おじたん。的ぶろぐ生活。

おじたん。である。語るんである。

母さん、事件です! いや。母さんが事件だ…。その16。

2016-09-28 23:48:51 | 我思う、故に書くなりよ。
今日は介護保険関係の方が訪問調査にやってくる日である…。

んで、やって来た…。

とりあえず、私は面談調査ってのに同席し、調査員から何か求められたら発言するというスタンスで、調査員と母の会話を黙って聞く。

んまぁ、型通りの質問を…って感じだが、あれやこれやと巧みに聞き取っていくのは専門家ならでは…ってコト。あらゆる点を網羅している感じで、特に何か不満があったワケではない。

不満があるとすれば…母の回答なのだが、これはまぁ病気なので致し方ない。自身について、それほど重大な…って症状でもなければ、病気でもなく、単なる物忘れなのだと主張していた。

これまでにしでかしたコトってのが、ほぼ全部記憶に無いみたいで、全く語られなかったし、盗まれたとして警察を呼んだこともスルーしてた。何かしら負い目とか、自責ってものがあるのか、自ら語らないって感じ。

まぁ、その辺は、調査終了後に私からの聞き取りを行ったので、調査員が全く知らないで帰るわけじゃなかったので、問題も無い。

調査員の印象としては、身体的な支障が大きいわけでもなく、むしろ元気な部類に該当するので、介護認定では「要支援」という範疇になるのではないかと言っていた。身体的な…ってところに重きを置いての「介護認定」であり、行動に支障が無ければそうにもなる。

支援となった場合でも、受けられるサポートは数多くあるので、そうした中から母に適したものを見付け出す事になる。

ま、どうした形で決定がなされるかは待つ他になく、決定後にケアマネージャーってのが現れるのだそうな。

平行して、病院での診察なども行われる予定で、これもまぁ型通りって事なんだろうけれども、そうしたあれこれを加味した上で最終的な決定がなされるものだから、ちょいと先の話しになるんだろうな。

そんなこんなの訪問調査ってのが終ったが、母としてみれば不満な面もあったらしく、大騒ぎにはならなかったものの、小騒ぎ程度には騒ぎ出していた。何か言い足りない事でもあったのかは判らないが、受け答えを見ている限りでは概ね問題も無かったと思う。

ただ、質問の内容が簡単であるにも関らず、前ヒレ、中ヒレのついた難解にも聞こえてしまう回答が幾つかあったりもしたので、こうした場合は調査員も聞き返すので、そうした面でイラっと…来たんじゃなかろうかな様子。

そんなこんなを明日にどのくらい記憶しているのか定かじゃないが、何かしら不満の形で記憶に薄くでも残っている場合には、思い出し笑い…ならぬ、思い出し憤怒…って状態もあるので、楽しい会話を過ごした風に見えても、油断禁物なのである…。そうなっちゃうと、例によって例の通り、どうしたって荒れるにも違いが無いけどね…。

…夜になり、母と話す機会があった。

母に言わせると、私の存在自体が不快であり、信用出来ないので今後は関らないで欲しいとのこと。

母の異変を感じてあれこれとやってきたのだが、関係機関への相談や連絡、失くしたものの回復や、貴重品の管理、介護保険の申請等、そうした一切が不快であり、不安だと言う。

今後のことは判らないが、それら一切を任せるに値しないとの事だった。まぁ、実際に長い間迷惑も掛けているので、信頼もクソも無いのは確かな事だ。それについては何ら異を唱える気もない。公的機関への支援等の手続きなどは継続中なので、これまた母の意に反して早速相談することとするが、母の本心として受け取るべきだとも考えている。

要するに…お役御免と言う事だな。成年後見人制度と言う制度も利用すべきだろうし、その方が母にも幸せなんだろう。これとて、医療機関とも相談が必要となるので、それも相談してくるか…。

ま、実際にはそんなこんなが決定されるまではああだのこうだのしなくちゃならないワケだから、今すぐに、やーめた…ってコトは難しいし、法的に責任を求められる立場にあるのも変わりないが、そうも望まれているのであれば致し方ない。様子が以前からおかしかった母を見守るって事でもあったが、それすらも不快と不安なのだそうだ。

…本格的に撤収フェイズに入るのも、ちょいと想定よりはだいぶ早いんだが、信頼の置けず、不安の種となる人間は近くにいるべきではないだろうし、おそらく母は良い方向に向かうでもない。いつまでだかは知らないが、可能な限りで、心安らかな日々を送って欲しいとは思うし、私も母の意に沿わない形で続けていくのは心苦しい。

残念ながら、母は認知症になってしまった。いつから、どこから…そうしたコトはもう判らない。今回の一連の騒動の中で、見聞きしたことから察すれば、かなり早い段階でそうした兆候はあったものの、何ら手を打てなかった事は間違いない。もしかしたら、かなり昔からそうした病気との境を行き来していた人なのかも…という話も聞いている。

ここまでを振り返ると…明らかにおかしい…って事を感じた時には、遅いのかもしれない。個人差は当然としてあるので、必ずしもこの限りではないが、一般の社会生活の中で、どう考えても理解出来ない言動が見られた時を、逃してはいけないと思う。

ウチの場合では明確な…ってのはココ最近だが、それに近い事は20年も前に見てるし、私が生まれる前から見て確信していた人も少なからずいたのである。そうしたサインを誰がどこで気付けるか? もしかしたら違う病気かも、そうした病気じゃないかも、誰もがそうは思う。だが、その時点を見逃してしまう、見ていて時間だけを過ごしてしまうのは危険だと思う。

一応、このブログはある程度までは書き進める。それは自分のため。いつまで続くのか判らない将来の自分のために書き残すつもりでいる。



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母さん、事件です! いや。母さんが事件だ…。その15。

2016-09-27 20:04:51 | 我思う、故に書くなりよ。
…相変わらずだな…。

認知症って事になった母は、毎日何かしら自爆して大騒ぎしてる。これはまぁ、その内容次第じゃまともに取り合わないとマズイ…って事もあったので、今まではそうもして来たが、ココのところは騒ぐ内容がそれほどマズイ…って事ではなかったり、身の危険があるとかってコトでもないので、適当に流している。

今日の様子で言えば…マズマズ…なのだが、ちょっとした事で最近レギュラー化している「オレの彼女」ってのが出て来て、顔つきが豹変したりしている。例によって、言語不明瞭意味不明だから、何がどうしてこうなったのか? こちらとしては全く定かではないが、聞き返せば火に油を注ぐ事になるので…。

夜分になり、介護認定の担当からようやく連絡が入る。

訪問する日時が決まり、ようやくスタートだが。こちらとしては、それでいったい何が始まって、具体的に何がどうなるんだかはまだ判らない。あーだのこーだのの末、母に適したサービスを保険価格で提供される…ってコトなんだろうとは思うんだけれど。

その他諸々、相談したいコトは山ほどあるのだけれどねぇ…。そうしたのも今後どうなるんだか決めるんだろうと思っちゃいるが…どこまでそうした事をアテに出来るんだかも定かでは無い…。

今日は失くしたメガネが見付からない&見付けても度数が会わない…言い出したので、メガネ店へ一緒に出掛けた。

出発前に、何故だかメガネを手にしていたので、それはどうしたんだと尋ねると、コレじゃないのが出て来たのでコレにレンズを入れる…と、至極マトモな回答が返って来て驚いた…。

ちょいと見せてもらうと、度数が強く、白内障でレンズ交換する以前のモノと判る…。

んまぁ、それを持って行き、度数を測りなおし、メガネの発注は終了。後日の完成後に受領に行けばよいだけ…。

気になったのは、そうした行き帰りの道中、ずっと何かボソボソ…ブツブツ…と言い続けているコトだ。

これがまた、並んで歩いていても聞き取り辛く、そもそもが言語不明瞭意味不明な上での事だから、なおさら判らないんである…。時折、私自身に問い掛けているらしい様子もあるが、全く聞き取れないので聞きかえすとまた自爆するので、残念だけれど流しておくほかに方法が無い…。外出先で大騒ぎ始められたら、始末に負えない…。脳内に浮かんだ言葉とかが口から出なくても伝わるものだと考えているみたいで、いきなり文にもなっていない言葉が念仏のように投げかけられるのである…。

念仏みたいに唱えながら歩く様は、他の方から見ても奇異に感じるらしく…そうした視線を浴びていたが、そうであってもおかしくないほどに語りながら歩いていた。あまりそうした姿を見ている記憶も無いので、いつからこうなのか判らない。

先日、一緒に掛かり付け医院へ出向いた時は、こうした念仏は無かったかと思う。その代わりに、何を探しているのか定かじゃないが、首から下げたバッグの中を、延々とゴソゴソとやっていた。病院に付いても落ち着かず、診察直前までゴソゴソを続けていたのである…。

何を探しているのか尋ねても解答らしい解答は無いみたいで、それこそ回答やら返答が無い…。あまり繰り返して聞こうとすれば、自爆必須となる。

実は、そうした姿は数ヶ月前から近隣の方にも目撃されており、少なからずその姿は異変と捉えられてもいたみたいだ。体裁や世間体ってのをひどく気にする人だから、そうした姿を故意に晒すって事はなく、やはり症状の1つなんだろうと思う。

さて…明日はどうした1日になるんだかなぁ。つとめて平穏無事がいいと願っちゃいるんだが…こればかりはなぁ…。


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母さん、事件です! いや。母さんが事件だ…。その14。

2016-09-26 20:04:31 | 我思う、故に書くなりよ。
はい…今日の大騒ぎ1発目…。

…前日に引き続きメガネがなくなったとかで大騒ぎ。いつもどおりの事案なので粛々と探し続けていただく…。

んでもって…今日の大騒ぎ2発目…。

健康診断を受ける病院から、介護認定にまつわるうんちゃらかんちゃら…って電話を本人が受けてしまい、大騒ぎ。

まぁ、申請はしたのでそうにもなるんだろうけれども、申請後は未だに連絡がない。すなわち、一切の段取りと言うモノが私にも判らない状態だが、あれこれ進んでいるんだと思う。それでまぁ、役所の方から連絡を受けた病院が連絡をくれたんだろうけれども、ただでさえ記憶力が乏しくなっている本人にそうした連絡をしちゃうのもどーかと思うが、本人は病気だとも認知症だとも思っていないので、そうした電話を受けたものだから大騒ぎ。

そもそも、どうした段取りでどうなるんだか、概略の説明は受けたものの、実際にどうするんだか全然判らない。突然やってきて「こんにちわ…」ってのも私は構わないが、母は困る。連絡などはくれぐれも本人ではなく、私にするようにはお願いしてあるのだが、こうにもなると怪しいぞ、藤沢市…。連携してやってます…とは書いてあったり言われたりはするけど、その実はそうでもないワケだな…。

午後になっては大騒ぎはいまのところ無い…。が、少なからず午前の大騒ぎを引きずっており、飯など一緒に食えたモンじゃないので外出する。火の始末と戸締り、出掛けるなら連絡を…って事を言いつけておけば、これらは概ね大丈夫なので…。

本来はね、一緒に食事をする方がいいんだと思うし、そうあるべきとも思うのだが、なにしろ食事を食べるってことに集中しない。そうしたことを注意すれば、顔つきが豹変して罵詈雑言が降ってくる。そうした食事はもういいや。こっちもいい加減疲れらぁな…。

なんでだか判らんが、食事を食べりゃいいのに、突然冷蔵庫をガサゴソ始めたり、庭掃除に出ちゃったり、コロコロで掃除始めちゃったり、それらが直ぐに終ればいいんだけど、執拗に、終わりを見せずに続けちゃうのだ。

耳には入っても、脳には届かないのかなぁ。そんな調子だから、機内食の半分程度しか食べていない感じ。そうした食生活だから、どんどん痩せていく。まぁ、胃癌で胃を大きく取っちゃってるので、並に食べるワケでは無いものの、量としてはかなり減っている。

さらに…私は私の体調管理と危機管理も兼ねて、母と同じ食事は摂っていない。自分の分は自分で調理している。そうした中で、毎度の食事の度に言われるのが…

「塩が無い(減っている)、砂糖がない(減っている)」

要は、オマエが使ったんだろう、使い過ぎだ! って事みたいだが、私は調味に砂糖も塩も全く使わない。健康を維持するために、使っていい調味料は限られており、その中に砂糖と塩は含まれていないからだ。

ってことは、母が使っているとしか考えられないし、そんなものを盗む為にやって来る泥棒もいない…。

出来合いのものや、私が食べても大丈夫そうなモノは一緒に食べたりする事があるが、基本、いつの食材か? いつ調理された食事なのか? 全く判らないモノが冷蔵庫に目いっぱい詰っている。万一にも食中毒となって共倒れするとそれはそれでヤバイので、可能な限りで自炊しているのだけれど、母は味覚もおかしくなっているんだろうか…。ちなみに、それらを私が片付けようとすると、これはこれでまた豹変する…。触るな…って事だ。

んまぁ、自身で徹底して食生活を管理しなきゃ、また心筋梗塞になる…ってのは3年前に判っていた事で、これを自身でやらなければならないってのも、その時にハッキリした事でもある。それは母の協力は全て得られないと言うことである。

一般的には、生活習慣病の食生活の管理ってのは、家族単位でやらないと上手く行かないとされている。それは日々の食生活からくるものだから、家族単位での食生活を改善して行かないと、良くはならないからでもあるが、ウチはそうした事の全てを母が一切拒否したので私自身がやっているだけ。まぁ、看護士さんも管理栄養士さんも面喰らった出来事だったが、理屈が判れば特に難しい事も無かったし、問題が起きるなんて事も無かったので、それはそれで良いのだが、母の食生活となるとこれはもう預かり知らん…。

例えば…◎◎が体にいいっ! とか、TVでやってるのを観れば、すぐに飛びつくが、その日限りに近いので、全く健康には寄与しない。あれこれと身体にいいからと食べちゃいるが、3日と連続しないうちに別のものに変わるし、そもそも何を言っても食べる事に集中しなくなったので、健康うんぬんな話どころではないと思う。

食事だけじゃなく、あれこれと注意点はあるんだけど、表面上、会話は成り立っても、アタマの中には残っていないか、理解されていないみたいなので、それら注意点の改善が行動となって現れるコトは宝くじに当るか当らないかな感じでしか無いんである…。

そうしたアタマでも、火事とか泥棒って事への記憶は強く残っているみだいだ。ま、泥棒は私が記憶する限りでは全く無いのだけれど、火事はかなり昔に台所で天井を焦がす程度に起してもいる。消火を素手でやったので、火傷もしたので、記憶に強く残っているんだろうと思う。

至極残念なのは、何度言っても、幾ら言っても、こちらの切望するコトは記憶に残らないか、残っても理解に乏しいって事なんだな。紙に書いて貼ろうが、写真に残そうが、そうした対策とは無縁な感じで理解してもらえない。こちらに問い掛けてくれる事はちょくちょくあるが、どう説明しても理解できず、わからないがために自爆してしまう。いったい、どうした方法で説明したらいいのか? なにがいいのか? 既にお手上げな部分も増えてきているのだ。

それでいても、本人は病気じゃないと強く主張する。それもまた、症状の1つだとも言われちゃいるが、アタマってのはこうにも都合よく壊れるものか…と、驚くもんだね。


…夕方、父方の叔母と連絡がついたので、とりあえず様々な不義理を詫びる…。

んまぁ、それなりには驚かれたみたいだが、昔からそうした変わった部分がある事は知っておられたので、理解も頂けた。と、同じくして、今までには聞いた事の無い話も聞き、これはこれで調査しないとマズイって事も判る。んまぁ、金融関係に関しては後見人にならない限りは詳しく知る事も出来ないので、それはそれで手続きをしなけりゃいかんかと考えちゃいるんだが、どうなることやら。

叔母にも言われたが…かなり昔から…ってのは我々家族の知らない常識でもあったそうだ。

病的とは違うもので、性格的と言うか、性質的とも言うのか、そうした「変わった人」と認識されて、その発言や行動なんかも、やはり一般とはかなり違うものであった事を教えられた。それは、私が子供の頃に抱いていた違和感と、やはり同質なものだったようだ。

極めて奇異な言動をするようになったのは、やはり8月上旬で間違いない。私も、いよいよ病気だ…と確信したワケだけれど、それまではどうだったかと言えば「変ではあるが、それが普通…」だったワケで、特徴的なことはそれまでに数度しか無かったんである。

それが普通…って中に、様々な異質が渦巻いていたことを改めて知るのも怖いが、これは知っておかねばならないだろう。知ったからどうにかなるのかと言えば…ならない。元に戻れるコトは何も無いだろうし、取り返せるモノは少ないとも思うが、知っておいた上で…って事がこれからは重要になる。

そうそう。結局、今日も役所からの連絡は無かったな。17時なんかとっくに過ぎてるから、今日はもう来ないだろうと思うけど…。

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母さん、事件です! いや。母さんが事件だ…。その13。

2016-09-25 21:59:43 | 我思う、故に書くなりよ。
…大騒ぎの原因は歯ブラシ・化粧水・シャンプー…。

んま、毎度の事なんだけれどね…。

今度はメガネが無くなった…って事でね、探してみなさいよ…ってアドバイスをした。またどこぞのバッグだかトートだかに入れて、そのバッグをまたどこかへしまい込んでいるだけなので、探せば出ては来るのだが、奇妙な事に、全てのバッグやらトートを探すわけでは無いのである。

自分の周囲に見える範囲の物を執拗に探しはするけれども、ちょいと自分から離れたところのバッグやトートは触りもしないんである…。

…あっちのもお母さんのでしょ? あっちもちゃんと探さないとダメだよ…。

「あっち」って言っても、3mも離れちゃいない…。なぜだか知らないが、空間の失調に近いのかな? 

私がそれらに触ろうとすると、露骨にイヤな顔をするので、そうはしないけれども、いずれは探さないと困るねぇ。この露骨にイヤな顔…って表情の豹変が大騒ぎの前兆とかサインとでも言うのかな。

んまぁ、そんな調子だから、時間が掛かって見付かれば御の字。見付からない、見付け出せない事がほとんどであり、概ね泥棒の仕業に転化される。

つまりは、私が犯人だ…って事。

ところが、そうは言わないあたりを考えると、自分で…って記憶が少なからずあるみたいだ。なにか、どこかへメガネをしまい込んだ記憶が薄っすらあるらしい。こうした時は、薄っすらを濃く出来る様なヒントを与えてあげている。例えば、どうした時に出掛けて失くしたとか、どこまでは覚えているかとか、その時には何をしていたのかとか。

ま、そうやって会話していても、どれだけどこまでアタマに入っているのか見当も付かないが、発見に近づくにも違いは無いと考えている。

んでまぁ、未だに見付かってもいないので、それはそれで困ったもんだが、探し物ついでに出て来たモノで大騒ぎになってしまった…。

要は、自分の知らない歯ブラシだの化粧水だのシャンプーだのが出て来て、気味が悪い、恐ろしい、って事。

歯ブラシは半年以上前に母が歯科医院で貰って来て、頂いて来たからあなたも使いなさい…と手渡された物の余りである。いったい、幾つ歯ブラシをもらったんだか…。ひょっとしたら、非合法に持って来ちゃったんじゃないかとの心配もあるが…。

化粧水はおそらくは自分で買って、ちょっと使い、自分なりに特徴のあるクリップでこぼれないように封をしたもので、当然使いかけのモノである…。入手先など知らんがな…。

シャンプーの入手先も知らない。シャンプーに関しては、以前にも大騒ぎがあり、これは風呂場に置いてある使い掛けの物で、これも自分のではなく、どうしてここにあるのか知らないし、判らない…と。私が使うものではないコトは一目で判るし、詰め替えタイプの詰め替えるストックだと思ってたが、急に現れた物ではない。少なくとも数ヶ月前には風呂場に並んでいたものだ。

…それでまぁ、そんなこんなの話を一応はしてみても、聞く耳も持たなければ、理解も記憶もしないワケで、毎度御馴染みの大騒ぎって事なのだが、こうした時に必ず現れる人がいる…。

「オマエの彼女が来て置いてったんだ!」

重ね重ね言うが、そうした人間は実在していない。存在していないが、母のアタマの中には存在しているみたいで、その容姿を見たのか尋ねると「女の感でわかるんだよっ!」との事である…。要は、視覚化はまだされていない存在って事なんだろう。ささやくんだろうな、母のゴーストが…。

現実に存在する歯ブラシだのなんだのと、妄想だか空想だかに住む私の彼女の混在のコンボ技なんだろう。

こうなると、まともに取り合うのも難しい。懇切丁寧に説明でもしようものなら、それこそ1晩中かかる。そうやって飽きさせるか、疲れさせるかしないと終わりが見えても来ないので、今では適当に切り上げている。

そりゃ、大騒ぎする度に、またか…と思うが、母だって好き好んでこうした症状の出る病気になったワケでは無いのだから、気の毒に間違いも無い…。だからと言え、全部が全部でも無い。そんな事を始めたら、こっちのアタマもおかしくなってしまう。

恐らくはこの大騒ぎは明日も続編がありそうだな…。なんせ、物探しする度に、その物たちがあった場所が変わってしまう。動かしても、戻るべき場所を正しく与えられていれば、消えてなくなるコトはない。何もかもが元あった場所から離れて、新たな居場所を与えられてしまうことが大騒ぎの原因のひとつだ。

それが…母には理解出来ない。出来ないのではなく理解する方法も無い。そもそも、そうした記憶が無いのだからね。そこはそこで気の毒とも思うのだが、そんな毎日に慣れつつも、イヤだ。

平行して…あちらこちらから情報を得ている。まぁ、粗相をしていないかどうか、ご迷惑を掛けていないかどうかがてらに、現状をお話し、理解を得ておかないとやがては実害が出たりもするだろうから。

そうした中で、いち早く母の異変に気付いた方から話を聞いた。

病院の待合室で程ほど長く世間話をした後に判れ、30分後に近くのスーパーで再会した時のこと…。

「あら! お久しぶり! どうしてたの?」

そう声を掛けられたという。冗談かと思ったそうだが、真顔だったので、さっき病院で長話したことを母に話すと、途端に顔つきが変わったので、その顔つきに大変驚いたそうだ。これは8月の初旬だと言う。私の彼女が突然現れた時期と合致する。当初はなんの話しなんだか見当も付かなかったが、彼女は今じゃ毎日レギュラーだ。

さて、そのお方はあきらかな異変を感じたものだから、近隣の友人にも伝え、様子を見てくれるように伝えてくれたという。

ただ、頼まれた友人が母を訪れた時には、至って普通に会話して、お茶飲んでお菓子食べて過ごしただけだったとの事で、たまたま調子が悪かった程度に考えていたそうだ。現状をお話し、万一ご迷惑な状況になれば一報を私に頂ける様にお願いする。

「えええーーーっ…」

本当に認知症なのだと明らかにした途端に絶句された。以後、こうした毎日だとも説明したが、信じられないとも言う。その前にも、毎日の様に会えば会話する間柄であっても、急変は信じられないようだった。

そうした方もいれば、薄々ではあるものの、何かおかしい…って感じ方をしていた方もいた。私が身体を壊し、母と生活を一緒にする事になったのを知り、幾分かの安心が出来たと考えていたそうだ。具体的に何が…とはお話しされなかったものの、古くからの近隣の方であるし、当然、私も知った顔である。

「変なこと言い出したのはちょっと前よね…物忘れとか、そうしたのじゃなくて。」

ちょっと前ってのが気になるが、少なくとも5年、10年って単位だそうだ。んま、そのあたりになると、母の元々の気質とか性格じゃなかろうかと思うが、おかしいと言うのが適当なのか、変…って言うのが適当なのか、いずれかではなく、どっちも…ってのに近かった事が多かったそうだ…。

「息子さんが一緒にいてくれる様になったから、大丈夫だろうと思ってたのよ…」

…どれだけ警戒されてたんだか…。そして、何を?

そう、お話してくれる方がいるだけ母も私も幸せである…。なかには「…ごめんなさい…」ってだけの人もおられる。どれほど近しい間柄だったのかは知らないが、幾度も母と会話を交わしているのを昔から知ってもいるが、そうした方もおられるわけだ。

日曜日くらいはおだやかであって欲しかったのだけれど…病気にゃ休日もへったくれもない…って事だね。







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母さん、事件です! いや。母さんが事件だ…。その12。

2016-09-25 19:51:42 | 我思う、故に書くなりよ。
今朝は…そこそこ良く寝る事が出来たとのこと。

確かに、良く寝ている感じで、ゴソゴソと何かをやっている風には思えなかった。外出する心配も無さそうだったので、こちらも寝たが…。

朝食も簡単な調理はしてあるし、量的にも問題ない。問題があるのは、食べるか食べないか…である。
んまぁ、朝食だし、半分も無い胃の持ち主だから、1人前ってのは多過ぎるって事だろう。そこそこは食べたのを確認して、薬を渡し、飲んでもらう。

薬も2週目を迎えて、徐々に成分の含有量が増えている。都合4週間継続し、4週目のものが最大量となるが、飲む分にはどれも1錠である。

…基本、あまり薬飲んでも変わらない感じだが、飲まないよりは飲んでいる時の方が、落ち着いた時間が保てている感じには受け取れる。んまぁ、こうした病のこうした症状なんてのは、薬でどうにかなるってのも滅多には無いもんだと聞く。むしろ、食事くらいは集中して食べて欲しいのだが、食事の途中で庭掃除に出ちゃったり、なんでそうするんだかサッパリ判らないが集中しない…。そうした事を注意しても止む事は無いし、繰り返すと逆ギレする…。食事に意識が戻って少しでも食べてくれるならと、あまりしつこくは言わない様にしてはいるけども。

昨日は妹がやってきて、母を買い物に連れ出してくれた。そうした気晴らしも必要なのだが、普段は散歩程度にしか外出しない。もちろん、買い物だのなんだのってのは1人で行かせるワケには行かないので、私が同行するのだが、そうした最中でも絶えず周囲を気にしている。

「…近所の人がジロジロ見ている…私の事が変に見えるのか、ひそひそ話してる…。」

どこを見渡しても私と母以外に人もいなけりゃ歩いてもいない。たまにクルマが通るくらい…。ある種の被害妄想なんだろうね。

んま、そうしたことで、母に5千円を手渡す。食料品であれば、スーパーならたんまり買える金額だが、5千円じゃ不満そうだった。とりあえず、私が管理しているうちからのお金なので、失くさないように言い、管理を母に任せた。

小一時間の買い物は、渡した金額の半分程を使い、帰って来た。

本来ならお釣りとレシートを回収するのだが、レシートだけ回収し、お釣りの分は母に管理してもらう。幾ばくか所持金があれば不平も言わないだろうとの考えで。ただし、私の預かり知らないお金が既に4千円消えちゃっている。これは探せば出て来るだろうものだけれど、例によって例のゴソゴソで消えちゃっている。

自分で管理するように言われた記憶が残っていたのか、消えちゃっても大騒ぎはしていない。なにかアタマの中の記憶で、どこかに移動した、移動させた、自身で…ってのが残っているみたいなのだ。

そうした記憶がおぼろげにも残っていれば、盗まれたのでもなく、落したのでもない…って認識も出来るわけだ。

対して、そうした記憶が全くなくなってしまうと、消えたのは「盗まれた…」に変わる。さすがに盗まれて失くしたものが家から出て来たし、自分でそれを見付けてもいるので、そうは言わなくなったものの、当人の記憶には移動した・片付けた・しまった…なんて事が全く残ってもいないのだから、そう考えるのもムリも無く、気の毒である…。

少しでも記憶にとどめてゆく…って事が習慣化していければ良いかなとも思うが、今の進み具合を考えると厳しいかな…。

天候も回復に向かうようだし、おだやかな日曜日であって欲しいもんだけどね…。


…午後になり、万が一の時の連絡先などを辿ることに…。

まぁ、母の親戚筋ってのは物故者もいれば概ね母より高齢なので、恐らくは存命されているであろう方を探り出したものの、その家族とは全く面識も無いので、マジで万が一な時に…って事で。

対して…亡き父方の親戚筋はまだ元気な方も多いはずだが、なぜだかここ数年以上は連絡が途絶えている。まぁ、概ね高齢ってこともあるし、父が亡くなりゃそうそう用事もないだろうから…と、思っていたのだが、実は全然理由が違っていた…。


10年ほど前の父の葬儀の後、母が一方的に父方の親戚に対し、縁を切ったのだと言う。

なんだそれ…。言葉を失うってのはこうした感覚なのか…。

どうりで何も音沙汰が無いわけだ…。なにか伝えたい事があっても、そう言われてそうにもなれば、連絡など来ようハズも無い…。父の故郷だった東北には幾人か親戚が残ってもいたし、被災して行方の判らなくなった家族もいたハズなのだが、親戚から届くハズの続報が一切無かった。縁を切れば届くワケもないか…。

父方の親戚筋は、誰もが快い人ばかりで、おじさんもおばさんも父が病に倒れた時も力になってくれた人ばかりだ。会う機会は減ってはいても、イヤな思いなどした事も無く、明るく楽しい人ばかりで、会えることは楽しみでもあった。

それなのに、なぜ母が縁を切ってしまったのか、皆目見当も付かない。勝手過ぎる不義理に相違ないが、今更何を聞いても事情は判らないだろうな。

とりあえず、現状を改めて伝えて不義理を深く詫びる。心底、申し訳ない気分ってのはこうした気持ちのことだろう。確かに、行き来が頻繁にあるワケでもなく、家族の交流も薄かったのだけれど、まさか、母がそうした事をしていたなど、知る由も無かった…。

「…おまえたち兄弟がまともでよかったよ。亡くなった兄貴も安心だと思うよ…」

…叔父から掛けられた言葉に軽くショックを受けた…。

私が生まれる前から母を知ってもいた叔父だが、その当時から違和感はあったと聞いた。兄である私の父が、なぜにこの人を嫁さんにもらうのかが理解できなかったそうだ。それから、月日が経ち、私や妹が生まれたワケだけれど、その都度に母の奇妙な言動は続いていたとも聞いた。それは病的と言うよりは、性格的だったり、慣習的なものだったり、いわゆる普通の…って感覚から遠のいたものだったと聞いた。手っ取り早く言えば、世間知らず…ってものがそこに当てはまるんだろう。

「…そうは判っていてもよ、そんな話できないじゃないか…」

父方の親戚筋からは、かなり古くから奇異な存在として知られてもいたため、縁を切る話が出た時も、あまり驚かなかったという。全く知らなかった事を詫びると…

「そうだろうな。だから子供のおまえ達に責任なんか無いし、おまえ達のせいなんかじゃないんだ。俺たちはおまえ達がしっかりしてる事も知っている…」

当時、幾分か奇行もあった母だが、それは今の様な病的なものが原因では無かったハズである…。あれほど父の身や、私たち家族を気遣ってもくれていた人たちに、なんて言うことをしてしまったのか…。恥ずかしいやら情けないやら…。重ね重ね丁重に不義理を詫び、現状の理解をお願いした。

…あの時にもう少し早く気付けば良かったんだよなぁ…。

父の葬儀にあたり、喪主となる事を理由も無く強硬に辞したり、病気をおして参列してくれた母自身の兄を追い返したり…奇行に面を喰らったことは記憶に残っている。そこまでする理由は判らなかったが、そうするだけの理由がきっとあったからだろうと、その時は考えてもいたのだが、多くの親族と縁を切るなんてのはどう考えてもおかしいし、あるとすれば身勝手な理由でしかないと思う。

私個人で言えば、父の喪主になる事を頑なに固辞したのが理解出来なかったし、なんら我々が納得できるだけの説明も無かった。ただ、イヤだ…と。これは未だに許せない事でもある。

…私が子供の頃に抱いた母への違和感ってものが、この歳になってこんな形で、こんなにも明らかになるとは予想だにしていなかった。自分さえ良ければ…って考えなんだろうと、行き付いたのもそう昔の事では無い。しかし、私が生まれる前から、やはり一般とは違った感覚が強く出ていた人だったと知った時、人の縁ってものも怖いものなのだと知る。

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焼き鳥が美味しかった件。

2016-09-25 14:36:17 | 我思う、故に書くなりよ。
…買い物ついでに、屋台の焼き鳥を買って食べた。

まぁ、肉類はあまり食さなくなり、専ら野菜中心の生活になってしまったが、鶏肉はちょくちょく食べる。
脂肪分が少ないところの胸肉とかだが、これはまぁ焼いても煮てもあまり味が変わらず、ジューシーとかではなく、どちらかと言えばボソボソな食感。

肉は何を食べても悪くはないが、なるべく血液によろしい影響となって現れてくれる事を期待しているから鶏肉に絞ったのだが、ふいにお買い物先の駐車場の屋台で焼き鳥が売られており、お昼時ってこともあって、買ってみた。

自分で焼くのではなく、スーパーのパックでもなく、レンジでチン…でもない、炭火で炙られて、丁度良い加減で手渡される焼き鳥を食べるなんて、いったい何年振りなんだろう…。

会社員していた頃は、ちょくちょく飲み屋にも行っていたし、鳥専門店なんてのも訪れたりしていたが、そうした生活から離れてからは、そうした食事からも離れている。

遠い昔に友人と焼き鳥屋でしっかり食べた記憶が残っているが…それ以来だとすると、ゆうに十数年は経っている。

3本以上は1本100円になる…と言うので、4本頼んだ。モモ、つくね、ねぎま、ぼんじり。
どれもを塩で焼いてもらう。タレは好まない。

「昼からつまみですかぃ?」

全部塩を頼んだので、酒のつまみと思われたらしい。

「んいや、塩の方が鶏の味がわかると思って…」

正直なところ、タレだっていい気がする。自分としては塩を軽くふってくれただけの方が判り易いだけ。選んだのも、既に串に刺されて焼く用意の出来たものばかりである。

番号札をもらい、焼きあがるのを待つ。丁寧に焼くのが見られるのも良い。

手渡された焼き鳥を持って、近くの神社の境内でお昼ご飯とする…。主食焼き鳥、副菜焼き鳥。焼き鳥だけ。

何の塩か知らないが、食塩とは違う塩味が鶏の油と混ざって舌に染みていく。この塩加減。舌に刺さらない塩味と脂の旨味。

「…んめえな、これ…」

レンジでチン…じゃ、こうにはならない。乾燥気味にカリッとした外側を噛み破ると、中のジューシーが旨味と共に口に広がる。

どれもが美味しい。無造作に並べて焼かれただけって話もあるが、素材の美味しさ、焼きの美味しさ、どちらもが欠けちゃこうにはならない。

スーパーとホームセンターが一緒になった駐車場の角で、こうも美味しい焼き鳥に会えるとは…少々感激したが、いつもならこうした屋台を避けていた事を思い出した。

決して、不衛生だとか、そうした理由で避けていたのではなく、本来の目的ではないからってだけである。今日を例えると、ここには作業靴と防水スプレーを求めてやって来たので、焼き鳥は目的に無い。

…もうちょっと、寄り道してもよかったのかな…。

寄り道ばかりも困るが、もうちょっと寄り道していれば、もうちょっと美味しい物に出会えてたんだろうな…。
そうは思ったが、先を急ぐ理由もある。だが、のんびりと焼き鳥を味わう時間がこんな最中にあってもいいと思った。

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母さん、事件です! いや。母さんが事件だ…。その11。

2016-09-24 17:47:01 | 我思う、故に書くなりよ。
…今朝は…毎度同じと言うより、元へ戻ってしまった感じ…。

触らずにそのままにしておけば良いものを、頻繁にその居場所を変えてしまうがために「ものが無い…」って状態。そうじゃ困る事はこれまでも繰り返し言って来たのだが、今朝も…である。

それはさておき…母が懇意にしている方と連絡を取る事が出来た。

そうした事を優先事項にもしていたのだが、連絡先をまとめた住所録的な物が発見出来なかったのである…。どうやら、何もかも盗まれた…ってあたりで、あちこちに素っ頓狂な電話をしていたらしい形跡があるので、もしやご迷惑を掛けちゃいないだろうかという心配もあったし、こうした方へは包み隠さず、母の現状をお伝えすべきだろうとも思っていたので。

日々、泥棒呼ばわりされつつ、無くなった物を探していたちょうどあの頃、母はやはり電話でお金の無心やらお米の無心やら、荒唐無稽なお話だのなんだの、ご迷惑を掛けていたらしい。

イマドキの高齢者でも、ケータイなんてのはそこそこ使えるだろうけれども、母は全く扱えないに等しい。いわゆる「家でん」から掛けちゃいるんだが、掛ける先の電話番号などは覚えているワケでもないので、何か住所録的なものを見ながら…って事になるのだけれど、それがどこを探しても出て来ない。財布らと一緒に出て来るのではと期待もしていたが、そうじゃなかった事もあり、たまたまどこからか出て来たのを眺めていた母から預かる事が出来たので今日になってしまった。

…先方も、あまりに様子がおかしいので面を喰らってしまい、私と連絡を取りたかったみたいだが、私の所在を母に尋ねても…

「そんな人いないわよ…うちには…」

ってな事を言われたもんだから、明らかにおかしいと気付き、まず先に近所の方と連絡を取り合ってくれたとの事。その割には近所の方から問い合わせを受けた覚えも少ないが…ここ1ヶ月での奇異な行動は、やはり多く目撃されたりしていたそうだ。

そうした話が得られるだけでもうれしいし、協力と支援を申し出て頂けたのは感謝の極みでもある…。

まぁ、どうあってもそうした行動は起しちゃうし、それでいてその記憶すら残らないのだから、一方的にご迷惑を掛けてしまうばかりなのだけれど、異変に気付いてもらえたお陰で実害が無かったのは不幸中の幸いだろう。

出て来た住所録を頼りに、それらしい連絡先を当ってもいるが…住所録から漏れている連絡先が多い事も判った。

いつからかは定かじゃないが…1つにまとめずに、複数の住所録を使っていた様子がある。こうなってしまうと、とても追えない。何冊ものメモ帳を持ち歩いていたのと同じ事だと思うが、その姿が見えない。

知人は母がかなり痩せていた事を心配してくれていたが、確かに痩せているし、痩せてきた。

食事の支度や調理はそこそこ出来てもいるのだが、そうして食膳に並べられた食事を食べる事に集中しないのである…。今日は私が作り、相応する量を食べるように言いながら食べたが、食べてる最中にも落ち着きがなく、やたらと冷蔵庫をゴソゴソ始めるし、それがまた終らない。そんな調子が収まらないので、結局半分程度は残してしまう。量でカロリーを補うのは難しいみたいだから、質で補う他にないのかな。

かつてはそうした事もなく、そこそこの量は食べてもいたし、食べないと…って事も口から出ていたので本人も気にはしているのだろうが、なにしろ食べるという事に集中力、注意力が注がれない。いわゆる注意力散漫なガキを見ている感じに、必要があるとも思えない他の行動に邁進してしまう。

集中するのは、集中出来るのはいったいいつなんだろうか…。あれこれと観察をしていても、目的の無いモノ探しくらいしか思いつかない。その場所がタンスの前か、冷蔵庫の前かの違いくらいしかないが、あてもなく何かを探し続けている。その集中力を食事を摂る方向に向けてくれれば、痩せていく姿でもなかったと思うのだが。

ま、そうした話をしたところで理解するのももう無理なんだろうな。誰か第三者が言ってくれれば少しの間はそうもするだろうけれども、大きな期待も難しいだろうと思う。

ともかく…何か言った所で聞く耳なんかありゃしない…って状態なのだから、当然としてこれからは専門家のアドバイスや指導もあるだろうけれども、過剰な期待はそもそも難しいと予想している。強いてもなんだし、放っておくのもなんだし…そうした困ったコトは多々あるし、多岐にも渡る…。

願わくば、就寝くらいは集中してくれると助かるのだが…見回りも欠かすワケにも行かないしなぁ。やれやれである…。

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母さん、事件です! いや。母さんが事件だ…。その10。

2016-09-23 22:20:12 | 我思う、故に書くなりよ。
…出て来た…。

何が…って、私と私の彼女が盗み出したハズの、母の財布とか現金とか預金通帳とか健康保険証だのなんだの…。

少々肌寒くなり、夏物の寝具や衣類を片付けていた母が秋・冬物の寝具や衣類を出した際に、盗まれた当時の姿のまま出て来たと…。

んまぁ、誰も盗みに入ってもないし、オレ、泥棒じゃないし、彼女などいないし…当初から母自身がどこかへ片付けた挙句にその存在とその場所すらアタマの中から消失させてしまい、その全てをオレと存在する事すら奇跡に近いオレの彼女が盗みやがったと主張して譲らなかったモノである…。

正直なところ、もうちょい早いタイミングで出て来てくれたらかなり助かったのだが、このタイミングだと面倒なことにもあまり変わらないが…現金などは、ちょいと紛失しちゃった…って金額じゃなく、なんでまたこんな金額を持って歩いていたんだか意味不明でもあり、金額を知っていたらもっと本気で大騒ぎしなきゃならぬ額だったりした。

それとは別に、意味不明な金額を透明なジッパー付きビニール袋に小分けして入れてあったり、謎は多いんだが、今更母に尋ねた所でその真意も判らないだろう。なにか金額別に支払う予定があったのかどうかも定かじゃないが、口座から引き落とされる金額とも違う事が銀行の調べで判ってもおり、なんでだかマジで不明。

懸念されていた預金通帳の類も、多くの目撃者の通り、やはり透明なジッパー付き…ってのにまとめて入れられたままであった。そうした行動をお店や金融機関の方が覚えていてくれたのは、後から探す者としては大変にありがたい情報でもあった。これらは再発行だのなんだのしているので、既に意味もないが、一部は後処理が残っているので見付かった事でその処理も楽になる。

同じ保険証がわらわら出て来たのは驚いたし、なおさら謎を深めた…。

紛失したので再発行を本人が申し込み、受理していた事は昨日判ったことだが、あたかも何も紛失していないかの様に同じものがキレイにまとめられていた。消えて無くなったから再発行かと思ったのだが、そうした感じではない…。しかも、それはここ1ヶ月くらいで更新となった新しいタイプのもので、いかに短期間で紛失しまくっていたのかがわかる…。

んでまぁ、概ねこれらは失くしちゃたから、新しいのもらってお終い…ってものではなく、出て来たら返納しないといけないものである。どこでなくしたのかも全くの不明で、盗難とは考えられなかったが「遺失物」って事で警察にも届け出ているので、それも発見出来ましたからお騒がせしてすみません報告はしないといかん。

そんなこんなだったので、あちらこちらに…。

当の母は、盗まれたハズのモノが盗まれておらず、家の中から出て来た事にショックを受けていた様子だった。

まぁ、病気の症状としてのことだし、故意にそうするのも相当にムリもあるのだから、これらは全て致し方ないワケだけれど、散々に盗まれたと大騒ぎした挙句、近所の人にも言わなきゃいいのに「泥棒が入って盗まれた」だの言ってしまったワケだから、世間体をひどく気にする人間としてはショックも大きいのだろう。

…そうであっても、未だに「盗まれた…」って近所の知人には話をしているらしい…。病気とは恐ろしいものだ。

既に近隣の方には知らせたりなんだりで事情を知っている方も増えているので、大きな心配もないが、たまたま連休を利用して旅行で不在にしていた方がおり、そりゃ大変に驚かれた。

こちらが事情を解説しながら説明する前に母が「泥棒が入って盗まれた…」と言ってしまうから、目玉が飛び出そうに驚いた顔なんてのを超久しぶりに見てしまった。まぁ、普通、そんな話を聞いたら、警察を…ってのが普通なのだが、ウチの今回の一連の騒動に関してはちゃんと事情を説明して解説しないとならぬ。

…でないと、オレと存在しないオレの彼女な窃盗カップルが実在してしまう…。

あるいは、そこは回避出来ても、全くの無関係な第三者がそうした標的として攻撃される恐れも考えられるのだから、是が非でも説明と解説はしておかないとマズイ…。

まぁ、理解して頂き、協力も申し出て頂けたので感謝のほかに言葉もないが、事情を知らなかったら、やはり疑われるのは一緒に生活しているであろう人間ってことにもなるんだろうな…。

今となっては「探し足りなかった…」と言う反省は否めない。

外出からの帰宅後に「ここに置いておいたら盗まれた…」と聞いた場所とは全くに関係の無い場所だったし、冬物の衣料や寝具は到底、日常生活の中での行動じゃ、頻繁に接触するモノでも無かっただけに簡単にしか捜索していなかった。とりあえず、現在使っている衣類、寝具を捜索はしたが、ダンボールや衣装箱などを開梱しなけりゃ判らないところへ片付けていたとは考えてもいなかった…。

母にしてみれば、なぜにそうしたところへ盗まれた時のままそっくり収まっていたのかはとても不思議なことだろう。おそらくは…母しか知りえない場所でもあり、そうして「片付けた」と言う記憶すら残っていないワケだから、何をどう考えても答えも出ては来ないし、盗まれていないのも事実なのだから。

失くされて困るものはあらかた私が管理しているので、これ以上に困る事もないのだが「片付け」って行動を制止する事が難しい状態である。小さな借家なので、そうそう片付けると言っても限りがあるのだけれど、夜な夜な何かしらを探すか片付けるかしており、動かさなくてもよろしい物が、頻繁に位置を変えていたりする。

自身で変えた事を記憶しておいてくれれば良いが、それがままならないと、朝目覚めて位置が変わっている事に驚き、パニックとなり、また泥棒が…って繰り返しになってしまう…。そして犯人は私とその一味とされる…。

これまでの中で、盗まれちゃ困るモノ…ってのを母と一緒に、お互いに共通して判る場所へしまって置いたモノですら、既にそこになく、私が捜索するにはゼロからのスタートとなってしまっている。まぁ、盗まれても困らないモノであれ、所有者が大事な物と言ってる以上は無下に消えて無くなっていいもんじゃ無いワケで、考えた挙句の策でもあったのだが、母の記憶をアテにし過ぎた方法でもあったしなぁ…。

こうにもなると…後見人制度ってのを利用して…って方法もあるが、本当に、本当に、母がそうした生活する上での行動がままならなくなる日まではそうしないつもりである。炊事や洗濯、清掃や買い物など、至極普通に、当たり前に行って来た全てを取り上げるのではなく、出来なくなった部分から…と、してあげたい。

んま、そうした話をするにも、どこまで覚えていてくれるかが謎だから、どーなるのかは判らないが…。

専門家によるサポートは、その申請が受理はされているみたいだが、具体化はまだな様子である。どうした形でスタートを切るのか知らないが、これとて今の母には脅威でしかなかろうと思う。薄々、本人もそうした不調が実際にわが身に起こっているコトは感じてもいるが、まだまだ軽度な問題で、誰にでも起きている程度の事で、なぜ大騒ぎになっているのかが理解出来ないだろう。そもそも、大騒ぎしている自身すら記憶に無かったりしてるのでねぇ…。

ま、こんなのは序の口で、本当の絶望なんてのはもっとひでぇ形で現れるんだろうと思う。そうならない為に、誰もが努力や研究もしているが、その進行を確実に抑え、元に戻すなんて方法はほぼ無い。世間一般で言われる、もっとひでぇ事は意外にも早くやってくるかもしれない。少しでもその日が来るのを遅く出来れば…とは思うが、それすらもなかなか難しいのだから。

認知症。TVとかで聞いた事はあるかと思う。どこかの誰かの話であった時が過ぎ、身近に存在する人間にそれが現れる時が来たりする。その恐ろしさってのは、存分には知られてもいない。人が壊れていく様を、隣りで見ていく事の恐ろしさはまだ多く語られてもいないと思う。

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母さん、事件です! いや。母さんが事件だ…。その9。

2016-09-23 02:59:44 | 我思う、故に書くなりよ。
…昨日は母の誕生日でした…。

数日前にあれやこれやと書類に自署しなければいけなくなったので、誕生日が近いこと、その日付などはアタマにも入っており、そこそこスムーズにそうした情報は口から出ても来ていたので、当日は何を言うのか楽しみにもしていたのだが…。

朝からそこそこ機嫌も良く、何かが無くて大騒ぎする事もなく、至極平穏に過ごした様子である。

来客があったみたいで、近所と言えば近所だが、それほど近所でもなく、私も知らない方がみえていた。世間話をしていたみたいだが、どうやら自身の様子がおかしい事を話したみたいだ。

それでどーにかなるんだったら困るけれども、そうでもなくいわゆる「お茶話」「世間話」で終ったみたいだ。

誕生日だし、ひょっとしたら来年は無いかもしれないと思い、ケーキでもおやつがわりにしようかと、急いで買いに出た。母は少し寒くなった今日この頃に、秋物の服装を用意するとの事で家に残った。

ケーキらしいケーキでも買おうかと考えもしたが、そもそも我が家では家族の誕生日を祝うという慣習が無い。せいぜいで小学生の低学年の時に何度かそうした機会があったのを覚えているのみで、以降はそうした機会がほぼ無い家となった。

まぁ、そうした学年であれば友人・知人ってのが誕生日だと誕生会などに呼ばれたりもするわけで、そこは小学生ながらもあれこれ考えて楽しい思いもしてはきたが、自身の…となると催しは無いのである。幾度かそうした事を母に話した記憶もあるが、とてもイヤな顔をされた覚えしかない。父や妹の誕生日なども妹が小さかった頃に幾度かしていた程度の記憶しか無い。

そうしたこともあって、いかにも…な、ケーキは避け、お茶請け程度に食べられる地味なシフォンケーキを買って帰ったが…

「こんなケーキなんか買って来て…」

と、怒られる。まぁ、これも想定のウチなので、ことさら驚きはしないが、今日が母の誕生日であることを伝えると、少しは理解した様子もあったが、不承不承な様子であった。

今日と言う日を尋ねると、正しい日付をカレンダー見ながら答えることは出来る。母自身の誕生日を尋ねると、これも正しい生年月日を答えてくれたが、それらがリンクして、今日が自分の誕生日だという認識が無いのである…。

ケーキは美味しいと食べてくれたけれども、何か納得も満足もし得ない表情のままだった。

一般であれば、家族の誕生日くらいは記憶にメモリーされておくものだ…ってのも普通っちゃ普通なんだろうけれども、我が家では自身が自身の誕生日を記憶に留めている程度でしか無いんである。そんなこんなが普通では無いと知ったのは高校生の時かな。誕生日が祭日なのに幾人かの友人が祝ってくれて、とても嬉しかったのを記憶しているが、それまではそうした催し的なイベント的なものはほぼ無かった事を話すと、とても驚かれて逆にこっちが驚いたもんだ…。

介護認定の申請から音沙汰が無い。電話連絡が来ると聞いているが、今のところは無い。

ま、家庭訪問に専門家が来るわけだけれど、そうした人が何しに来るのかをまだ母には伝えていない。その辺をどうしたら良いモノか相談してから…って段階。いきなり現れて認知症がどーたらこーたら始まったらパニックになると予想している。ともかく、世間体を気にして生きてる人と言って過言じゃないくらいの人だから、そうした事が「恥ずかしい」って事なのだ。いくら原因は特定されていないが病気によって表れる症状だと言っても、耳にもアタマにも入らない。

認知症になってしまった…って事が恥ずかしくてたまらない事なのである。また、恥ずかしい事が広まってしまう事も恐れている。その割には世間話で自分から話しちゃうんだけれど…。

とにもかくにも、ここ数日の様子を見ている限りでは「そうした病気かもしれないが、軽度であって、そうしたサービスを受けるとか登録するとかって程じゃない…」と、自身では判断しているみたいである。それで問題が起きなければ良いが、このままの現状維持も難しい病気だし、放置すれば遠慮なく悪い方向へ確実に向かう病気である。

母が懇意にしている友人や知人には既に現状は伝わっている様子だから、それほど心配する事も無いのだが、事情を全く知らないと言う方とそうした病気の話しになった場合、変に勇気付けてしまう場合が出て来る。

「歳なんだからそんなの当たり前」
「誰だっていずれそうにもなる」
「どこどこの誰さんだって同じだから心配ない」

んまぁ、確かに。概ね異論もないが、個人差も大きいわけで、変に勇気付けられるよりは軽く受け流して頂く方が都合が良いんであるけれどもね…。

ただ、ここ数日はなんとなく自分がおかしい…って感覚は持ち始めているみたいだ。新たにモノが無くなったり、これまでにモノが無くなった件に関しては相変わらず「窃盗犯」、母の言う所の「泥棒」って事に変化もないが、それ以外でおかしな事については、自分がおかしくなっている…ってのを自覚し始めた感じがある。

正直、その事がいいのか悪いのか定かじゃないが、そうであれば会話も割かしスムーズに進むし、大騒ぎにならずに終える事も出来ている。こちらとしてはその場は楽だ。だけれども、そうした記憶が翌日、そしてそれ以降へ持ち越される保証などどこにもない。

根掘り葉掘り聞き出したわけではないが、昨日の出来事は半分程度であれば、概ね間違ってもいない風である。ほぼ重要でもない事しか会話もしていないから、半分以下であっても支障は無いけれども、こちらとしては是が非でも覚えていて頂きたい事などは、これまでと同じ程度に記憶はされていなかったりする。

…さて…。

未だ見付からないモノもあって、それらを捜索しているワケだけれど、一向に見付かる気配すら無い…。まぁ、再発行だのなんだので取り戻せたモノはどうだっていいのだが、新たに無くちゃいけないもの、あって然るべきものが見付からない状態であり、これらがまた、比較的最近、母自身で再発行を依頼し、なんとこさ届いていたものであったがために…

「恐れ入りますが、今一度、入念にお探し頂きたく…」

って事なのである。そうした書類だのなんだのを発行する機関だの企業だのにしてみれば、そう簡単に無くされたからと言ってポンポン再発行出来るものでもないのである。うっかりどこかへしまい忘れたとか、落したとかと言う類の持ち物では無い事を考えると、母自身が一応は目を通したのだけれども、意味が判らなかったために廃棄してしまった可能性が高い。本人にはそうした記憶が微かながらに残っているような話も幾度かしていたが、その時期が定かでない。

これら書類の名義人も母なので、代理として私が出来るコトは少ないし、面倒だし、また母に自署してもらわなきゃならなくなるのだが、自署も心もとない感じだし、一字一句の指差し確認ですら危ういわけだから、可能な限りで早急になんとかしないといけないんだが…。

…母さん、あなたのあの書類、どこへいったんでせうね…。ええ。夏前に届いていたハズの後期高齢者医療被保険者証ですよ…

…ま、これは再発行して頂けたが、実は夏あたりに届いたモノはあっさりと紛失されており、再発行は2度目だという。再発行を自身が出向いて手続きし、受領しているのだが、そのあたりの記憶が全く無い。身分証明書の代わりになるものが必要なはずだから、何かしら持って行ったんだろうと思うけれど、それも詳しくは判らんし。

思い当たるフシ…ってのを私の記憶でたどると…

新しい炊飯器を量販店で買って来た時期と合致する。奇妙なのは、外箱もないし、説明書もメーカーの保証書も無い。大手のメーカー製だし、レシートで保証書代わりにはなるものの、説明書が無いのも変な話だ。どうしたのか尋ねると、要らないからお店の人に頼んで処分してもらったという。使い方も判っているし…との話だった。

ところが…一向に新しい炊飯器を使うそぶりが無い。無いのだが、ご飯がうまく炊けないと、古い方の炊飯器への愚痴をこぼすばかりなのである。炊飯器の機能が複雑になったワケじゃなく、付いているボタンも似た様なボタンしか付いていないが、実は使い方が判らないんである…。だけれど、若干のデザイン的な違いだけの古い方は使えている。

そもそも、美味しくご飯が炊けない…ってポイントが水加減なのであって、実はそこそこ美味しく炊けていた。母にしてみれば、少々硬めに炊き上がっていたかもしれないが、コンビニ弁当のご飯と同程度には炊けていたのである…。おにぎりとか造ればなかなか美味しいだろう程度のお米は炊けていたのだが。

あれこれと情報を集めていくと、7月中旬には母の記憶の欠落の度合いに変化が現れたみたいだ。そうした変化と認知症を結び付けられなかったのは私自身なのだが、まさかこうにもなるとは考えてもなかったからなぁ。受診や通院を勧めても無駄だったそれまでの経過もあったし、当人がそうした事を恐れてあれこれと何かしら生活に取り入れて来たのも見ているので。

…と、なると…財布だのなんだのはもしかしたら…少々、思い当たるルートが浮かんできた…。探してみるか…。




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母さん、事件です! いや。母さんが事件だ…。その8。

2016-09-21 20:02:43 | 我思う、故に書くなりよ。
…今日は特に騒動もなく終りそうな感じでめでたい…。

まぁ、昨日少々歩き回ったり、頭使ったりしたので、いい塩梅に疲れて睡眠も十分そうに朝を迎えた。

今日は、外出と言う外出でもないが、散歩だったりなんだりで出掛けており、近所な範疇だったこともあったので私は付いて歩かず、今までどおり1人で行かせてみる。

母の知人宅へ伺い、世間話をしてくる…ってのも、以前ならいつもの感じで気に掛けることなど無く送り出してもいたのだが、こうとなってはそうそう楽観も出来ない。

必要なものを渡すついでにお茶話してくる…ってのも言っちゃ簡単だが、こうにもなってしまった母にはハードルが高い面もある。

母の知人には事前に、伺う事と用件を伝え、妙な行動になったら直ぐに連絡して頂けるようお願いしてのことだが、概ね大きな問題は無かったらしい。

だが、お茶話の中味は問題で、ほとんどが泥棒話のリピートで終ってしまったそうだ。詳しく尋ねると、単に「泥棒」とだけ言っており「私や架空の存在でありながらも私の彼女」といった、今までは必ずと言っていいほどに登場していた標的が出て来なかったと言う。

今朝もそうした「モノが無くなっている」話は母との会話の中で幾度も出ていたが、私が泥棒呼ばわりされもせずに会話は進んだものの、やはり同じ事の繰り返しであったのを思い出した。どうあっても、大事なモノが無くなっているのは泥棒に盗まれたから…って事なのだ。

散歩は1人で近所の公園を歩いてくるだけなので、日課とは言えないものの、足腰を自身で気遣っての事。歳が歳だけに、自分でも気遣っていた運動なので制止するよりは進めた方がいい。

およそ400mを歩いて来た事になるが、特に疲れたとかイヤだとかな感想も無く、気晴らしには良かったみたいだ。

…さて…。

昨日の事をどれくらい覚えているかを窺い知れるキーワードを会話の中から探ると…。

あちこち行った事、そこでいろいろやった事、などは概ね記憶に残っている。銀行の受付の人にしつこく言ってもらった事も覚えていた。だけれど、いったい何をしに出掛けたのかが消えていた。

「銀行の口座が止められていたので、それをまた使えるように頼んで、出金もして来た」
「え? 誰が?」

…あんただ…。あんたが行かないとどうにもならんからオレが連れて行ったんだ…。それでも、いろいろと書類にたくさんあれこれ書いて来た記憶は残っているみたいだけれど、それが何のためなのかが消えちゃっている。

台風が迫る中だったので、連れ出すのもどうかと思ったが、出掛ける理由を説明するとひどく嫌がり、面倒だのなんだの、連れ出すのが大変だったのだが、母が自署しないと何も進まず、銀行を利用する事が出来ないって事で納得して出掛けたのだが、何をしに出掛けたのかが消えてしまっていた。

午後になると、急に、病院へ行く予定を幾度も繰り返された。

来月まで行く必要は無いが、目的も含めて日時も幾度と無く伝えて来たのだが、毎度、まるで初めて聞いたかのような新鮮な驚きの表情を持ってマジに驚かれる。病院がイヤということではないらしいので、何が不安なんだか判らないが、どこかしら何かに不安を覚えているからこその繰り返しだと思う。

型通りの健診だから、問診票にアレコレ書いて、割引券だかなんだか一緒に持って行けばOKだし、提出するものがあれば提出するだけだが、母が出して来たご案内兼問診票んだのなんだのを一瞥すると、やけに薄っぺらである。

要は、郵送で届いたそれらの案内をバラバラにしてしまい、揃っていたハズのものが全く不完全な形になっちゃったんである…。これ持って行っても健診がまともに受けられるハズもないので、私が再度もらいに行く事に…。

案の定、必要なモノは揃ってもいなかったので、不足するものを新たにもらい、帰宅すると…

「あんたどこ行ってたの?」

んまぁ、そうした病気だから怒る気もないが、数十分前にさんざんに話した中味がどこかへ消えちゃっている。

ブチ切れだの罵詈雑言は無くて済みそうだけれど、あまり状態としては好転しているワケでも無い…。

夜になり、夕食を作る時間となった。

気になったので、調理する所からちょこちょこと眺めていたが、やはり病気の影響はこうした日々繰り返されるところにも現れていた。

量的には大病した事もあって、少なめだが種類はそこそこの数を摂ってもいた母だが、今日見た限りじゃ自分で作って揃えるとか、選んで揃えるって事がおろそかになってきている。

おかずの幾つかは自身で調理もしているが、食べられなくはないものの、以前の母の調理とは違い、鍋やフライパンを焦がして廃品にする理由も判った。煮るだの焼くだの…食材とそれに適した調理器具の相応が記憶に残っておらず、火加減まで注意が回らないために、焦がしてダメにするか、それほど美味しくは無い味になったものが出来上がるのだ。

今日は火加減以外は口出しせず、眺めて様子を伺っただけだが、魚だの肉だの野菜だの…幾つかの種類を揃える気持ちはあるけれども、冷蔵庫の中をゴソゴソやることに終始してしまい決める事が出来ないままでいる。そうこうしているうちに、食事を摂る…って事への注意が失われてしまい、食べるのがイヤになって来るのかたいして箸も付けずに終えてしまうんである。

食べ切れなかった分は、冷蔵庫へ入れられるのだが、自身がそうしたモノが冷蔵庫に増えて行き、なおさら選ぶのが難しくなっている事も判った。

あれこれとアドバイスできることは山ほどあるんだが、ここで口を挟むとブチ切れかねない様子にもなるのでやめておく。そうして食べ残されたモノを、方法はいざ知らず、処分して減らさなければならない事は口にもしていたので、無下にダメだとか、ああだのこうだのは言わないでおいた。

ちなみに、母が摂っていい食事と私が摂っていい食事は違うので、私が食す分は食材を選んで食べられる量だけ自分で調理して食べている。

…今日の夕食を見てた限りじゃ、まだ先週の罵詈雑言警察を呼べっ!ウィークの方がマシに思える事を考えると、いずれは私がやらんとダメな日も近いのかなと思う。ただ、存外に大量に作ったり、調味がメチャクチャとかそうした大きなトラブルは今のところは無い。火の始末の確認も、言われずともやっていたし。

んまぁ、栄養と量を考えれば、その都度注意した方がいいのかもしれないが、これは専門家を交えての時に考えて頂いて、彼らから言っていただいた方がいいかなと思う。今まで当たり前にやってきた事を制限されたり、制止されたりは本人にしてみればショックだろうから、場数を踏んだ彼らに任せるのが相応と思う。

これで、泥棒騒ぎと徘徊の予兆なんてのがなく、平穏無事に就寝して朝を迎えてくれればコチラは楽だが、そうした恐れとその対策も十分に取れない以上は警戒を怠ってもいられないんである…。

 
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母さん、事件です! いや。母さんが事件だ…。その7。

2016-09-20 20:00:38 | 我思う、故に書くなりよ。
朝一番で軽く騒動が起きたが、前日の事がスッポリと抜け落ちているので、想定済み。

母自身が深夜に起き出して、自身で整理整頓したらしい『さして重要なものではないモノ』が整然と並べられているのを見てパニックになったらしい。そうこうした記憶が本人に全く無いので、こちらも何か聞かれても答えようもないし、どうしてだのなんでだの言われても困るし、説明した所で理解も出来ないだろうから…

「…そんなことより今日はとても忙しい…」

って事で。気の毒な話題の変え方だが、もうそうした方向しか思いつかない…。

実際は現金が数千円ほど消えており、これは私の与り知らないお金なので、消えるだろうコトは承知の上で見える場所に置いてあるのを黙認していたんである。こうしたのを前夜、母と協議の上で私が預かり、朝起きて無くなっているとまた警察を呼ぶっ! と、大騒ぎしたりするのだが「そこにおいて置く…」って前夜の取り決めがかすかに脳内に記憶として残っていたらしく、私や存在しない彼女や、第三者による窃盗犯の仕業とは考えず、自身の…って考えがあったのかもしれない。これは探せば出て来るだろううし。

…連休が終わり、やっと公的機関と銀行などが開いたので、諸問題解決のために駆け込む…。

公的機関で福祉担当者と母に関する相談と、無くなった保険証の再発行手続きだのなんだの…。

んまぁ、専門家の診立てじゃ、やはり相当進んでいる最中との事で、介護認定を受ける手はずを取り、無くなったモノはあっさり再発行して頂けた。今後も継続する問題なので、調査等を経てあれこれ決まるけれども、当人の認識と専門家の認識には当然として隔たりがあるため、実際にそうした機会を迎えれば、あーだのこーだの騒ぎが始まるだろうなぁ。

身分証明書の代わりとなるものが手に出来たが、実はこれで2度目の再発行で、前回は8月中旬とのことだった。

これは初めて聞いた話で、本人が来所して紛失したので再発行したとの事であった。本人の話じゃ、無くしたのは今回が初めてだと言うので、8月には症状が現れていたのかもしれない。

…問題は金融機関である…

事情を説明すれば、判っては頂けるけれども、本人以外に出来る事はほとんど無い。単純に言えば、凍結されている口座を解凍することと、その口座を使えるようにすることなのだが、本人以外が出来ることは必要な書類だのモノを事前準備するだけでしかない。

幸い、身分証明が可能となり、発見された印鑑の束から使われていた印鑑が見付かったので、手続きは可能となった。無けりゃ無いで方法もあるが、時間がかかり過ぎてしまう。

あとは本人を連れてきて、自署であれこれ記入すれば問題がないが、依然として行方不明なものもあるので一部継続中って事になる…。んまぁ、探しても無いって事であれば、そこでまた本人を連れ出さなきゃならないんだが。

ここで問題なのは、口座からお金が引き出せるとなったら、本人に好き勝手される恐れもあり、それがまた行方不明になる事が想定されることである。

「母さん、そんなこんなで今後はボクがいっさいを管理します。」
「はい。わかりました…」

…となれば、何ら問題は無いのだが、私はなんせ、母の頭の中じゃ「窃盗犯とその一味」に属しているので、簡単には納得も理解もされないのである…。

んまぁ、あれこれと書類に自署記入するだのなんだのが、1字1句指差し確認しながらでないとムリ…って感じなコトで、銀行の人も母の状態が判ったみたいなので、今後のお取引をする上での注意…って事で、しつこいくらいに語ってくれたお陰で不承ながらも納得と理解はして頂けたみたいだ。

…明日まで覚えていてくれればね…。

ここが最大の難関であり、これからも…って問題である。短期間の記憶すらスッポリ抜け落ちてしまうので、何をどう理解してくれていて、どう記憶してくれているのかが問題なのである。

例えば今日のこと等は…銀行でお金をおろした…って記憶だけが残り、手元にお金が無ければ、また窃盗だと大騒ぎするし、私は窃盗犯だし、そこに存在しない架空の彼女も加わるのである…。また勝手に警察を呼んだりもするだろうし、それはなかなかな大騒ぎにもなるのだが、今回から銀行2行と行政機関の証言が得られるので、大騒ぎしたところで解決手段の1つが揃った事になる。

それで納得するかどうかは別問題だが、恐らく翌日にはキレイサッパリ消えていて覚えちゃいないから、とりあえず一悶着で朝が始まるんだろうって毎日なのだ。

まぁ、今日などは雨が時折強く降ったりで、非常にお足元の悪い中での…って事だったのだけれど、雨が降る理由が納得行かない様子で、幾度も幾度も尋ねられた。

「母さん、台風がこっちに向かっているんだよ。午後から夜には大雨だよ(実際に土砂災害避難準備警報中)。」

とまぁ、普通に説明しても理解が難しいらしい。銀行でTVが流れており、水没した街並みなどを観ていても、自身の周りに降り続く雨との関連付けが出来ないみたいだ。

そうこうしている最中でも数分前、数時間前の事が欠落していたりする。こちらとしては、理由だのなんだのの説明などを求められれば、普通に説明して聞かせるし、判りにくいことは判り易い言葉に代えて説明するのだが、その場では判ったらしい会話になっても、途端に同じ事を幾度も繰り返して質問される。

毎度同じ説明をすれば済むので、そうはしているが、結局は理解出来ないらしく、もどかしいことになっているんだろうと思う。何にせよ、こうした調子なので、同じ話題が続けばやがては自爆してしまい、豹変するので、懇切丁寧に…と思っても難しい結果にもなるのだ。

生返事や前にも説明したなどと言おうものなら瞬間湯沸かし器だし、何をどう返しても大差が無くなってしまっている。

どうも、四六時中の監視も必要になりそうだが…外へ出なきゃならない用事もあるワケだし、問題は山積みのハードル超高い…って感じだな…。早々に専門家の介入がないと、ますます困難を極めてしまうが、そうした人達が来訪してくれたからと言って、母のこうした症状が治まるとも限らないワケだからなぁ…。

今となってはムリな話が多過ぎるだけに、もっと早い段階で強引にでも病院へ連れ出せば良かったかなと思っている。

「歳なんだから…当たり前の事」
「誰だってボケる」

そうした会話がお友達の間では至極普通に会話されていたみたいだが、それがまた変な過信になり、強固なものとして残ってしまっているので、病気だということに全く理解が得られない。幸い、かかりつけに近い医師から診断を受けた事実と、薬を処方されて毎日飲んでいる事実は受け入れられて、記憶にも残っているみたいなので、ある程度は…って程度には病気を自覚もしているが、医師の口から出た「初期の軽度なもの…」って言葉が過信と固まりに加わってしまっている。

そうした意識の中、今まで自身でおこなってきたことや、続けてきたことが制限される身になった事は、やはり屈辱にも違いないし、納得も行かないことだろう。

だが、制限しなければならないほど、状態はよろしくないのが実情なんである…。

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母さん、事件です! いや。母さんが事件だ…。その6。

2016-09-18 18:38:53 | 我思う、故に書くなりよ。
…結局、想定どおりの荒唐無稽な妄想に基づく罵詈雑言浴びながら夜が明けてしまった…。

つまるところ、大事なモノが無いのは、私が盗んでいるからだ…そうだ。

そうした話はともかくとして、無きゃ困るモノを探すのだけれど、あらかた無い。

今回はとりあえず必要ではないものの、ゆくゆくなくちゃ困る書類だのなんだの、全く無い。

無ければ無いで…って対応も取るつもりで動いているが、罵詈雑言を浴びながらは心が折れる。

「何で無いのよっ!」

そう怒鳴られても困る。無いとされるモノを母が手にし、買い物袋にしまうのを第三者が複数見て記憶している。そこから先がどうなったのかは、母しか知りえず、そこに居合わせてもいないし、そうした一切の流れを知らない私には皆目見当すらつかないし、どこで消えたのか、なんで消えたのかなんてのは、概ね誰だってこの様な場合には知らないものは知らないんである。

もう、返答するのも疲れた。知らない…と答えても、判らない…と答えても、私が犯人とされるし、荒唐無稽な架空の世界に存在する人間まで現れる。そうなるまでの数分間、長くて数十分は会話も成り立つが、こうなってしまうと会話など成り立たない。また、一見会話が成り立っていたかに思う会話とその内容も、キレイサッパリ消えてなくなるんである。そこには第三者がおり、そうした会話のやり取りにも加わってもいるのだが…突然に…

「そんな事言ってないっ!」
「そんな事言うはずがないっ!」
「オマエが犯人なんだから、警察を呼ぶっ!」

…僅か数十秒後には…

「恥ずかしくて警察なんか呼ぶわけないじゃないかっ!」
「オマエの彼女は何が欲しいんだっ! もってゆけ!」

リアルに支離滅裂になるが、根底として「オマエが犯人だ」ってあたりは記憶から消えたりしないもんらしい。
また、こうした場合、大抵の場合「嫁」がその標的として固定されるらしい。嫁がいないって事は記憶に残っているらしいので、架空の「彼女」ってのがウチの場合は登場してくるんである…。実際に私には交際している「彼女」ってのはリアルにいないので、このあたりは気にしなくて済むが、嫁さんだったら大変だろうな…。

そんなこんなをやり過ごしながら、作業を進めると、声を荒げて制止し始める。なるほど。お茶の時間、ブレイクタイムだな…。

その繰り返しが1週間となった。初日にめでたく見付かった物のうち、無事なのは印鑑だけ。これだけは確保したかったが、目の前から消えてしまうとまた大騒ぎになるので、お互いに判る所において置き、毎日存在を確認している。それも常時監視しない限り、存在が怪しくなるんだろうな。それもムリな話だが…。

母から何もかもを取り上げるつもりは無いのだが、分担する…って話を理解して記憶してもらう方法でもなければこのままだと思う。そうした会話が成り立ったかと思って任せると、任せたモノはまたどこかへ消えてしまう。

消えてないけど、目で確認が出来ないと大騒ぎになるものもある。

先日、深夜に突然近隣に預けて忘れてた貴金属など、全てを一緒に保管しても悪く無さそうだが、良く使うものがあるらしく、それだけは手元に残し、残りは母と私が判るところにしまう事に決めたのだが、当然、目で見えるのは手元に残してある分だけであり、翌日にそれを見て…

「こんなに減ってる! また盗まれたっ!」

…てな具合に大騒ぎが始まる…。ここでしまってある分を見せようものなら、また分散されてそれこそどこへ行くのか判らなくなってしまう。使わないけど大事なものとしてしまっておく事を散々に確認してからしまったモノだけれど、これもその内バラバラになって消えるかと思うとやりきれないが、盗まれちゃいないし、一緒にしまった時の写真も撮ってあるので大騒ぎされても説明が付く。

ま、説明が付いても大騒ぎはするし、オレが犯人って事も変わらないんだけれどね…。何をやっても理解される事が無ければ、待っているのは「地獄のループ」なんだからさ…。

夕方になり、ちょっと会話らしい会話が出来た。なんせ、連休中だから何も動きが出来ず、モノ探ししか出来ないし、そろそろ支払日だのなんだのも近い。ロックされた口座をオープンさせないと、支払うものが支払えないワケだから、大変に困った事にもなるけれども、早々簡単にオープンも出来ない事情は先にも書いた。

その辺は「困った事」との認識はあるみたいだけれど、そうにもなった原因はやはり「窃盗被害」なんだと思っているみたいだ。それ以外に変わった感じも見受けられない。自身で食事を作って食べており、その量も内容も別に変わった事はない。

ただ、数々の疑問点ってのを語り始めたので驚いた。

「なんでこの中(家の中)から見付け出したんだろう?」
「家の鍵はどこも閉まっていて、壊して入った痕が無いわよね…」
「…私は家にいたんだけど、いつなんだろう…」

そうした謎は、初日にほぼ解明出来ている。泥棒なんか来ていないし、入った痕も無ければ、どこかを壊した痕も無い。盗まれたと言うモノは全て家の中から見付かっており、盗まれたワケではないのである。

それは、調べに来てくれた警察官からも優しく語られており、納得したハズだったのだが、そうした記憶が全く残っていない。

「10人もお巡りさん来たのに捕まえられないなんておかしいよ…」

家に来た警察官は3人である。制服の警察官が1人、鑑識作業とワイシャツネクタイの方が2人。まぁ、やって来てくれたからといってすぐに捕まったりもなかなかしないもんだけれど。

会話の中で、自身の記憶に欠落がある事は認めてもいた。その部分が蘇れば、そうした謎も判るのだけれど、無い記憶は無いので、残念ながら蘇る事もないままだろうと思う。物忘れ…ってのとはまた違った深さの物忘れ。

この会話は、非常に穏やかに出来た。この1週間の中でも珍しい事で、いつもであれば途端に顔つきが豹変し、罵詈雑言のオンパレードにも変わってゆくが、それが無かった。理解出来る能力が安定しているのなら、多少詳しい話も出来るのだけれど、何がどこでスイッチが入っちゃうのか判らない。うかつに母の話に同意も出来ないし、強く否定するのも危険なのだ。当たり障り無く聞き入れて流す…。数秒前の会話の蒸し返しも無かったし、リピートも無かったのは喜ばしい兆候だと思う。

ふむ。処方された薬の効き目かもしれない。少なくとも、昨日よりは落ち着いている。夕方前までは一触即発な表情だったが、普通の表情のままだった。願わくば、このまま夜を過ごし、穏やかに眠って頂ければ助かるのだが、どうなる事やら…。そうそう。無心で何かを探し続けて止まらない…ってのが今は無かった。夕方前には少しその様子が伺えたが、それほど強く固執している風でも無かったし…。

…ふぅ…私も、少し休みたい…。



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母さん、事件です! いや。母さんが事件だ…。その5。

2016-09-18 02:38:07 | 我思う、故に書くなりよ。
…夜中の3時だが…。

一応、認知症の症状が強く出ている母が気になり、簡単に見回っている。それと言うのも、以前にも時間の感覚に異常を来している状態を見ていたので。

夜の7時くらいに帰宅すると、無表情の母がぽかーーん…としていた。どうしたのか尋ねると…

「おかしいよ、朝なのにこんなに真っ暗だよ…」

そう聞いて、全く何を言ってるのか理解出来なかったのだが、朝と夜をマジに取り違えていたんである。朝と昼に外出しているのを知っていたし、明るい時間帯に爆睡して明るい時間を知らないワケでも無いのだが、なぜだかそうなってしまったらしい…。

この時は、テレビを点け、7時のニュースを見せて、夜である事を判ってもらったのだが、暗くなっている外の景色を見ても「朝」って感覚だったんだろう。

そうした事があったし、深夜に奇妙な荷物を近隣宅まで預けに出掛けている事実もあるので「徘徊」に繋がっても困るので、見回るんである…。

関係のあるなしは定かじゃないが、部屋の電気を点けたまま、テレビも点けっぱなし、おまけに音量大きめ…って状態で爆睡しちゃう事が多くなっている。夜中にこちらが気付けば、消しているけれども、こちらとて寝ている時間でもあるので、朝までそのままだったり、途中で自分で消して寝ているという事もある…。

今晩はどうだろうか…。電気は点いている…。テレビの音は聞こえて来ない。だけれど、他の音が聞こえて来る。

案の定、起きて、大きなビニール袋を広げていた…。何の目的だか聞いても答えなかったが、時間を教え、寝るべき事を伝えると、そうすると返事はあり、電気を消して寝たみたいである…。以前と同じく、無表情だったけれど、返答のレスポンスに大きな違和感は感じられず、投薬の効果が幾分は期待できるものじゃなかるかと…。

そう言えば、処方された薬は、若干だが気持ちがハイになると聞いている。興奮状態なら目が覚めてしまうのもあるだろうし、眠くなるまで起きている…ってのも普通にアリだ。

高齢な事を考えると、それもちょっと変かな…。いつもなら爆睡してる時間だから、薬の効き目なんだろうな。

…ま、外出しなけりゃ大きな心配は無いので、是が非でも寝ていただく…って事を強要しているワケでは無いものの、やはり寝るべき時間には寝ていただいた方がこちらも寝ていられる事に変わりも無いし。

…そうこうしている間にそろそろ朝の4時に近い…。

どうやら、寝ちゃいないが、外出する気は無いみたいで、なにやらゴソゴソやっている。

これが実は困ったもので…、なんせ、自分でモノを動かした記憶の欠落が著しい。となると、また、あるべきモノがあるべきトコロに無い…って事になり、その犯人は私となるんである…。つまるところ、本日も大騒ぎが想定されるワケで…そうにもなると、自分で動かした記憶がバッサリ無いのだから、そこに無い理由を説得するのも大変なのだ…。

ゴソゴソをこの場で止めさせても、こんな時間に私にそんな事言われた記憶が残っちゃいないんだろうと思う。昼間もそうで、動かしたらまた無くなってしまう事は幾度も話してあったんだが…そう話している最中でも動かしちゃう。

何を探しているのか定かにしないが、何かモノを探すという行動が果てしないほどに継続するんである。モノが無くなる不安、モノを盗られる不安に苛まれているらしいが、それでは何を探しているかと尋ねても、そのモノすら判然としていないんである。探しているモノが、こちらの希望する亡失されたモノであれば構わないんだが、決してそうじゃないんである。

そうした行動も、典型的なことらしい。昼間も何を探しているのか定かじゃないが、バッグの中をずっと探していた。

まぁ、既に見付かっていないモノ以上に無くなって困るモノもない…って現状だから、荒唐無稽な罵詈雑言を浴びせられるだけで済むと思えば、気持ちも楽だ。うっかり探し当てて出て来てくれたらラッキーでもあるし。

ただ、出来れば、こうしたコトは数少なくなって欲しい。こちらもちゃんと寝たい時間だ。

これでも、極めて軽度な…と形容が付く認知症なのかねぇ…。

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母さん、事件です! いや。母さんが事件だ…。その4。

2016-09-17 20:14:49 | 我思う、故に書くなりよ。
…やっとと言うか、とうとう…と、言うか…。

母を認知症目的で病院へ連れて行くことが出来た。

まぁ、そうした目的で…って話だと、頑なに拒否されるワケなので、たまたま何かの検査の予定を入れている…って事で、そこが認知症受け入れ医療機関って事にもなっているので、ついでに…と。

これには近所の方の説得もあったがために…ってのが付く。家族だけではやはり頑なに拒否拒絶だったと思う。ちょいと不安だから、一緒に病院へ行ってみない? って事を、認知症らしき人に言ってみても、断固拒否されるのも定番だろうと思うけどね。

んでまぁ、医療機関に着き、受付で事情を説明すると…そもそも今日の予定など無く、健診的なものは来月に予定はされている…って事だった。

てなワケで…普通に飛び込みで…って状況になってしまったが、医師に相談できるチャンスが訪れただけでもありがたい…。

ところが…。

診察に際し、私から母の状況を細かく説明し、医師もそれは理解して頂けた様子だが…長谷川式と呼ばれる簡易テストを行うと…極めて軽度な…って事になってしまった。まぁ、傍から見ている限りは、ちゃんとパスしているし、パス出来なかった部分は確かに少ない。

私としては、今日のこの日までに起きた数々の出来事と今だ続いている出来事から考えると、極めて軽度な…とは到底思えず、大丈夫かよ…と、大きな疑問を抱いたワケだけれども、受け入れ医療機関にはなっているものの、専門医では無いワケだし、医師の判断でもあるのだから、そこは受け入れる他にない。

ただ、症状を軽減する投薬については、あれこれと調べて頂き、時間を掛けて薬を決めて頂けた。

この投薬でそうにもなれば、母本人も楽だろうと思うのだけれど、その様子は相変わらずで、言語明瞭意味不明な会話にはなるし、荒唐無稽な豊か過ぎて洒落にならない発想を披露している事に何ら変わりが無い。

そうこうしつつ…失って困るモノの捜索と、マジで失った場合に備えて、遺失物の届出とかアレコレに奔走する。

連休が始まってしまったので、大きく動く事も出来ないが、早めに進めておける部分は進めておかなければならない。

まぁ、マジで…って場合は、そのほとんどが「再発行」って事になるのだが、本人確認の出来る書類ってのをほぼ失ってしまっているので、運転免許等を持っていない母は、絶望からのスタートになってしまうのだ。

家族であれば代理人届けやら…って事も一部は可能だけれども、そうでないモノも含まれているので非常にやっかいなのである…。

なにかの拍子に、ゴソっと出て来てくれたら手続きも楽なのだが、ゴソっと…も、ちまちま…とも出て来ていない。

…ゴソっと出て来るといえば…今日になり、母の奇行の一端が明らかになったこともあって、非常に驚いたりもしたのだが、そうした事が母の記憶には全く残っておらず、残っていないのに、自身の生活品がそうした状態で発見された事について…

「誰かが盗んで置いていった…」「オマエだろ」「オマエの彼女がそうしたんだろ」「泥棒がそこへ捨てていったに違いない」

との自説を強硬に主張し始めるから困ったもんなのだ。

事実とされる状況は、真夜中に突然に近隣宅へ電話した上で訪れ「大事なものだから預かって欲しい…」と、荷物を置いていったそうだ。そんなものを唐突に置いて行かれた近隣宅では、その場で一応中味を軽く確認すると、ハンカチとタオルが多めに入っていたそうである…。

「これが大切なのか?」と、疑問を抱きながらも快く預かって頂いた近隣の方に感謝を禁じえない。実は、ハンカチやタオルの下に、少々の貴金属らしい装飾品が隠されており、まぁ全体としてみれば「大事なもの」と言えなくも無いのだけれど、真夜中にも関らず、母の奇行を受け入れて頂いたお陰で「窃盗犯説」「オマエだろ説」等は崩壊する事が出来た。

何にしろ、モノが無くなればとりあえず「私」もしくは現在は存在することの無い「私の彼女」が窃盗犯として声高に叫ばれるワケだから、こうした事実が母本人の前で明らかになる事は助かる。だが、病気なので、自身がそうした奇行を行っている、行ったと言う「記憶」が存在すらしないのである…。

そうであっても、自説を取り下げるとか、撤回するとか、そうした考えも全く無いみたいだけれどね…。

…これと同じ方式で、無くなって非常に困るモノたちが、近隣宅に預けられてでもしたら、それはそれで非常に助かるのだけれど、そうした情報は今のところ無いので…。ただ、これはこれで恐ろしい事にも繋がりかねない。

「…自身の記憶に全く無いのに、なぜあの人が私の大事なものを持っているのか?」

そうした率直な疑問が母に浮かんでしまうと、善意で奇妙な荷物を預かってくれた近隣の方を犯人呼ばわりしかねないのである…。事情を知っていれば、それらが荒唐無稽だと理解も出来るが、全く知らなかった場合、それこそとんでもない大迷惑を掛けてしまう。そこだけは避けなければならない。

そうした意味じゃ、母は猛烈に嫌がるが、近隣の方にはそれとなくある程度の事情を含んでおいてもらう事も必要じゃなかろうかと思うが…今はちょいと難しい問題でもある。

ま、連休が明ければそんなこんなも専門家に相談していくつもりなので、そうした事も記録として残しておきたいと思っている…。

あー。どこ行っちゃったんだろうなぁ…。

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母さん、事件です! いや。母さんが事件だ…。その3。

2016-09-16 21:39:04 | 我思う、故に書くなりよ。
…もうちょっと余裕があるかと思ったが…母の認知症の進み具合がハンパではなくなってしまった。

まだ大騒ぎして…と、言うか、大騒ぎが続いている最中だけれども、大事なモノがまた、おおよそ失くなってしまった。

詳しく聞きだすと…窃盗事件もどきから毎日続いており、せっかく警察官が探し出してくれた貴重品の一切を、わずか5日で全部失った事になる…。

さすがに、こればかりは私もブチ切れたが…病気なんだからブチ切れても解決にならない。失ったものを捜索する方が先だからね…。

母にあれこれ聞いても、要領を得ないので、とりあえず出掛けたなら、出掛けた先を片っ端から聞き、そこへ問い合わせる事に集中する…。

幸い、挙動不審だったり、言語明瞭意味不明だったりな母の事を記憶してくれている窓口の方が多く、それこそ有益な情報を多く得られた。そして、母から聞いた話で事実なのは出掛けた先くらいなもので、何しに出掛けたか? 何をそこでしたか? に関しては、ほとんどがデタラメに近い事も判り、その際の母の様子もかなり詳しく知る事が出来た。もう母1人で出掛ける事を良しと出来ない状態になっている…。

まだ5日しか経ってもいないが…単なる物忘れどころの騒ぎじゃなくなってもいる。

ともかく、何かを片付ける都度、それが紛失してしまう。どうでもいいモノならそれはそれで構わないが、そうじゃないから必死に探しているのだが…全く見当も付かない。

近所の人の力も借りて、ようやく病院へ受診する手はずを整えたが、それすらも突然無かった事になってしまう。僅か数時間前の話の理解もままならず、モノが無い…盗んだろ? 盗むのを誰かに許したろ? 警察を呼ぶっ! の大騒ぎに戻ってしまう…。

ようやく、なだめて納得させたつかの間、またモノが無い…誰かが盗んだ…と。荒唐無稽な妄想がそこに加わり、とても聞いていられない話になってしまうが、根気良く説明して納得してもらう他に方法も無い…。

始末に負えないのは、一見、会話が成立しているかに思えるが、その理解度はほとんど無いことである。数分前に話したことすら、記憶に残っちゃいない。そうかと思えば、遥か遠い昔の思い出を詳しく話し出したり、なんら問題なく会話が成立している風にも思えるが、話がポンポンと飛び、聞いている方はいったい何の話なんだか判らない。

そこそこ進んでしまった認知症であろうかと思うが、なきゃ困るモノがゴッソリと突然と亡失してしまう実害は地味に困る…。

そうした中で…母が力説する「窃盗被害」のうち、印鑑の数々を室内から発見する事が出来た。ウサギ小屋みたいな小さな住宅ですら、広大なアマゾンのジャングルにも思えて来てしまう…。

あるモノはてんでバラバラにしまわれ、あるモノはまとめられており、整理する、あるいは整頓して片付けると読み解く事が出来る形で見付かったのは、うれしくもあり、悲しい。

さてと…それでも見付からなきゃ困るモノが未だに見付からない…。いったい、どこへ消えてんのやら…。

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