おじたん。的ぶろぐ生活。

おじたん。である。語るんである。

自己責任の旅。

2004-10-28 09:53:50 | 我思う、故に書くなりよ。
日本人が首を牛や羊みたいに切られるのは勘弁して欲しいが…。

地震で大騒ぎの中、イラクで最も凶悪な武装グループに日本人旅行者が人質になったと、ニュースが流れた。イスラム系のネットを通して配信された映像には、いつもの通りの光景が映っている。座らせた人質の後ろで何やら読み上げる覆面姿の武装グループ。

今までと大して変わらない映像だが、テレビや新聞でのみ、人質殺害のニュースを知っている人には知りえない、相当ショッキングな映像が続編としてネットではいずれ流れる事になる。

座らせた人質をやおら横倒しにすると同時に、彼らは「アラーアクバルゥ!」と連呼しながらおもむろに人質の首にナイフを突き刺すのである。人質がわめこうが、もがこうが、ナイフはズブズブと首に差し込まれ、ものの30秒足らずで首が切り離される。その首は元の主の背中に乗せられて、そこで大方の映像は終わるんである。以前は「射殺後に切断されている…」とか噂されたものだが、英国人はゴボゴボ言いながら首を切られた。生きながらにして、首を切られたのである。

旅行者だから大丈夫…と、ホテルの人が止めるのにも関わらず、その人はイラクに向かったそうだ。この人は半年前に3人の日本人が人質になっていた事を知っていたのだろうか? 知らないにしても、英国や米国の人質がどの様な憂き目に遭ったか、何も情報を得ずにいたのだろうか? それにしても随分とすんなり捕まった気もするんだけど…。

多くの疑問が残るが、例の3人組の件やその後の2人組以来、イラクへの渡航は「自己責任」って事になっている。あれだけの軍事力を持ち込んだ米国でさえ、その身を守るのは至難の業となっているワケで、いかに人道支援だろうが、報道目的だろうが、彼ら武装グループにしてみれば「鴨がネギ背負ってる」風にしか思われない状況に変わりない。

残念だが、今回は以前の3人組やその直後の2人組の人質とはワケが違う。相手が全く違うのだ。単なる町の愚連隊だから、聖職者協会とか地元の「権威者」で話が付いたのが以前の件。今回は、イラク同胞のため…とは言うものの、イラクの同胞からも煙たがられる「外国人テロリスト」がその正体であって、交渉とかは基本的に全くしない。多額の金銭よりも、報復として人質の首を切る事の方が大事な連中なのである。案の定、聖職者協会のコメントは「為す術が無い連中だ…」。

よほど敬虔なイスラム教徒でも無い限り、無事で帰ってくる事も無いと思う。なんせ彼らの要求は無理難題であって、要求に妥協する事は「テロに屈する」事を意味する。相手がアルカイダの流れを汲む連中ならば、なおさらの事。平和を主張する市民団体は直ぐに自衛隊の撤退を叫ぶんだと思うが、相手が何者か全然わかってない。自らの命と引き換えに、より多くの米国人とその同盟国の人間を殺す事が目的の連中である。そうする事で自分の信じる教義に属する仲間は幸せになれ、命を捧げて行う事で神の元へ必ず行けると信じている連中でもある。話し合いや無抵抗の姿勢を見せる事で平和を理解する連中ではないのである。そんな面倒な事をする位なら、多くの首を切れ…って事の方が何よりなのだ。

ただ、今回の映像では銃器が映っていないとか、人質の身分を証明するパスポート等の映像が無いとか、微妙に従来の「人質ビデオ」と違っている部分がある。ただそれだけに期待を寄せるのもなんだが、命は粗末にして欲しいとは誰も願っていない。出来るならば、生きて帰って来て欲しいとは思うが、自己責任の旅の結果は極悪なテロリスト以外に知る由も無い。

Comments (2)
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