日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

ドコモの「開物」不足に振り回された日曜日

2011-12-13 | その他あれこれ
日曜日は本当にまいりました。

朝11時頃でしょうか、仕事部屋に置きっぱなしの携帯を取りにいくと、「着信アリ」だったので折り返し電話を入れようとしたものの、「しばらくお待ち願います」の表示が・・・。「変だなぁ?」と思いながら何度トライしても全然つながらず、同じような反応の繰り返しです。とっさに思い浮かんだのは、あの3.11の地震発生直後の携帯状況。新年になる瞬間とかでも、電波が異常に混雑をするとそういうことがあるとは聞いていましたが、はて「今日は何の日?」。特に普通の日曜日であり、世間一般でとりわけ携帯回線が混雑するようなイベントがあるとは聞いてはいません。

となると疑うのは携帯の故障ですが、最後に使用したのが前日の夜、しかも朝携帯の着信があったのですから、それも考えにくいと・・・。PCを立ち上げ、NTTドコモのサイトへ。「通信異常が発生しているに違いない」、そう思った訳です。しかし最新の通信異常のお知らせは8月の情報、現時点での発生等は何の記載もなし。グーグルのニュースページで、「ドコモ 通信異常」でニュース検索するも最新ニュースはひっかからずでした。その間も何度か発信を試みましたが、全くダメ。そうなると、不思議に思いつつも本格的に携帯の故障を疑わざるを得なくなる訳です。そこで、固定電話からドコモの問い合わせ番号にTEL。通信障害の有無確認をしつつ故障箇所の特定を、という考えでした。

しかし!「オペレータにおつなぎいたします」まではいくものの、「ただいま大変混みあっております。おかけ直ししただくか、しばらくそのままお待ちください」のメッセージが繰り返されるばかりです。これではお話になりません。仕方なく電話を切ったものの、そうこうするうち昼はとうに過ぎ、念のため再度確認したドコモのホームページでは相変わらず何のお知らせもなし。私は「どうやら携帯が壊れたようだ」と納得のいかない納得のさせ方で、この問題から頭を切り替えて仕事に出ることにしたのでした。

結局、ドコモの通信異常があったことを知ったのはすっかり暗くなった夕刻のことでした。うちのスタッフからの連絡で知らされました。携帯故障は仕事に差し障るので、予定を変更して出掛けた足でドコモショップに故障相談に行こうと思っていたので、「今頃そりゃないだろ!」と呆れさせられました。いずれにせよ、今回のドコモの情報対応の遅さはひどくないですか。後から調べてみても、通信異常の発生は午前10時台、一方ネット上最速と思しき2ちゃんでドコモ公表情報が流れ始めたのは16時前のようです。ドコモは一体何時に障害発生の事実公表をしたのかですが、この2ちゃん掲載時間の直前ぐらいでしょうか?だとすればあまりに遅すぎます。

以上、長々と日曜日の私の携帯通信異常に振り回された経緯を書きましたが、私一人の行動を見てもドコモの事実公表の遅れによって、大きな無駄をさせられているのがお分かりいただけるかと思います。問い合わせ電話が殺到するぐらいの予想はできるハズですから、最低限昼段階で電話受付時の待たせる間に「障害発生」を知らせるテープを流せばいい。それをするだけでも結果は随分違ったと思います。iモードにしたって、普段要らないドコモ情報を送りつけてくるメッセージRで障害発生連絡だってできるはずなのに復旧後を含めて一切なし。この程度の事は、利用者の立場でサービスを考えるなら、すぐに思いつく対応であるハズなのですが・・・。

これでは公共のインフラを担う企業として失格です。20年以上前に、私が銀行のプレス担当をしていた時代でも、休日のオンライン障害発生時には30分以内には主要メディアに事実連絡をしていたのですから。NTTドコモは、とにかく「開物」精神が足りないのではないか、と思います。だとすればまだまだ組織は至って官僚的である、と言っていいでしょう。「開物」とは、すべてを包み隠さず見せる事です。悪い事実であればあるほど早く「開物」しなければ利用者の支持が得られる訳がありません。原因が分からなければ分からないで、「調査中」と言う事実を公表すればいい。公表が遅れれば遅れるほど、「何か隠しているのではないか」とあらぬ疑念を抱かせるだけなのです。

多くの利用者を抱える公共的色合いの濃い企業であればある程、「復旧対応への着手」と「障害発生のお知らせ」は同時におこなわなければいけないのです。悪いことをなるべく隠したい、できれば早期に復旧させて何事もなかったかのように振る舞いたい、もし少しでもNTTドコモがそう考えて日曜日の事実公表を遅らせたのならそれは大変な間違いです。NTTドコモは業界シェアNo.1の巨大企業ではありますが、今回のように官僚的な姿勢でのサービス提供を見る限りにおいて、スマホ大戦争の携帯電話市場における同社のジリ貧状態はi-Phone取扱の有無ばかりが理由ではないと思わされました。