アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

黄金山とポイヤウンペ

2008-01-03 17:59:09 | インポート
今日は札幌へアイヌ関連の事務で出かけました。
途中の石狩で、前回紹介した浜益の山がきれいに見えましたので写真に納めました。
ちょっと遠かったのですが、前回のよりかたちは分かりますよね。

山の名前を調べてみると黄金山(こがねやま)ということが分かりました。
姿が富士山に似ているところから別名「黄金富士」「浜益富士」と呼ばれているとか。標高740メートルで、
こどもも安心して登山を楽しめるようです。
一見、この急斜面は危険なように思いますが、以前にある方からうかがった際、
写真からは見えない後方はなだらかな尾根があると。今度、登ってみます。

これだけ目立つのですから、アイヌ民族にまつわる話はないかと調べると、
石狩市のいしかり砂丘の風博物館の機関誌「エスチュアリ」28号に、関連の記事が掲載されていました。
それによると、この山はアイヌ語では「タイルペシぺ(丸山)」
あるいは「ピンネ・タイオルシペ(木原にそびえる雄山)」
「タヨロウシヘ(ミズキの生えているところ)」と呼ばれていたそうです(黄金山という名は江戸時代和人による)。

そして浜益アイヌは家の前に作る祭壇を黄金山に向けて作ったという話があり
(ということはカムイ・プヤラ=神の窓も黄金山をむき、チセ自体もおのづと黄金山を向くことになる)、
この山は浜益アイヌにとって特別な存在だったとのこと。

さらに黄金山を含む一帯は、英雄ポイヤウンペの活躍するユーカラ「虎杖丸の曲(こじょうまるのきょく)」の
舞台に似ていて、このユーカラが浜益で誕生したのではないかといわれているとか。

う~ん。わくわくしますね~。もっと調べてみたいです。

http://www.city.ishikari.hokkaido.jp/museum/(いしかり砂丘の風博物館 URL)

石狩市のURLにて「石狩博物誌」が閲覧できますが、歴史や文化の話が満載。おもしろいです。
そこではじめて知った情報がありました。
毎年9月、石狩市内八幡(はちまん)の河川敷でカムイ・チェップ・ノミ(新しい鮭を迎える儀式)を開催しているとか。なんと今年で63回になると・・・。豊川エカシから伺ってなかったですが、写真には若き?豊川エカシが写っておられる。では、札幌市内の豊平川河川敷よりはるか前から開催していたのですね。驚きでした。
内八幡の河川敷って、豊川エカシの寝泊りしているバスのあるところだろうか・・・。
今年は病気をされて儀式に参加されませんでしたが、来年は回復されて両方の儀式とも参加されますように。わたしも楽しみにしています。
(石狩博物誌 第60回 新しい鮭を迎える儀式 参照)
http://www.city.ishikari.hokkaido.jp/profile/bunkazaih00211.html