遠い記憶を辿りながら唱歌を聴く一時が至福の絶頂に達する。思い出せ
ば、あの日あの頃の幼馴染と共に歌った幼少の頃が懐かしく思い出される。テ
レビも無い片田舎の山々や川が友達だった。せせらぎの水音を聴き小鮒を追
っかける日々が、つい昨日の出来事の様に鮮やかに脳裏に浮かぶ。あゝ!あ
の頃は良かったなあ!と嘯きたくなるけど懐古趣味と断じられては立つ瀬がな
い。今は今風に処するしかない。・・・でも、日本の良き伝統や自然や風習・風
俗は後代に受け継がなければならない責務を感じる。単なる懐古趣味ではな
い。継承すべきものは頑として受け継ぐべきである。「朧月夜」にしても「故郷」
にしても日本の情緒がたっぷりと含蓄されている。“旅愁”や“故郷の廃家”は
外国からの輸入歌であるが人類共通の故郷を慕う心情は共通していて心の故
郷を実感させられる。・・・
○故郷・・・“うさぎ追いしかの山 小鮒釣りしかの川 夢は今も巡りて 忘れが
たき故郷・・・”
○朧月夜・・・“菜の花畑に 入り日薄れ 見渡す山の端 霞深し 春風そよ吹く
空を見れば 夕月かかりて 匂い淡し・・・”
○旅愁・・・“更けゆく秋の夜 旅の空の わびしき思いに ひとりなやむ 恋し
やふるさと 懐かし父母 夢路にたどるは 故郷の家路・・・”
○故郷の廃家・・・“幾年ふるさと 来てみれば 咲く花鳴く鳥 そよぐ風 門辺の小
川の ささやきも なれにし昔に 変わらねど あれたる我
が家に 住む人絶えてなく・・・”
・・・想い出の唱歌は多々あるが解説?は割愛する。以下に曲名だけ記して想
い出の曲の一端とする。
□早春賦 □茶摘み □牧場の朝
□ふじの山 □椰子の実 □浜辺の歌
□赤とんぼ □背くらべ □浜千鳥
□鐘の鳴る丘
□みかんの花咲く丘
□月の砂漠 □夕焼け小焼け
□里の秋 □芭蕉布
□今日の日はさようなら
□若者たち □故郷の空
□ローレライ
□オールド・ブラック・ジョー
□冬の星座 □ともしび □トロイカ
□山のロザリア
□オー・ソレ・ミオ
□帰れソレントへ
□アニー・ローリー
□流浪の民 □菩提樹 □アヴェ・マリア
□峠の我が家
□谷間の灯 □テネシー・ワルツ
□マイ・ウウェイ
□星の界 □星影冴やかに(一日の終わり)・・・