アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

情報クリップ ブログ

2008-01-29 18:32:54 | インポート
先週はず~っと寒い留萌でしたので
ケアラシが毎朝のように出ていました。

今日は中休みでしょうか。
マイナス2度近くですが暖かく落ち着いた一日でした。

午前中はアイヌ奨学金事務を作業所の方に来て頂いて一緒にこなし、
午後は下記の国会質疑を調べてプリントアウトし、読みくだいてUP。

今月もあとわずかで終わりますので、慌てて記事をUPしています。

わたしのもう一つのブログでは
新聞記事などを集めたり、書籍紹介をしています。

ときどき忙しく、情報チェックを怠ることがありますが、大体、更新していますので
どうぞのぞいてみてください。
特に報道に出るような大きなアイヌ関連記事はUPしています。

今回は、1月18日にこの活動日誌ブログで取り上げた
「知っていますか? アイヌ民族一問一答 新版」の表紙をUPしました。
お持ちでない方は、是非、アフィリエイト(って言うのか?)でご購入を。

そうそう、社民党の福島みずほさんの国会質問の中に「壊れたレコードのように」
という言葉が用いられていました。

報道クリップブログ http://u-ko-usaraye.cocolog-nifty.com/ 


以下、北海道大学アイヌ・先住民研究センターからのご案内。

■ 2月2日(土)15:00~17:00
呉 豪人[台湾・輔仁大学法学部 副教授]
「台湾原住民法制の現状と課題:原住民の人権にかかわる三つの訴訟を中心に」
会場:北海道大学人文社会科学総合教育研究棟(W棟)2階 W202号室
※参加自由,無料. 発表は日本語です.



旭川では
OKI DUB AINU BAND
2月2日(土曜日)、21時スタート
旭川6条7丁目スガイビル地下1階
前売 3,000円  当日3,500円


ちょっと今回はわたしは無理ですが、
前回同様、老若男女が楽しめますように。



留萌のケアラシ


国連先住民族宣言をめぐっての国会論議(3)

2008-01-29 16:07:23 | インポート

さて、他の議員は関連の質問をしているか調べると、ありました。
以下、要点のみわたしの言葉で。

逢坂誠二さん(衆議院議員 民主党)は、質問第93号(10月5日提出)、再質問を第126号(10月17日)提出。

「先住民族宣言」を賛成した国の内、宣言に盛り込まれている諸権利を自国内の先住民族に適用している国が
どこか知ってたら教えなさい、との質問がありました。

政府の応答は、知~らない、とのこと。
そもそも、政府は世界に先住民族が存在するかどうかも定義の問題で答えられないんだから、
知らないとしか答えようがないですね。

ただ、世界各国では「定義があやふや」であるにも関わらず、先住民族を定義して、
権利について議論と改正がなされて来ていますよね。
それを日本政府はどう位置づけるのでしょう。


参議院では
福島みずほさん(参議院議員 社民党)が質問第105号(12月27日提出)を出してます。

それによると、日本政府独自で先住民族の定義を明確にして、アイヌ民族の権利を保障することを検討することは
可能だったはずだ、なぜそうしないか、と質問。
そうですよね。先に書いたように、他の国で定義されているのですから。
しかし、答弁では、その件に関しては触れず、政府として教授を招いてちょっと勉強したと応答するのみ。


ちょっともどって、
逢坂誠二さんは再質問で、「知~らない、ってどういうことよ?」と聞いたら、
政府は、把握していないと答弁し、
「今後、宣言に関する諸外国の動向の把握に努めていく考えである」
(第105号答弁)と、ちゃんと方向性を出します。

が、鈴木宗男さんの質疑で分かるように、政府は専門的な委員会も作らず、関係省庁は連絡するのみというだけで
「努めている」うちにはいるのでしょうか。


もうお一人、参議院で紙 智子さん(参議院議員 日本共産党)が質問第53号(11月9日提出)を提出していました。
古い資料も駆使しながらの質問でしたが、いづれも政府は資料がないから困難だとか、
「先住民族」定義のあやふやさを用いているのみ。

もっと、もっと質問と提案をして日本政府に先住民族アイヌを認めさせ、
権利回復の道を作っていけることを願います。




サッポロ・ピリカコタンにある萱で作ったチセ(家)
以前、この製作をされたエカシからお話を伺ったことがあります。


国連先住民族宣言をめぐっての国会論議(2)

2008-01-29 15:56:40 | インポート

鈴木宗男(衆議院議員 新党大地)さんは第168回国会にて、
9回に渡って国連「先住民族宣言」可決に伴う日本政府への質問を出しています。

前回ブログで質問第24号(9月14日提出)と、政府の答弁書(9月25日付)を紹介しました。
答弁には、「アイヌ民族」とは決して使わず(国の出している文書にはあえて「アイヌ民族」を
用いていないことをわたしたちは日常で確認できます)、「アイヌの人々」という言葉を使っています。

そして、「アイヌの人々」は
「日本列島北部周辺、取り分け北海道に先住していたことについては、
歴史的事実として認識している」(質問第24号答弁書 六及び七について)
と述べます。

しかし、アイヌが「先住民族」かどうかは、「先住民族」の定義が定かではないから、どちらとも言えない、と。
なんだか不思議な言い分ですね。

日本政府は
「「宣言」において述べられた権利を適応すべきかについて、お答えすることは困難である」
と、答弁書には続けています。
ようするに、アイヌの人々は、権利が伴う「先住民族」かどうかはわからないが、
日本北部、取り分け北海道に「先住」していた「住民」だ、(=先住住民である)ということは認識している、
ということなのでしょう。

鈴木宗男さんは質問53号(9月26日提出)にて再質問をし、
「先住民族宣言」を受けてアイヌ民族の先住民族としての権利に関わる何らかの審議機関を設ける必要性を訴えます。

が、その答弁(10月5日付)では、
北海道が行っている「アイヌの人たちの生活向上に関する推進方策」等に政府として協力し予算を組んでいることを挙げ、
さらに「先住民族」の定義があやふやだから、審議機関等の設置は考えていない、と答えています。

ムネオさんは引き続き、先住民族アイヌを認めるべきだと粘り強く質問を繰り返します。

しかし、政府は「先住民族」の定義のあやふやさから、諸外国の「先住民族」と言われている人々をも
「「先住民族」に該当するのかについて、お答えすることは困難である」
(質問102号答弁 10月19日付 二について)
とまで言う始末!

さらに・・・
では、「先住民族宣言」を受けての我が国政府の対応はどうだったのか、直接の担当者は誰か、
関係省庁はどこか、そこにおいていつ、どこで、だれらが、どのような協議を行なったか、と詳しく聞くと
(質問第248号、第297号)、
「会議と言う形式をとらず、・・・必要に応じて連絡を取り合っている」(第297号答弁書)と。

ここで言う関係省庁とは、具体的には外務省、国土交通省、文部科学省等であることを
第72号質問答弁書に書かれていますが、これらの関係省庁が会議と言うかたちも、
議事録も残さずに「連絡を取り合っている」ということで、じゅうぶん対応しているし、
「施策への協力又は施策の推進を着実に実施していくことが肝要と考えている」(第356号質問答弁書)と言えるのでしょうか。

はなはだ疑問です。



教会から徒歩5分に見える海岸