~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

主婦のピアノ

2010年11月01日 17時33分25秒 | ピアノ
昼間、知人のお宅にお招きいただきました。

そこのお宅の奥様(←直接の知人)と、そのご近所の奥様お二人に私というメンバー。
この方々、実は先日のサークルのコンサートを聴きにきてくださっていたのですね。
ほんとにいいご縁をいただいたと申せましょう。

お昼はそれぞれのお宅からの手作りのピザ・フォカッチオ、プリン、ケーキなどをいただき(←私手ぶらで・・・汗)、ピアノを弾いたり・・・と字面を見る分には優雅なマダムの昼下がりでございます。
・・・が、そんな甘いことではないのが、主婦の日常。
みなさん、それぞれに事情を抱え、練習そのものも厳しく制限される環境にいらっしゃいます。まあ、ふつう、奥さんがのうのうとピアノを弾くことが許されるおうちはそうそうありません。
それでも、弾きたい、聴きたい、という思いでいっぱいなわけです。

両親のことや子どものことで両手がふさがっていて、どうかすると口しか空いてないような(!?)状況の主婦の方がたと接することが多いこのごろですが、
みなさん表だっては語られないけど、いわば日々戦場なわけです。たとえ仕事をしていなくても、趣味に時間を割くことは犯罪に近い。いや仕事をしていないからこそ、たとえ時間があったとしても趣味には罪悪感が伴う。たまにはメンと向かって非難される。

そういう中で、いわば「取り憑かれたひとたち」がやっているわけです。

私は、こういう方々の存在がとても好きで、自分も一生こういう立場を貫いてやっていきたいなあ、と思っております。
プロの先生がたでも、主婦でいらっしゃる演奏家のなかには、ご主人にピアノを辞めるように再三言われたり、リサイタルの日でもご主人の夕食をきっちり準備して出ないと許されない方もいらっしゃるとききます(相当メジャーな方だったりするのですけど)。


私自身がヘンタイなのかもしれませんけど、「本ばかり読むな」とか「ピアノなんか弾いててどうする」とかいう環境が嫌いではないんですね(殴)。
実際、中学2年になってすぐ辞めてからは、ピアノを弾くことは「時間の浪費」のひとつだったので、とても何時間も弾くことなんかできませんでしたし、また辞めたら弾く必要はない、という時代の雰囲気もありました。趣味で弾く時間があるのなら英単語のひとつでも覚えなさい、数学の一問でも解きなさい、というところでしょうか。
本にしても、思う存分読みたければ「文学部に行きたい」的な口実が必要だったですし(自分の中で、ですが)。
そういう、なんといいますか、一種の「うしろめたさ」みたいなものが、こういうジャンルにはつきもので、またその「いけない」ことを敢えてやってる的なところにエネルギーも湧くわけです。
・・・あくまでも私の場合、ですが。

なので、外からどう見えようが、私自身の中では音楽をやることはやはり「いけないこと」でなければならないし、演奏している間は「いけない人間」にならなければいけない。
そういう倒錯したところでバランスを取ってるのかもしれません。

・・・・・これってなんかきいたことあるハナシですが・・・・
もしかして「不倫」とかいうものと同じですか?(逃)。