こんなところに水田が?
そうなんです、こんな北にも水田があり、そこが日本最北の水田耕作地になっています。
遠別市街地から北上すること数分、国道と道道119号線が分岐する手前700mにこの看板があります。
実際の最北の水田はさすがに海岸沿いではなく、道道を内陸に進んだ場所になります。
作付けされているのは「はくちょうもち」をはじめとしたもち米です。
かつてはうるち米を栽培していましたが、1982年にもち米に転換しました。
名寄市風連ももち米の産地として有名ですが、もち米は冷涼な地でもすくすく育つらしい。
ここで水田経営が成り立つ理由はいくつかありますが、一番の要因は対馬海流が流れていること。
太平洋のはるか南に源流を持つ暖流は日本列島で南北に分かれます。
南に流れた海流は黒潮(日本暖流)となり太平洋に流れます。
北に分かれた海流は対馬海流となり日本海を北上し、宗谷海峡を回り込んでオホーツク海に達します。
最近はオホーツク沿岸でブリが獲れていますが、これは対馬海流によって運ばれてきたものです。
遠別町はこの対馬海流のおかげで穏やかな気候になり、水田が成り立っているのです。
作付面積は2014年に発行された町政要覧によるとナント450ヘクタール。
オロロンラインを走っているとわかりませんが、遠別町は天塩山地の北部に位置し、
内陸部は農業に適した耕作地が広がっている地域であるとわかります。
町には農業高校もあるくらいだからな。
そんな遠別町の一端がわかる、国道沿いの何気ない看板についてでした。
昔は遠別町より北、天塩町にも水田がありましたが酪農に転換しました。
寒冷地で稲作は大変だと思いますが、遠別は頑張っていますね。