~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

第3回 ベートーヴェンを弾く会

2010年11月24日 10時31分55秒 | ピアノ
「第3回 ベートーヴェンを弾く会」無事終了いたしました。

昨年、一昨年とビル内のスタジオであったのですが、第3回目ということもあり、少し外へ出てみようということで場所をスタッフとともに探し、とある教会で行うことになりました。
広さもほどよく採光もいい、素敵な空間でした。
クリスチャンでない私ですけど、さすがに十字架の真前で演奏をするというのはあまりに畏れ多く・・・・ちょっとどうしようかと思いましたが・・・。

プログラムには少し変更があり、以下のようになりました。

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<第1部 12:00~13:55>
第17番、第1番、第2番、第6番、第10番、第12番

<第2部 14:05~15:25>
第15番、第21番、第23番、第24番

<第3部 15:35~16:40>
第29番、第30番
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弾くのもですけど、聴くほうにも気力・体力の要る会であります。
今回は40分を超える大曲、第29番ハンマークラヴィアがH先生により演奏されたこともあり、さらに充実した会となりました。

ふだん私が演奏する場(コンクールとか発表会など)では、私はだいたい上から何番目の年齢(どうかすると一番上)なのですけど、この会では、真ん中くらいに位置しておりまして、トシだとかなんとか言うことは通用いたしません(泣)。
今回も、古希を越えておられる方が全楽章暗譜で大曲を弾かれましたし、
またH先生は「私はこれから晩年を生きますから」(←まだそのようなお年ではないのですが)とおっしゃりつつ、圧倒的でありまた神々しいハンマークラヴィアを弾かれました。
自分自身の人生や思慮の浅さを痛感させられ、でも一方で大きな力をいただき、「来年もがんばろう!」と会場をあとにするのが毎年の慣わしになっています。


この会は暗譜は必須ではないので、私も「どうしようか・・」と思わないでもないのですけど、一年に一曲くらいは新しい曲を暗譜でやろう(・・いささか低い次元の話で申し訳ないです・・)ということで、新曲のソナタを暗譜で用意するようにしています。
期間は一年はあるわけなので、簡単なことのようですけど、実際はそうでもなく、
「まず全体がどんな曲かを把握し」「楽章ごとのキャラクターをつかみ」「各楽章ごとの練習を積み」「いろいろな音源を聴き比べて、細かいところの違いをチェックしなおし」「全体を通しで暗譜で弾けるようにし」「全体のまとまりや流れを考えた演奏にし」「それが自然なものであるレベルにもっていく」
ということをやっているといつもギリギリや時間切れ(?)になってしまいます。
今回もいちおう計画はあったのですけど、自分の力だけではやはり進まないところがあり、ポイントポイントで、師事している先生やH先生に助けていただき、なんとか本番にたどりつくことができました。本当に感謝しています。

私の弾いた第2番はそう複雑な曲ではないのですが(和声的にも)、やっぱり24分ほどの曲を弾くというのは私にとってはかなり大変なことで、今回も本番、一楽章の途中で一瞬頭の中の楽譜が途切れ、「あれもしや提示部に戻った?」みたいになったのですけど(汗)、耳と手が自動演奏してくれて、問題は発生しませんでした。・・・・暗譜はやっぱりコワイです。ですが、やらないとできなくなるし・・・。
第4楽章ロンドは似たようなものが延々ぐるぐる出てくる暗譜の敵のような楽章ですが、万が一ヘンなところに戻ってしまってもなんとか先を続けられる「つなぎ」を考えておきました(爆)。それは使わずに済みましたが・・。
でもまあ、想像もつかないような和音や転調は出てこない曲なので、そうバクバクせずに弾けたわけではありますが、これが後期のソナタになるとどうなっちゃうのかな~と思います。


それにしても「ハンマークラヴィア」ってすごい曲ですね。
私は全楽章ちゃんと聴いたのは実は初めてだったのですけど、第九交響曲を聴いた時のような、
なにかに押しつぶされそうな感じと、
気力がみなぎる感じと、
祈り・頭を垂れる感じ、
頭を上げて前に進んでいく感じ、
を40数分のうちに味わいました。
H先生には「あなた、今から弾きはじめて10年後を目指したらいいわ」と言われましたけど、とてもそんな・・・・・畏れ多すぎます。


さて、来年は何番を弾こうかな・・・と考え中。
だんだん先生や学生さんの占める割合が高くなってきたのですけど、ぜひ趣味のピアノ弾きの方々もご参加くださいませ。