静聴雨読

歴史文化を読み解く

「本の聖地」の老舗書店にて

2011-12-01 07:02:11 | BIBLOSの本棚

 

(1)暑い中

 

近年は気候の変動が著しくて、冬が暖冬だったり、夏が冷夏だったり熱暑だったりと、異常気象には事欠きません。

 

今年は、全国的に梅雨に雨が多かったようです。そして、梅雨明けとともに猛暑が襲ってきました。この暑さは近年でもまれな暑さではないでしょうか?

 

暑い中、今ある作業をしています。

 

私は、インターネット古書店「BIBLOSの本棚」 http://enjoy1.bb-east.ne.jp/~biblos/ を運営していますが、リアルな古書店を1ヶ月だけ開店することになりました。その準備です。出品する書籍を選り分け、値札を付け、梱包するのです。体を少し動かすだけで汗が噴き出します。こんなに汗をかいたのは久しぶりのことです。

 

私の加盟している「スーパー源氏」から声をかけていただき、「本の聖地」である東京・神田神保町の三省堂書店神保町本店で開催される「絶版・品切文庫・新書フェア」に出品することになりました。5店の古書店の共同出店です。

 

開催期間は、87日(土)-910日(金)の1ヶ月間。

期間は長く見えますが、古書店のすることは至って少なく、事前に出品する書籍を宅急便で送り、

開店前日に棚に並べる。これだけです。始まってしまえば、あとは、三省堂がすべてやってくれます。棚の空きの補充も三省堂がやってくれます。

 

開店が楽しみです。

ただ一つの心配は、売れすぎて、補充書籍が足りなくなったらどうしよう、ということ。でも、そんなこと、あり得ないか。  (2010/7

 

(2)ひと夏限りの

 

東京・神田神保町の三省堂東京本店で87日から910日まで開催されていた「絶版・品切 文庫・新書フェア」が終了しました。「BIBLOSの本棚」として初めて経験するリアル古書店への出品でしたが、様々な経験を積むことができました。

 

出品数:

 

前回、「売れすぎて、補充書籍が足りなくなったらどうしよう」と冗談をいいましたが、実際にその事態が起こりました。事前にダンボール7箱分を三省堂に送ったのですが、その後、三省堂からの要請があって、2箱分補充しました。

 

売れ筋:

 

これが、最も関心のあることでした。(1)絶版の海外文学、(2)絶版のSF、(3)歴史物。これが、ベストスリー。「BIBLOSの本棚」が得意とする「詩とメルヒェン」があまり出ないのが意外でした。

 

販売成績:

 

期間全体の販売実績はまだ手元に届いていませんが、中間集計では、参加5店の中で、「BIBLOSの本棚」は、販売点数で3位、販売額でも3位につけています。新米古書店としては望外の成績です。とくに、出品点数が出店5店の中で最少でしたから、健闘した部類です。

 

返品率:

 

会期が終わり三省堂からダンボール4箱分が返ってきました。返品率4/9。平均に比べての評価はできませんが、新米古書店の成績としては、まずまずでしょう。いや上出来といえるかもしれません。

今回の参加の目的の一つが、在庫の圧縮でした。この目的は十分に達成しました。

 

手応え:

 

大きな老舗書店の棚を一部借りて古書店を開くというこの上もない贅沢を味わせていただきました。

 

ただ、何かが足りない。

それは、お客様とのやりとりがないことです。

販売実務はすべて書店がやってくれます。こちらは、「これだけ売れました。」「補充をお願いします。」という書店からの連絡を受けるだけです。これ以上楽なことはないともいえますが、一方、お客様とのやりとりのないことがフラストレーションを引き起こします。

 

インターネット古書店では、受注確認通知を差し上げる、書籍を発送する、お客様からの受け取り通知をいただく、など、すべてのお客様とのやりとりが楽しくてしょうがないのですが、今回それらはすべてカット。そこがもの足りなさを感じた所以です。

 

来年は?:

 

さて、次回、同じような催しがあった場合、参加を希望するか? 悩むかもしれません。

今回が、ひと夏限りのリアル古書店だったかもしれません。  (2010/9