~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

シャープがイヤだ

2008年03月13日 13時58分49秒 | 家族・友人等
娘が一筋縄では行かないのは以前からのことなのだが、昨日はピアノの先生もお困りのよう。

迎えにいったならば、
「シャープがあるのはイヤだって弾きませんねえ」
「この曲はまだ弾けるようになってないから、って弾きませんねえ」

・・・おい・・・
まったく同じことをうちでも言っている。私の前でも先生の前でも弾かない。だからといって一人で練習するふうもない。つまり、イヤな曲には触らずしまいということだ(汗)。


ちょっと前までは、幼稚園児なので楽譜はまあおいといて・・と思って、私が「次はこれ次はこれ」とある程度鍵盤を指示していたのだれど、いつまでたっても、ト音記号の真ん中のドからソ以外の譜読みが進まない。へ音記号にいたってはもっと話にならない。
なので、「読んで弾く」ということを心がけはじめたらいきなりこの有様。
しかもそろそろト長調、ニ長調あたりが登場し始めたらものだから・・・・。

私だって気持ちはわからないでもないのだけれど、習慣になる前に弾いたり弾かなかったりがあると、あとあと大変困るので、シメましたよ、さっそく。

「シャープがイヤだ」いうのは、譜読みの面倒もあるのだろうけど、本人がなにより嫌がっているのは「鍵盤からすべって落ちる」ということ。
白鍵ばかり弾いてると大変ポジションが手前になっているもので、黒鍵にはいきなりよいしょ、と指を伸ばすことになるのだが、まだ手が小さいもので指がずるっと落ちてしまう。
これがイヤで仕方がない、という。ポジションを少し移動させてあとは慣れるまで練習するしかないと思うのだが、これがなかなか抵抗があるよう。


「この曲はまだ弾けてない」というのは、もちろん練習しないせいもあるのだけれど、「読んで弾く」とどうしても一小節単位になってしまって、小節と小節がなかなかつながらない。左手の場所が少し移動したりしようもんなら、そのたびに曲が途切れる。しかも練習不足だから、先生の前には部品のままを持ち込む感じになってしまい、どうもそれがイヤで弾きたくないようなのだ。
だからといって、弾かないのではお話にならない。

ただこのあたりの扱いは難しいかなあ・・・と思うのだ。
娘は割合指は動くので、次々音を教えればおそらく1週間で課題は仕上がると思う。形になれば一応ほめられると思えば、それに味をしめて楽譜もザザッと読むようになるかもしれない。
ただやはりそれではいけない、と思う。どうしたらいいという明確な考えは私にはないけれど、ここでは先生も私も慎重に進めなければならないと思う。


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今、わたしはちょっと必要があって、三善晃氏著の「ピアノ・メソード 第1巻」を眺めているのだが、入門の入門書にもかかわらず、大変興味深い内容だ。

1.ピアノのかたちを おぼえましょう
2.ゆびのなまえとばんごうをおぼえましょう
3.いすにすわるまえに、身体と呼吸の練習をしましょう
4.いすにすわって、すわる姿勢の練習をしましょう
5.鍵盤にさわってみましょう
6.指を鍵盤に落とす練習と、鍵盤から抜く練習をしましょう
7.指の角度と形
8.重心を移しながら指をかえる練習

で第1巻が終わる。
写真が大きく載っていて、かなりぜいたくにページが使われているし、ただの「ド」の連打でも、三善晃氏作曲の複雑な和音伴奏のおかげで色彩感のある「ド」が楽しめる。
この目次を見てもおわかりのように、脱力奏法を最初から視野にいれたメソードだと思うのだが、指の支えを作るために、まずは指4本(<レ・ミ・ファ・ソ>と<ミ・ファ・ソ・ラ>の交代)練習があり、徐々に3本、2本と減らしていく。

呼吸についても参考になる。

簡単にいうと、「息を吐きながら肩をあげ」「息を吐ききったら3つ数え」「肩をストンを落とすと同時に域をすっと吸う」

よく「息を吐きながら肩をおろす」という動作はやると思うのだが、その逆にもかかわらず、結構肩は楽になる。
私は曲の「入り」がうまくいかないことが多々あるのだけれど、その場合は呼吸がまったく逆になっていることもあるので、やっぱり呼吸は楽器演奏の基本なのだと思う。

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ある意味で、初心者が身近にいるということは、実は自分にとって大変ありがたいことなので、私もこの時間を大切にしたいと思っている。