雨ですね・・・
個人TTの虎の巻、今まで書きためていましたがここで公表します。
ここで書いていたことを実践しても、巻末で書いたように自己ベストに簡単につながる保証がありませぬ。たくさん個人TTをして、あらゆるコース、コンディションを経験してくださいね。経験しなくては(←おれ)
Disclaimer: この記事のオリジナルは、こちらのサイトから翻訳、意訳、抜粋になります。問題であれば即刻削除しますのでご連絡ください。トレーニング目的以外の転載はやめてーな。
タイムトライアルの戦略
オフシーズンにしっかり練習し、食事にも気をつけて、イベント前に十分休養しウォームアップもしっかりできていることがこれから述べるにあたっての前提となります。
やってしまいがちなTT
典型的なサイクリストがどのようにTTをこなすか、それを知りたければ往復コースのスタートから3 km地点にいって観戦するのがよい。スタート1.5 km だと少し様子がかわってくるのだが、これについては後で。
3,2,1, スタート!53 x 14のビッグギアでトップスピードにのせるべく一気にスプリント。サドルに腰を下ろす頃には脚に乳酸がじわーっとたまってきて、いきなり現実と酸素の借金にさいなまれて危機管理体制が問われる。1 kmを半ば過ぎるころにはもう、「ギア落とそうか?」と悩み始める。
上の図はまさにその典型的なTTのデータである。被験者は16kmTTをマックスで走った。典型的サイクリストの典型的走り方。最初の1マイルであっというまにトップスピードに達し、あっというまにそのツケを払い始める。自己過信か、コースを甘く見ていたのか、いずれにせよ結果は同じ。
テスターの平均ワットは230 W。これが10マイルTTのLTである。しかし、最初のつっこみの1.6 kmで平均より40 Wオーバーで走ってしまっている。これにより、続いての4 kmを平均より50 Wアンダーで走ってしまっているのだ!
6.4 km地点では、速度もワットも平均より下回ってしまっている!青線のグラフをみてもわかるように、この悪しきパターンはこの後も繰り返されている。距離が長いTTでも変わることはないだろう。
というわけで命題はこうなる。『最初の入りでLTを超えないように走れば、平均速度平均ワットは最終的にどうなるか。』あなたの最近のTTはどうしたか?似たようなものでしたか?
戦略的TT
一週間後、ペーシングのコーチを受けたテスターが再テストに臨んだ。まず、最初の10分間は一回目の平均ワット(230 W)になるべく近いところで走ることを命じられ、10分を過ぎてからはできる範囲(つらいが、なんとか耐えられるレベル)で徐々にペースアップを許された。結果は全くちがうものになった。
パワーメータがなくても、一回目のテストよりストレスが少ないのがわかるだろう。心拍は開始400 mではなく開始2.4 kmでピークを始めている。これにより、乳酸によるストレスも少なく、酸素の欠乏もすくなく、スムーズにかつパワフルにリズムを刻むことができた。最後まで。
そして2回目のテストでは平均ワットが10 W向上している。テスターが一週間で急激に強くなったわけではなく、これは限られた体力リソースを効率的に管理した結果である。
計測し、常に制限値を超えない。いや、制限値は最後の1.6 kmになったら忘れてもよい。最後は全力を出しつくす。心拍も乳酸もすべて忘れ、脚がちぎれてもいいからゴールラインで体の中に何も残っていないところまで絞り出す。
ペーシングの効果
黒線が一回目のテストの基準線である。赤線は黒線に対する二回目の相対値だ。
最初の1.6 kmでは4秒遅れ。2.4 km では6秒遅れ。4.8 kmで追いつき、ここからペーシングの効果が表れ始める。
残りの11.2 kmで85秒の差がついている!1 km 7秒の差である。どのくらいいいかって?かなりいいですよ、これは。しかもタダ。自己体力というリソースを賢く使うだけで、ただで85秒も獲得したわけだ。まったく同じ値があなたでも出せるという保証はないですが、30秒は短縮できるでしょう。必要なのは感情と本能をコントロールして、ちょっとだけ科学的に走ってみることなのです。
伝えたいこと
というわけで、今まで述べてきたことは明白になったと思う。だがもう一度くりかえす。「LTを越えてから一度休んで、もう一度追い込む」、これは理想的なTTの走り方ではない。これは厳然とした事実であり個人的な意見ではない。
号砲とともに飛び出した本能を、戦略でセーブ(ペーシング)すれば、必ず見返りがあるはずだ。
戦術を知らないがために、あなたの今までの懸命な練習の成果、なによりも本当のポテンシャルの全てを、目的とするイベント当日に発揮できないのは本当に惜しい。是非この戦術を参考に全力を発揮してくれ。鍵になるのは「始めチョロチョロ、中ゴリゴリ、最後にドカーン!」だ。
ゴリゴリ
ボカーン!
なぜスタートから3km地点で観戦するのか?
スタートから1.6km地点で観戦しても、間違った印象を受けるだけである。この地点では、ほとんどの選手が最初の加速の慣性に乗っかっていて、実際「はえぇ~」という印象をあたえる。真のパフォーマンスの評価としては歪んだ印象を与える可能性がある。 真のスカウティングをするなら、開始3km地点だ。ここには真の実力がある。
* 応援するのもここだ。
訳者注:この記事に足りないもの
私はこの記事を熟読して、2010年のターゲットイベント、利根川TTに参加したが、結果は惨敗。
その時の記事。はぁ~
平地FTPで理論的に勝てるはずの仲間にも、後塵を拝した。その日、コースはかなりの風が吹いていた。往路は55kmで走れるくらいの追い風。復路は30kmキープもままならない向かい風。私は目標とする300Wを忠実に守ったが、この記事通りに過去最高のパフォーマンスは得られなかった。どうやらIN追い風、OUT向かい風の時には、違った走り方をする必要があるらしい。これに関しては、@Zaikouさんが詳しいらしい。この問題の解析をするまで、この記事は未完です。どなたかえらい人おしえてー!
個人TTの虎の巻、今まで書きためていましたがここで公表します。
ここで書いていたことを実践しても、巻末で書いたように自己ベストに簡単につながる保証がありませぬ。たくさん個人TTをして、あらゆるコース、コンディションを経験してくださいね。経験しなくては(←おれ)
Disclaimer: この記事のオリジナルは、こちらのサイトから翻訳、意訳、抜粋になります。問題であれば即刻削除しますのでご連絡ください。トレーニング目的以外の転載はやめてーな。
タイムトライアルの戦略
オフシーズンにしっかり練習し、食事にも気をつけて、イベント前に十分休養しウォームアップもしっかりできていることがこれから述べるにあたっての前提となります。
やってしまいがちなTT
典型的なサイクリストがどのようにTTをこなすか、それを知りたければ往復コースのスタートから3 km地点にいって観戦するのがよい。スタート1.5 km だと少し様子がかわってくるのだが、これについては後で。
3,2,1, スタート!53 x 14のビッグギアでトップスピードにのせるべく一気にスプリント。サドルに腰を下ろす頃には脚に乳酸がじわーっとたまってきて、いきなり現実と酸素の借金にさいなまれて危機管理体制が問われる。1 kmを半ば過ぎるころにはもう、「ギア落とそうか?」と悩み始める。
上の図はまさにその典型的なTTのデータである。被験者は16kmTTをマックスで走った。典型的サイクリストの典型的走り方。最初の1マイルであっというまにトップスピードに達し、あっというまにそのツケを払い始める。自己過信か、コースを甘く見ていたのか、いずれにせよ結果は同じ。
テスターの平均ワットは230 W。これが10マイルTTのLTである。しかし、最初のつっこみの1.6 kmで平均より40 Wオーバーで走ってしまっている。これにより、続いての4 kmを平均より50 Wアンダーで走ってしまっているのだ!
6.4 km地点では、速度もワットも平均より下回ってしまっている!青線のグラフをみてもわかるように、この悪しきパターンはこの後も繰り返されている。距離が長いTTでも変わることはないだろう。
というわけで命題はこうなる。『最初の入りでLTを超えないように走れば、平均速度平均ワットは最終的にどうなるか。』あなたの最近のTTはどうしたか?似たようなものでしたか?
戦略的TT
一週間後、ペーシングのコーチを受けたテスターが再テストに臨んだ。まず、最初の10分間は一回目の平均ワット(230 W)になるべく近いところで走ることを命じられ、10分を過ぎてからはできる範囲(つらいが、なんとか耐えられるレベル)で徐々にペースアップを許された。結果は全くちがうものになった。
パワーメータがなくても、一回目のテストよりストレスが少ないのがわかるだろう。心拍は開始400 mではなく開始2.4 kmでピークを始めている。これにより、乳酸によるストレスも少なく、酸素の欠乏もすくなく、スムーズにかつパワフルにリズムを刻むことができた。最後まで。
そして2回目のテストでは平均ワットが10 W向上している。テスターが一週間で急激に強くなったわけではなく、これは限られた体力リソースを効率的に管理した結果である。
計測し、常に制限値を超えない。いや、制限値は最後の1.6 kmになったら忘れてもよい。最後は全力を出しつくす。心拍も乳酸もすべて忘れ、脚がちぎれてもいいからゴールラインで体の中に何も残っていないところまで絞り出す。
ペーシングの効果
黒線が一回目のテストの基準線である。赤線は黒線に対する二回目の相対値だ。
最初の1.6 kmでは4秒遅れ。2.4 km では6秒遅れ。4.8 kmで追いつき、ここからペーシングの効果が表れ始める。
残りの11.2 kmで85秒の差がついている!1 km 7秒の差である。どのくらいいいかって?かなりいいですよ、これは。しかもタダ。自己体力というリソースを賢く使うだけで、ただで85秒も獲得したわけだ。まったく同じ値があなたでも出せるという保証はないですが、30秒は短縮できるでしょう。必要なのは感情と本能をコントロールして、ちょっとだけ科学的に走ってみることなのです。
伝えたいこと
というわけで、今まで述べてきたことは明白になったと思う。だがもう一度くりかえす。「LTを越えてから一度休んで、もう一度追い込む」、これは理想的なTTの走り方ではない。これは厳然とした事実であり個人的な意見ではない。
号砲とともに飛び出した本能を、戦略でセーブ(ペーシング)すれば、必ず見返りがあるはずだ。
戦術を知らないがために、あなたの今までの懸命な練習の成果、なによりも本当のポテンシャルの全てを、目的とするイベント当日に発揮できないのは本当に惜しい。是非この戦術を参考に全力を発揮してくれ。鍵になるのは「始めチョロチョロ、中ゴリゴリ、最後にドカーン!」だ。
ゴリゴリ
ボカーン!
なぜスタートから3km地点で観戦するのか?
スタートから1.6km地点で観戦しても、間違った印象を受けるだけである。この地点では、ほとんどの選手が最初の加速の慣性に乗っかっていて、実際「はえぇ~」という印象をあたえる。真のパフォーマンスの評価としては歪んだ印象を与える可能性がある。 真のスカウティングをするなら、開始3km地点だ。ここには真の実力がある。
* 応援するのもここだ。
訳者注:この記事に足りないもの
私はこの記事を熟読して、2010年のターゲットイベント、利根川TTに参加したが、結果は惨敗。
その時の記事。はぁ~
平地FTPで理論的に勝てるはずの仲間にも、後塵を拝した。その日、コースはかなりの風が吹いていた。往路は55kmで走れるくらいの追い風。復路は30kmキープもままならない向かい風。私は目標とする300Wを忠実に守ったが、この記事通りに過去最高のパフォーマンスは得られなかった。どうやらIN追い風、OUT向かい風の時には、違った走り方をする必要があるらしい。これに関しては、@Zaikouさんが詳しいらしい。この問題の解析をするまで、この記事は未完です。どなたかえらい人おしえてー!