せたまま、火事を起こして住民を強制退去させたり、街は混乱におちいる。

ジョーの母が工場の事故で亡くなったばかりで
アリスの飲んだくれの父も同じ工場で働いていたことから、
それとなく、仲良くなっていく二人。

ジョーの親友で、映画の監督をしている太っちょの少年チャールズが
街のパニックの最中、ジョーに向かって言う。
「もう最低だ、カメラをとりあげられたし、嫌なことばっかり。
お前もアリスが好きなんだろ。
最初に惚れたのは俺だぞ。だから、映画に声をかけたんだ。
でも、悔しいけど、お前たち両想いだろ。
こんな太っちょの俺を好いてくれるわけないよな」
チャールズの泣きそうな顔。
かける言葉のないジョー。
でも、しばしの沈黙ののち、
2人は、にっこり微笑み合う。これぞ男の子同士の友情だ。

ジョーは、アリスを救い出すべく、たくましくなって、
どんどん行動していく。果敢な姿が頼もしい。

生命体は、なんともグロテスクな容姿をしているが、
最後に、町中の電化製品やら車やら、がらくたを吸い寄せて
巨大な宇宙船を空いっぱいに築き上げていく。
それを観て、ジョーが
「模型をつくっているんだ」と言って、にこにこ笑う。
このセリフがいい。

ジョーが大切にしていた、母の形見のペンダントも
宇宙船に吸い上げられて、少年は手を放す。
空の彼方に消えていくペンダント。
少年の成長を象徴的に伝える瞬間だ。

生命体が乗った宇宙船は、自分の故郷の星に帰るべく飛び立っていく。
それを見送るジョー、アリスたち。
こういうシーンを観ると、『未知との遭遇』や『E.T.』や、いろんな映画を思い出す。

最後、映画が終わって、エンドロールの横に、
ジョーやチャールズたちが撮った8ミリフィルム映像作品(数分)が流れる。
これがゾンビ映画で、リアルな演技といい、手づくり感満載で、とても楽しかった。
10minutes映画に出してほしいくらい!?

列車事故のあるドラマとしてのみごたえは、『アンストッパブル』が最高でしたが、
生命体を支配しようとする軍人の憎悪が、生命体の憎悪を引き出して増幅させた、
生命体と手が触れた途端、その哀しみ、故郷に帰りたいという思いが伝わったという
医者のセリフが心に残った。


 

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