世界一健康長寿のニライの風来坊

豊饒を齎す理想郷は海の彼方の蓬莱島!ニライの島夢郷!!その桃源郷を求めて南の風来坊は今日も迷走する。

WTOに纏わる“ 新・旧ラウンド” の解釈を渉猟する!

2008年07月29日 | Weblog

{資料}1.<イ>「ウルグアイ・ラウンド」 世界貿易機関(WTO)

の前身、関税・貿易一般協定(ガット)で1986年から始まった多角的貿易交渉

(ラウンド)。93年12月にジュネーブで開催されたラウンドで、日本は農産物

の輸入自由化やコメ市場の部分開放に合意した。これを受け政府は、国内農

業の体質強化のために、95―2000年度の6年間(後に2002年度まで延

長)に総額<6兆百億円>という巨額の予算措置を講じる一大事業「ウルグア

イ・ラウンド農業合意関連対策」を実施した。この事業では、高齢化と後継者難

の農家の農地を大規模経営者などへ移す農地流動化事業のほか、農業農村

整備事業、農業構造改善事業などが行われたが、当初から「ばらまき」との批

判の声が上がっていた。

 ・・・・・・・・・・・・・・<ロ>「ウルグアイ・ラウンド」

(Uruguay Round、1986年―1995年)」は、世界貿易上の障壁をなくし、貿易の

自由化や多角的貿易を促進するために行なわれた通商交渉。ウルグアイ東方

共和国の保養地プンタ・デル・エステで1986年に開始宣言されたことからこの

名がついた。1944年のブレトン・ウッズ協定によって成立したGATT・IMF体制

の下行なわれた通商交渉としては、ケネディ・ラウンド、東京ラウンドと並び有

名である。この協議では、サービス貿易や知的所有権の扱い方、農産物の自

由化などについて交渉が行われた。中でも農業分野交渉が難航し、将来的に

全ての農産物を関税化に移行させること、最低輸入義務(ミニマムアクセス)を

決定するにとどまり、完全な自由化には至らなかった。この協議によってGATT

を改組して世界貿易機関を設立することが決定され、また貿易に関連する投

資措置に関する協定 (TRIM)、サービスの貿易に関する一般協定(GATS)、

知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)等が成立した。こ

れにより加盟国はパフォーマンス要求の一部を廃止することやサービス貿易の

一形態であるサービス産業の現地進出に対して規制緩和することなどの義務

を負うことになった。しかし、これらは先進国が想定する投資ルールのごく一部

をカバーするにとどまっており、包括的な投資ルールの策定に向けた交渉の開

始が期待されている。サービス分野や知的財産権も交渉対象となった。ウルグ

アイ・ラウンドの結果に落胆した発展途上国の反発により、当初、新多角的貿

易交渉(新ラウンド)立ち上げを計画した1999年11月のシアトル閣僚会議で

は、新ラウンドをスタートできなかった。

{資料}2.<イ>{新ウルグアイ・ラウンド}2001年に始まった世界貿易機関

(WTO)の新多角的貿易交渉。正式名称は開始を決めた閣僚会合の開催地

にちなみ、「ドーハ開発アジェンダ」。147か国・地域が参加し、前回のウルグ

アイ・ラウンド(1986―94年)より20以上増えた。

・・・・・・・・・<ロ>{新ウルグアイ・ラウンド} 新ラウンド(または新ラウンド交

渉)とは、2001年11月のWTO第4回閣僚会議(カタール・ドーハ)で立ち上げら

れた、多角的な貿易自由化のための新たな交渉のことです。WTO(世界貿易

機関)及びその前身であるGATT(関税と貿易に関する一般協定)では、過去8

度にわたり、その加盟国(GATT時代は締約国)に貿易自由化(伝統的には関

税の引下げ)や貿易関連のルールを作るための交渉を行う場を提供してきまし

た。1960年に開始された第5回交渉(ディロン・ラウンド)以降、このような多角

的貿易自由化交渉は「○○ラウンド」と呼ばれています。初期の交渉(第5回ま

で)では鉱工業品の関税引下げに重点が置かれていましたが、1964年から

1967年に実施された第6回交渉(ケネディ・ラウンド)以降は、交渉の重心が関

税引き下げ以外の貿易関連ルールの策定・整備に移ってきています。特に東

京ラウンド(1973~1979年)では、補助金・相殺措置協定、政府調達協定とい

った国内措置にまで踏み込んだ交渉が行われ、非関税措置に関する協定が

10本も締結されました。ウルグァイ・ラウンド(1986~1994年)では、これまで

GATTが対象としてきたモノの貿易に加え、サービス貿易、貿易関連投資措

置、知的所有権に関する新たな協定が締結されました。また、紛争解決手続も

大幅に整備され、貿易ルールの実効性担保の点でも大きな前進が見られまし

た。さらに、こうした多角的貿易体制の推進役としてWTOが設立されました。

             ――新ラウンドの交渉項目――  

ラウンドの交渉項目には、大きく分けて「市場アクセス分野」と「ルール分野」と

があります。市場アクセス分野の交渉とは、鉱工業品の関税引下げや非関税

措置の低減・撤廃を目的とした交渉です。ウルグァイ・ラウンドでは、これに加

えて農業・サービスが本格的に取り上げられました。一方、ルール分野の交渉

とは、アンチダンピング協定、貿易の技術的障害に関する協定(TBT協定)、補

助金及び相殺措置に関する協定等、貿易に関する様々なルールを策定・整備

することを目的としています。ウルグァイ・ラウンドではこれらの協定の改訂に

加え、新たに知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS)等に関す

る交渉が行われました。新ラウンドにおける交渉分野の候補としては、ウルグ

ァイ・ラウンドが終了した時点で既に交渉開始が合意されていた事項(合意済

み交渉課題:ビルトイン・アジェンダ)である農業・サービス分野のほか、関税引

下げ交渉、更には「新たな課題」として投資、競争、環境、アンチダンピング等

が挙げられます。

               ―― 我が国の立場 ――

我が国は新ラウンドの交渉項目について、十分に広範な交渉項目を備えたも

のとすべきであると考えています。これは、新ラウンドにおいて様々な交渉項目

を包括的に盛り込むことで、多様な国内事情・課題・交渉目標を抱えている交

渉参加国がそれぞれ利益を受けることができるようにする、との考えに基づい

ています。具体的には、前回のウルグァイ・ラウンド終了時から交渉を行うこと

が決まっていた農業・サービス(いわゆる「ビルトイン・アジェンダ」)や鉱工業品

関税交渉等の貿易自由化に加え、アンチダンピング協定の規律強化、国際投

資ルールの策定等、WTOルール強化のための交渉項目を含むことが必要で

ある、とする立場をとっています。

※引用した<資料>を手がかりに、今回のWTO交渉の成り行きを見守りた

い。年末までの決着が、どうなるのか、特に日本農業の将来に、どう影響を及

ぼすのか無関心ではいられない。最終的には、WTOの目的完遂の為に日本も

寄与すべきだとの論調もある。これを契機に日本農業の抜本的体質改善を行

い世界の農業大国とも互角に渡り合える様に体力をつけるべきだ!・・・との意

見もある。さて、農業現場の方は、どう考えているのか、切磋琢磨して、この困

難な道を切り拓いていきたい。・・・

● 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』、その他より引用