おじたん。的ぶろぐ生活。

おじたん。である。語るんである。

ところ変われば…。

2004-10-03 00:32:24 | 我思う、故に書くなりよ。
朝鮮日報の日本語サイトに「くらしの知恵袋」ってコーナーがある。

これ、内容を端的に表したイラストがメインでもあるのだが、これがシュールで良いっ。
肝心な中身は「ホントかよっ…」って突っ込みたくなる物もあるが、国が変われば「知恵袋」も変わる所がおもしろい。

以前、一緒に働いていた同僚は、単身フランスへ乗り込み、家政婦をしながらフランスの文化と言葉を物にしてきた強者だった。彼女から教わったのが…

「そんな時はコーラを飲めばいい。」

と言う事。ちょっと頭が痛いとか、気分が悪いとか、そんな時に「コーラ」なんだそうだ。フランス全土で共通する「おまじない」なのか「迷信」なのか「知恵袋」なのかは判らない。フランスのコーラは薬っぽい味なのかも知れない。その日、私は朝からずっと解剖室で写真撮影だったので、コーラどころじゃ無かった事はハッキリ覚えているが…。

中南米の某国で、小汚いレストランで食事をした時、メニューがさっぱりわからず、きょろきょろと周囲を見渡して「物色」して見ると、小さな赤いピーマンをカジカジしながら、ライスを食べてる厨房のおやじが目に止まった。その「カジカジ」ぶりがなんともリズミカルで、本能的に「あれは美味しいものに違いなひっ!」と思った私は「あれを出せコノヤロー! 金なら持ってるぞコノヤロー」と勢いで言ってみた。

するとウェイターらしきおっさんは目をまん丸にしながら「NO! NO!」と繰り返すんである。そんなのでひるんでいたんでは、こんな所くんだりまで来てジャーナリストがすたる…とまでは思わなかったが、

「いいから出しやがれコノヤロー! ウェルダンのウェルダン焼きの牛肉は噛めねえんだコノヤロー!」

ウェイターも「ちっ…しょうがねぇヤツだ…」的な態度で厨房に消え、カジカジ親父に何か言っていた。

5分もしないうちに、皿にさっきの赤ピーマン(小)が6個と、ライスに豚肉の煮込んだのが少しだけかけられた物が出て来た。

「賄い料理は裏メニューで、馬鹿うまってのが常識なんだコノヤロー!」

そんな、銀座の裏通り的なグルメ魂が勝利を呼び込んだに違いないと確信していた私ではあったが、赤ピーマン(小)を齧ってほどなく…

「無条件降伏。玉砕。ポツダム宣言受諾。デス バイ ハンギング…」

強烈な辛さに脳味噌が痛みを大江戸花火大会。ゲストずうとるび。あー。俺って中南米で死ぬんだ…。

生ハバネロ完熟ちょい手前をむさぼり食って、無事でいられるワケが無い。その様子を見ていた厨房は大爆笑だった。涙と鼻水にまみれまみれて苦しむ私に、わざわざ食べ方まで教えに来てくれた。ハバネロをカジカジカジと、3回噛んで、ライスを1スプーン。これが正しいのかどうだかどうでも良かったが、あの連中は苦も無く食べやがる。こっちは舌の痛みが取れずにもがき苦しんでいるのに。

生青唐辛子の比ではない「激辛」を超えた食材を「美味しい」と信じて食べた私が間違いだったが、彼らはその中に「美味しさを求める」と、後から聞いた。確かに、市場でハバネロを試食する人達は、何事も無かったようにむしゃむしゃ食べて、気に入ったのを紙袋に詰めてもらっていた。あの辛さの中に、味の違いを見分けられる舌を持つ事に、帰国後痛く感心したものである。

顔は30代後半だけど、ナイスバディなウェートレスが笑いながら出してくれたのは、生ぬるい「コーラ」だったなぁ。

Comments (2)
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