厚労省の新医療制度の中間報告案が発表された。年令で区分せず75歳
以上の負担軽減を狙いとしている。公費と74歳以下の世代が肩代わりする調
整が進みそうである。13年度から新制度に移行するとしている。そこで現行制
度と新制度とを比較し75歳以上の医療サーブスが、どの様に変わるか比較し
よう。
●現行制度
○保険証・・・現役世代とは区分
○保険料・・・
1.個人単位で納付
2.被扶養者も含め全員が納付
3.伸び率は現役世代を上回る
○自己負担の月額上限・・・74歳以下の同居者とは別
○健康診断・・・広域連合の努力義務
■新制度
□保険証・・・年令で区分しない
□保険料・・・
1.世帯主が一括納付
2.会社員に扶養されていれば負担なし
3.伸び率は現役世代を上回らない
□自己負担の月額上限・・・同居者と一本化するので負担が減る所帯も
□健康診断・・・国保・健保組合の義務発表
※:高齢者医療制度・・・患者負担の導入が1983年。2008年度に現行制度
が導入された。年令で区分する現行制度に高齢者が猛反発し見直される
結果となった。去る衆院選で見直しを掲げた民主党が大勝した。医療給付
の約5割を国費で負担、約4割を現役が支援、1割が高齢者本人が負担す
るのが現行制度である。ところが現役世代と高齢者を年令で区別し納付を
個人単位で義務づけ年金から天引きする等々が批判を招いた。“後期高齢
者”の呼び方も高齢者の反感を買った。保険料の軽減措置で自公民は
批判を替わそうとしたが受け入れられなかった。75歳以上の人口は2013
年までに100万人増える。2022年には1950万人となる。現在より500
万人増加する。新制度が高齢者人口増に、どこまで対応できるか未知数で
ある。以下、次回に続く。