アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

エスノサイドの実態を

2008-02-07 03:40:22 | インポート
アイヌモシリから先住者であるアイヌ民族をどのように排除していったか、その事実を明確にし、日本の責任を解決して頂きたいと前回に書きました。

近代国家を形成した日本が、その過程でどのように「先住民族」の問題を生み出して行ったかを、上村英明さん(市民外交センター代表)は、「先住民族の『近代史』」(平凡社)で、詳細に、且つ、分かりやすくまとめられています。

1854年の「日米和親条約」によって開国された日本はその後、「日英約定」(1854)、「日露和親条約」(1855)、「日蘭和親条約」(1858)と次々と調印します。
その中で、「日露和親条約」のみが、領土問題に関する条文を持ち、先住民族と植民地化について注目されるものだと氏は指摘されます。
結論として、日本政府のアイヌは日本の「属民」であるという主張でアイヌ民族の居住地には、日本の固有な主権・領土権があるという論理が通った、とのこと。
(ロシアはサハリン・千島列島のみを対象にしていたために、北海道本島は日本領土となった)

取って付けたような“理屈”でアイヌ・モシリは日本領土とされたわけですが、
日本政府はそれ以来、強力に、アイヌ民族の日本人化を強制していきます(同化政策)。
それまでは、「禽獣の類」として人間扱いせずに強制労働や搾取を繰り返していたのに、です。
今度は、アイヌ民族の民族性を抹殺する(エスノサイド)ための同化政策がとられます。
そこに登場するのが、日本語や日本風俗の奨励、そして、仏教の布教です(上村前掲書)。
う~ん。
その流れにキリスト教も組み込まれていくのですね(今までのバチェラー関連参照)。

さて、行事案内。
旭川の雪祭り開催中の11日午後3時より、
川村カ子トアイヌ記念館の皆さんによる舞台が行なわれます。
20日(水)には旭川六条教会で川村館長の講演があるとも伺っています。

北海道大学総合博物館シンポジウム
「中世日本列島北部~サハリンにおける民族の形成過程の解明」
-市場経済圏拡大の観点から- 
日時:2007年2月9日(土) 9時00分~18時00分
場所:北海道大学総合博物館1階「知の交流コーナー」
内容:「オホーツク集団と続縄文集団の交流」(北海道大学 天野哲也氏)
「厚真町幌内地区の発掘調査から解ってきたこと」(厚真町教育委員会 小野哲也氏)
「アイヌの宝器・鍬形の成立と変遷」(旭川博物館 瀬川拓郎氏)など
*入場無料 詳しくは北海道大学総合博物館へ
http://www.museum.hokudai.ac.jp/activity/symposium/symposium21/


わたしは神奈川教区西湘南地区ヤスクニ問題連絡会主催の「思想・信教の自由を守る2.11集会」に講師として招かれ、「アイヌ民族とキリスト教布教」とのテーマで、J.バチェラーを例に、北海道の宣教と日本の植民地政策との関連の調べている部分を中途報告させて頂きます。
(今週の「週刊金曜日」の2.11集会案内にも出ていたので、少々、緊張ぎみ)。
10日は平塚中原教会の礼拝の説教奉仕、その夜は小田原教会の栄町集会にて用いて下さるとのことで、盛りだくさんです。楽しみにしています。
ついでに、東京駅八重洲の近くにあるアイヌ文化交流センターにも寄ってみたいと思っています。
今晩から出かけますので、帰り次第、報告をUPします。




夕焼け


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