静聴雨読

歴史文化を読み解く

「本の聖地」での定着を目指して・3

2011-12-13 07:10:14 | BIBLOSの本棚

 

(9)3ヶ月経過して

 

三省堂古書館に古本を並べさせていただいて3ヶ月経ちました。月ごとの売上は予想以上に好調です。「三省堂」というブランドの強さを改めて認識しました。

 

私には順調に見えた売上ですが、三省堂古書館から見ると必ずしもそうでないようです。

 

11月から、三省堂古書館は各古書店に対して棚数に見合った「最低売上目標」(いわゆる「ノルマ」)を設定するという通知を出しました。それを見ると、「BIBLOSの本棚」の売上は「最低売上目標」ギリギリであることがわかりました。「BIBLOSの本棚」の売上はほかの古書店のそれに比べて、格別劣っているように思われません。上から3割くらいの位置にはいるはずです。それで、「最低売上目標」ギリギリですから、ほかの7割の古書店は「最低売上目標」をクリアするために更なる努力が必要なようです。ここから、三省堂古書館の経営の難しさが窺えます。

 

「最低売上目標」の設定は当然の処置だと思います。今まで設定していなかったのがむしろ「甘かった」といえます。

 

しかし、「最低売上目標」の設定に見合う古書店へのサービスが提供されているかどうかについては疑問があります。

 

ある日、三省堂古書館を訪れ、「BIBLOSの本棚」の棚を見ると、棚に空きがあるのです。店員に事情を聞くと、「『神保町古本まつり』がありまして、その関係で、多く売れてしまったのでしょう。」と涼しい顔をしています。ストック(予備)を調べてもらったところ、まったくないようです。

 

多く売れたことは喜ばしいことですが、それで棚に空きが出ても、古書店に連絡もしない、というのは考えられないことです。これでは、三省堂古書館に販売を委託しているメリットの何割かは飛んでしまいます。すべて、人手不足が原因だそうで、これでは、先が思い遣られます。  (2011/12