『十勝港ターミナル』とは何ぞや?
北海道の太平洋側の中長距離フェリーは今は苫小牧と室蘭が拠点になっていますが、
かつては近海郵船による釧路ー東京間のフェリーも存在していました。
同社のHPによると就航は1972年7月、シップは「まりも」「ましう」、
後に「さろま」も加わりデイリー運行になったとのこと。
この航路は1997年4月から釧路発の上り便のみ、十勝港を経由することになりました。
釧路発の東京行きだけ、十勝港(広尾町)に寄港していました。
東京ー釧路ー十勝ー東京の三角運航となりましたが、その当時の時刻表は以下の通りです。
東京23:55-釧路:翌々日7:30、12:00ー十勝15:40、17:00-東京:翌日20:40(3日に2便運航)
この航路は釧路だけでは採算に合わず、十勝経由となったのですがそれでも採算は好転せず、
近海郵船は1999年11月に航路撤退となりました。
このわずか3年の間に利用されていたのが広尾町にある「十勝港ターミナル」です。
それが今でも残っています。
場所は十勝港の北側、当然ですがある埠頭の一角にあります。
詳しい場所は、今は使われていないのでここで表現することは難しい。
施設内はもちろん立ち入り禁止、その周辺も私有地となっていますので、
ご訪問する際には各所の許諾を得てくださいね。
今は道東と首都圏を結ぶ貨物航路は数多くあります。
それは物流のためなのですが、さて人の流れはいかに。
実は十勝港からフェリーに乗ったことがあります。郵船フェリーの最末期、就航船は「サブリナ/ブルーゼファー」でした。帯広を出て、広尾町の水族館&遊園地で遊んでから十勝港に行くと、いい感じで乗り込めるので重宝でした。ただ、狭い十勝港で、全長200m近い巨大船が、タグボートもなしに180度方向転換して入出港するので、乗っていて岸壁にぶつかるのではないかとひやひやするくらいでした。
#今でも生乳や農産物輸送の貨物船の出入りはあるようです。
待合室のほか、ちょっとした売店があるだけの簡素なターミナルでしたが、ちょっとあか抜けた感じでしたっけ。
釧路ー東京は今では考えられないルートですね。
貨物船は全国各地に向け月90便ほどあるようですが。
十勝港は石炭や飼料の陸揚げ港として海運の拠点となっています。
帯広広尾道はこの港のためにあるようなものです。
このフェリー、乗ってみたかったなぁ…。
https://www.hokkaido-np.co.jp/movies/detail/5293420062001
でも、サブリナは12000総トンクラスとはいえ、曲がりなりにも旅客船、曲がりなりにも日本郵船でした。レストランでステーキを頼むと、じゅうじゅう焼き立てのを、ウエイトレスさんがサーブしてくれるくらいの「格」のある船旅でした。本当に、今あればねえ。また乗るのに。
酪農地帯の十勝の玄関として輸入基地になっているのが十勝港です。
ここから遠くはオホーツクまで飼料を運んでいます。
地味ですが、やはり重要港湾なのですね。