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チビ登山第69~71座は日本最後の秘境、雲ノ平! Day 3雲ノ平山荘~太郎平小屋

2017年08月24日 | 登山


間違いなく天国だった

三日目の朝。前夜寝るときに降っていた雨は夜半にはあけたらしい。台風5号の接近もあって鉛のような空を想像して起床し、窓の外を見たところ、目の前に広がっていたのは薄暮の空に全方位浮かぶ高山のシルエット・・・
朝四時だったが歓声をあげ部屋の全員をおせっかいに起こしてしまった。

ちなみに前日の日曜日の雲ノ平山荘が大混雑だったらしいが、この日はガラガラ。山荘に泊まっているハイカーのほとんどとチビ太はお友達になっていた。

朝食をしっかりとって(山盛り)、6時に行動開始。台風で天気が荒れ始める午後三時までに太郎平小屋に避難するのが今日の目的。
先ずは、北アルプス最深部に広がる、4キロ四方のこの世の天国的湿原、雲ノ平より見える秀峰たちのご紹介をしましょう


近くに広がるは、三俣蓮華。奥穂高から雲ノ平を目指すとここを越えてくることになります。


笠岳~♪ミニ槍ヶ岳なシルエットですね。
この百名山も奥穂高からアクセスできるそう。雲ノ平からはルート外れてしまいますが、


水晶岳。




男性的な岩肌。ここは北アルプスの中でも最も暴風が吹くところらしい。
雲ノ平山荘の姉妹小屋でもある水晶小屋が山頂直下に立っていますが、稜線の風が強いらしく、過去二回山小屋完成直後に屋根ごと小屋が吹き飛ばされたんだそうです。いつか水晶鷲羽は行きたい。


逗子から来た母子二人組ととても仲良くなりました。 この後太郎平小屋まで一緒。

まずは快晴、360度の北アルプス名座の眼福を楽しみながらお散歩しましょう、ということで山荘の隣の丘(もはや山ではない)、祖母岳経由で下山開始。湿原と点在する池塘、お花畑、二人ともため息をもらしながらゆっくり絶景を楽しみました。
正午には台風接近の予報なのでこの快晴も後数時間か。本当に晴れてよかった。

永遠に続いてほしい、この時間

名残惜しく候


いきなり帰らず、まずは丘のような祖母岳へ。


往復30分のプチ登山


薬師岳のカール


池塘と黒部五郎


槍、穂高も遠くに見えます


祖母岳に到着。この後父は360度クルン!と転倒します。


キレットも見えるような。ジャンダルムは隠れて見えないか。


天国にもっとも近い場所(アルプス庭園にて)


チビ太『天国ってどんなところ?』
父『お星様になっちゃった人が、ふわふわ集まってくるところだよ。田部井さんとか、お父さんの友達が、空から見守ってくれるところ。』
チビ太『そうか~♪じゃあ今頃田部井さんが「保育園の子ががんばっているな~!」って応援しているんだね!』
父『だね』












犬のダグラス君といつもいっしょ








アラスカ庭園に向かって歩いていくと、今度は黒部五郎と薬師の雄大なカールが近づいてきます。


薬師岳


黒部五郎


ギザギザ山(笑) あれが大キレットかな?

雨の後の急降下

ここが恐れていた雨上がりの苔むした岩場の下り。とにかく気をつけながら緊張の1時間半でした。
今日最も気をつけるべき薬師沢への急降下、ここは父は数回こけましたがチビ太が無傷で通過。さすがのバランス感覚です。

夏休み中このエリアで複数転倒があったみたいです。二日前、太郎平~薬師沢の間で男性が転倒し手首骨折。このときは太郎平に常駐している山岳警察の方がトレランして助けにいく現場に出くわしました。
この日も薬師沢小屋への最後の急坂で斜面で転倒した人がいると逆に登ってきた人が注意喚起してくれました。体重の重い大人や、重い荷物を背負ってバランスを取りにくい人の方が転倒しやすいのかもしれません。
私はスマホのGPS地図を見ながら歩いていたら、前のめりに転倒しました(笑)






ここ最深部まで来ると、登山道でチビ太が現れると『キャー』『ちいさーい』とみんな驚きます。山のアイドルw
ハイカー『すごいねぇ!何年生?』
チビ太『来年一年生だよ~』
・・・この会話は100回くらいしました。








沢の音が近づき、やっと急降下も終わりに近づいてきた。


薬師沢まで降りてきてほっと一息。河原でチビ太がカレーライス、親父は牛丼をハフハフ食べます。すごい食欲。


急な梯子。最初は恐る恐る父のすぐそばで登り降りしていましたが、なれると独りでひょいひょい行くようになってしまいました。
この数日間で大分たくましくなったよ。

怪物の住む湿原へ

炎天下のカベッケヶ原に戻ってきましたよ。

カベッケは漢字で「河化」と書き、姿形も河童によく似ているという。河童といえば川や池などの水場に住み、水場に近づいた牛馬を引っ張り込んだり、人間をおぼれさせて尻子玉を取るとされている、日本古来の妖怪だ。
しかし、カベッケの行動は少し違い、人間を迷わすために山中まで出てきて「おーい、おーい」と声をかけてくるのだという。この声にうっかり反応して返事をしてしまったり、声のする方向について行ってしまうと、行方不明になってしまうとされていた。
ちなみに「おーい、おーい」との声掛けに「おーい」と返答するとさらわれてしまうらしい。そうならないために、昔の山賊たちは「ヤッホー」と返答するように気をつけていたそうだ。


薬師沢から太郎平直下まではこんな水場がたくさんある。今日は炎天下直射日光のなかでの登山だったので、あつくなってはこうやって冷やしながら歩いていました。


まさに水筒いらずのコース(ここだけね)




『みずしゃんぷー』
テレビで見たことはすぐ真似してしまう…




後方のベンチで休憩しているときに、ベンチの下からひょっこりオコジョが顔を出しました。大興奮して歩き出すチビ太


『やった~オコジョに会えてよかったね~!』


この後、渓流で体を冷やして最後の1時間の急登へ。正午と雨雲が近づいていたので、この登りは気温も低く楽チンでした。途中でポツポツ降ってきたのでレインウェアに着替えます。



台風による停滞へ・・・

行者ニンニク入りのラーメンを二人でシェア・・・のはずですがほとんど食べられちゃいました。
さて、台風をやり過ごす長い停滞になりそうです。


宿で天気予報を見てみると台風の予想コースが益々悪化し、まさに頭上を通過するコース。夜から暴風雨とのことでした。明日、折立の駐車場に雨の中仮に下山できても、有峰林道が封鎖されている可能性が非常に高く、路線バスは早々に運行中止の知らせが。これは停滞、連泊だなぁと小屋に避難した皆さんの中にはあきらめムードが漂います。

その中で小屋にさらにもう一度泊まれると知ってさらにご機嫌になるチビ太ひとりが、小屋の雰囲気を盛り上げていました笑


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