おじたん。的ぶろぐ生活。

おじたん。である。語るんである。

さよならゴジラ。

2004-10-06 00:24:17 | 我思う、故に書くなりよ。
日本が産んだ世界のモンスターが今年で引退するらしい。

と書くと、メジャーリーグで活躍するゴジラ松井かと思われるだろうが、そうではない。怪獣の方のゴジラである。数年前にメルトダウンしちゃったんじゃないかと言う細かい突っ込みはさておき、モンスターが引退せざるをえない理由は「観客動員数の減少」だと言う。

私が幼少の頃は、このモンスターに映画館でしか会えなかった。映画館の前に貼られるスチール写真を見て、連れて行ってくれる様にせがんでは見たものの、怪獣映画に興味を示すのは子供ばかりで、親は排他的な行動しかとらない。ゴジラの華やかな活躍をようやく見たのは、私が社会人になってからだ。

幾度と無く続編とも言われる作品が作り続けられ、その内容も時代と共に変化を遂げる。より、リアルとなっていく様は大人でも見応えのある作品となり、単なる「怪獣映画」の域を抜き出たと思えた。

ところが、私はもう1匹のモンスターの方に心動かされてしまった。「ガメラ」である。長い年月を経て復活したガメラは「平成ガメラシリーズ」として3部作られ、これがなかなか良かったのである。

何が良かったかと言うと、ガメラとそれに付随して現れるモンスター以外の部分が「リアル」なのだ。対峙する人間は為す術も無く炎に包まれ、押し潰され、阿鼻叫喚。対抗戦力として担ぎ出されるのは「自衛隊」で、しかも現有兵器かそれに毛の生えた程度の物のみ。もちろん、勝つ事も無く、ボロ負けではあるが、頑張るのである。飛来するモンスターにスクランブル発進した戦闘機で対応するなんて、怪獣映画では一瞬で爆発炎上で終わり…が普通であったが、ちゃんと追尾してミサイルを撃ち、またそこまでのやり取りもリアルで見応えのある作りだったのだ。主人公のガメラはそこそこリアルではあるが、それはアレンジと言う程度であっても面白さに水を差すものではない。実際に現れちゃったら、自衛隊だったらこーすんだろうなぁ…って感じが良く出てた。

で、観ながら考えたのは「ガメラじゃなくて、ゴジラでも面白いかも…」と言う事だった。ガメラの代わりにゴジラを出しても面白いと思ったのである。じゃあ、逆に、ゴジラの世界にガメラを持ち込んだら面白いかと言うと、面白くないと思う。

モンスターをリアルにした「ゴジラ」の世界。対ゴジラ専用特殊部隊やトンデモ兵器が、現代の日本を舞台とするリアルな世界で「浮いて見えた」のだ。確かに「メーサー砲」は欠かせない物だが、出し方がもっと現実味を帯びていたら、違った見方が出来たかもしれない。出て来なくても良いヒーローやヒロインに頼らなければいけないほどモンスターはくたびれていたのだろうか。US版のゴジラがガメラと同じ様に面白かった。細かい所では突っ込みどころ満載ではあったにしろ、舞台のNYに浮いた設定は登場しない。対峙する人間のドラマもちゃんとそこにあり、あの舞台にこっちのゴジラを出しても面白かったんじゃないかと思う。力を失ってしまった本家のゴジラを観て、行く末を案じていたのは私だけではなかったと思う。

ゴジラはいつの日か、また「復活」してくれると思う。それほど偉大なモンスターであると、私は信じている。その時が来るまでに、充実感のあるシナリオを用意しなければいけないのは映画会社の努めであると思う。

Comments (2)
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