静聴雨読

歴史文化を読み解く

二週間の憂鬱

2010-09-13 07:46:16 | 社会斜め読み
9月1日の民主党代表選挙の告示から14日の投票日まで2週間。この2週間を極めて憂鬱な気分で過ごしている。代表選挙そのものは決まった手続きに基づくものだから、異を唱えるつもりはない。問題は、二人の候補者のうち、小沢一郎氏が選ばれたらどうしよう。それが憂鬱の種だ。

小沢氏は、言うまでもなく、今年の6月に、鳩山由紀夫氏の首相辞任に伴って、民主党の幹事長職を退いた当の本人である。その辞めた理由が、自らの政治資金の不透明さの説明が足りないことで国民の信頼を損ねたことにあったはずだ。

鳩山氏は辞任発表の場で、「私も総理大臣の座を退くが、小沢さん、あなたも、どうぞ、民主党の幹事長職を退いていただきたい。」と述べて、両者は握手を交わした。その時のテレビ映像では、鳩山氏は小沢氏に申し訳なさそうなそぶりを見せ、小沢氏は無念やるかたない、という風情だった。

その小沢氏の表情を見て、「これは、ひょっとして、小沢さんは、自らの政治資金問題について、反省していないようだ。いずれ、近いうちに、政治活動を再開させる気だな。」と思った。その現われが、わずか3ヶ月後の民主党代表選挙への出馬であったとは。

民主党代表選挙の期間中、小沢氏は、自らの政治資金問題については、検察の判断は既に出ている。私(小沢氏)が次期総理になれば、国会の場で、毎日、説明することになる、と嘯(うそぶ)いたという。総理大臣になってからではなく、総理大臣になるまでに十分説明して、国民の不信感を取り除くべきなのに。

このように、民意を理解しない政治家が次期総理大臣になるかもしれない。それが憂鬱を増幅している。 (2009/9)