噛みつき評論 ブログ版

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良心のない人

2015-08-31 09:00:33 | マスメディア
 シェイクスピア劇には罪の意識に苛(さいな)まれる人物がしばしば登場します。ハムレットでは兄である王を毒殺し王位と妃を奪ったクローディアス、マクベスでは妻にそそのかされてダンカン王を殺害するマクベス。いずれも自分の野心のために人を殺したものの、罪の意識に苛まれ、やがて滅びる運命をたどります。

 罪の意識は悪行に対する強いブレーキとなります。もしブレーキの壊れた人間がいたら・・・。

 寝屋川市の中一生徒2名の殺害事件はまことに異様で、同情心や罪悪感を持つ人間の仕業とは思えません。山田容疑者が殺害したとすればですが、得られるものの大きさと罪の大きさの釣り合いが取れません。子供二人の命と引き換えに何を得たのでしょうか。

 恐らく異常な性格の持ち主であって、一瞬の快楽のために残虐な行為に及んだものと想像できます。共感能力や罪悪感は全くないか、あっても非常に希薄であったのでしょう。それはサイコパスを思い起こさせます。

 サイコパスは反社会性人格障害者、精神病質者とも呼ばれ、その定義も不明確ですがウィキペディアでは次のように説明されます。
「他人に対する思いやりに全く欠けており、罪悪感も後悔の念もなく、社会の規範を犯し、人の期待を裏切り・・・」

 良いところなしですが、共感能力の欠如と罪悪感がないことは他の定義と共通しています。平気で嘘をつくという特徴も多く挙げられています。また「先天的な原因があるとされ、殆どが男性である。脳の働きを計測すると、共感性を司る部分の働きが弱い場合が多いという」とも書かれています。別資料ですが脳の画像データに異常のあることがわかったとか、男女比は3:1などの記述もあります。

 サイコパスの出現率は国や地域によって大差があるようで、米国では4%、アジアではその10分の1程度とも言われます。まあ正確な調査は期待できないので、目安程度と思っておいた方がよいでしょう。それでも相当な数が存在することになりますが、そのほとんどは社会人として適応しているわけです。

 中一生徒2名の殺害事件は悪魔の仕業とも思えるものです。もしかしたら悪魔という想像上の存在が出来上がったのはこのような、理解できない邪悪な行為が元になったのかもしれません。

 その犯行は到底許せるものではありませんが、容疑者自身もその異常な性癖と反社会性異常人格ゆえの運命に翻弄された人間、とも言えます。この種の犯罪は累犯の傾向があるとされますが、それは生来の性格に由来するところがあるためでしょう。犯罪は貧困など社会の病理から生まれるという考え方では説明がつきません。

 また累犯の傾向が明らかであっても、犯罪者の「人権」が重視されるために有効な予防策が実施できないことも被害を広げる原因となっています。外国では所在地を特定できるGPS機器の所持を義務付けたり、注意を促すために地域住民に犯罪者のことを知らせたりする例があると聞きます。

 それにしてもこの事件の報道は過剰でした。「安保法案はよくわからん」という意見が過半を占めますが、この事件報道の1割でも安保法案の解説に充てれば状況は変わるでしょう。国民に理解されていない安保法案を通すことは反対、と他人事のように主張するメディアがありますが、「理解されていない」のはメディアがその報道を十分しなかったためでもあります。
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なぜか低調な温暖化報道

2015-08-24 08:00:01 | マスメディア
 ピュリツァー賞を受賞したジャレド・ダイアモンド氏の著書『銃・病原菌・鉄』は地理学や生物学などの立場から世界各地の文明の盛衰を説いたものです。幅広い知識に裏付けられた独自の見解はとても興味あるものでした。朝日新聞による識者アンケートでは2000~2009年の本の中で1位に選ばれました。

 福島原発事故後の2012年1月、朝日新聞はそのジャレド・ダイアモンド氏にインタビューした記事を載せました。ところがダイアモンド氏は「温暖化のほうが深刻、原発を手放すな」と主張しました。原発反対の朝日はこの部分だけを削除するわけにはいかなかったのでしょう。それまで持ち上げてきたダイアモンド氏に原発を肯定されるという、薮蛇の結果となりました。

 21日の朝日には小さな記事が載りました。要約すると、米海洋大気局は20日、今年7月1カ月間の世界の平均温度が、記録の残る1880年以降で最高となる16.61度に達し、今年1月以降の7カ月間の平均温度も、史上最高だった10年の記録を更新、15年の世界の平均温度は14年を抜いて史上最高となる可能性が高いと発表した、というものです。

 温暖化には異論もありますが、地域的な個々の現象ではなく、世界の平均温度が史上最高となれば温暖化の強力な証拠となります。しかし大きく報道されることはありませんでした。

 数年前、福島第一の事故以前、地球温暖化は報道の主要なテーマでした。高温が続いたり、異常気象が頻発するとしばしば温暖化との関係が指摘されました。ところがこの夏は異常な高温、近海でのサメの出没、特定種の漁獲量変動など、気候との関連が疑われる現象が次々と起きたにもかかわらず、温暖化との関係が論じられたりすることはほとんどありませんでした。熱しやすく醒めやすいとの定評があるメディアは温暖化に飽きたのでしょうか。

 昨年の9月21日、ニューヨークでは温暖化対策への取り組みを訴える40万人規模のデモがありました。米国における温暖化への関心は強く、日本とは大差があるようです。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第5次評価報告書では温暖化については「疑う余地がない」とされています。

 日本のメディアはなぜ温暖化の報道をしなくなったのでしょうか。朝日については原発との関係が疑われます。つまり温暖化の懸念が広がるとCO2を出さない原発の優位性が注目され、原発反対の機運を殺ぐことになる、という理由が考えられます。そうならばこれは立派な情報統制です。民主主義の基本である国民の判断を信用せず「由らしむべし知らしむべからず」(*1)という傲慢さが見えるようです。

(*1)論語から。人民を為政者の施政に従わせることはできるが、その道理を理解させることはむずかしい。転じて、為政者は人民を施政に従わせればよいのであり、その道理を人民にわからせる必要はない(デジタル大辞泉)。
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たいてい慣れる

2015-08-17 09:18:54 | マスメディア
 この2月、近くの公園は珍しく20cmほどの雪に覆われました。その公園での出来事です。突然、飼い主の制御が利かなくなったやや大きい犬が猫を襲ってきました。猫は雪に足をとられて素早く動けなかったので、私が犬の胴体にしがみついて止め、ことなきを得ました。

 公園で犬を放すことは禁じられており、飼い主に注意したところ、逆上される始末。このあと同様なことが4回ありましたが、うち3回は口論となりました。

 自覚的にルール違反をしているとき、それを注意されると腹の立つことがあります・・・理不尽なことですが。とくに管理者ではなく第三者に注意されると余計に腹が立つようです。仕事でもないのに要らぬおせっかいを、という気持ちになるためでしょう。

 そのようなことは承知しているので、「この公園で犬を放すことは禁止されているので引き綱をお願いします」と、出来る限りの低姿勢で臨むのですが、多くは見事に反発を買いました。40~50代の女性だけは理解してくれましたが、60代と思われる男性らと口論となり、売り言葉に買い言葉、最後は捨てぜりふです(大人げないですね)。

 社会経験豊かな60代でもこの始末ですから、若者に注意するときはさらに慎重さが必要です。注意することは本当に難しい。89年には毎日新聞の記者が暴走族の暴走行為を注意して若者に殺された事件もありました。かといって皆が無関心では困るわけです。

 この出来事で気づいたことがあります。それは慣れるということが思いのほか強力な仕組みだということです。私はもともとケンカ好きではなかったので、たまに口論をするとしばらくの間、不愉快になりました。それが何回か口論をして、慣れてしまったのです。すぐに忘れ、後味の悪さも感じなくなりました。

 繰り返すことで、それに新鮮味を感じられなくなり、強い印象がなくなったということでしょう。「飽きる」はあまりいい意味では使われませんが「慣れる」と同じ現象の両側面と言ってもよいでしょう。

 両足を切断した人々に対する外国での調査結果を聞いたことがあります。記憶ですが、切断直後は誰もが悲嘆にくれているが6ヵ月後には相当回復し、切断前の90%程度の幸福度になっていたという話です(幸福度をどのように計ったものかはわかりません)。裏づけを取ろうと検索してみましたが、見つからなかったので信頼度は不明ですが「慣れ」を説明する、ありそうな話です。

 慣れてはいけないこともあります。中国の公船が尖閣周辺で領海侵犯を繰り返し侵入していますが、今では小さなベタ記事にしかなりません。メディアが慣れてしまったのでしょう。しかしその扱いの軽さがたいした問題ではないという認識を与えてしまいます。それこそ中国の狙いなのでしょうが、何隻もの船を使って侵犯を繰り返すには相応の目的がある筈です。

 侵入のたびに一面トップでデカデカと報道して世論を喚起し、大騒ぎすれば中国に対する強い牽制、抑止力になると思います。これは非軍事的な抑止力です。中国寄りの左派メディアにはちょっと期待できませんけれど。
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永遠の不信感

2015-08-10 09:03:06 | マスメディア
 来日中のハモンド英外相は岸田外務大臣と会談し、イギリス側は日本政府が進める安全保障の法整備を強く支持することを表明しました。安保法案を支持する諸国は英、米、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、モンゴル、インドネシア、シンガポール、フィリピン、ベトナム、ブラジル、コロンビア、メキシコとなりました。反対しているのはおなじみの中国と韓国、それに国ではありませんが朝日と毎日です。

 これら多数を占める諸国の支持はそれぞれの国の政府の判断であり、それは国際情勢に関する知識と認識能力を備えた人物や組織によるものです。決して素人の感情的な判断ではないことに注意したいと思います。自国の利益など 、様々な思惑もあるでしょうが、日本の安保法制が戦争法案と呼ばれるような危険なものではなく、平和と安定に寄与するものという評価があるからだと思われます。その背景には戦後日本への強い信頼があるのでしょう。

 一方、国内に目を向けると様相は一変します。左派メディアは安保法制を戦争をするための法案であるとのキャンペーンを展開しています。その背景には自国の政府に対する一貫した不信感があるように思います。日本政府は民主的に選ばれた政府ですから、それは国民多数に対する不信感とも言えるでしょう。

 政府や国民に対する重度の不信の反面、北朝鮮や中国、ロシアなどを信頼しているようです。集団的自衛権など必要ないという主張はそれら諸国への信頼がなければ不可能だと思われるからです。是非ともその信頼の根拠をお聞かせ願いたいところですが、なぜか説明がありません。

 身近な国民多数やその政府を信頼せず、実情のわかり難い近隣国を信頼するというのは実に奇妙な話です。なかでも仮想敵国ともされる中国と一緒になって法案に反対するのは理解に苦しみます。もっとも朝日は中国の出先機関と間違えられるような報道姿勢をとり続けてきたので意外感はありませんが。

 左派メディアの一貫した不信感の裏にはなにか合理的に説明できないものがあるような気がします。性格に起因するようなものもかも知れません。陰謀論の根っこには強い不信感があり、それは性格にも関係があると思いますが、それによく似ています。あるいは宗教に近いものかもしれません。

 大手メディアが政府に強い不信感を持ち続けることは決して好ましいことではありません。報道は曲げられ、その大きい影響力によって不信感は増幅され、国民の無用な対立を招くからです。また左派メディアの影響下にある人々の歓心を買おうとして、野党は非現実的な反対だけの政党に堕しやすくなります。昨今の民主党を見ればおわかりでしょう。

「私が本当につぶれてほしいと思っているのは、朝日新聞と毎日新聞と東京新聞です」
 これは百田尚樹氏の発言ですが、政治の分野に限ればその通りだと思います。
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明るいニュース

2015-08-03 08:49:18 | マスメディア
 テレビ朝日のバンコク支局長が、タイ外務省が外国メディア向けに開設した「LINE」グループ内に自分の下半身の画像を投稿していたことが明らかになりました。支局長は自らの下半身の写真を知人女性に送ろうとしたところ誤ってそのグループに投稿したとされます。

 インターネット上には誤って投稿したとされる画像が出回っており、それによると、何者かが男性器を露出し右手で握る様子が写っていたそうです。この種の話は皆が面白がって瞬く間に拡散します。既に支局長の名前と顔写真までネットに載っています。

 支局長は人望のある優秀な人物という話もあります。お気の毒ですがまさに千慮の一失、悔やんでも悔やみきれないことでしょう。誤投稿さえなければ特に異常とは思われない行為で、「元気で健康な人」であれば普通のことでしょう。過度の社会的制裁がないよう願いたいものです。

 マスメディアが流すものは暗いニュース、不安な話が圧倒的です。そのほうが読者・視聴者の注意を引くことが出来るためだと言われていますが、おかげで世の中の印象がずいぶん暗いものになってしまいました。その中でこのようなニュースは楽しく明るい気分にさせてくれます。ご本人には誠に申し訳ありませんが。

 テレ朝といえば元報道ステーションのコメンテーターで、バナナ記者の異名をもつ菅沼栄一郎氏が大先輩にいらっしゃいます。以下はWikipediaからの抜粋です。
『1999年4月、現職の民主党代議士の石井一の元秘書の女性が、『私と菅沼栄一郎・愛欲8年』とのタイトルで週刊誌に不倫関係を暴露した。週刊誌の広告には「バナナを女性器に挿入された」と掲載され、記事の中で「女性の髪の毛をわしづかみにして首を捻じ曲げて性器を見せた」「卑猥な言葉を言うように強要した」「バナナを女性の意志に反し無理やり女性器に入れて、それを食べた」などと菅沼の性的嗜好を告白した』

 週刊誌の餌食とされた形ですが、恥ずかしさのレベルではこちらの方が数段上ですね。暴露を招くような女性への対応は問題ですが、バナナという「独創性」や乱暴さがあるものの、こちらも特に異常とまでは言えない行為です。彼も東大法学部卒のエリートだそうですが、その後の社会的制裁はいささか大きすぎたように思います。

 誰もがやることとまでは言いませんが、隠れてやってるのであれば特に不思議ではなく、誰かを傷つけたわけでもありません。僅かな不注意のためにプライベートなことが公にされ、社会的制裁まで受けるべきことでしょうか。ニヤニヤと明るく笑ってすませるだけで十分でしょう。私の知人はみな同情しながらも、こみ上げる笑いを抑えられませんでした。

 それにしてもこの珍しい事件はどちらも上品でお堅い筈の朝日・テレ朝のエリート社員によるものです。公にされた事実との鮮やかなコントラストがいっそう興味深いものにしています。お元気な方が多いのかもしれません。

 それはともかく、明るいニュースをご提供され、世の中を明るくしてくださった朝日に深く感謝します。
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