噛みつき評論 ブログ版

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政治家の質低下とマスコミの役割

2020-06-21 22:04:46 | マスメディア
 北朝鮮の韓国に対する罵詈雑言、それに続く連絡事務所爆破「ドッカーン」はあまりにも演出がマンガみたいで、笑ってしまった。さらに金与正党第1副部長の韓国に対する罵詈雑言が凄い。「人間のクズが人間の真似をして、あのような行為をするとは。汚い口で吠え立てる野良犬と同じだ」爆破後は「人間のクズ共に対する懲罰だ」 この汚い文章には感心する。

 人間のクズと言えば、百田尚樹氏の「与党の8割はクズ、野党は10割がクズ」という言葉を思い出す。そこまでとは思わないが、当たらずとも遠からず、である。百田氏の罵詈雑言の才もなかなかのものである。

 さて、東京都知事選挙の候補者が出そろった。過去最高の22人だという。数は最高でも中身となるといささか心もとない。むろん、候補者全員を知っているわけではないので、確実なことは言えないが、知名度のある数人については十分に失望させられる。当選したら全員に10万円配るというのまである。税金を使った買収ではないか。私は20万円配るという候補者が出たらどうするのか。

 実際に政治に携わる政治家、つまり与党の政治家ということになるが、彼らがマスコミに称賛されたり、評価されたりすることは滅多にない。あったとしても死後数十年経ってからということが多い。逆に悪口、悪評は日常茶飯事である。昔なら美味しい利権にもありつけたかもしれないが、現在、その道はかなりハイリスクを覚悟しなくてはならない。

 つまり政治家として成功しても称賛されることはなく、あまり実益にもありつけない。権力は気持ちいいものだろうが、それだけでは魅力ある世界と思わない人達が多いと思う。もっと魅力のある世界があると考えるのであろう。政治の世界は優秀な若者を惹きつけるだけの魅力がない。

 では野党の政治家はどうだろう。彼らにとってマスコミはたいてい味方である。だが野党の政治家を称賛することはほとんどない。理由は簡単である。称賛するようなところがないからである。さらに野党政治家に比べると実益も権力も少ない。野党に優秀な人材が集まらないのもうなづける。

 マスコミと野党の最大関心事は与党政治家の汚職やスキャンダルである。過去の政策の成果があったのか、なかったのか、あるいは今後どのような政策を取るべきか、などにはあまり関心がないようである。与党政治家の汚職やスキャンダルは確実に政権の足を引っ張る。政権が倒れるのはたいてい汚職や不祥事が原因である。例外は民主党政権である。この時だけは外交・内政の政策のまずさが足を引っ張った。自業自得と言うべきか。

 マスコミがこんな姿勢ではよい仕事をする政治家は生まれにくい。閣僚や検事の任命は内閣かもしれないが、その失敗で内閣支持率は大きく低下する。任命をするといっても多くの人間をすべて調査できるわけではない。責任がないとは言わないが、政権を壊すほどのものではないと思う。それまでの長期間、よい仕事をしてきた政権がこの程度のことで倒れるのは理にあわない。マスコミの集中報道に影響される有権者は目前の事件に目を奪われ、過去の功績を簡単に忘れる。

 5月下旬の朝日の世論調査によれば安倍内閣の支持率は第2次安倍政権で最低の29%となった。これを解説する朝日が運営するニュースサイト、ウィズニュースの記事が面白い。詳しくは元記事をご覧いただきたいが、記事の要点は以下の通りである。新型コロナウイルスの感染が拡大してから、50代、60代の女性は急速に政治に関心を高めると同時に、安倍内閣への支持を大きく低下させたというものである。

 なぜ50代、60代の女性なのか、それは恐らくこの時期、彼女たちがコロナために家にこもってテレビを長時間見ていたためではないか。PCRなど政府の新型コロナ対策への批判、検察庁法の問題などを見続けた階層であろう。テレビを長時間見続けた結果、内閣支持率は50代女性で18%、60代の女性では20%とひどい状態である。まことにテレビの力は大きい。50代60代の女性というのは主婦が多く含まれ、子供を除くと最も社会経験の少ない階層であり、情報源をテレビに頼ることが多い。

 しかしコロナと検察庁法が50代60代の女性に与える影響力で内閣が倒れたりすればまことに理不尽である。結果的にコロナ対策は成功であるのにである。ところが記事は「コロナと「検察庁法」が呼び起こしたもの」をタイトルにして、この二つの報道で支持率を下げたと自慢しているようである。その通りだが、情報弱者を操作して政権が倒れるようではフェアでない。記者の見識を疑う。支持率低下は報道の中立性が守られていないことの証でもある。

 根本の問題は左派マスコミと野党の姿勢にある。彼らの目的が国をよりよくすることでなく、政権を倒すことにあるからだと思う。政権を倒した後のことなど考えてもいないのではないか。だから民主党政権が失敗したのは当然の帰結であった。まず政権を担えるだけの野党を育ててから政権交代を目指すのが順序である。クズばかりでは民主党政権の過ちを繰り返すだけである。このような姿勢は数十年続いてきた左派マスコミと野党の伝統であるだけに、変わるのは簡単ではないが、情報弱者を無くす意味でネットに期待したい。