アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

松浦武四郎の「アイヌ人物誌」から

2009-02-03 17:03:35 | インポート
松浦武四郎の「アイヌ人物誌」(平凡社ライブラリー)の一部を簡単に紹介します。

モレウシという女性は当時28歳。日本海沿岸の天塩川の上流、名寄の中内淵(ナイプト)に住んでいました。当時の名寄は交易所(天塩でしょうか)から舟で10日もかかるほど(約320キロ)離れていたので、米などを手に入れるには大変苦労していました。
ところが、お連れ合いのシケロクが8年ほど前から病気になった。そのために10日もかかる道のりを、ただ一人小舟に棹さして、日頃編んでためたアツシ(オヒョウ楡の内皮で作った着物)などを交易所に運び、薬と交換しては持ち帰って彼に飲ませたそうです。
また、肉食ばかりでは病気によくないだろうと、終始山に入っては山菜を採って与えたそうな。懸命に看病して早7年、シケロクは体が腐りかけて用足しもひとりでは出来なくなったほど弱ったけれど、モレウシは文句ひとつも言わずに、まごころこめて看病したそうです。
武四郎さんが訪ねた年の春、モレウシはいつものように山に山菜を採りに行ったところ、大きなヒグマ2頭が子熊2頭を遊ばせているところに遭遇!親熊は子熊を守るためにひと吠えしてつかみかかってきた。彼女は少しも慌てずに腰の小刀を抜いて、つかんできた手を刺し、難を逃れます。さらに持っていた棒で威嚇して親熊が逃げたところで子熊2頭を捕まえて家に持ち帰ったというお話。
 たいへん勇敢な女性ですね。

これからいくつか紹介しつつ、アイヌ民族が当時おかれた状況も紹介していきます。

今日も旭川にて美馬牛福音教会の会堂建築に伴う委員会があり、これから旭川に向います。
一日、教会事務や美馬牛の資料を作っていました。 
6日に行なわれる道北三愛塾での話の準備ももっと進めたいのですが。
武四郎の書物の紹介も、この準備の一環です。

5日も急な会合で札幌へ日帰りします。今週は6日の準備に専念できると思ったのですが・・・
せっかくですから、北大の博物館で開催中の
「テエタシンリッ テクルコチ 先人の手あと 北大所蔵アイヌ資料―受けつぐ技―」も見ようと思います。




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